ITコンサルタントの転職難易度は?|未経験からでも転職ができるのかを解説|
近年、企業のデジタル化が加速する中で、ITコンサルタントの需要が急速に高まっています。経済産業省の調査によると、2030年にはIT人材が最大79万人不足すると予測されており、特にITコンサルタントのような高度な専門性を持つ人材の不足は深刻な状況です。
このような背景から、ITコンサルタントへの転職は魅力的な選択肢となっています。本記事では、ITコンサルタントという職業について詳しく解説し、転職を考える読者に有益な情報を提供します。業界の最新動向や実際の転職事例を交えながら、ITコンサルタントへのキャリアチェンジを検討する際の判断材料を提示していきます。

Contents
そもそもITコンサルタントとは
ITコンサルタントの主な業務
ITコンサルタントは、クライアントのIT関連の課題に対して提案・支援を行う専門家で、主な業務内容は以下の通りです。
- IT戦略やグランドデザインの策定
- データアナリティクスや売上予測の実施
- 大規模システム導入前の検証(PoC)の実施
- ビジネスの最上流工程における課題解決
ITコンサルタントは、システム開発の前段階である超上流工程に関わることが多いです。
また、クライアントの課題を特定し、ITを活用した解決策を提案することが中心的な役割です。
ITコンサルタントの年収・将来性・魅力
年収の実態
経済産業省によるとITコンサルタントの平均年収は約928.5万円(※1)とされています。
年収は職位や経験によって大きく変わりますが、職位と年収レンジの関係はは以下の表の通りであると推察できます。
職位 | 年収範囲 |
---|---|
メンバークラス | 約450万円~600万円 |
シニアコンサルタント | 約600万円~800万円 |
マネージャークラス | 約1000万円~1200万円 |
パートナークラス | 約1500万円以上 |
日本の給与所得者の1人当たりの平均給与は461万円(※2)であることから、
ITコンサルタントの年収は一般的な水準と比較して高い傾向にあります。その背景には、高度な専門性と難易度の高さ、業界における高い需要が考えられます。
(※1)経済産業省「IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別」 より参照
(※2)国税庁「1 平均給与」より参照
将来性
ITコンサルタントは将来性のある職種と言えます。
理由として、デジタル案件の増加による安定した需要、幅広い適用範囲、技術の進化などが挙げられます。
今後も企業のデジタル化は進展し、ITコンサルタントの需要は継続的に高まると予想できます。
近年では大手コンサルティングファームのみならず、
コンサルタントが独立した形で創業間もないコンサルティングファームで、事業が成長段階にあるベンチャーファーム・ベンチャーコンサルという企業が出てきているのも需要の高さゆえの状況であると感じています。
仕事の魅力・やりがい
- 高い年収水準
- 若手でも部長クラスの方と仕事ができる
- 新しい知識をインプットできる
- 顧客の課題解決ができること
キャリアの可能性
ITコンサルタントとしての経験は、事業会社のDX企画室やCTO直下でのポジションへの転身するチャンスを生み出します。短期間で複数の大規模プロジェクトを経験できることも魅力の一つであると考えます。
ITコンサルタントの転職難易度
学歴や職歴は必要か、未経験でもなれるのか

ITコンサルタントへの未経験からの転職は、厳しい状況にあります。
特に大企業と呼ばれる規模のコンサルティングファームに未経験から転職するのはかなり厳しいです。
その理由として近年、大手コンサルティングファームが未経験の採用をブレーキしたことが影響しています。以下、その背景について記述します。
約2年前からコンサルタントの需要が増加して、コンサルティング業界未経験者の採用バブルが訪れました。
そのバブルによりコンサルタントの人数が増え、コンサルタントをマネジメントしていく立場で、ある程度の経験を踏んでいるマネージャーの不足が起こり、案件を安定して確保できなくなったため、未経験者の採用をストップ&経験者の採用に注力するようになったという背景があります。
また、近年のコンサルティング業界は新卒からの人気も高く、未経験の「メンバークラス」の採用は新卒採用で事足りるようになってきました。中途採用においては即戦力のスキルか否かで評価されるという観点からも、未経験から大手コンサルティングファームへの転職は難しいと言えるでしょう。
一方でベンチャーファームに関しては、学歴や職歴よりもビジネス経験であったり、コンサルタントとして成長していきたい・社会課題解決に携わっていきたいというマインド面を重視されることもあるため、未経験からITコンサルタントに挑戦できる可能性があります。
未経験から転職成功するためのアプローチ
先ほど述べたように未経験から大手コンサルティングファームへ転職をするためには、以下のステップを踏む必要があります。
- 営業職でコミュニケーションスキルを養い、顧客折衝経験を積む・SE職でシステム開発経験を積む
- ベンチャーファームへの転職を目指す
- ベンチャーファームで経験を積んだ後、大手コンサルティングファームへの転職を検討する
未経験からベンチャーファームへ転職するために、
例えば、ベンチャーファームの株式会社ノースサンドでは、
社会人経験2年以上、論理的なコミュニケーションスキルと思考力、基本的なPC操作などの必須の要件の他に、マネジメント経験や対人業務経験が歓迎要件として挙げられています。
コンサルタントとしての実践的なスキルは入社後に身に付けられると記載があるため、IT未経験の方でも株式会社ノースサンドに転職を目指すことは可能です。
しかし、ベンチャーファームの中でもIT技術職の経験が必須な企業もあるので、IT未経験でコンサルティングファームへ挑戦したい方は、選考を受ける企業を見定める必要があります。
転職活動を一人でやることは時間がなかったり、負担が大きかったりするため、専門的な転職エージェントを利用することで、より効果的・効率的な転職活動が可能となるでしょう。
未経験からのコンサルティングファームへの挑戦と入社後のキャリアパスについて
転職には準備が必要
とはいえ、ベンチャーファームに入社することは簡単ではありません。
大手コンサルティングファームが未経験者の採用ストップしたことで、未経験でコンサルへ挑戦したい求職者がベンチャーファームへ流れていっている現状があるからです。
徹底的に選考対策を行い、準備をした上で選考に臨むことが必要です。
アサインは選考対策が充実
数あるエージェント会社の中でもアサインエージェントは、徹底的に選考対策を行います。
具体的には職務経歴書や履歴書の添削、面接対策を約3~5回、求職者様の状況や希望に合わせて実施しています。
なおコンサルティングファームへの内定実績が多数存在し、豊富なデータとナレッジも有しているため、非常に選考通過率が高いことも魅力の一つであると感じています。
未経験からのコンサル転職を目指している方、コンサルティングファーム間の転職を目指している方はアサインエージェントに相談してみてください。
具体的なベンチャーファーム
株式会社Dirbato
株式会社Dirbatoは、コンサルティング事業を主軸とし、IT戦略策定やシステム導入支援、業務改革の推進を手掛けています。特にデジタルトランスフォーメーション(DX)の分野において、企業の競争力を高めるためのソリューション提供を行っていることも特徴です。
同社の強みは、若手からベテランまで多様な経験を持つコンサルタントによる柔軟かつ迅速な対応力と、クライアントの課題に深く寄り添う顧客中心主義にあります。先端技術の知見を活用した革新的な提案で、企業の成長を支援する点が評価されています。
プロジェクト事例
DX推進のための全社統一営業管理ツール導入及びオペレーション構築支援
SaaSを利用したBPRを実現し、シナジーの創出に寄与した実績を残しています。
株式会社Sherpa consulting Parties
株式会社Sherpa Consulting Partiesは、経営コンサルティングを中心に、企業の成長戦略立案や業務効率化、組織改革を支援するサービスを提供しています。特に新興市場やベンチャー企業を対象とした支援に強みを持ち、柔軟かつ実行力のあるソリューションを展開している特徴があります。
同社の強みは、クライアントの状況に応じたオーダーメイド型のコンサルティングと、豊富な実務経験を持つプロフェッショナルによる高い提案力です。徹底した現場主義に基づき、実践的かつ成果を重視したアプローチで信頼関係を築いています。
案件事例
業務効率化箇所の洗い出しおよび効率化実行
→大幅なコスト低減の必要があるクライアントに対し、プロジェクト計画の策定、実際の業務に入り込んでの課題設定、効率化方法検討/実行まで一気通貫で支援。
リーダークラスの育成
→OJT担当としてリーダー候補として張り付き、レクチャーやメンタリングを通して座学で学んだことを定着。リーダーに就任させた実績を持っています。
株式会社ノースサンド
株式会社ノースサンドは、東京を拠点とするコンサルティングファームで、業務改革やIT戦略、DX(デジタルトランスフォーメーション)支援を中心としたサービスを提供しています。クライアントの課題解決に特化した「カスタマイズ型コンサルティング」を強みとして、企業の成長をサポートしています。
同社の強みは、少数精鋭のチームで顧客に密着した柔軟な対応力と、幅広い業界における実績を持つコンサルタント陣の専門性にあります。成果重視のアプローチを採用し、クライアントの具体的な目標達成を支援する点で高い評価を得ています。
案件事例
沢井製薬株式会社の医療機器事業における、システム構築の旗振り役。
部門でキャリア採用が難航していたことから、株式会社ノースサンドに協力依頼。
業務改革型のDXのみならず、新規事業創造型のDX支援にも取り組んでいます。
株式会社デジタルブラスト
株式会社デジタルブラストは、東京を拠点にデジタルマーケティングおよびWeb制作、システム開発を中心に事業を展開しています。特に、ECサイトの構築や運用、SNSマーケティング支援に強みを持ち、クライアントのビジネス成長をサポートしているのが特徴です。
同社の強みは、最新のデジタル技術を駆使した高品質なサービスと、柔軟なカスタマイズ対応力にあります。また、プロジェクトの迅速な進行と、結果を重視したアプローチでクライアントから高い信頼を得ています。
案件事例
DX・戦略コンサルティング人材による新規事業の構想力・実行力
- 関連会社のDigitalBlastConsultingが宇宙・地上のデータ利活用を起点としたDX・戦略コンサルティング事業を展開
- 新規事業の企画・立案や実行、アライアンス形成等の経験豊富なコンサルタントが事業推進を支援
ITコンサルタントになるには
ITコンサルタントに向いている人の特徴
ITコンサルタントに向いている方は以下のような特徴があります。
- 顧客折衝が好きで、困っている方の課題解決に取り組んでいきたい人
- ITに関する知見・スキルを持ち合わせており、好奇心旺盛な人
顧客のためになりたい、ITを用いて顧客の課題をクリアにしていき、解決に持っていきたい人が向いていると考えています。
また、ITに関する知識を持っている人の方が実際にクライアントに提案できる幅が増えるため、業界で活躍していく印象があります。また、コンサルタント自身がプロジェクトに参入していく場合もあるため、ITに関するスキルを持ち合わせていることは転職に有利に働くでしょう。
転職に有利な経験・スキル
ITコンサルティングファームへの転職を目指す上で、以下の経験やスキルが有利となります。
- コミュニケーションスキル
- 基本的なPCスキル
- システムに関する経験
- 顧客折衝の経験
- プロジェクトマネジメント経験
コンサルタントはクライアントと折衝していく中で、実際に課題解決に導いていくため、コミュニケーション能力が高く、顧客折衝の経験をされている人の方が需要が高いことが予想されています。
転職に有利な資格
ITコンサルタントが保有していて有利な資格は以下の通りです。
- PMP
- プロジェクトマネージャ試験
- 基本情報技術者
- ITストラテジスト
コンサルタント全般において、職位が上がっていくと、自分の部下をマネジメントしていく立場になるため、PMPという資格は持っておくと良いと考えられます。
PMPの資格を取得することで、高い技術力やプロジェクトマネジメントの専門性を証明できます。
https://www.pmi-japan.org/pmp_license/pmp/
関わるソリューションによって異なるが、システムエンジニア(SE)が持っていて有利な資格は、ITコンサルタントにおいてもメリットとなることが大きいように感じられます。
しかし、これらを持っていないからといって転職活動において不利になるわけではありません。
以下の記事も参考にしてみてください。
ITコンサルタントになるには?必要な資格やスキルを習得し、理想のキャリアを叶える。
ITコンサルタントでのキャリアパス
キャリアパスの2つの方向性
ITコンサルタントのキャリアパスは、主に以下の2つの方向性があります。
- コンサルティングファーム間の移動
- 事業会社の企画職への転身
1つ目は、より多くの職位や年収などの条件面とマッチさせながら、コンサルティングファーム内で転職をする人が存在します。2つ目は、ITコンサルタントのカウンターパートである事業会社の企画職に入っていくキャリアパスです。企画部の悩みを解決していくための全般的な知識をファームでは身に着けられるため、企画職へ転身する人もいます。
転職事例
具体的な転職事例
実際に弊社で支援した方の事例を紹介します。
いずれの記事もコンサルティングファームへ転職された方の事例です。
こちらを読んで、転職に関する解像度を上げられれば幸いです。
転職事例1
将来起業することを視野に、大手化粧品会社の研究職からコンサルティングファームへ転身した方の転職事例です。
第二新卒を過ぎてからの転職で、即戦力として営業スキルやプロジェクトマネジメントの経験を募集要項に記載されていることが多く、転職活動が上手くいくのか不安を覚えていたようです。
そのような中で、弊社エージェントと出会い、転職に関する情報収集・選考を受ける企業の選定・選考対策を徹底的に行いました。
当初はBIG4等の大手コンサルティングファームを志望企業にしていたが、起業という夢の実現に向けて、経営層がより身近に感じられることに加えて、コンサルティング事業と併せて組織づくりへの貢献を歓迎されるベンチャーファームに自身の求める環境があるのではないかということが分かり、志望対象企業を見直し、結果としてベンチャーファームへの転職を決意されました。
転職事例2
こちらはNTTデータから、ベイカレント・コンサルティングに転職をされた方の転職事例です。
NTTデータでは金融の大規模システム開発に従事していたが、それが一段落してそれまでを振り返ったとき、このままで良いのかと漠然と不安を感じていられました。
システムを作ることが目的となり、そのシステムが本当に必要なのか疑問に思ったり、実装したシステムが使われなかったりしたことに不安を覚え、そもそもの顧客課題を特定し、それに沿った解決策を提供していきたいと思うようになり転職を決意。
そこから弊社のエージェントと出会い、キャリアの棚卸・仕事観や価値観の整理をした結果、複数内定をもらった中でベイカレント・コンサルティングに転職することを決意されました。
転職事例3
新卒後、起業に挑戦するも挫折。再就職しシステム開発PMとして勤めたのちにコンサル業界へ転身された方の事例です。
前職では鉄道関連のSI案件でシステム開発PMとしての業務に従事していましたが、小規模な組織ゆえ、関与できる業務の幅は広い一方で、30代や40代の社員が少なく、ロールモデルが不在の状況に。自身のキャリアの方向性に漠然と不安を抱えて、スキルアップできる環境を求めて転職を視野に入れ始めました。
様々な分野に興味を持てるため、コンサルティングを通じて自分のできることややりたいことを増やし、自分の世界が広がっていく感覚を味わっていきたいそうです。
詳しくは以下の記事よりご確認ください。
システム開発PMからコンサルへ。自分の世界を広げる挑戦から描くキャリアビジョンとは
転職は「ASSIGN AGENT」

中盤でも述べた通り、
ITコンサルティングファーム・ベンチャーファームへの転職を目指すなら、アサインエージェントの利用をおすすめします。
創業メンバーたちがコンサルティングファーム出身であること、これまでの求職者様の支援実績から企業情報や選考に関するナレッジがたまっています。過去のデータをもとに、選考対策を実施していくため選考の通過率が高いのが弊社の強みです。
弊社の支援は具体的に以下のような支援を実施しています。
初回は電話で30分程度、転職の意向や今後のキャリアについてディスカッションをし、過去の経験などを伺いながら、価値観を探っていきます。
その後、実際に受ける企業の選定・約3〜5回の選考対策を行っていきます。
転職するしないに関わらず、今後どういったキャリアを進んでいくのかをともに考えることができることが弊社の支援の特徴です。
転職をするか迷っている、自分がどういうキャリアを歩んでいきたいのかをともに考えたい方は、下のボタンから弊社エージェントに相談してみてください。
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まとめ
ITコンサルタントは、企業のデジタル化やIT戦略の推進において重要な役割を果たす職種です。高度な専門性と需要の高さから、年収は比較的高水準に設定されており、将来性も高いと予想されています。
転職を考える際は、システム開発の上流工程経験や顧客折衝スキルが重視されます。未経験からの転職は難しい面もありますが、営業でクライアントと折衝した経験やシステムエンジニアとしての経験を活かせば可能性は十分にあります。
ITコンサルタントを目指す方は、自身のスキルや経験を棚卸しし、必要に応じて資格取得なども検討するとよいです。転職エージェントを活用し、適切なキャリアプランを立てることで、より効果的な転職活動が可能となるでしょう。
転職エージェントの活用を検討されている方におすすめ記事一覧
ASSIGN
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