ITコンサルタントになるには?資格やスキルを習得し、理想のキャリアを叶える。

ITコンサルタントへの転職は、多くのエンジニアにとって魅力的なキャリアパスの1つです。近年、企業のDX化が加速する中で、ITコンサルタントの需要は着実に増加しています。しかし、この職種に転職するためには、単なる技術力だけでなく、ビジネス視点や顧客とのコミュニケーション能力も求められます。
本記事では、ITコンサルタントへとキャリアチェンジする際に必要な経験やスキル、業務内容、将来性について詳しく解説していきます。
本記事最後の部分では、転職を成功させるためのポイントや、実際の転職事例、エージェントの活用方法についても触れていきます。
Contents
ITコンサルタントになるためには
ここではITコンサルタントへの転職で有利になる経験・スキル・資格について解説していきます。
ITコンサルタントになるためには、特定のスキルセットと経験が求められます。以下に、主要な要件を詳しく解説しています。
業務システム開発経験
ITコンサルタントとして活躍するためには、実務的な開発経験が不可欠です。具体的には以下のような経験が求められます。
- 約3年間のアプリケーション開発経験
- フロント側からバックエンド側までの幅広い知識
- 業務システム開発の経験
- Java、C#などの業務システムでよく使用される言語の経験
これらの経験を通じて、システム開発の全体像を把握し、クライアントに適切なアドバイスを提供できる基盤を築くことができます。
上流工程の経験
開発経験に加えて、上流工程での経験も重要です。
要件定義フェーズでの顧客折衝、基本設計書の作成、ドキュメント作成、議事録作成などの経験が評価されます。
これらの経験は、コンサルタントとしての業務により近い内容であり、顧客とのコミュニケーション能力や文書作成能力を示す指標となります。
求められる資質
ITコンサルタントに向いている人材には、以下のような特徴がある。
- システムが好きであり、それらの知見を活かしたソリューション提案能力
- 顧客接触が好きであること、コミュニケーション能力が高い
- 論理的思考力やプレゼン力など
これらの資質は、技術的なスキルと同様に重要であり、コンサルタントとしての成功に大きく寄与します。
学歴は必要?
学歴や職歴が重視されることはないですが、即戦力として期待されるため経験で評価されます。
ITコンサルタントへの転職で有利となる資格
基本情報技術者
基本情報技術者はITエンジニアの登竜門と言われ、IT系分野全般における基本レベルの技能を測定する資格です。
情報技術を活用した戦略立案に必要なスキルや、システムの設計・開発・運用に関する知識が求められます。
ITパスポートと似た資格と言われていますが、基本情報技術者は内容の専門性が高く、プログラミングなどの項目が詳細に出題されるのが特徴です。
試験内容は、実践的な能力が問われるので、実際の業務にも活かしやすいと言えます。
難易度 | 中 |
合格率 | 約25% |
受験料 | 7,500円 |
試験日 | 年2回 |
参考:基本情報技術者試験
プロジェクトマネージャ試験(P2M)
プロジェクトマネージャ試験は、ITプロジェクトの責任者であるプロジェクトマネージャが知っておきたい知識を証明できる資格です。
プロジェクトマネジメントの業務と役割を円滑に遂行するために求められる、以下の内容を学べます。
- プロジェクト計画の作成
- プロジェクト目標の設定方法
- チームメンバーや資源確保
- プロジェクトの計画・実績の分析や評価の方法
ITコンサルタントとしてクライアントのプロジェクト達成・業務改善を支援したい人に向いている資格です。
難易度 | 高 |
合格率 | 約15% |
受験料 | 7,500円 |
試験日 | 年1回 |
ITストラテジスト
ITストラテジストとは、IT活用によって経営戦略を高度化・最適化していくための知識を証明できる資格です。
ITを活用した事業革新や業務改革のやり方、競合と差別化した製品・サービスの創案に必要な知識を学べるので、ITコンサルタントには適しています。
なお、数ある試験のなかでもトップクラスの難易度とされているので、取得すれば転職で優位になると言えます。
難易度 | 高 |
合格率 | 約14% |
受験料 | 7,500円 |
試験日 | 年1回 |
また、PMPといったプロジェクトマネジメントの経験を示す資格を持っておくことで、案件が取りやすくなったり、Javaやプログラミング言語などの資格を持っておくことで、より上流のプロジェクトにアサインメントされたり、年収が上がったりすることがあります。
面接では自分自身の経験やスキルと保有している資格をアピールできると最高です。
ITコンサルタントの業務内容
ITコンサルタントは、企業の経営課題や事業推進における問題を、IT技術を活用して解決することが主な業務です。
以下、詳細に説明します。
- 経営戦略とITの融合
ITコンサルタントは、企業の中長期経営計画を踏まえ、ITグランドデザインを作成します。
これは、企業全体のIT戦略を描くことを意味します。
組織、部署、サービスなど、企業の様々な要素をITシステムの観点から包括的に分析し、最適化戦略を立案します。
- システム導入支援
ERPシステムの導入や、スクラッチでの基幹システム開発など、大規模なIT投資に関する支援を行います。
システム化構想の策定、SIerとの折衝、ベンダー選定、要件定義など、プロジェクトの上流工程から関与することが多いのが特徴です。
- プロジェクトマネジメント
システム開発プロジェクトにおいて、PMO(Project Management Office)として第三者的な立場から支援を行います。プロジェクトが円滑に進むよう、進捗管理やリスク管理、ステークホルダー間の調整などを担当します。
ITコンサルティングファームの現状
ITコンサルタントの年収
ITコンサルタントの年収は、職位や経験、会社の規模感によって大きく変動します。
例えば、システムエンジニア3年目の方がITコンサルタントに転職した場合、
最初に就任するポジションは”コンサルタント”であり、以下の年収レンジであることが予想されます。
そこから職位を上げることができれば、年収アップも期待できます。
職位 | 年収レンジ |
---|---|
コンサルタント | 約500万円~600万円 |
シニアコンサルタント | 約600万円~1000万円 |
マネージャークラス | 約1000万円~1500万円 |
シニアマネージャークラス | 約1500万円~ |
日本人の平均給与所得は461万円(※1)であるため、ITコンサルタントの年収は一般的な水準と比較して高い傾向にあります。
その背景には、高度な専門性と難易度の高さ、そして業界における高い需要があると考えられています。
(※1)国税庁「1 平均給与」より引用。
将来性
ITコンサルタントという職種は今後も需要として伸びていくことが予想されます。
しかし、今後は採用が鈍化していくことも同時に予想されています。
ですが、ITコンサルタントの需要自体が大きく減っていくことはありません。
将来的には、事業会社の経営企画職への転身や、独立してフリーランスコンサルタントとして活動するなど、多様なキャリアパスが開かれているのもITコンサルタントの特徴であり魅力の1つです。ITコンサルタントの需要は今後も堅調に推移すると予想され、長期的な視点では需要の減少は見込まれません。
ITコンサルティングファームの代表企業例
野村総合研究所

野村総合研究所はシステム開発や運用、データ分析サービスを提供しています。
特に金融業界向けのシステムが強みを持っています。クラウドサービスやデジタル技術を活用し、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援しています。
金融業界をはじめとする産業知識が豊富で、企業の課題に応じた最適な提案が可能であること、高度なIT技術力に強みを持っています。
例えば、野村総合研究所では以下のような案件事例があります。
案件事例
https://www.nri.com/jp/knowledge/publication/fis/kinyu_itf/lst/2022/02/09
auじぶん銀行:勘定系システム、フロントシステムを同時更改
案件事例
https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2021/cc/1124_1
東海東京証券:店頭取引プラットフォーム「Allain」を提供開始
シグマクシス

シグマクシスは、企業の経営課題を解決するコンサルティングサービスを提供し、戦略策定から実行支援まで一貫してサポートしています。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)や新規事業開発、業務プロセス改善など、多岐にわたる分野でサービスを展開しています。
同社の強みは、コンサルタントと実務家が連携する「ハイブリッド型アプローチ」により、実行力の高いソリューションを提供する点にあります。国内外の幅広いネットワークと最新のデジタル技術を活用した独自のフレームワークで、クライアント企業の競争力向上を実現できます。
例えば、シグマクシスでは以下のような案件事例があります。
案件事例
https://www.sigmaxyz.com/sx/ja/business/case/case18.html
伊藤忠商事:「生成AI研究ラボ」生成AIサービス導入
案件事例
https://www.sigmaxyz.com/sx/ja/business/case/case16.html
商船三井ロジスティックス株式会社
業務・システムの標準化および高度化の取り組みにおけるプロジェクト・マネジメント・オフィス
シンプレクスホールディングス

シンプレクスホールディングスは、金融機関向けに先端技術を活用したシステムソリューションを提供し、トレーディングやリスク管理、業務効率化などを支援しています。また、AIやクラウド技術を活用し、企業のデジタルトランスフォーメーションを推進するサービスも展開しているのが特徴です。
同社の強みは、金融分野での深い専門知識と最新技術を組み合わせた高付加価値なサービスを提供できる点です。
また、自社で培った技術力を基盤に、金融業界のニーズに応じた迅速かつ柔軟なソリューション開発能力を持っているのも強みの一つです。
シンプレクスホールディングスでは以下のような案件があります。
案件事例
https://www.simplex.inc/casestudy/373/
DMM Bitcoin:暗号資産取引システムを構築
案件事例
https://www.simplex.inc/casestudy/376/
SBI生命保険:団体信用保険向け業務システムを導入
クニエ

クニエは、企業の経営課題を解決するためのコンサルティングサービスを提供し、戦略立案から実行支援までを一貫して行います。特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)やグローバル展開支援、業務プロセス改革に注力しています。
同社の強みは、NTTデータグループの一員として最新のIT技術やリソースを活用し、実現可能性の高いソリューションを提供できる点です。また、国内外の多様な業界経験を持つ専門家が揃っており、グローバルな視点でのコンサルティングが可能です。
案件事例
https://www.qunie.com/wp-content/uploads/2019/04/circulation_theme_02.pdf
倉庫キャパシティー予測・能力最適化
案件事例
https://www.qunie.com/wp-content/uploads/2019/01/consumer_theme_01.pdf
企業統合における業務プロセス・IT標準化支援
アビームコンサルティング

アビームコンサルティングは、経営戦略や業務プロセスの改善、IT導入支援を中心としたコンサルティングサービスを提供しています。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や、特定業界に特化したソリューションの提供にも注力しています。
同社の強みは、日本発の総合コンサルティング会社として、地元企業の特性を深く理解した提案力を持つ点が強みです。また、アジアを中心とするグローバルネットワークと豊富な実績を活かし、現地ニーズに対応した高品質なサービスを展開しています。
アビームコンサルティングは以下のような案件を持っています。
案件事例
https://www.abeam.com/jp/ja/case_study/cs145/
住友商事株式会社
グローバルのITコスト可視化と効果評価の高度化に挑戦
案件事例
https://www.abeam.com/jp/ja/case_study/scs037/
住商メタルワン鋼管株式会社
企業統合後の「融合」と「実行」にこだわった中期事業計画策定
ITコンサルタントになったら実現できるキャリア
ITコンサルタントのキャリアパスには3つの方向性があります。
- コンサルティングファーム間の転職
- カウンターパートである事業会社に転職
- 独立してフリーとして活動
例えば、職位や年収などの条件面を考慮して、自分が希望する条件と合わせながらコンサルティングファーム間で転職をしていくケースです。
他方では、コンサルティングファームは支援会社のため、自分が支援していた事業を最後まで見届けたいという思いから、事業会社の事業企画等に転身するケースも存在します。
さらには、少数ではあるがコンサルティングファーム出身の知見を生かして、独立してコンサル業務をやったり、フリーランスとして活動したりするケースもあります。
※ただし、スキル不足で独立すると、案件を得られる幅が狭くなることやスキルの成長が見込めないなどで案件が取れないことがありうるため、マーケットバリューを高めてから独立することがベストでしょう。
ITコンサルタント:転職事例
転職事例1
新卒でDX支援を行う企業に入社後、株式会社DigitalBlastに転職された橋本様。
前職のDX支援企業では、Salesforceを扱う業務に携わり、わずか8ヵ月でPL(プロジェクトリーダー)にまで昇進するほどの成果を上げていたそうです。ただ、クライアントにとって本質的な課題解決につながっているのか疑問に思う場面が増え、転職を決意。
担当エージェントより漠然と抱いていた将来像に対して現実的なアドバイスをお伝えしたことを機に、二人三脚で転職活動を開始しました。
その結果、2社から内定を獲得し、本当にやりたい業務だと感じたDigitalBlastに入社を決めました。
入社後は、商業施設のお客様のポイント制度を見直すプロジェクトに携わる予定だそうです。今後は、お客様から信頼を得られるような経験やスキルをいち早く身につけたいと話されていました。
転職事例2
ITソリューション企業からコンサルティングファームへ転職した堀内様。
前職のITソリューション企業では、テストの設計やマネジメントを担当し、時には改善提案まで一気通貫に行っていた。踏み込んだ提案ができる点にやりがいを感じていたが、「さらに顧客のためになる提案がしたい」と思うようになり、転職を決意。
ASSIGN AGENTからのアドバイスを参考にされ、自身の希望・適性に合った現職のDX戦略を担うコンサルティングファームへ転職。現職のコンサルティングファームでは、PMO(Project Management Office)として構想策定からDX戦略に携わっている。今後は、プロジェクトをゼロからスタートする経験を積みたいと話していました。
転職成功のポイント

選考対策
コンサルへの転職は「面接」が重要となってくるため、面接の対策が必要となりますが、
- コンサル業界への理解が浅い
- コンサルで描けるキャリアの解像度が薄い
この2つの状態で面接に臨んでも通過できる可能性は低いです。
これらの対策をしっかり行うために、ITコンサルへ転職を考えている方はエージェントに相談し、選考対策を徹底的に行うことが内定獲得のカギとなるでしょう。
エージェントの活用
アサインを利用するメリットは以下の支援を受けられることにあります。
- 価値観を重視した応募先の選定
- 選考対策の充実さ
- 会社内定後のサポート
初回の面談で大量の求人をお渡しする、経歴や経験のマッチングではなく、
まずは応募先の選定という観点でその方の将来進んでいきたいキャリアから逆算したキャリア戦略を描きます。
応募先選定後は選考対策が充実しており、3-5回の選考対策の実施します。
面接通過事例や内定事例から豊富なデータを保持しており、それをもとに対策するため、選考通過率が高いことが魅力の1つです。また、求職者様に合ったオーダーメイドの選考対策を設計しています。
会社内定後も弊社のサービスは続き、
実際の転職先で「どういう目標を掲げて、何を意識して動いていけばいいのか」を共に検討する形でサポートさせていただきます。
ITコンサルタントへの転職を考える際、専門的なエージェントを活用することで、より効果的かつ効率的に転職活動を進めることができるでしょう。エージェントは業界知識の提供、キャリアプランニング、求人情報の紹介、面接対策などの支援を提供しています。
エージェント選びの際は、コンサルティング業界への専門性、支援実績、ネットワークの広さなどを考慮することが重要です。また、エージェントを最大限に活用するためには、明確な目標設定、積極的なコミュニケーション、フィードバックの活用が重要です。
結論
ITコンサルタントへの転職は、SEとしての経験を活かしつつ、より上流工程や顧客接点の多い業務にチャレンジしたい方にとって魅力的な選択肢であります。3年程度の開発経験を積んだ後、顧客折衝やドキュメント作成のスキルを磨くことで、転職の可能性が高まります。需要の増加が見込まれるITコンサルタントは、将来的に事業会社でのDX推進など、幅広いキャリアパスが期待できます。技術だけでなく、課題解決や顧客との対話に興味がある方には、積極的にチャレンジする価値のある職種といえるでしょう。転職を考える際は、専門エージェントを活用し、自身のキャリアプランに合った支援を受けることをお勧めします。
ASSIGN
アサインはビズリーチの最高ランク受賞等、確かな実績を持つエージェントと、若手ハイエンド向け転職サイト『ASSIGN』であなたのキャリアを支援しています。 コンサルティング業界専門のキャリア支援から始まり、現在ではハイエンド層の営業職・企画職・管理職など幅広い支援を行っています。 ご経験と価値観をお伺いし、目指す姿から逆算したキャリア戦略をご提案し、ご納得いただいた上で案件をご紹介するのが、弊社のキャリア支援の特徴です。