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SaaS営業へ転職するには。仕事内容や年収、必要なスキルを解説

近年著しい成長を遂げていることで注目されているSaaS業界は、転職市場で人気の業種の一つです。

なかでも営業職は、SaaS業界のなかで欠かせない存在であり、会社全体の売り上げを左右する責任ある役割を果たします。

SaaS営業への転職を検討するなかで、以下のような不安や疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。

「SaaS営業に興味はあるものの、そもそもSaaS業界についてよく知らない」

「SaaS業界の経験がなくても、転職できるのだろうか」

そこで本記事では、SaaS営業の概要や仕事内容を説明した後、求人動向や転職に必要なスキルを解説します。

SaaS営業への転職を検討するにあたり、まずは業界の特色を把握しておくことが重要です。

今後SaaS営業への転職を目指したいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

SaaS営業とは

そもそもSaaSとは「Software as a Service」の略称であり、クラウド上で使用できるソフトウェアサービスを指します。

クラウド上で操作できるため、インターネット環境さえ整っていれば端末や場所、時間を問わず利用可能です。

SaaSは月額課金制のサブスクリプション型サービスが多く、法人向けだと会計や在庫管理、データ共有などの業務向けサービスがあり、個人向けだとeラーニングや動画サービスなどがあります。

代表的なSaaSには、以下のようなサービスがあります。

  • Zoom
  • Salesforce
  • Microsoft
  • Slack
  • Google Meet

こういったサービスを顧客に売り込み、長く利用してもらえるようフォローする業務のことを「SaaS営業」と呼んでいます。

SaaS営業の大きな特徴が、いくら多数の新規契約を獲得できたとしても、解約率が高ければ利益がなかなか生まれないという点です。

なぜなら、ほとんどのSaaSがサブスクリプションサービスであり、継続利用してもらうことで売り上げが発生するからです。

従来の営業では新規契約の獲得が主な業務でしたが、SaaS営業では長期的にサービスを利用してもらうために、顧客への寄り添い・信頼関係の構築などが求められます。

SaaS営業では、顧客に高い満足度を与えた上で長期的な利益につなげていくことが重要です。

SaaS営業が注目されている背景

SaaS業界が注目されている背景は、新型コロナウイルス感染症の流行による業務のデジタル化・DX化の加速です。

SaaSはソフトウェアの機能をクラウド上で利用できるため、インターネットが使える環境であれば、どの場所・デバイスからでも同様のソフトウェアが利用できます。

同じアカウントでログインすればどこでも同じデータを共有できるため、リモートワークといった今の時代に合った多様な働き方に対応可能です。

実際に IDC Japan 株式会社が発表した国内クラウド市場予測によると、SaaSを含む2021年の国内クラウド市場規模は、前年比34.7%増の4兆2,018億円となりました。

さらに、2026年のクラウド市場規模は2021年から約2.6倍の10兆9,381億円になると予測しています。

参考:国内クラウド市場予測を発表|IDC

こういった市場の成長に伴い、SaaSは他業界と比べ求人数が多く、新規事業や事業拡大に伴って営業職の採用活動に活発な企業が多いことから、転職市場でも人気を集めています。

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SaaS営業の仕事内容

SaaS業界への転職を検討するにあたり、まずは仕事内容や業務形態を把握しておく必要があります。

SaaS営業は、以下3つのパートに分かれています。

  • インサイドセールス
  • フィールドセールス
  • カスタマーサクセス

上記3つの役割に分かれて各々が専門性を発揮し、売り上げの最大化を目指します。

ここでは、各パートの役割と仕事内容について紹介します。

インサイドセールス

インサイドセールスは、サービスの広告やホームページなどを見て関心を持った見込み顧客に対してアプローチをかけていく営業手法です。

インサイドセールスという名の通り、電話やメールなどのツールを用いて非対面でやりとりをするのが特徴です。

自社サービスにどれほど関心を持っているのか、どのような課題・悩みを抱えているのかなどを聞き出し、商談を行うパートであるフィールドセールスへとつなげます。

インサイドセールスは非対面でのやりとりだからこそ、信頼関係の構築や会社・サービスの印象付けが容易ではありません。

商談のアポを獲得できるよう、顧客からのヒアリングや自社サービスの説明を効果的に行うところが腕の見せ所です。

自社サービスに対して関心の高い見込み客を見定めることで、フィールドセールスでの成約率を上げることが可能です。

フィールドセールス

フィールドセールスは、インサイドセールスから引き継いだ見込み客と実際に商談をし、自社サービスの魅力やプランなどを説明して成約を獲得する仕事です。

インサイドセールスとは違って実際に客先に訪問するケースが多いため、外勤型営業とも言われています。

従来の営業と異なり、フィールドセールスではすでに自社サービスのことをある程度理解している、成約率の高い顧客へアプローチできます。

フィールドセールスにて1からヒアリングをする必要がなく、インサイドセールスで得た情報をもとに商談を進められるので、営業効率は高まる傾向です。

フィールドセールスは、インサイドセールスで得た顧客とその情報をもとに、確実に成約へつなげ売り上げ向上に貢献するのが大きなミッションです。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスとは、自社サービスを導入した顧客のフォローを行い、継続利用を促す仕事です。

SaaSで売り上げを伸ばすためには、いかに顧客にサービスを満足してもらい、継続率を高められるかがポイントです。

そこでカスタマーサクセスでは、顧客に対してサービスの満足度や不満点、顧客の課題点などをヒアリングをし、サービスを継続して利用してくれるようフォローアップを行います。

また、顧客の新たなニーズや課題を引き出し、別の自社サービスを提案することも業務の一つに含まれます。

このようにカスタマーサクセスは、サービスの継続率を高め、解約率を下げるという重要な役割を担います。

SaaS営業の年収

SaaS営業の年収はインサイドセールス・フィードセールス・カスタマーサクセスのどのパートを担うかや、勤める企業によっても違いがありますが、おおよそ350〜700万円だと言われています。

20・30代で営業経験を持つ人であれば、400〜450万円程度の収入が見込めます。

なお、SaaS営業ではインセンティブ制度を採用しているところが多く、営業成績がよければさらに年収を上げることが可能です。

さらに、マネージャーや管理職などの上級職に昇進すれば、700万円前後、企業によっては1,000万円を超えることもあります。

株式会社デジタル&ワークスが運営する「業界動向サーチ」によると、SaaS業界 平均年収ランキング(2020 – 2021年)1位の株式会社プレイドの平均年収は887万円でした。

どこの企業に勤めるかによっても、収入の差があります。

未経験からSaaS営業に転職できるのか

SaaS営業は、業界未経験でも十分転職は可能です。

SaaS業界は成長が著しく、事業拡大や新規事業の開発に伴い人員を増強するSaaS会社が増加しています。

そのため、ほかの業界よりも求人数が多く、業界未経験者の採用を積極的に行っている企業が多いのが特徴です。

また、SaaS業界自体が新しいものなので、SaaS営業の経験を持つ人材自体が少ない傾向にあります。

採用側も未経験者の採用を前提に考えているケースが多いため、「未経験だからSaaS営業は難しいのでは」と諦める必要はありません。

ただし、SaaS営業の仕事内容や業界のビジネスモデルは他業界とは異なり特有であるため、業界に対する知識はあらかじめ習得しておく必要があります。

また、未経験でSaaS営業へ転職する場合は、以下のポイントを重視すると効果的です。

未経験者がSaaS営業へ転職するポイント

  • なぜSaaS業界かを明確にする
  • 営業経験をアピールする
  • 実績を数値化して述べる
  • 他部署と連携した経験を述べる

上記の内容をアピールし、数いる応募者のなかで差別化できるようにしてください。

未経験から営業職への転職は可能か。おすすめの業界と転職のポイント
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SaaS営業への転職で求められる経験とスキル

SaaS営業への転職では、以下の経験やスキルが求められる傾向です。

  • 営業経験
  • 課題解決力
  • 論理的思考
  • 行動力

営業経験

業界に対する経験はなくとも、営業経験があると有利に働きます。

特にソフトウェアと同じ無形商材の営業経験や、BtoBビジネスである営業経験のある人材を優遇する傾向にあります。

営業経験者の場合、営業手法について面接で深掘りされる可能性があります。

「目標数値を達成した」「PDCAを回して改善した」など業務での実績や工夫点などを述べれば、採用の可能性が高まります。

また、IT系やSIer系の営業を経験している場合は、商品知識の面でも問題なく業務にあたれる希少価値の高い人材と判断され、転職市場で有利になるケースが多いです。

課題解決力

SaaS営業では、顧客の課題や悩みを発見し解決へ導く「課題解決力」が重視されます。

インサイドセールス・フィードセールス・カスタマーサクセスの役割においても、顧客の課題や悩みを明確に掴み、いかに顧客に寄り添うかが重要です。

契約前には顧客のニーズを的確に捉えてアプローチし、契約後でも顧客の悩みや改善案に落とし込む必要があります。

転職活動では、課題解決力を発揮した経験を伝えると、評価される可能性があります。

論理的思考

SaaS営業では、論理的思考も不可欠です。

インサイドセールスにて営業をかけるときには、やみくもにメールや電話をしても見込みのある顧客に届けることはできません。

これまでの傾向や各部門で得たデータからユーザーの興味や行動を分析し、根拠に基づいて論理を組み立てて顧客を獲得するための行動をとる必要があります。

フィールドセールスやカスタマーサクセスにおいても同様です。

顧客それぞれの課題や悩みを踏まえて、適切な改善策の提示や提案を行う必要があります。

論理的思考が備わった人材であれば、SaaS営業でも活躍しやすいと言えます。

行動力

SaaS営業は3つのパートごとに数値化された目標が設置され、その目標に向かって仕事を進めていきます。

そのため、その掲げられた目標を確実に達成するための行動力が必要です。

また、SaaS市場は変化が激しく成長スピードも著しいこともあり、ただ行動するだけでなくそのスピードも問われます。

PCCAをスピーディーに回した経験があれば、必然的に高い評価にもつながります。

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SaaS営業のキャリアパス

SaaS営業のキャリアパスは多岐にわたります。

代表的なキャリアパスとしては、以下のものが挙げられます。

  • マネージャーに昇進する
  • 外資系SaaS企業へ転職する
  • IT業界や人材業界へ転職する
  • 独立・開業

マネージャーに昇進する

SaaS営業で経験を積み上げ、そのスキルと経験を活用してマネージャーなどの上級職を目指すのも一つです。

社内で昇進をするには、まず営業担当として成果を出す必要があります。

また、ソフトウェアプロダクトの企画担当になる、マーケティング担当になるなど、営業ではなく社内のほかの部署へ移る場合もあります。

外資系SaaS企業へ転職する

日本SaaS企業よりも年収が高い、外資系SaaS企業への転職も考えられます。

海外のSaaS企業、特にアメリカや中国の企業は、SaaS分野のテクノロジーが国内のSaaS企業より先に進んでいる傾向があります。

海外のSaaS企業に勤めれば、優秀な人材に囲まれた環境で、最先端の知識に触れつつ業務に取り組めるのがメリットです。

ただし、海外のSaaS企業で働きたいのであれば、相応の語学力が問われることはもちろん、海外の組織ルールや社風に慣れる必要があります。

実力主義の風習が強く、結果を出せなければ収入が大きく下がったり、場合によっては解雇になったりするケースがあることを覚悟しなければなりません。

IT業界や人材業界へ転職する

SaaS業界から別の業界へ転職する場合には、同じく無形商材を扱うビジネスであるITや人材業界へ転職するキャリアもあります。

無形商材の営業は、顧客がその商材を使用しているイメージが湧きにくいため、有形商材の営業と比べて知識とスキルを要します。

「商材を利用するとどのような効果が出るのか」「どのような実績が生まれるのか」などを提示するスキルは、ほかの無形商材を扱う業界でも重宝されるはずです。

IT業界や人材業界であれば、営業手法や商品知識など持ち前の経験やスキルを活かしやすいといえます。

独立・開業

SaaS営業で経験を積んだ後、独立・開業をする人もいます。

SaaSでの経験と知識をもとに、自社の商材やサービスを販売する企業に代わって営業をする「営業代行サービス」や、商材・サービスを企画・製作している企業を代理して販売する「販売代理店」として事業をする人もいるようです。

企業に属さないフリーランスとなれば、自分自身の努力や工夫次第で収入が青天井になります。

また、自分なりの営業スタイルで営業ができるため、業務の自由度の高さも魅力です。

しかし、自由度が高い分、売り上げは自分次第となり、場合によっては事業がうまくいかず難航する恐れもあります。

SaaS企業で十分な経験と実績を積んだ上での独立・開業が無難です。

SaaS営業への転職を成功させるには

SaaS営業への転職を成功させる上で、以下2つのポイントを重視してみてください。

  • SaaS営業への転職理由を明確にする
  • 転職エージェントを活用する

SaaS営業への転職理由を明確にする

SaaS業界は成長が著しく、大きな注目を浴びている業界だからこそ、転職を希望する人が増えています。

ただし、「SaaS業界が伸びてきているから転職したい」という曖昧な理由ではミスマッチにつながる可能性が高まります。

まずは「なぜSaaS業界を選び、そのなかの営業を担いたいのか」を明確にしてください。

また、今後もSaaS関連の企業が増えていくなかで「なぜこの企業なのか」という視点で考えることも重要です。

SaaS業界の採用活用では、「会社のビジョンに共感しているか」や「数値目標を達成する意識が高いか」を重視している企業が多い傾向です。

企業のホームページやSNSなどで企業の方針やビジョン、事業内容を知り、その上で自分が企業の考えに共感していることや貢献できる趣旨をアピールするようにしてください。

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転職エージェントを活用する

SaaS営業は近年注目されていることもあり、ライバルが多く競争が激しい業界です。

求人が多いとはいえ応募には優秀な人材が集まる傾向が強く、正しい対策をしないと転職が難航する恐れがあります。

こういった傾向からも、SaaS営業への転職をするなら転職エージェントの活用がおすすめです。

転職エージェントにはSaaS業界や営業職に精通したプロのコンサルタントが在籍しており、業界の最新情報や採用傾向を共有してくれます。

あなたの経歴やスキルを見て求人紹介をしたり、面接や書類作成の支援をしたりと細やかなサポートが受けられるので、プロの視点を踏まえ戦略的に転職活動を進められます。

特に業界未経験でSaaS営業への転職を目指す場合、「企業側に何をアピールすればよいか」に迷う人が多いようです。

エージェントではあなたのスキルや経験を棚卸しして、一緒に転職対策をできるので、第三者に相談しつつ転職活動を進めたい人に向いています。

ぜひ転職エージェントの利用を検討してみてください。

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