異業種転職でよくある失敗事例を紹介。失敗を避けるための注意点や対策
異業種転職は、同じ業種への転職と比べて失敗が起こりやすい傾向です。
「なかなか選考に通過できず、苦労している」
「入社したものの、思うように会社へ馴染めない」
「異業種転職をしないほうがよかったと後悔している」
こういった失敗を避けるためには、あらかじめ異業種転職でよく起きる失敗事例や注意点などを把握しておくことが大切です。
そこで本記事では、異業種転職でよくある4つの失敗事例、年代別の異業種転職のコツ、転職成功のポイントを紹介します。
異業種転職への不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
異業種転職でよくある失敗事例
異業種転職でよくある失敗事例は、大きく分けて以下の4通りです。
- 転職先が決まらず、長期化する
- 業界特有の情報を知らずに転職してしまう
- 会社の待遇や規模などの情報だけで転職してしまう
- 転職先のサポート体制が整っておらず苦労する
失敗事例1:転職先が決まらず、長期化する
異業種への転職は、経験者の採用と比べて選考がなかなか進まず、長期化しがちです。
この背景としては、前職のスキルや実績・経験が評価されにくいこと、企業側が業種未経験者の採用に対して慎重になりやすいことが挙げられます。
実際のところ、企業側は中途採用において「未経験者よりも即戦力となる経験者を採用したい」と考える傾向があります。
20代半ばまでの若年層であれば「この業界に入りたい」「成長したい」といった熱意や意欲で採用されるケースも少なくありません。
しかし、20代後半、30代、40代と年齢が上がるにつれ、社会人経験相応の即戦力として活躍できるかどうかが問われます。
そのため、企業が求めるスキルや経験がなかったり、業界や企業のリサーチ不足だったりすると、転職活動が難航する恐れがあります。
十分に対策を練った上で選考に挑む必要があるわけです。
失敗事例2:業界特有の情報を知らずに転職してしまう
転職先の業界について十分な情報収集ができていないと、失敗につながりがちです。
業界情報が不足していると、自分が想定していたイメージとのギャップが大きくなり、「せっかく入社したけど、やはり業界に合わないかも」と後悔する場合があります。
業界が異なれば、方針や進め方、使われる用語が異なります。
単なる業界への憧れではなく、入念な業界研究をした上で決断することが大切です。
失敗事例3:会社の待遇や規模などの情報だけで転職してしまう
求人票に書かれている待遇や福利厚生だけで判断したり、大企業であるという理由だけで入社を決めたりすると、ミスマッチになる可能性が高まります。
特に退職理由がネガティブな理由(給与や休日、勤務時間への不満など)である人は、このような失敗に陥りやすい傾向です。
年収や待遇がよくなれば、それだけ責任のある仕事を任されることが増えます。
社内の競争が激しかったり、業務のスピードについていけなかったりと苦労する可能性があります。
成長の著しい企業や大企業だと福利厚生や自由度のある働き方に目が行きがちですが、任される業務や役割、キャリアパスまで知った上で転職を決めることが大切です。
失敗事例4:転職先のサポート体制が整っておらず苦労する
異業種に転職する場合、仕事内容を理解し慣れるまでには時間が必要です。
もし転職先での研修期間がなかったり、制度が整っていなかったりすると、入社後の精神的な負担が大きくなり疲弊してしまうことがあります。
異業種への転職では、転職前に自分で勉強した業界の知識のほかに、それだけでは網羅できない部分を入社後の研修や教育でカバーします。
できるだけスムーズに業務へ馴染むためにも、「転職先の研修制度がきちんと整備されているか」「未経験者の受け入れ体制はあるか」を確認しておくことが大切です。
年代別の異業種転職のポイント
異業種転職の難易度やポイントは、転職時の年代によっても異なります。
年代別での転職のポイントは、以下の通りです。
年代 | 特徴 |
20代 | ・20代前半は、本人が持つスキルや経験ではなく、将来性や意欲が評価されるポテンシャル採用が多い傾向 ・20代後半は、20代前半よりもスキルや経験、実績が重視される ・「すぐに辞めてしまうのではないか」「一時的な憧れで転職をしたいのでは」と不安を感じるケースがある ・長期的に貢献したい趣旨をアピールすることが大切 |
30代 | ・採用では「いかに即戦力として会社に貢献してくれるか」を重視する傾向 ・将来的に管理職として期待されるケースが多いため、マネジメント能力が問われる ・異業種転職であっても関連のある経験や実績をアピールし、転職先の会社に自分がどう役立てるかを論理的に説明する必要がある |
40代 | ・管理職の募集が一般的である ・未経験分野への転職の場合、年収や待遇が下がることが多い ・十分な実績やマネジメントスキルを備えている場合は、異業種の管理職への転職であっても歓迎される傾向 ・単なる個人の専門スキルだけではなく、チームやプロジェクト単位で成果を上げた経験や人材育成の経験が求められる |
異業種転職の場合、やはり年齢の若いほうが採用されやすい傾向があります。
なぜなら、20代の人材は若さやポテンシャルという武器で比較的どの業種でも馴染みやすく、今後の成長が期待されるからです。
ただ、近年は異業種に転職する年齢が高まっており、30代・40代以上でも転職が不可能なわけではありません。
採用企業は、未経験者を採用する場合でもできるだけ職に活かせるスキル・経験のある人材を確保したいと考えるものです。
年齢にかかわらず応募先企業に活かせるスキルや実績があれば、採用確率は高まります。
前職との関連性や異業種でも活かせるポータブルスキル、年代別での求められるスキルを把握し、効果的にアピールするようにしてください。
異業種転職の注意点
入社後のミスマッチを防ぐためにも、前もって把握しておきたい注意点があります。
異業種転職で気をつけたい注意点は、以下の3点です。
- 年収が下がる可能性が高い
- 仕事や働き方に慣れるまでは大変
- 新たな人間関係の構築で苦労する可能性がある
年収が下がる可能性が高い
異業種転職の場合、未経験としての扱いとなるため、年収が下がる可能性が高いと言えます。
転職前には「どこまでの年収ダウンを許容できるか」を考慮した上で、転職先を決めるようにしてください。
ただし、未経験の業界であっても前職で培ったスキルの専門性が高く、転職先でも十分活かせるものであれば、年収が上がる可能性もあります。
また、前職より給与水準が高い業界や会社に転職するのも一つの方法です。
転職後すぐは年収が下がってしまいますが、自分の実力や成果が評価される環境なら、長期的に見て年収アップにつながる可能性があります。
仕事や働き方に慣れるまでは大変
仕事や働き方に慣れるまでは、残業が多くなる可能性があります。
特に異業種転職だと、前職との進め方や環境の違いから、思うように仕事が進まないかもしれません。
初めは「仕事や働き方に慣れるまでは苦労すること」を前提にしておくと、業務の大変さも受け入れやすくなります。
新たな人間関係の構築で苦労する可能性がある
異業種転職に限ったことではありませんが、新しい職場では人間関係を1から構築する必要があります。
実際に転職先の職場で「人間関係で苦労した」と答える人も少なくありません。
新しい職場だと「合わない人がいる」「新人だからか、よい対応がされない」など、やりにくさを感じる人もいるようです。
未経験者の受け入れ体制が整っている会社であるか否かで、働きやすさが変わってきます。
事前に社内の体制を確認しておく、あるいは面接で質問をしておくなどして、社内での人間関係をイメージしておくことが望まれます。
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- 入社後も半年に1度の面談でキャリアの実現まで伴走
【成功経験から学ぶ】異業種転職の経験談
異業種転職は選考段階で苦労しやすく、入社後のミスマッチも起こりやすい傾向です。
失敗を避けるために、実際に異業種転職を成功させた人の経験談を参考にすることが有効です。
ここでは、転職エージェント「ASSIGN」を利用して異業種転職を成功させた人の経験談を紹介します。
事例1:QRコード決済サービス会社から外資系人材紹介会社へ転職
QRコード決済サービス会社で、飛び込み営業であらゆる店舗を回っていた水野様。
居酒屋や美容室、クリニックのキーマンに提案をする業務をしていました。
自身の定めた目標である50位入りを10ヵ月で達成したタイミングで、自身の成長に思い悩み、転職を考えるようになったそう。
ASSIGNのエージェントに相談するなかで、人事のプロフェッショナルになる道を知り、
営業経験1年・初めての人材業界でありながらも、ミドル・ハイクラス特化の外資系人材紹介会社から内定を獲得しました。
入社後は、転職希望者側・企業側の両面に対応しているそうです。
企業で聞いたことを転職希望者に自信を持って話せるので、自分の仕事に納得感が強く、気に入っていると話されています。
今後は、業界のプロとして求人ベースだけでなく、採用に対して企業の課題解決を提言できるコンサルタントになりたいと考えているそうです。
事例2:不動産マネジメント業からエムスリー株式会社へ転職
新卒で国内最大級の不動産総合マネジメントサービスを展開する不動産企業へ入社し、サテライトオフィスサービス事業の企画推進を担当されていた鈴木様。
入社後は自分がやりたい事業の戦略に関われたそうですが、1から100を作るための枠組み部分をやり尽くし、社内でのキャリアビジョンを描けなくなったことから転職を決断しました。
ASSIGNのエージェントに相談するなかで「より社会に与えるインパクトが大きい事業に関わっていきたい」との思いがあることに気づいたそうです。
そして、自身も社会課題が多い領域だと感じていた医療業界のエムスリー株式会社への転職を決意されました。
入社後は、前々からやりたかった「社会に大きなインパクトを与えていく」ことが叶えられる環境に満足しているそうです。
今後は社内のさまざまなサービスに関わりたい、そしていずれゼロイチや事業拡大にも携わっていきたいと話されています。
異業種転職の失敗を避けるためにできること
異業種転職の失敗を避けるためにできることは、以下の4つです。
- 前職の経験ややり方に固執しすぎない
- 業界情報を入念にリサーチをする
- スキルや経験を転職先にどう活かせるかを考える
- 転職エージェントを利用する
前職の経験ややり方に固執しすぎない
業界が異なれば、仕事の進め方や作業工程、社内で使われる用語などが大きく異なります。
今まで通りのスタイルで仕事をしようとすると、よいパフォーマンスを発揮できず、ストレスを感じてしまうことがあります。
異業種転職の場合は、前職でのやり方に固執するのではなく、リセットした状態で挑むようにしてください。
そうすれば新たな職場に馴染みやすく、ギャップも受け入れやすくなります。
業界情報を入念にリサーチをする
異業種転職では、いかに入社前の段階で業界情報を把握できているかがポイントです。
異業種転職を目指す人のなかには、自分の思い込みや憧れだけで未経験業界に進もうとする人がいます。
しかし、正しい業界情報を知らなければ、入社後のミスマッチにつながりかねません。
事前に業界事情や近年の動向を把握し、以下の内容を自分に問いかけるようにしてください。
- 自分の性格や強みが活かせる業界か
- 自分の進みたいキャリアの方向性に沿っているか
- 業種を変えてまで転職したい理由は何か(同業種で本当に実現できないのか)
また、面接選考では業界に対する意見が求められたり、最新の動向について質問されたりする場合もあります。
選考に備えて、専門雑誌・専門新聞、インターネット記事、SNSなどを活用し、情報を入手してみてください。
スキルや経験を転職先にどう活かせるかを考える
異業種転職であっても、「自分のスキルや経験がどう役立つか」を明確かつ具体的に伝えるようにしてください。
採用側としても、未経験者よりも即戦力となるスキルや経験を持った人材を採用したいのは事実です。
未経験だからといって「挑戦したい」「学びたい」という受け身の姿勢を伝えるのは望ましくありません。
「前職で得たキャリアや業務内容を、御社の〇〇の仕事内容に活かせる」と説得力をもって説明できれば、採用確率もアップします。
転職エージェントを利用する
異業種転職は、経験のある業界・職種への転職と比べてスムーズに選考を通過しにくく、入社後のミスマッチも起こりやすい傾向です。
こうした異業種転職の失敗を避け、転職を確実に成功させるためにも、プロからの支援が受けられる転職エージェントの活用をおすすめします。
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