コンサルタントへ転職するための志望動機のまとめ方5ステップで解説
企業からの相談を元に、企業の経営維持や発展を支える「コンサルタント」。
近年需要の高い職の1つであり、業界経験者の採用はもちろん、未経験からの採用も活発です。
そんなコンサルティングファームでは、採用時に「志望動機」を重視している企業が多く、合否を左右する重要なポイントです。
本記事では、コンサルティングファームへの転職者向けに、志望動機のまとめ方5ステップや志望動機を書く際のポイントについて解説します。
記事の後半では、業界経験者・未経験者に分けて志望動機の例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
コンサルティングファームにおける志望動機の傾向
初めに、コンサル業界における志望動機の傾向について、業界未経験からの転職とファーム to ファームでの転職の2つに分けて解説します。
業界未経験からコンサルティングファームへ転職するケース
未経験からのコンサル転職では、「なぜコンサルに転職したいのか」という根本の志望動機が重視される傾向です。
実際のところ、コンサルティング自体の仕事内容を正確に理解していないことが原因で志望動機が曖昧になり、転職に失敗するケースも多々あります。
なぜなら、コンサルはあらゆるクライアント企業の経営施策に関わるため、仕事の内容が一概に言えないということが一つの要因だと考えられます。
そのため、まずはコンサルタントとして何をする企業なのかを徹底リサーチした上で、志望動機を組み立てる必要があります。
また、業界未経験であったとしても、前職で培ったスキルや実務力を仕事でどのように活かし、コンサルタントとしてどのようなキャリアを歩むのかを具体的に説明することも大切です。
コンサルタントとしての数年後のキャリアまで説明できれば、企業側は「長期的に戦力となってくれるだろう」と安心し採用に踏み出せます。
ファーム to ファームで転職するケース
ファーム to ファーム の転職では、前職での経験やスキルを活かして、会社の「即戦力」として働くことを求められます。
そのため、自分がどういった形で企業に貢献できるのかを明確に説明できる必要があります。
どのように企業に貢献できるかを具体的に示すには、まずは入念な企業研究が欠かせません。
企業の特徴を研究・分析し、企業が求めている人材と自分の強みを照らし合わせながら、適切なアピールをすることが大切です。
さらに、転職後のキャリアビジョンが明確かどうかも、採用において重要な決め手です。
転職をしてから数年後の未来までビジョンを示すことで、転職先企業での活躍や貢献度をアピールできます。
コンサルタントへ転職するための志望動機のまとめ方を5ステップで解説
コンサルタントへの転職では、志望動機が重要な採用ポイントとなります。
ここでは、コンサルタントへ転職する人向けに志望動機のまとめ方を5ステップで解説します。
- ステップ①:転職で手に入れたいものは何か
- ステップ②:採用視点に沿った強みの分析
- ステップ③:企業研究はユニットレベルまで実施
- ステップ④:志望動機を固め採用後の未来を提示する
- ステップ⑤:論理的に伝えるための面接対策
それでは1つずつ解説します。
ステップ①:転職で手に入れたいものは何か
初めに、転職で自分が手に入れたいものを書き出してください。
例えば、以下のような項目です。
- 年収を上げたい
- スキルアップ
- 残業を減らしてプライベートの時間を増やしたい
- 自分の英語力が活かせる仕事がしたい
- キャリアチェンジ
- 個人プレーではなく、協力できる仲間と仕事をしたい
ここでは、「給料を上げたい」などの自分本位な願望も書き出します。
思いつくものを全て書き出すことで、自分の心底にある転職理由を整理してください。
ステップ②:採用視点に沿った強みの分析
自分の視点から考えた後は、採用視点で自分の強みを分析します。
人によっては自分の強みを考えることが苦手な人もいますが、ここでは採用視点に立って客観的に考えることが大切です。
例えば、前職ではプログラミングスキルを身につけていることが当たり前だった場合でも、ITに特化していない応募先では1つの武器になります。
希望の企業で働く人や環境、求められるスキルを分析しながら、企業のなかで強みとして発揮できそうなことを書き出していきます。
以下のように、人間的な強みと仕事面での強みに分けて書き出してください。
例:
人間的な強み | 仕事面での強み |
・コミュニケーション能力が高い ・協調性がある ・向上心がある ・体力がある | ・英語力 ・プログラミングスキル ・営業で成果を挙げた |
次に、上記の強みを踏まえて、強みがきっかけで成功体験につながったことを深堀りします。
また、成功体験を深堀りするときには「売り上げが〇〇円上がった」「お問い合わせ数が〇〇件に増加した」「作業業務を〇時間削減できた」というように数値で示すとより明確になります。
数値で示された成果・実績を述べることで、自分にしかないオリジナリティのある志望動機の作成に繋がります。
ステップ③:企業研究はユニットレベルまで実施
企業研究は、会社だけでなくさらに細かいユニット(チーム)レベルまで実施するようにしてください。
なぜならコンサル企業では、特定の企業の情報でも、ユニットによって内容が大きく変わるケースがあるからです。
特に大手企業では、特定の業界やソリューションごとにいくつものユニットに分かれて組織が構成されています。
ユニットでは、各ユニットごとにミッションや方針が定められており、ユニットそれぞれで1つの目標に向かって動いていきます。
このように「自分がどのユニットで働くことになるのか」という視点での企業研究が大切になります。
しかし、コンサル企業では、ユニットの情報はもちろん、企業そのものの情報も詳しく掲載されていない傾向です。
そのため、どれだけWebや本を使って調べたとしても、どうしても限界が来てしまいます。
適切な情報を得るために、もし周りにコンサル会社に勤めている人がいる場合は直接話を聞くとよいです。
また、転職エージェントを活用するのもおすすめです。
転職エージェントは独自の手段で企業の情報を入手し、事業内容やユニットについて詳しく把握しています。
情報の豊富な転職エージェントのアドバイザーに相談することで、必要な企業情報を収集できます。
このように、転職エージェントなども活用しながらユニットレベルまでの情報を得るようにしてください。
ステップ④:志望動機を固め採用後の未来を提示する
自分の強みや企業の特徴を分析したら、いよいよ志望動機を固めていきます。
志望動機を固めるときには、自分の実際の経験に基づいた強みを元に、転職後のキャリアをアピールするようにしてください。
「自分はこういった経験を通して〇〇なスキルを得たので、このスキルを活かして御社に貢献したい」といった形が望ましいです。
自分の経験が入ることによって説得力が増し、ほかの人に変えられない自分のよさをアピールできます。
そして、志望動機が完成したら、一貫性のある内容になっているかを客観的に確認します。
一度採用側の視点に立ち、この文章が論理的に成立しているのかをチェックしてみてください。
また確認するときには、「そもそもなぜこの業界・企業を選んだのか」という点が入っているかをチェックしてください。
志望動機を考えていると、どうしても自分の強みをどう活かすかといった踏み込んだ内容ばかりを考えがちです。
そもそも論に立ち帰り、なぜほかの企業ではなくこの企業なのか、なぜ未経験からこの業界に入るのかなどを見直すようにします。
ステップ⑤:論理的に伝えるための面接対策
志望動機は考えて終わりではありません。
実際の伝え方次第で、良くも悪くも印象ががらりと変わります。
そのため、志望動機が固まった後は必ず面接練習を行ってください。
特にコンサルタントには、クライアントと話すなかで論理的に伝える能力が求められるため、ロジカルに話す力は必要不可欠です。
結論ファーストを心がけながら、簡潔に話すように心がけてください。
また、面接対策のときには、自分の話す姿を録音・録画しておくのもおすすめです。
客観的に自分の話し方や表情、立ち振る舞いを見ることができるので、自分の様子を把握するのに適しています。
このように、志望動機を固めて終わることなく、どのように伝えるかも重視して練習するようにしてください。
コンサルタントへ転職するための志望動機のポイント
コンサルタントへの転職で志望動機を作成するにあたり、意識すべきポイントを解説します。
志望動機を書く際は3パートに分ける
志望動機を書く際には、以下の3パートを網羅している必要があります。
- なぜコンサルタントを志望するのか
- なぜこの企業なのか
- 自分の専門性や強みを使って、企業へどのように貢献するのか
基本的に採用担当者が聞きたいことは、この3点に凝縮されています。
企業が求めている人材が、自分の持つ経歴・スキルに合っていることを証明するようなイメージでまとめるようにしてください。
志望動機を文章に落とし込む
ただ頭のなかだけで志望動機を考える人がいますが、これはおすすめできません。
頭のなかで考え抜いた志望動機を、実際の文章に落とし込む作業を必ず行ってください。
文章に落とし込んでみると、論理に矛盾がある内容や曖昧な表現に気づけて、客観的によりよい志望動機に仕上げることができます。
面接で話す志望動機としてまとめる場合は、1分間300文字程度、3分間900文字程度を、それぞれ用意しておくとよいです。
志望動機は結論ファーストで伝える
志望動機は、結論ファーストを心がけてください。
人によっては、先にこれまでの経緯や理由を述べてしまう場合がありますが、これだと志望動機が冗長になってしまいます。
結論ファーストで「結論→理由や具体例→まとめ」に沿って話すことで、自分が最も伝えたい部分が明確になり、相手が話を理解しやすくなるというメリットがあります。
また、コンサルタントはあらゆるクライアントの相談に乗りながら解決策を提案するため、物事を論理的に説明するスキルが欠かせません。
このように、結論ファーストの話し方を徹底して分かりやすく志望動機を伝えてください。
コンサルタントへ転職するための志望動機例文
ここからは、具体的にコンサルタントへ転職するための志望動機例文を紹介します。
業界未経験からのコンサルファームへの転職、ファーム to ファームへの転職など、パターンごとに紹介するので参考にしてください。
業界未経験からコンサルファームへ転職する場合の例文
【例①】
5年間、IT関連の会社に勤め、幅広いシステム構築に携わってきました。
さまざまなクライアントの要望に答えるシステム開発に関わり、幅広い経験が積めたものの、さらに根本の経営戦略や事業戦略に関して踏み込んだ支援をしたいという気持ちが強くなりました。
御社は経営戦略に関してコンサルの実績が豊富で、なかでもIT企業のクライアントが多いと伺いました。
私はIT分野の動向を把握しており、システム構築に関する幅広いスキルと経験がありますので、この経験を武器に貴社へ貢献できると考えています。
【例②】
私はアパレル企業の販売員として2年、次に生産管理者として5年働いてきました。
いかに効率よく・コストを抑えて・品質のよい衣類を作れるかを常に考え、販売計画を立てて進捗管理を行ってきました。
長年、アパレル業界で培った効率性や計画性、交渉力は、ほかの製造業でも広く活用できると考えています。
貴社は複数の製造業クライアントに携わっていると伺いました。
そこで自身の生産管理で培った専門性を活かし、企業の経営課題の解決に導けるようなコンサルタントとして働きたいと思い、志望いたしました。
【ポイント】
未経験からの転職で最も大切なのは、前職を辞めてコンサルタントを志す理由です。
なぜ、異職種への転職を志すのか、きっかけや自身の思いを丁寧に伝えてください。
また、企業の特徴や特化している分野を詳細に把握し、自分の経験や強みがどう活かせるかを述べることも大切です。
前職で、業務に携わった年数だけでなく、具体的な成果を挙げるとより説得力が増します。
ファーム to ファームで転職する場合の例文
【例①】
約3年にわたって経営コンサルタントとして働き、地方の中小企業を中心に経営状況を調査し、問題を解決してきました。
2年目からはチームリーダーを任され、直接クライアントからヒアリングや交渉を行い、戦略立案を行っています。
さまざまな企業に携わるなかで、大幅な予算をかけて経営戦略に励むような大企業に携わりたいという気持ちが強くなりました。
複数の大手企業をクライアントに持つ貴社にて、さらに自分のスキルアップに繋げたいと思い志望した次第です。
多様な企業の経営や会社全体のプロジェクトに関わってきた経験、マネジメントスキルを武器に、貴社に貢献したいと考えています。
【例②】
現職では戦略コンサルタントとして5年間勤務し、クライアントの新市場への参入や新規事業の立ち上げを中心としたコンサルティングを担当しております。
幅広いジャンルの企業事業戦略に携わるなかで、自分が最も興味のあるIT系に特化して支援したいという気持ちを持つようになりました。
そして、ITコンサルタントとして働きたいと考えてからは、応用情報技術者を独学で取得し、知識を深めてきました。
現職にてあらゆる企業の戦略に携わった広い視野と経験を活かし、御社でさらに踏み込んだ支援をしていけたらと考えています。
【ポイント】
業界経験者の採用では、即戦力となる人材が重視される傾向であるため、前職での経験や成果を伝えることが大切です。
どういったコンサル会社で、どういった役職に携わっていたかを述べるようにしてください。
経験年数が浅かったとしても、自分がどのように仕事を全うし、どのように企業に貢献したかを伝えることで、仕事に対する意欲の高さをアピールできます。
また、なぜ現職でスキルアップを目指すのではなく、転職という選択をしたかという明確な理由も必要です。
転職における自分へのメリットと企業側のメリットを明確にし、適切にアピールしてください。
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