転職活動でおさえたい中途採用面接の流れやマナー、質問の回答例
書類選考を終えると、いよいよ面接です。
面接では、事前にどういった流れで進行するのか、またはどのような質問をされるのか入念な準備が必要になります。
なぜなら面接官は、面接で聞く質問を事前に用意している場合が多く、STAR面接(行動面接)と呼ばれるフレームワークを用いて、応募者の過去の行動から性格・価値観・行動特性を掘り下げているからです。
STAR面接について詳しい内容は、以下記事よりご覧ください。
本記事では、 入念な対策が必要な中途採用における、基本的な面接の流れを詳しくご紹介します。
また、面接当日までにおさえたいポイントやよく聞かれる質問、面接マナーについても触れますので、ぜひ参考にしてください。
転職活動でおさえたい面接の流れ
中途採用における基本的な面接の流れについて解説します。あくまで基本的な流れであるため、応募先企業によっては、異なる場合もあります。
訪問〜面接
面接会場への遅刻はあってはならないことですが、会場への到着時間が早すぎるのも、応募先企業に対して迷惑になります。
少なくとも「10分前」には会場へ到着し、受付は面接の「5分前」を目安にしてください。
面接開始前の30分前に会場に到着するなど、企業側に気を遣わせることがないよう、マナーを守る必要があります。
また、受付時や待合室、面接室での基本的な挨拶やマナーなどにも注意を払います。
面接官があなたに持つ印象は、最初の5分で決まると言われており、「身だしなみ」「表情」「話し方」は、特に意識をしてください。
面接開始〜自己紹介
面接開始直後は、応募者の多くが硬くなります。
そのため、面接官もいきなり本題に入らずに、世間話などの話題を振り「アイスブレイク」を設けるケースが多い傾向にあります。
面接全体から見れば、アイスブレイクの時間はわずかですが、このタイミングでいかに自分の気持ちを落ち着かせることができるかで、その後の面接への影響が異なります。
また面接開始当初に聞かれる質問は「自己紹介」や「これまでの職歴・経歴」などの場合が多く、事前に質問対策を講じることで、緊張も少なく自信をもった態度で面接へ臨めます。
自己紹介や職歴・経歴を伝える場合は、面接序盤であれもこれも盛り込むのではなく、手短にまとめてください。
面接における自己紹介のまとめ方、中途採用向けの質問集は、以下記事を参考にしてください。
転職の理由や志望動機について
面接では、あなたの人材としての価値観、性格、自社への貢献度を掘り下げるため「転職理由」や「志望動機」を聞かれるケースがほとんどです。
転職理由については、応募者の人柄や応募先企業が求めている人材と合致しているか、その判断材料となります。
また、応募者が転職した理由を知ることで、入社後すぐに辞めてしまわないかも判断しています。
転職理由が「上司との人間関係がうまくいかなった」「適正な社内評価を得られなかった」など、どの企業でも起こりうる内容や、応募者が課題に対してどう改善策を講じたのか見えてこない場合には注意が必要です。
なお、志望動機についても転職理由との一貫性が認められないケースや、その企業である必然性が感じられない場合には「勢い」や「興味本位」の転職という印象を与えかねません。
企業研究によって「企業ビジョン」「カルチャーフィット」「サービスの特徴」「業界の最新情報」をキャッチアップし、その企業ならではの志望動機、入社意欲が伝わるよう工夫してください。
・転職理由のまとめ方
・志望動機のまとめ方
入社後に活かせるスキルや経験
転職理由や志望動機の次に「これまでのスキルや経験をどう当社で活かせますか」や「当社でやりたいこと、挑戦したいことはありますか」と問われるケースが多いです。
あなたがこれまで培った経験やスキルを、強みをふまえて意欲的に伝えられるかが焦点になります。
具体的に「どのようなスキルがどの業務に貢献できるのか」経験やスキルに分けて、あなたの貢献度を明確化してください。
特に面接が進行していくと面接前半で主張した内容との食い違いが発生しやすく注意が必要です。
本来、転職活動における明確な軸をもっていれば、このようなことは起きませんが、冷静さを欠いてしまい発言の内容に矛盾が生じてしまう場合もあります。
履歴書や職務経歴書に記載した事柄や、面接で自分が言ったことは覚えていられるよう冷静さを保ちたいところです。
諸条件について
主に最終面接においては、諸条件の確認が行われる場合があります。
具体的には「入社可能な時期」「勤務地」「勤務時間」「就業条件」「給与希望」などの確認が基本になります。
通常、応募者の希望条件をありのまま伝えるというスタンスで問題ありませんが、あなたの希望が自己中心的な主張とならないよう注意が必要です。
たとえば、親の在宅介護や通院対応で月に一度、平日に出社できない場合には「親の在宅介護と通院のため、月に1度第3水曜日に出社することができません。ただし、通院後リモートで業務対応可能です。」などが挙げられます。
必ず根拠をもたせた希望を伝えられるよう配慮してください。
逆質問〜面接終了
面接の最後には、ほとんどの場合「何か質問はありますか」と面接官からの逆質問が用意されています。
面接中に生じた疑問点は、この時点で解消できるよう努めてください。
逆質問は、特に質問がない場合でも、応募先企業へ入社意欲をアピールする最後のチャンスでもあります。
また、面接官も応募者が最後に何かアピールする要素はあるのか、入社意欲を示す一言を見極めています。
すでに回答した内容を繰り返しアピールするのではなく、選考いただいた感謝の気持ち、入社意欲を1分程度で簡潔に伝えてください。
面接当日までにおさえたいポイント
面接は、面接前の入念な準備段階からすでに始まっていると考えても過言ではありません。
面接場所までの道順や時間、会場、当日の持ち物を間違えてしまうと、ビジネスマンとしての資質にも影響で出てしまうためです。
ここでは、面接当日までに必ずおさえるべきポイントを解説します。
面接場所と時間を再確認
面接場所や面接時間について、繰り返し確認してください。
勘違いによって、面接場所や公共交通機関の乗り継ぎを誤ってしまうケース、面接時間に遅れてしまうケースも見られます。
スマートフォンで会場までのルートを想定していても、実際に歩いて向かうとなると想定通りにいかない場合もあり、入念な確認が必要です。
もう一度、面接の前日に場所やルート、時間を確認してください。
当日の持ち物を確認
当時面接に向かう直前に持ち物をまとめるのではなく、少なくとも前日までに必要な物を確認し、鞄に入れておいてください。
履歴書・職務経歴書、筆記用具だけでなく応募先企業から指定された物、たとえばデザイナーであればポートフォリオなどをまとめておきます。
必要に応じて持ち物リストを作り、当日に忘れ物がないよう注意してください。
面接時の服装を決定する
繰り返しになりますが、面接官があなたに持つ印象は、最初の5分で決まると言われています。
特に面接時の服装がだらしがない、清潔感に欠けるという場合には、それだけでマイナス評価の対象になります。
少なくとも髪型や服装に「清潔感があること」「TPOをわきまえていること」この2点は、おさえておく必要があります。
のちほど解説しますが「髪型がボサボサである」「スーツにしわが多い」「革靴が磨かれていない」「カビやタバコの臭いがする」などは論外とされます。
服装自由の面接も増えてきましたが、ラフな私服は避けて、ビジネスカジュアルを心がけてください。
面接の流れを再確認
少なくとも前日には「会場到着」「受付」「待合室でのマナー」「面接での入室から着席の手順」「退室方法」など一連の流れを再確認してください。
事前に面接の流れをイメージトレーニングすることで、当日の失敗を避ける、または失敗してもリカバーする方法を身につけることができます。
面接官はあなたが面接に臨む態度や姿勢、言葉遣いを細かくチェックしています。
基本的な常識やマナーを守り、面接に臨めるよう、繰り返しシミュレーションしてください。
よく聞かれる質問の回答を準備
本記事で繰り返し触れていますが、面接官から聞かれる質問には、いくつかのパターンが存在し、ある程度頻出質問を絞り込むことができます。
面接に臨む際には、突然の質問にあたふたしないよう、事前に頻出質問をまとめて、面接対策を講じてください。
時事的な質問に関する情報を収集する、逆質問を何パターンか用意するなど、入念な対策が必要です。
中途採用向けの質問集については、以下を参考にしてください。
中途採用面接で重視すべき内容
中途採用における面接では、応募先企業へいかに貢献できる人材であるかを、アピールしなければなりません。
ここでは、即戦力採用とポテンシャル採用において、重視すべき内容を解説します。
即戦力採用の場合
新型コロナウイルス感染症による影響もあって、転職市場においては、中途採用における即戦力人材のニーズが活発になっています。
即戦力で転職活動をしている場合には、以下2点を意識して、自己分析してください。
- どのような経験やスキルを保有しているか
- これまでの経験を応募先企業でどう活かすか
これまで経験した事柄やスキルが、どのように応募先企業への貢献へ結びつくのか、一貫性をもって説明できるよう工夫してください。
ポテンシャル採用の場合
前述のとおり、中途採用においては即戦力人材のニーズが活発ではありますが、若年層の転職に限っていえばポテンシャル人材としての転職も視野に入ってきます。
ポテンシャル人材として転職を検討する場合には「ポータブルスキル」と呼ばれる汎用性の高いスキルに着目するとよいです。
ポータブルスキルとは、その言葉の通り、業種や職種が変わっても「持ち運び可能な能力」を指し、たとえば以下のようなものが該当します。
- 顧客やパートナーへの社外対応能力
- 同僚と円滑に業務を遂行する能力
- 課題を明らかにする能力
また、ポテンシャル採用では即戦力採用とは違い、業界に精通していないからこそ「業務内容への理解」「現在地の把握」「どのようにキャッチアップするか」が重要です。
ポテンシャル採用で転職を検討中の場合には、以下記事も参考にしてください。
中途採用面接で注意すべき基本的な転職マナー
次に中途採用で意識すべき基本的な転職マナーについてご紹介します。転職の流れとセットで覚えておくとよいです。
会場への到着時間が早すぎる又は遅い
面接会場への遅刻はあってはならないことですが、面接開始の30分前など到着が早すぎるのも問題です。
極端に早すぎる到着は、応募先企業へ気を遣わせてしまうほか、面接担当者がまだ業務中である場合もあり、業務の妨げになることもあります。
このように、応募先企業への迷惑にならないよう一般的に会場への到着時間は「10分前」、そして受付は面接の「5分前」を目安にしてください。
また、面接会場によっては待合室やロビーなどがなく、待機できる場所が限られる場合もあります。
会場周辺に早めに到着する分には問題ありませんが、会場へは10分前を基準にし、それまではカフェなど落ち着ける空間で時間までリラックスしてください。
受付への態度が疎か
面接の5分ほど前には、受付を済ませます。受付へ向かう前には、必ず再度身だしなみのチェックと携帯電話の電源がOFFかどうか確認してください。
受付では、面接で訪問した趣旨を伝え、採用担当者への取り次ぎをお願いします。
当然ですが、受付での対応から面接は始まっているものと考えてください。
言葉遣いや話し方が疎かであったり、姿勢が悪かったりと、社会人として最低限のマナーができていないとこの時点でマイナス評価です。
清潔感だけでなく、相手の目を見てハキハキと明るい表情で臨んでください。
身だしなみに清潔感がない
中途採用に限ったことではありませんが、面接では第一印象で応募者の印象が決まるといっても過言ではありません。
スーツはきちんとクリーニングされていて清潔感が保たれているもの、また髪型は、面接にふさわしいさっぱりとした髪型を意識してください。
他の人から見て、自分の服装や髪型がどう思われるのか、気を配ることが重要です。
挨拶ができていない
どれだけ身だしなみをととのえても「面接官への挨拶に覇気がない」「声が小さい」「ハキハキとした挨拶ができない」場合、コミュニケーション能力が低いという印象を与えてしまう可能性があります。
相手の目を見て、ハキハキとした受け応えを心がけてください。
中途採用面接で好印象を与えるポイント
中途採用の面接において、面接官により好印象を与えるためには、徹底的な企業研究と応募者の貢献度を明確に伝える必要があります。
ここでは、中途採用面接で好印象を与えるポイントを、詳しく解説します。
企業研究を徹底しその企業の必然性を伝える
まずは応募先企業の方向性・理念・社長の挨拶・社員の声・サービス内容・営業成績など徹底した企業研究を行い、応募先企業が他の企業とどう異なるのか、どこが魅力的なのか分析します。
企業Webサイトだけでなく、業界紙や四季報なども確認し、志望する業界の動向も把握することが重要です。
その上で、あなたが志望する理由と結びつけて、いかにその企業でなければならないか具体的に訴求します。
念入りに分析した企業情報と共にあなたの言葉で伝えることで、根拠をもたせた入社意欲となり、応募先企業へのポジティブな印象が引き立ちます。
同じ業界の他企業ではなく、いかにその会社に入りたいかを伝えてください。
入社後のキャリアプランを具体的に伝える
中途採用の面接では、応募者がこれまでの経験やスキルを軸に、自社にどう貢献してくれるかを知りたいものです。
応募者は、応募先企業が求める人物像をしっかり把握し、自身の経験やスキルが確実に合致していること、その上で、足元だけでなく3年後、5年後にはどのような役割で、どのようなジャンルに貢献できるかをアピールしてください。
具体性のあるキャリアプランを伝えることで、応募先企業としても、あなたの将来像をイメージでき、採用への一歩に近づきます。
中途採用面接でよく聞かれる質問と回答例
続いて、中途採用面接でよく聞かれる質問とその回答例についてご紹介します。
回答のポイントについても解説しますので、面接活動の参考にしてください。
自己紹介をしてください
【回答例】
〇〇と申します。本日は貴重な時間をいただきありがとうございます。私は、〇〇大学を卒業後、株式会社〇〇にて6年間営業職として実務経験を積んでまいりました。
5年目には、自社商材の法人営業として大手企業10社を担当、営業担当15名のうち、成績1位の売上も達成しました。
6年目には、営業マネジャーとして経験を積み、部下のマネジメントにも取り組んでおります。
これまで営業職として培ったノウハウや、部下へのマネジメント能力を活かし、御社では、エリアマネジャーとして統括的な業務管理、担当エリアの店舗売上に貢献していきたいと存じます。
【ポイント】
まず冒頭で氏名、現職の状況について簡潔に説明しています。また、具体的に過去の実績を説明し、営業職としての経験やスキルをアピールしています。
その上で、培ったノウハウをどう応募先企業へ貢献できるか具体的に説明しており、採用後の働き方も、非常にイメージしやすい内容です。
なぜ今の会社を辞めたのですか
【回答例】
退職を決めた理由は、キャリアアップです。
前職は、業界未経験でWebデザイナーとして入社し、合計7年の実務経験を積んでまいりました。
最終的には、デザイナーチームのリーダーとして部下の育成に携わり、今では部下も育ち、Webデザインのみならず広告クリエイティブなどさまざまなシーンでクライアントへ貢献しています。
チームリーダーとしてマネジメント能力を養え、とても感謝しているのですが、リーダーということもありアウトプットの場が多く、より多くのデザインを吸収するには部下も育ったこのタイミングで環境を変える必要があると考えました。
御社は、業界でもトップクラスのUI/UXデザイナーを抱えており、私としても新たなキャリアを歩めるのではないかと考えました。
これまでデザイナーとして培った経験を御社で活かしながら、今後はUI/UXデザイナーとして新たなキャリアを積み上げたいと存じます。
マネジメントの経験もございますので、部下の育成などでもお役に立てればと思います。
【ポイント】
まず冒頭で、なぜ退職しようと考えたのか明確な理由を述べています。
その後、どのようなキャリアを歩んだきたのか、どのようなスキルを保有しているのか分かりやすく解説しています。
また、退職を決めるに至った背景にも言及し、チームリーダーとして部下が育ったタイミングで辞めると決断した責任感も伝わります。
今後はさらに別のキャリアで自分を高めたいという意欲と、応募先企業への熱意が伝わる内容だと判断できます。
当社で活かせる経験やスキルを教えてください
【回答例】
前職では、Web広告の運用スキルを習得し4年の実務経験を有しています。
取り扱えるプロダクトについては「リスティング広告」「Google広告」「Yahoo!広告」です。
さまざまな業界での実績がございますが、直近ではローカルビジネスを展開する小売店へのサポートを担当させていただき、リスティング広告においてサイト訪問数前年比3倍に貢献いたしました。
御社ではInstagram広告をはじめとしたSNS広告を主軸とされていますが、これまで培ってきたユーザーセグメントやキーワード選定などの運用ノウハウは、必ず貢献できると考えております。
【ポイント】
冒頭では、どのようなスキルと経験を有しているのか簡潔に述べています。
また、積み上げた実績も話題として盛り込まれており、どのような業務で応募先企業へ貢献できるかも明確で、簡潔にアピールポイントを訴求している例です。
その他のよく聞かれる質問と回答例については、以下記事で詳しく解説しています。
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