ストレングスファインダーの資質「最上志向」の強み・弱みとは。仕事への活かし方
ストレングスファインダーは、4つの領域に分類された34の資質のなかから、診断者の強みとなる資質を特定する診断ツールです。
以前までの正式名称は「クリフトンストレングス・ファインダー」でしたが、現在では「クリフトンストレングス」にリブランドされています。
34に分類される資質の一つが「最上志向」です。
最上志向を持つ人は、得意とする職種や考え方、弱点となる要素に特徴があります。
そこで本記事では、ストレングスファインダーの資質「最上志向」の概要や強み・弱み、向いている職種を解説します。
ストレングスファインダーの診断で最上志向が出た人をはじめ、ストレングスファインダーの資質に興味のある人はぜひ参考にしてください。
ストレングスファインダーにおける最上志向とは
ストレングスファインダーの資質「最上志向」は、一言でいえば自身や他者の強みを最大限に引き出すことに注力するのが特徴です。
最上志向は4つの領域において、リーダー気質で意見を明確に表現する「影響力」に属しています。
最上志向を持つ人は、個々が持つ能力のうち、平均的な水準にとどまっている能力にはあまり関心がなく、特に秀でている能力に興味を持ちます。
そして、秀でている能力をさらに伸ばし、より唯一無二の能力・人材にしていくことに余念がありません。
秀でている能力があると感じられる集団に所属することを好み、同時にメンバーから自身の能力を高く評価されることを期待します。
なお、最上志向は日本の「ストレングスファインダー」の診断結果を持っている人のうち、約3人に1人が持つ資質とされています。
最上志向がある人の強み
最上志向がある人には、以下の強みがあります。
- 自身やチームの仕事の質を究極まで高められる
- 周りの人の得意や強みを引き出せる
自身やチームの仕事の質を究極まで高められる
最上志向を持つ人は、弱みを補強するより、個人が持つ強みを一早く見抜いて伸ばすことが得意です。
一方、弱みを補強して平均レベルにすることにはあまり魅力を感じません。
また、最上志向を持つ人は向上心が高い傾向があり、何事に対しても「よりよく」「極めたい」と考えて高みを目指します。
最上思考を持つ人がチームに居れば、自分と第三者のパフォーマンスを最大限に引き上げ、仕事の質を極限まで向上させられるため、高い成果が期待できます。
周りの人の得意や強みを引き出せる
「最上志向」の資質を持つ人は、ほかの人の才能や強みを見抜きやすいという特性があります。
周りの人の得意分野や向いている仕事を見極め、強みを見つけるとそれを伸ばしてあげたいと考えます。
そのため最上思考を持つ人は、チームで取り組むプロジェクトのなかでメンバーの強みを見つけて、うまく仕事を振り分けることで組織活性化を促進できる人材です。
また、最上志向を持つ人をチーム管理者に任命し、メンバーの割り当てを担当させれば、最適な人員配置が期待できます。
最上志向がある人の弱み
最上志向を持つ人の弱みは以下の3点です。
- 完璧主義を周りの人にも押しつけてしまう
- 完璧にできないと物事が進まず、自己嫌悪に陥ることがある
- 問題を見過ごす可能性がある
完璧主義を周りの人にも押しつけてしまう
最上志向を持つ人は、自分に厳しい完璧主義者の側面があります。
そのため、自分の完璧主義を他人にも押しつけてしまうことがあります。
例えば、最上志向を持つ人が資料作成する際は、フォントの大きさからレイアウトまで、細かい部分までこだわるのが特徴です。
資料作成を任せた場合、他人は気にしないような細かな点まで指摘するため、相手によっては辟易したり口論になったりする恐れもあります。
悪気がなくとも、結果的に他人にも自身の高い理想に基づいた完璧主義に従わせようとしてしまい、自分および他人へのストレスの原因となることがあります。
完璧にできないと物事が進まず、自己嫌悪に陥ることがある
最上志向を持つ人は、際限なく上を目指し物事に関わる特性があるため、結果・仕上がりになかなか満足できません。
理想が高すぎるがゆえに納得がいかなかったり挫折をしたりするケースが多く、自分や他人を否定してしまうことがあります。
また、十分な水準に到達している業務・制作物でも物足りなさを感じ、必要以上に時間・労力をかけてしまいがちです。
完璧主義をネガティブな方向に作用させないためには、まず「一つひとつの業務・制作物がどの程度のクオリティが求められるのか」を適切に把握してください。
場合によっては、成果に対して求める水準を適度に緩める感覚を持つことが大事です。
問題を見過ごす可能性がある
最上志向を持つ人は、既存のものをさらに磨く思考を常に持ち続けます。
興味がある物事・人物には自身のリソースを最大限に割いて関与しようとしますが、反対に興味のないものには全くリソースを割きません。
物事・人物への好き嫌いが明確であるがゆえに、問題や課題、弱点を見過ごしてしまう可能性が高くなります。
ストレングスファインダーの最上志向の活かし方
最上志向は、その特性を上手に活かすことで大きな成果をもたらせる資質です。
ここでは、最上志向の活かし方を解説します。
ほかの強みと組み合わせる
最上志向は、ほかの資質とのシナジー効果が期待できます。
最上志向と相性がよく、さらに最上志向のよさを底上げできる資質の組み合わせは以下の通りです。
組み合わせ例 | 概要 |
最上志向×アレンジ | 最も無駄のない方法を検討し、実行できる |
最上志向×戦略性 | 最高の成果を最短ルートで出す方法を選択できる |
最上志向×適応性 | 不測の事態にも柔軟に対応できる |
また、最上志向を持つ人が見落としがちな問題・課題を拾い上げられるのが「回復志向」を持つ人です。
回復志向は、物事の問題・課題を見つけることに長けている資質です。
最上志向と正反対の資質だからこそ、回復志向を持つ人と協働することで隙のない取り組みが実現できます。
自分の得意領域での仕事やプロジェクトに取り組む
最上志向は、自分が興味のある事柄であれば、最大限の成果を出すためにリソースを割くことに余念がありません。
そのため、できる限り自分の得意領域での仕事・プロジェクトに取り組むのが望ましいといえます。
最上志向を持つ人は、自分が苦手・弱点と感じる物事には興味が湧かず、克服しようとする気持ちが薄い傾向です。
苦手だと感じている領域の仕事・プロジェクトを担当しても成果が出づらいため、できることなら避けるのが無難です。
どうしても苦手な領域の仕事・プロジェクトを担当しなければならない場合は、視点を変えて、自分が得意な方法を模索することが解決の糸口になります。
適切な目標設定をした上で、成果の追求をする
最上志向の人は、新しいチャレンジにおいても非常に高い目標を立てて行動しがちです。
また、完璧主義の傾向を持つため、自身に対して過度に厳しい自己評価を下すことが往々にしてあります。
そのため、高すぎる目標をクリアできない自分に幻滅して、すぐに行動を止めてしまうケースが散見されます。
最上志向を持つ人が目標設定する際には、いきなり高い目標を設定するのではなく、最初のハードル・目標を下げることが重要です。
具体的かつ達成しやすい目標を個別に設定し、ステップバイステップで進めていくと、自己評価を不当に下げることなく進められます。
さらに、最上志向の人は目標を追求することに喜びを感じるので、適切な目標を着実に達成していくことで成果が出やすい側面もあります。
最上志向を持つ人との関わり方
最上志向を持つ人は、自身の強みを適切に評価してくれる環境を好みます。
一方で、自身の弱みを指摘してくるような集団・個人は避ける傾向があり、自身が評価に値しないと判断した対象には冷たい態度を取ることもあります。
そのため、最上志向を持つ人と関わるときには、できる限り本人の強みに目を向けた付き合い方が望ましいです。
また、仕事面で最上志向を持つ人と関わる場合は、本人の強みが活かせるポジションに配置するようにしてください。
そうすることで、本人や周囲のパフォーマンス向上が期待できます。
一方で、最上志向を持つ人は問題・課題を見落としがちであるため、問題修復の作業は向いていません。
問題修復の作業に取り組む際には、これを得意とする資質の「回復志向」を持つ人と分業するのがベストな選択といえます。
最上志向を持つ人が向いている職種や役目
最上志向を持つ人は、自己向上と周囲の成長に貢献できるポジティブな存在ですので、向いている職は数多くあります。
向いている職種・役目の代表例は以下の通りです。
- プロジェクトマネージャー
- 教育者・コーチ
- コンサルタント
- 起業家
- 研究者
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体を統括するポジションです。
プロジェクトの成功を最終目標とし、以下の業務を担当します。
- 進捗管理
- リスク評価
- チームメンバーへの指導・改善 など
最上志向は、プロジェクト成功という最終目標を達成する上で欠かせない資質です。
ただ、多岐にわたるスキルが求められるため、高度な人材が要求されるポジションであることには留意してください。
教育者・コーチ
教育者・コーチは、教師・塾講師・サッカークラブのコーチなどが該当する職種です。
生徒・学生の成長や強みを発揮・促進するのが主な業務内容であるため、強みを見つけて伸ばすのが得意な最上志向を持つ人が向いています。
最上志向を持つ人は、成果を最大化するために常にブラッシュアップを試みる特性があるため、教育内容や教え方を適宜修正・改善しながら取り組めます。
また、教材の改善や授業の工夫にも能動的に取り組めるため、生徒・学生の強みを効率よく向上させられる点もポイントです。
コンサルタント
コンサルタントは、クライアントの経営課題を明確にし、解決に向けた施策を立案・実行する職種です。
コンサルタントには、さまざまな業界を担当する「総合型」と業界を絞って専門的に請け負う「特化型」がありますが、最上志向を持つ人はどちらにも向いています。
なぜなら、最上志向を持つ人はクライアントの成果・目標に向けて徹底的にこだわる特性があるからです。
最上志向は、クライアントの経営課題を解決し、満足度の高いコンサルティングを行うにはうってつけの資質です。
ただ、質の高いコンサルティングを行うには、問題解決能力と洞察力も欠かせません。
問題解決能力と洞察力が備わった最上志向を持つ人は、コンサルタントとして活躍できる可能性が高いといえます。
起業家
起業家は、情報収集や人脈作り、ビジネスアイデアの明確化を通して、自ら新しい事業を立ち上げます。
「何がビジネスチャンスとなるのか」を見極められなければ、起業家として大成できません。
新規ビジネスを始動する際に有用なのが、最上志向の資質です。
最上志向を持つ人は、最上の成果を出すために、改善と成長に惜しみなくリソースを割けます。
そのため、最上志向を持つ人は起業家として成功する素質があるといえます。
研究者
研究者には、人類がいまだ解明できていない難問に挑む気概とスタンスが肝要です。
最上志向の資質には、専門分野において新たな知識を追求し、自分の研究領域で最高の成果を出すことに尽力できる特性があります。
また、研究者は継続的な学習と情報収集が求められるため、これらを能動的に行える最上志向の資質は最適だといえます。
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転職活動をするにあたって自分の資質を知るメリット
転職活動を行う際には、ストレングスファインダーを実施して自分の資質を明確にしておくことをおすすめします。
自分の資質を転職活動の参考にするメリットは、以下の通りです。
- 仕事において自分の喜びもしくはストレスを感じるポイントが理解できる
- 仕事に対する自分の適性が明確になり、業種・職種選びの基準が持てる
- 転職後の人間関係構築を予想立てて準備できる など
自分の資質や特徴を踏まえて転職活動をするなら、プロの転職エージェントサービスを利用することが近道です。
転職エージェントは、相談者の資質・強みを第三者視点から評価し、最適なキャリアプランを提示できます。
このストレングスファインダーの診断結果からキャリア形成を支援できるのが、弊社「ASSIGN AGENT」です。
強みや資質を活かしたキャリア形成を支援する「ASSIGN AGENT」
ストレングスファインダーで自分の資質を理解できたとしても、そこから先のキャリアプランへの落とし込みを自分一人で行うのは難しいのが実情です。
仮に、間違った解釈でキャリアプランへの落とし込みを行った場合、資質の強みを活かしきれないキャリアへ進む危険性があります。
あなたの持つ資質から最適なキャリアプランを提示できるのが、「ASSIGN AGENT」です。
ASSIGN AGENTでは、自分の資質や価値観を活かしたキャリア形成をさまざまな観点から支援しています。
初回面談では求人を紹介せず、あなたの強みや適性を明確にするためのヒアリングに時間を充てていることが特色です。
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