【図解】プレゼンテーションのコツ。導入から聞き手を惹きつける話し方まで解説
顧客・取引先・社内の担当者などに対して、効果的な説明を行う「プレゼンテーション」。
プレゼンの目的は、聞き手の立場に立って自分の考えを伝え、聞き手に行動してもらうことです。
プレゼンスキルを磨くことは、ビジネスパーソンが成果を出す上で欠かせない要素といえます。
しかし「どのようなスキルを磨けば、効果的なプレゼンができるのかがわからない」という方もいるかもしれません。
そこで本記事では、成果を大きく左右するプレゼンの話し方や事前準備、聞き手の巻き込み方のコツを解説します。
プレゼンスキルを習得したい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
プレゼンテーションとは
プレゼンテーションにはさまざまな定義がありますが、わかりやすく説明すると「聞き手の立場に立って自分の考えを伝えて、聞き手に行動してもらうこと」です。
プレゼンの例としては、故スティーブ・ジョブズ氏が行っていたiPhoneの新作発表が挙げられます。
ただ、一般的なビジネスパーソンが故スティーブ・ジョブズ氏のような100名・1,000名にプレゼンを行うシチュエーションは少ないはずです。
大勢の人々に対して何かを伝えることだけが、プレゼンに分類されるわけではありません。
日常業務のなかで顧客・上司・部門メンバーに想いを伝える行為も、プレゼンの一種といえます。
プレゼンテーションのシチュエーション
プレゼンのシチュエーションは多岐にわたりますが、日常業務のなかで身近な例は以下の4つです。
- クライアントへの提案
- 社内報告・稟議
- チームメンバーへのメッセージ
- 商談・商品もしくはサービスについて説明
上記はあくまで代表的なものであり、ビジネス上であればあらゆるシチュエーションでプレゼンを行う機会があります。
また、プレゼンのシチュエーションはビジネスに限ったものではありません。
日常的にも、以下のように小さなプレゼンを行うシーンが溢れています。
- 友達と旅行先を決める際に、自分が行きたいところをアピールする
- 好きな人に告白する
- 配偶者に欲しい車の魅力・メリットを説明して購入の許可を得る など
このように、プレゼンスキルはプライベートのさまざまな場面でも活かせるものであり、汎用性の高さが魅力だといえます。
プレゼンとスピーチの違い
プレゼンと混同されがちなのが「スピーチ」です。
プレゼンとスピーチの最も大きな相違点は、プレゼンがスライド・資料を用いながら視覚情報も活用して伝えるのに対し、スピーチは口頭をメインで伝える点です。
どちらも聞き手に考えを伝えて、理解してもらう点は共通していますが、プレゼンはスピーチよりも視覚情報を活用する分、伝え方の幅が広がります。
例えば、以下のプレゼンスタイルを採用した企業もあります。
とある調理器具メーカーの製品開発プレゼンでは、空腹を感じやすい夕方に、会議室にコンロを持ち込んで調理しながらプレゼンをした。 |
参加者が空腹を感じやすい時間帯に、実際に目の前で実演を交えながら説明すれば、より製品の魅力が伝わりやすくなります。
さまざまな補足情報・環境を活用して的確に伝えられる点は、プレゼンならではの利点です。
プレゼンテーションで重要なポイントは「感情×論理×技術」
プレゼンテーションスキルは、一言でいえば他者にわかりやすく伝えるスキルです。
ビジネスシーンでは、取引先・ステークホルダー・社内の上司・部下など、あらゆる人々に自分の考えや想いを伝える場面があります。
それゆえに、プレゼンスキルはビジネス上で非常に汎用性の高いスキルだといえます。
このプレゼンスキルを構成するのが「感情×論理×技術」の3要素です。
次項よりこの3要素について一つずつ解説します。
プレゼンテーションのコツ1:聞き手の感情を掴む
プレゼンでは、自分にフォーカスを当てて訴求内容を考えてしまう方が多いですが、第一に相手(聞き手)の感情を考えることが大切です。
相手の感情に刺さるプレゼンができれば、より自分が目指す成果に近づけます。
聞き手の感情を踏まえたプレゼンを行うにあたって、重要な3つのポイントを紹介します。
- 聞き手・シチュエーションを知る
- 導入・アイスブレイクを行う
- 話し手・聞き手で共感できる状態を作る
聞き手・シチュエーションを知る
プレゼンに臨む前に、聞き手に関する以下の項目を確認してみてください。
- バックボーン
- 所属する会社の規模
- 役職
- 関心事 など
上記の項目は、プレゼンの原稿・スライド作成のなかで「どのようなメッセージを届けたいのか」といったストーリーを検討する際に欠かせません。
具体的に聞き手・シチュエーションを把握する方法について、4つの例をもとに解説します。
プレゼンの内容は「プレゼンの内容について前提がどのくらい共有されているか」「聞き手が社内、もしくは社外のどちらに所属しているか」で変わります。
対応策は以下の通りです。
【社内】 ・社内企画プレゼン最終報告の場合、聞き手は前提情報を把握している。そのため「利益が出るのか」「リスク・懸念はないのか」など踏み込んだ内容を伝えることが重要である ・新チーム発足の場合、聞き手には前提情報はない。そのため「どのようなことをするのか」「リーダーはどのような人か」という基本情報を伝える必要がある 【社外】 ・企画提案の最終プレゼンの場合、聞き手は前提情報を把握しているため、最終的に導入するメリットや他社との比較の説明に重きを置くことが大切である ・初回面談の場合、聞き手に前提情報がないため、まず聞き手に知ってもらいたい情報を過不足なく説明することが大切である |
常に聞き手の状態・自分との関係を意識しながらプレゼンを構築することが大切です。
導入・アイスブレイクを行う
プレゼン全体の雰囲気・トーンは、冒頭の印象が大きく影響します。
そのため、本題に入る前の導入・アイスブレイクを効率よく行うことが、プレゼン成功の鍵を握ります。
実践しやすい導入・アイスブレイクは以下の通りです。
①自己紹介 自分がどのような人かを紹介し、参加者に親しみ・人間味を持ってもらう |
②数字だけ見せて興味を引く スライドに数字だけ記載して、なんの数字かを考えさせる 例:「1/3」という数値を見せて「これは何の数値だと思いますか」と質問する。考える時間を与えた後、これは現状に満足していない人の割合だと説明する。 |
③参加者への質問・問いかけ 冒頭に「みなさんもこういった経験はありませんか」と、本題に関係のある質問を行う。 例:人材育成に関するプレゼンで、聞き手に「現在、具体的にどのような施策を行っているか」と質問する。 |
④前回の振り返り 2回目以降のプレゼンで、聞き手に前回までの内容を思い出してもらい、今回のプレゼンの解像度・理解度を上げる |
導入・アイスブレイクをプレゼンの前に行うことで、聞き手の理解度を高め、プレゼンへの集中を促せます。
話し手・聞き手で共感できる状態を作る
プレゼン内容を考えるとき、つい話し手である自分の想いを込めすぎてしまうと、一方的な内容になりがちです。
プレゼンでは、話し手の一方的な「共感してほしい」では伝わりません。
最終的に自分の想いを伝えるためには、まず聞き手の疑問や課題に共感している事実を、主語を「私」ではなく「私たち」にして伝えることが大切です。
例えば「私たちってやるべきことを後回しにしてしまう癖がありませんか。実は私も後回しにする癖があって、できない自分にがっかりしてしまうことがあります。」のように、今の悩みに共感する方法です。
主語を「私たち」に変更することでプレゼンの場に一体感が生まれ、共感を呼びやすくなります。
また、主語を私たちに変更しつつ、さらに自分と聞き手に共通する課題を題材にしてプレゼンすると、より共感されるものとなります。
プレゼンテーションのコツ2:論理的な説明で役立つフレームワークを活用する
プレゼンでは、聞き手の感情に寄り添うだけでなく、論理的に説明することも重要です。
論理的に説明をする上で、フレームワークの活用が効果的です。
フレームワークを活用すれば、伝えたいことを構造化した「プレゼンの骨子」を作成できます。
プレゼンに活用できるフレームワークは以下の3つです。
- SDS法
- PREP法
- AIDMA法
SDS法
SDS法は、要点(Summary)→詳細(Details)→要点(Summary)の順で伝える方法です。
SDS法では、最初に要点を話して聞き手の集中力を上げつつ、詳細を中盤に説明することで、要点を効果的に補足し、聞き手を惹きつけられるのがメリットです。
最後に改めて要点を伝えることで、聞き手の記憶に残りやすくなります。
PREP法
PREP法は、SDS法と同様に結論と結論で挟む方法です。
結論と結論の間に、理由(Reason)と具体例(Example)を説明することで、伝えたいことを具体化し、聞き手の理解を促せます。
プレゼンでは、上記の画像で紹介しているPREPの流れで話した後に「だから導入しましょう」と促すと、聞き手が納得感を得やすくなります。
AIDMA法
AIDMA法は、主にマーケティングでユーザーの購買行動プロセスを分析する際に活用されることが多いですが、プレゼンにも活かせるフレームワークです。
AIDMA法を用いてプレゼンを行うと、聞き手の心理は以下のプロセスで変化します。
例:キャリア選択に関するセミナーを紹介するプレゼンテーションの場合 Attention(注目): キャリア選択の重要性を知る Interest(興味): キャリア戦略に重要なポイントを教えてもらえるセミナーに興味を持つ Desire(欲求): セミナーの特徴を認識し、自分も受けたいと思う Memory(記憶): セミナーを記憶し、導入を検討しはじめる Action(行動): 行動する(セミナーに申し込む) |
特に初回のプレゼンでは、伝えたい内容に関して聞き手が詳しくないことが多いため、まずは聞き手の注目を集めることが肝要です。
注目を集めたら、概要を解説して聞き手の興味・欲求・記憶を促すことで、実際の行動につなげられます。
AIDMA法は、特に初回のプレゼンにおいて真価を発揮しやすい方法です。
プレゼンテーションのコツ3:聞き手を惹きつける話し方・アクション
プレゼンはスピーチと異なり、スライド・資料を用いて行いますが、前提として「話し方・アクション」が重要であることは変わりありません。
そのため、聞き手を惹きつける話し方・アクションを習得しておくことが、プレゼンを成功へ導く鍵です。
ここでは、プレゼンで役立つ話し方・アクションを解説します。
声にメリハリをつける
プレゼンでは、内容と同様に「声」そのものにも気を遣う必要があり、抑揚のない声では聞き手の興味を引けません。
聞き手の興味を引くためには、プレゼンの内容によって声の大小・緩急を変更し、強調ポイントを作ることが大切です。
また、内容の強調にもメリハリをつけることが大切で、強調を意識するあまり常に大きな声で話し続けるのは、むしろ逆効果となる可能性があります。
自分が強調したいポイントを明確にし、声の大小・緩急でメリハリをつけることが、効果的なプレゼンに欠かせません。
意図的な「間」
プレゼン中に「間」や「沈黙」が起きてしまうことを恐れ、矢継ぎ早に話したり内容を詰め込んだりするのは、むしろ伝わりにくくなるため、避けるべきです。
間・沈黙が適宜挟みこまれるプレゼンは、かえって聞き手を引き込めるものとなります。
例えば、ずっと話し続けていたなかで急に話すのを止めると、一気に注目を集められます。
また、何か問いかけを行った後に少し間を空けると「今は考える時間だ」と聞き手の意識を変えることも可能です。
重要なところを繰り返す
プレゼンのなかで「ここは重要だ」と思うポイントは、何度も繰り返して説明することが重要です。
繰り返す際には「ここが一番重要です」「今のところはポイントです」などのワードを用いて、聞き手の注目を集めてみてください。
特に伝えたいと思う重要なポイントは、何度も繰り返して伝えても問題はありません。
聞き手は厳密に繰り返した回数・表現を覚えてはいないため、むしろ同じ内容・表現を繰り返して強調するほうが印象に残りやすいのです。
アイコンタクト
プレゼンのなかで、聞き手とアイコンタクトを取ることも有効です。
笑顔でアイコンタクトを随時取ることで、それだけでも聞き手に好印象を与えられます。
アイコンタクトを取る際には、プレゼンの内容・場面ごとに目を合わせる秒数を変えることが望ましいです。
また、聞き手が複数人いる場合は、できる限り全員とアイコンタクトが取れるように全体を見ながら行うようにしてください。
質問・問いかけ
プレゼンでは、質問・問いかけを適宜行って、聞き手を「参加者」として引き込むのがおすすめです。
聞き手を参加者として引き込むと、聞き手に当事者意識が生まれプレゼンへの深い理解を促せます。
さらに、聞き手を参加者として引き込むことには、以下のメリットもあります。
- 聞き手の持つ情報を引き出せる
- 意見・異論・反論を喚起することで、より実りのあるプレゼンとなり得る
- 伝えたいことを強調できる
上記のメリットを自身のプレゼンに還元できれば、より成功に近づきます。
プレゼンテーションで最後の後押しになる「熱量」
プレゼンでは、話し方・アクションのテクニックももちろん大事ですが、最後は想い・熱量を乗せることを意識してください。
「自分はこのサービスで人生を変えることができた」といった自身の想いを伝えるほうが、聞き手には響きやすいのです。
ここでは、話し手の想いや熱量を伝える上でのポイントを解説します。
練習と改善を繰り返して自信をつける
プレゼンを成功させる上で、さまざまなテクニック・フレームワークを駆使することはもちろん大切ですが、最後の一押しに影響するのは話し手が抱く「熱量」です。
熱量は話し手の感情と熱気から生まれるものであり、熱量を伝えるためには、まずプレゼンに自信を持つ必要があります。
自信をつけるには、何度もプレゼンを練習し、改善を重ねることが重要です。
プレゼンだけでなく、カラオケとスポーツにおいても、練習と改善の繰り返しによって自信が生まれます。
例:カラオケ 最初は歌詞を覚えられなかったり、目の前で歌うのが恥ずかしかったりするが、繰り返し練習することで、歌詞を覚えて目の前で歌うことにも慣れるため、熱量を込めて歌えるようになる |
例:スポーツ 不慣れな時期は、ルールを意識するあまりぎこちない動きとなるが、繰り返しトライすることでルールが身につき、パフォーマンスを上げる方向へ熱量を向けられる |
上記の例と同じく、プレゼンの練習においてもPDCAを繰り返し回すことで、自信を持って熱量を込められるようになります。
質疑応答で不安の解消する
プレゼンの最後に行うことが多い「質疑応答」も、重要な役割を果たします。
実際のところ、話し手はプレゼンのなかで伝えたい内容のプラス要素・メリットを多く伝えてしまいがちです。
ただ、聞き手はマイナスな要素も認識できると納得感が強くなるとされています。
質疑応答ではマイナスな要素に関する突っ込みを予測しておいて、自信を持って回答できるとプレゼン全体が締まります。
また、プレゼンのなかで「〇〇といったご質問をよくいただくのですが」のように先に疑問に持つところに先手を打っておくのも有用です。
質疑応答まで含めて、練習と改善を繰り返して自信をつけ、自分の想いをプレゼンに乗せられるようになると、よい成果につながります。
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