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新規開拓営業で意識すべき「営業のゲーム性」。リスト作成やクロージングのコツを解説

企業の売り上げを上げていくためには、営業による新規開拓が欠かせません。

新規営業活動で意識すべきポイントに「営業のゲーム性」があります。

営業のゲーム性は全ての営業活動に影響しますが、特に新規開拓営業では意識すべきポイントです。

本記事では、営業のゲーム性を念頭に置いた新規開拓営業のリスト作成・クロージングの方法を解説します。

新規開拓営業でさらに成果を上げたい人は、ぜひ参考にしてください。

営業のゲーム性

営業のゲーム性とは、営業活動で効率よく成果を上げるために捉えておきたいポイントや切り口のことをいいます。

まずは、営業のゲーム性について「見込み客が多い営業」と「見込み客の少ない営業」の2パターンに分けて見ていきます。

担当領域の営業のゲーム性を理解して、営業の見方や効率的な方法を把握してみてください。

見込み顧客が多い営業の場合

見込み顧客が多い営業では、商談をする相手や機会が多いのが特徴です。

そのため、回転数と効率を上げて営業活動をしていく必要があります。

見込み客が多い営業では、下記2点のポイントを重視して営業をするのが効率的です。

  1. 成約率の高さ:意思決定の早いクライアントを優先する
  2. 単価の高さ:単価の高い商品やサービスを購入できるクライアントを優先する

実務的な例として、証券会社の営業を紹介します。

①成約率の高さ:
投資経験がある見込み顧客やオーナー企業に営業をかければ、受注ハードルが下がったり、意思決定が早かったりするため、成約率が高くなりやすい

②単価の高さ:
会社の規模・創業年数・業界動向などから資産の大きさを仮定して、アプローチする

どのような商材であっても、上記2点のポイントを意識して営業活動を行えば、最終的な売り上げの総和が大きくなるはずです。

見込み顧客が少ない営業の場合

見込み顧客が少ない営業とは、プライベートジェットのような、世の中に購入できる方が少なく、商品単価が非常に高いものを提案しなければならない営業のことを指します。

この営業では、顧客から購入に対してイエス・ノーの返事を効率よくもらうことはできません。

そのため、日頃から十分なコミュニケーションをとって信頼関係を深め、常に頼られるような存在になることが重要です。

見込み顧客が少ない営業への理解を深めて、成果を上げるためには下記3点を意識するのが望ましいです。

  1. アプローチ方法:効率よりも確実に成約するためのアプローチを重視する
  2. ニーズ理解:商談機会がそう多くはないため、確実にニーズを理解する
  3. 提案方法:画一的な提案ではなく、購入の必然性を理解してもらえるよう提案する

上記のポイントを意識し、顧客との関係性の構築を念頭に置いて営業活動を行うと、成果を上げやすくなります。

そのほかのケース

新規開拓営業では、見込み顧客の多寡以外にも、切り分け方がいくつかあります。

切り分け方の具体例は以下の通りです。

具体例営業のポイント
単価の大小・単価の高い商材の場合:決裁者を理解した上で営業をする
・単価の小さい商材の場合:現場レベルの担当者への営業を重視する
ニーズの顕在化・潜在化・ニーズが顕在化している場合:営業のなかで顧客のニーズに沿った提案をすることが重要
・ニーズが潜在化している場合:営業のなかでまずはニーズを顕在化させるプロセスが必要

このように、自身が実施している営業に即したポイント、つまり営業のゲーム性を2〜3つほど理解しておくと、より効率よく営業活動を進めることが可能です。

リスト作成とアポ獲得のポイント

新規開拓営業では、どの見込み顧客に営業をかけていくかを一覧にした「リスト作成」が肝要です。

そのリストをもとにアポイントを獲得していくのが、基本的な流れです。

ここでは、新規開拓営業におけるリスト作成とアポ獲得のポイントを解説します。

リスト作成方法

新規開拓営業では「まずリストをどう作るのか」の議論からスタートするのが一般的です。

ただ、このリスト作成方法は営業のセールスやそのゲーム性によってやり方が全く異なります。

そのため、営業のゲーム性を十分に理解した上で、リスト作成を行うのが重要です。

例えば、業界に制限なく顧客になりうる、マーケティングや採用に関する商材の場合、下記2点を意識してリスト作成を行うのが効果的です。

  1. 業界:どの業界からアプローチするか
  2. 購買力:(単価の高い商材の場合)資金に余力があるか

どの業界にアプローチするかを決め、そのなかでも資金力のある企業をターゲットから順に、リスト作成すると効果的です。

また、一定の単価感がある商材の営業であれば、購入金額を支払えるだけの余力があるような企業・個人に対してリストを作るのがポイントです。

例えば、プライベートジェットの営業や不動産営業などは単価が高いので、顧客リストは自ずと絞られます。

アポ獲得方法

アポ獲得方法で強力なのが「紹介」であり、営業スタイル問わず、最も効率のよい営業活動を可能にします。

そのため、紹介されるネットワークやコネクションを多く保持していることが、営業としての実力の一つに数えられます。

ただ、アポ獲得方法を「紹介」にこだわり過ぎる必要はありません。

営業のゲーム性を理解してアプローチ方法を柔軟に変えることが大切です。

テレアポ・飛び込みなどの手法で多くのアポが獲得でき、最終的に受注金額の総和が大きくなれば、紹介より効果的なアプローチ方法といえます。

決裁者の理解と提案の組成

新規開拓営業の際は、商品・サービスの購入における最終判断を下す決裁者を正しく理解した上で、その人に対して効果的な提案を行うと成約率が高まります。

ここでは、決裁者の理解・提案の組成の流れについて解説します。

決裁者を理解するポイント

決裁者の理解は、大きく2つのパートに分かれています。

①決裁者が誰かを理解する

「決裁者が誰かを理解する」図解

まずは、顧客側の決裁者は誰なのかを明確にすることが大切です。

特に単価の高い商材になればなるほど、決裁者の役職が課長→部長→役員へと上がります。

つまり、決済金額が1,000万円以上のような高額商材の営業では、課長だけにアプローチしていても承諾は得られません。

単価の高い商材の営業では、案件のスコープが「誰」にまで関係しているかを理解した上で営業活動をすると、承認を得られやすくなります。

なお、事業会社の役職によって決済金額が異なるため、そのレイヤーと金額の相互関係を把握するのが重要です。

②ニーズを理解する

「ニーズを理解する」図解

決裁者が特定できれば、その決裁者が持つニーズの理解が次のステップとなります。

ニーズを理解するためには、初回商談で本人にヒアリングする前に顧客のニーズを徹底的に調べることが重要です。

ニーズを理解した上で商談できれば、ピンポイントで決裁者に提案できます。

事前にニーズを把握した上での提案で、成功を収めた例として、孫正義氏の事例があります。

サウジアラビアが、石油事業以外の新たな主幹事業を模索していることを予見した孫正義氏は、「石油の次はデータだ(参考:2018年5月21日 日本経済新聞より)」と説得。

ニーズ・将来性に共鳴したサウジアラビアは、ソフトバンクと共同で、10兆円規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を発足させた。

ニーズを事前に把握しておくと、効果的な提案を行えるため、上記のような巨額な投資が絡む案件でも成功する可能性が高まります。

ただ、いくら調査しても事前にニーズがわからない場合もあります。

ニーズが不明な場合は、初回の商談・ヒアリングをニーズ理解のファーストステップと捉えることも可能です。

どのような条件下であっても、限られた商談のなかで相手の欲しいものを理解して、伝えていくことが大切です。

提案組成のポイント

決裁者が誰かを理解し、その方のニーズを深く把握したら、次に提案を組成していく必要があります。

提案組成で重要なポイントは以下の通りです。

  • 提案をしっかりと作り込む
  • 「なぜ実現できるのか」を明確に伝える

①提案を作り込む

新規開拓営業における提案は、明確かつ具体性が生まれるまで作り込むことが大切です。

複数のデータを集めた上で、しっかりと具体化したり、スキームを固めたりしてニーズに応えられる内容に仕上がるよう意識して作成するのが望ましいです。

例えば、以下の事例は作り込んだ提案内容だといえます。

例①:コーポレートベンチャーキャピタルの設立を企業の財務に提案をする場合
→法人形態・資金調達・財源・投資対象といった構想を練り上げた上で提案する

例②:私立の高校に修学旅行の提案営業をする場合
→決裁者のニーズに紐づいた候補となりうる場所を複数提示する

上記のように、作り込んだ内容でニーズに刺さるものを提案することこそが、大きなリードにつなげるポイントです。

②「なぜ実現できるか」という問いに答える

提案には、「なぜ実現できるか」を自社の実績・経験則を絡めて伝えることも大切です。

プロジェクトの詳細を伝えつつ、自社の実績・経験則を交えると、自社ならではのケイパビリティを醸成できます。

そして、このケイパビリティをもとに「自分たちが実現できます」という根拠を示せば、決裁者側が提案を承諾する理由が明確になります。

提案ならびになぜ実現できるのかの大まかなストーリーを作り込むと、最終的な受注につながるはずです。

ロールプレイング

営業成果を上げる方策に、「ロールプレイング」があります。

ロールプレイングは、仮想で顧客と営業側を用意して、実際に話しながら物事を進めていく方法です。

営業の実践的なロールプレイングでは、自分が話す内容に対する相手の返答を想定し、それぞれのスクリプトを加えていきます。

この方法で、商談のスタートから最後まで描き切るのが効果的なロールプレイングです。

ここでは、下記2種類のロールプレイングのアプローチ方法を紹介します。

  • 新規提案のロールプレイング
  • リプレイス提案のロールプレイング

新規提案のロールプレイング

新規提案(新規開拓営業)では、顧客のニーズを捉える段階からスタートします。

顧客のニーズを事前に調べつつ、実際の商談のなかでニーズを顕在化させて、購買につなげるまでを意識してロールプレイングを組み立てると効果的です。

購買理由に合致するような商材・サービスを提案するのが、新規開拓営業のロールプレイングにおけるポイントです。

リプレイス提案のロールプレイング

リプレイス提案(リプレイス営業)とは、「顧客がすでに利用している他社の商材から、自社の商材に切り替えてもらうための提案」のことを指します。

このリプレイス提案を行う場合には、顧客がすでに利用している商材への否定的なスタンス・コメントを避けなければなりません。

なぜなら、顧客はその商材を「選んで」利用している可能性が高いため、それを否定されると不快になり、提案を聞き入れてもらいにくくなるからです。

既存の商材に対しては、まず「そのサービスいいですよね」「私も以前使っていました」などの同意・同調のスタンスをとります。

そして、そのなかで「ちなみにお困りのところはありますか」「物足りないポイントはありますか」などをヒアリングできれば、潜在的なニーズをスムーズに引き出せます。

潜在的なニーズ・不満を把握できれば、それらを解消できる商材である趣旨を顧客に訴求することで、リプレイスが実現できるはずです。

ここまでに解説した流れを骨子として、リプレイス提案のロールプレイングを作成してみてください。

クロージング

商談の最終段階でやらなければいけないのが、クロージングです。

見込み顧客が多くいる場合、クロージングに時間をかけると次の営業に使える時間が減ってしまいます。

可及的速やかに見積もりを出し、期限を設けて顧客から回答をもらうのが効果的です。

反対に見込み顧客が少ない場合は、クロージングに時間をかけて丁寧に行っても問題ありません。

ここでは、効果的なクロージングを実施する上で重要な3つのポイントを紹介します。

  • ギブ・ギブ・ギブ・テイク
  • オペレーションによる信頼構築
  • 明確な期限設定

ギブ・ギブ・ギブ・テイク

一般的には、何かを与えれば何かをもらえる対等な関係を指す「ギブアンドテイク」の概念が浸透しています。

しかし、営業の世界に関しては、ギブが積み重なって初めて1回のテイクがある「ギブ・ギブ・ギブ・テイク」のスタンスで活動するのが望ましいです。

営業の世界におけるギブは些細なことでも構わず、自社の商材に関係のない顧客への手助けもカウントされます。

コツコツとギブを積み重ねた先に、はじめてテイクとしての「成約」があると認識した上で活動するのが、中長期的な成果につなげるポイントです。

オペレーションによる信頼構築

顧客との信頼構築には、オペレーションが大きく影響を与えます。

オペレーションが影響を与える例は以下の通りです。

金曜日の18時までに回答してほしい旨を顧客に伝えた後に、期限までに回答が無かった場合は、18時1分には連絡をしたほうがよい。

18時1分に連絡をすれば、顧客に信頼感のある営業活動を行っているさまを印象付けられる。

さらに、この印象付けがうまくいけば、顧客からの口コミや紹介が期待できる。

上記の例のように、誠実な気持ちが汲み取れるオペレーションを確実に行い、クロージングの精度・効率を高めていくのが成果を出すポイントです。

明確な期限設定

見込み顧客が多く、効率性を重視し意思決定を急ぎたい場合には、回答に明確な期限を設けるのが有効です。

こちらからまず期限を問えば、顧客がその期限通りの回答が難しい場合に、営業は「ではいつまでに回答をいただけますか」と、次のフレーズにつなげられます。

その結果、「◯日までには回答します」と顧客が当初想定していた期限よりも早めてくれる傾向があります。

ただし、この期限をこちらから明確に切るテクニックは、見込み顧客が多い場合のみ有効です。

見込み顧客が少ないのに、期限を最優先にする強気な態度をとってしまうと、失注した場合の損失が大きくなりおすすめできません。

状況をよく見極めてから利用することが大切です。

ロールプレイングは営業以外にも展開可能

ロールプレイングは、営業改革だけではなく、マーケティングのLP設計やプロダクトのUI /UXの検討にも使われる考え方です。

ここでは、営業以外で用いられるロールプレイングについて解説します。

マーケティングのLP設計

マーケティングのLP設計におけるロールプレイングでは、まず見込み顧客が、閲覧したSNS広告から自社の紹介ページにアクセスしたと仮定します。

広告からの流入を狙うのであれば、その広告にはユーザーの疑問・希望に応える訴求やデザインを落とし込む必要があります。

そして、遷移先の自社の商材紹介ページには、広告から興味を引かれた見込み顧客が、さらに知りたいであろう項目について詳しく説明する流れを構築するのが効果的です。

営業でいう実際のトーク部分を、自社の紹介ページに反映させることを意識してロールプレイングしてください。

UI /UXデザイン設計

プロダクトのUI/UXデザイン設計では、遷移先の紹介ページで以下の施策を考えることがロールプレイングとなります。

  • 折りたたみ式のデザインにして料金を記載する
  • 利用者の声を複数記載し、利用イメージを膨らませやすくする
  • 商材に関するQ&Aを設置し、見込み顧客の疑問を初期段階で解決する など

上記のように、「ユーザーが何を考えて紹介ページにたどり着いたのか」を想定することは、成約率を上げる重要な要素です。

まとめ

営業のゲーム性は、営業活動でより効率よく成果を上げる上で重要なポイントです。

営業のゲーム性を意識することで、見込み顧客の検討からクロージングに至る一連の営業活動において、よりよい施策を検討できます。

要所要所で営業のゲーム性に立ち返って考えられる営業担当者こそ、新規開拓営業にて大きな成果を上げられます。

ぜひ今後の新規開拓営業に、今回紹介した営業のゲーム性を活用してください。

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アサインはビズリーチの最高ランク受賞等、確かな実績を持つエージェントと、若手ハイエンド向け転職サイト『ASSIGN』であなたのキャリアを支援しています。 コンサルティング業界専門のキャリア支援から始まり、現在ではハイエンド層の営業職・企画職・管理職など幅広い支援を行っています。 ご経験と価値観をお伺いし、目指す姿から逆算したキャリア戦略をご提案し、ご納得いただいた上で案件をご紹介するのが、弊社のキャリア支援の特徴です。

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