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【PwCコンサルティング ディレクター 橋本氏インタビュー】Slerからの転身を後押しした「潔さ」とは(前編)

(左)PwCコンサルティング合同会社 テクノロジーコンサルティング ディレクター 橋本 哲哉様
(右)株式会社アサイン 取締役 奥井 亮

Slerでのファーストキャリア

奥井
それでは、よろしくお願いします。今回の記事はSIerの方も多く読まれる記事になるかと思います。橋本様もSIer出身と伺っていますので、まずは橋本様ご自身のお話をお聞かせいただければと思います。はじめに、簡単にご経歴を伺えますか。

橋本
よろしくお願いします。私は2002年に新卒でコンピュータ関連企業に入社しました。BtoB領域でエンジニアとして、サーバーやストレージの故障対応を行うカスタマーサポートの部署に所属した後、プロジェクトマネジメントを専門とする部署に移り、合わせて10年ちょっとキャリアを積みました。その後、PwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)に転職して今年で8年目です。PwCコンサルティングでは入社時からずっとテクノロジーコンサルティングに所属しています。

PwCコンサルティング合同会社への参画

奥井
SIerからコンサルタントに移られて何に一番苦労されましたか。また、それを乗り越えたブレイクスルーポイントもお伺いできれば幸いです。

橋本
私は、前職でいろいろな業務を経験し、もっとクライアントの問題解決に近づいた業務をしてみたいという気持ちが芽生えたためにコンサルタントになりました。

SIerはプロジェクトのゴールは最初から比較的見えており、そこに進んで行けば良いですが、コンサルタントはお客様とゴールを描くところから始める必要があり、SIerとアプローチが本質的に違います。例えば、資料もよりコンセプチュアルなものが求められますので、転職して間もない頃は「橋本の資料は全くわからない」とよく言われていました。そういったアプローチの違いや、求められる仕事の違いには大変苦労しました。

その中でも、分からないながらも、置かれたポジションでとにかくがむしゃらに3、4カ月取り組んだというのが、乗り越える大きなポイントだったのかなと思います。

ディレクターまでの歩み

奥井
現在はディレクターとして活躍されていますが、PwCコンサルティングに入社されてからディレクターになるまでの期間や、あわせて各タイトルで実績を作るにあたって意識されていたことをお伺いしたいと思います。まずは、シニアアソシエイトやマネージャーについてお願いします。

橋本
まず、2015年に35歳で入社したときはシニアアソシエイトという職階でした。このとき結果を出せたのは、私の「言いたいことは言う」というパーソナリティが環境と合っていたことが大きいと思います。クライアントとともに一緒に汗を流し、がむしゃらに取り組んだところ、およそ1年後にマネージャーにプロモーションしました。

マネージャーのときには、コーチング を大切にしました。シニアアソシエイトまでは自分のパフォーマンスの最大化が大切ですが、マネージャーからはチームのパフォーマンスを最大化することが一番大切だと思っていますので、周りが楽しく健全にキャリアアップしてくれるように動きました。

その中で意識したことは「隠さない」ということです。ポジションが上がると知れる情報が広くなりますが、自分の立場を守るために意図的に情報を開示しないこともできます。しかし、私の場合は、チームメンバーに積極的に情報を伝えて自分と同じ条件でメンバーが仕事に取り組めるようにし、できるだけ介入せずに任せるようにしました。また、自分がわからない、できないことは素直に言い、チームメンバーに頼るようにしていました。このような「潔さ」も大切にしました。マネージャーを2年ほど経験し、シニアマネージャーになりました。

その先の活躍に向けたセルフブランディング

奥井
シニアマネージャーやディレクターは、それまでのタイトルと異なり、セールスの側面が大きくなっていくと思いますが、そのあたりはいかがだったでしょうか。

橋本
やはり、シニアマネージャーはビジネス的な責任を負うということを意識せざるを得ないポジションです。マネージャーのときはビジネス的なKPIを負っていなかったので、例えば2、3人のプロジェクトであっても、その中でパフォーマンスを上げていけば良かったのですが、シニアマネージャーの場合はプロジェクトのパフォーマンスを最大化すること以外に、「新たな機会を」という意識を持たないといけませんでした。

私の場合は、クライアントとの信頼関係を構築していけたというのが良い結果につながったと思っています。信頼関係のおかげで、さまざまな相談をいただくようになり、期待に応えられるように、自分の知識を広げていったり、PwC JAPANグループの他のチームが何をやっているのかを見にいったりするようにしました。

シニアマネージャーを3年経験し、現在のポジションであるディレクターになりました。ディレクターになってからは、「“橋本といえば何なのか”というスペシャリティを作りなさい」ということをパートナーに常に問われています。

スペシャリティは、必ずしもテクニカルなケイパビリティである必要はなく、パーソナルのスタンスでも良いと思っています。もちろん両方備えるに越したことはありませんが、前者としては、今まさにチームの中で誰もやったことのないソリューションを立ち上げ、一つのチームとして新しい分野を開拓しようとしています。後者としては、新入社員の採用活動を長らくやっているので、学生に対するブランディング等の面で、自分らしさを出していきたいと思っています。

奥井
ありがとうございます。SIerの方のみならず、コンサルタントを目指されている方にとって、とても興味深い内容を伺えました。次の記事では採用についても深堀りできればと思います。

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