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【PwCコンサルティング ディレクター 橋本氏インタビュー】クライアントの事業成長に向き合う Sler出身者がコンサルタントとして働く魅力(後編)

(左)PwCコンサルティング合同会社 テクノロジーコンサルティング Directer 橋本 哲哉様
(右)株式会社アサイン 取締役 奥井 亮

PwCコンサルティングで働く魅力

奥井:
さて、近年、多くのファームが SIer 出身者の採用を強化していますが、PwCコンサルティングにおいて、SIer 出身者が活躍しやすい土壌などの特徴はありますか。

橋本:
私が所属しているTAS(Technology Advisory Services)チームはデジタル戦略策定やDX推進のみならず、インフラストラクチャ、アーキテクチャも扱っているので、そういった経験を持つ方は、コンサルティングとSIerの違いはもちろんあるものの、連続性が強く、そのまま活きる部分も大いにあると思います。

もちろんストラテジーなどの新しい領域に挑戦する機会もあります。例えば、PwCコンサルティングには戦略BIG4とも言われていたブーズ・アンド・カンパニーを前身としたStrategy&がありますが、彼らと一緒にプロジェクトを推進する機会も多いので、いままでの経験を活かしつつ、連続性を持って新しいことに挑戦することができます。

このように戦略系BIG4と会計系BIG4がメンバーファームになっているのはPwCの強みだと思います。インフラなどの専門性からスタートして、連続性を維持したまま、気がつくとストラテジーまでやれる環境があるというのは面白い環境ではないでしょうか。

Sler出身者の活躍を支えるサポート体制

奥井:
コンサルタント未経験の方たちを組織としてサポートする制度などには、どのようなものがありますか。

橋本:
特徴的なものだと、コーチング制度やバディ制度、トレーニングプログラムが挙げられます。

コーチング制度は、先輩社員がコーチとして後輩(コーチイー)の育成や、キャリアアドバイザーとしての役割を担う制度です。3カ月毎の面談がルールとして定められていますが、それ以外でもコーチとコーチイーは密にコミュニケーションをとっています。プロジェクトに入っているときには案件の様子や悩みについて聞いたり、プロジェクトが落ち着いたタイミングでは今後どんな案件に入りたいか、どんなキャリアを歩みたいか等も話したりします。コロナ禍でリモートワークになり、職員同士のコミュニケーションが課題になっている企業も多いですが、PwCではむしろチャットによって、より日常的にコミュニケーションを取れるようになりました。

また、バディ制度というものもあります。コーチはコーチイーの評価者という立場でもあるので、よりフラットに相談できる存在が必要ということで、「年齢や立場が近いが、1、2年早くPwCに入社した先輩」がバディとなり、勤怠の付け方などの些細なことでも気軽に相談できます。

このようにコーチング制度やバディ制度で複合的なサポートを行いますのでコンサルティング未経験であってもオンボーディングしやすい環境だと思います。

また、入社時にはCCSA(Core Consulting Skills Academy)というコンサルティング研修プログラムを通じて、コンサルタントとしてのマインドセットやスキルセットを学べます。

上記のようなオフィシャルな制度以外にも、自発的な取り組みも数多く行われております。私が所属するチームでは、アソシエイトやシニアアソシエイトが中心となり、ロジカルシンキングやスライドライティングのトレーニングを企画から実行まで一気通貫で推進しています。内容こそCCSAに近いかもしれませんが、第一線で働くコンサルタントが企画するからこそ、実務で使えるTipsが多分に盛り込まれた内容となっております。コンサルティング未経験者向けでしたが、経験者にとっても学びがあるトレーニングです。また、人に教えるということを通して、自らの知識を再学習できたり、ティーチングスキルを高めたりすることにも効果を上げています。トレーニーが次回はトレーナーになり活動を継続していくことで、チームとしてのベース能力が引き上げられる、非常に良い取り組みだと思っています。

クライアントニーズに徹底的に向き合うコンサルタントの働き方

奥井:
その一方で、SIer 出身の方がつまずきやすいポイントとして、働き方の違いや成果の出し方などが挙げられると思いますが、SIer 出身者にとっての課題にはどのようなものがありますか。

橋本:
これはよく言われることだと思いますが、SIerは請負、コンサルティングは準委任と、クライアントとの契約形態の違いがあります。請負は与えられた範囲をきちんとやりきることが仕事です。

その一方で、コンサルティングは課題解決が仕事であり、「私の仕事はここまでですけど、ここもやった方がいいですよね」と、線を超えるようなコミュニケーションが求められます。このようなコミュニケーションはクライアントにとってもうれしいことですし、私たちとしても新しいビジネスとして領域を広げることになるのでうれしいことです。

当然、言われた仕事はきっちりこなさなければいけませんが、その上で付加価値を出していく必要がある、という点がコンサルタントに求められることであり、SIer出身のSEの方にとってはそこがジャンプになるところだと思います。

奥井:
その違いを乗り越えられる方にはどのような特徴がありますか。

橋本:
感覚的になってしまいますが、お客様と話をするのが好きな方は自然と乗り越えていることが多い印象です。話が好きな方はお客様に興味を持てる人です。

お客様に「今の仕事と関係ないんですけど…」と雑談をすると、「実はこんなことに困っていて…」という話が出てくることが珍しくありません。それが先程の「線を超えるコミュニケーション」の第一歩になります。

逆に、自分だけで黙々と仕事に取り組む人は、それはそれで重要なことですが、違いを乗り越える文脈でいうと少し遠くなってしまうのかなと思います。

コンサルタントとして活きるSlerでの経験

奥井:
ありがとうございます。SIerとの違いやそこを乗り越えるためのサポートを伺いましたが、逆に、SIerでの経験や知見が活きるのはどのような場面ですか。

橋本:
業務内容が近い場合にはそのままスキルが活きるということを先程お伝えしましたが、それに加えて、何を学んだのかというよりは、どのように業務を行ったのかが重要だと思います。

例えば、私の場合はサポートエンジニアがキャリアのスタートでした。カスタマーサポートは、故障というマイナスの状態から始まり、ゴールはゼロに戻すというのが仕事でした。いまのコンサルティングの仕事とはまったく異なりますので、この経験がスキルとしてコンサルティングに活きたわけではありませんが、強い精神力、そしてお客様であっても伝えるべきことは伝えるというタフネスさは今でも活きています。

これはあくまで私の例ですが、他の方にも形はどうあれ絶対に活かせる経験があるはずです。それをどのように見つけるか、いままでにどのように業務に向き合ってきたのかが重要だと思います。

プロジェクトへのアサインメント基準

奥井:
プロジェクトへのアサインメントについては、前職での経験との親和性を踏まえて、アサインメントされることが多いのでしょうか。

橋本:
まず、本人の希望はもちろん伺いますし尊重します。しかし、今までの経験とあまりに非連続なものだと、本人もプロジェクトで何もできずに自信を無くしてしまいかねません。

そういう意味でケイパビリティを考慮する必要があると思っていますので、いまある経験の「1.5歩先」、つぎは「2歩先」というように連続性を持って伸ばしていくイメージでアサインメントしていきます。

また、ケイパビリティを広げる方法として、アサインメント以外にもオファリングやシェアリングセッションの制度も用意しています。オファリングはソリューションを新しく開発する活動です。私自身も今まさに新しいソリューションを開発していますが、一緒にオファリングをしていくことで擬似的にプロジェクトを経験できます。また、シェアリングセッションでは他のクライアントのプロジェクトについてもラーニングすることができます。

私たちとしても人数が増えていく中で、メンバー全体のケイパビリティを高めることがチームの1つの課題となっています。そのため、個人個人の自主性に任せきるのではなく、チームの活動として月何時間はオファリングに行きましょうというようなルールを定めています。これによって、新しい案件が来たときもチームの誰だったらできそうか分かるようになってきています。

なりたい姿から逆算した転職を

奥井:
PwCが未経験の方にもさまざまなサポートを用意されていることがわかりました。それでもやはり、コンサルタントを目指すことにハードルを感じる方もいらっしゃると思います。今後PwCコンサルティングへの転職を考えられている方に対してアドバイスをお願いします。

橋本:
SIerからコンサルタントへの転職はジャンプがあるので怖いのはわかります。しかし、全くジャンプがない転職はありませんし、ジャンブがない転職は面白くない転職だとも思いますので、ジャンプはむしろあったほうが良いと思います。

ジャンプがあるがゆえに、転職直後には評価やパフォーマンスがヘコむことはやはりありえます。しかし、それはあくまで短期的なものですので、そこをリスクとして考えるよりも、その期間をどのように乗り越えるのか、その後の中長期でどのようなキャリアを歩むのか考えた方が良いと思います。

私自身も転職直後は大変苦労しましたが、「5年以内にマネージャーになるぞ」というように考え、その時の苦労に向き合い努力を惜しまないことは、将来に対する投資だと思うようにしていました。

PwCコンサルティングに合う価値観

奥井:
アサインは価値観のマッチを一番に考えています。そういった点で橋本様から見て、PwCにマッチする方の価値観はどのようなものでしょうか。

橋本:
コンサルタントはどこかかっこいいという印象がありますが、必ずしもそのような面だけでなく、地味な仕事も、愚直にやらなければいけない仕事も、大変な仕事もあります。そのような仕事と向き合ったときに、思っていたのと違うと言うことは簡単ですが、そうではなくて、それらにどう意味付けするのか、そこから何を学ぼうとしているのか、何につながっているのかを意識付けしながら取り組められる方はPwCに向いていると思います。

3、4年前にお客様との打ち合わせで、「コンサルティング業界広しといえども、ドブ掃除までするコンサルタントはうちしかいません」という言葉をパートナーから聞きました。私はこの言葉がとても好きで、まさにPwCを表す言葉として的を射ているなと思っています。つまり、先生的なコンサルタントは世の中に沢山いますが、それだけではなく、お客様と一緒に汗を流して一歩一歩進んでいき、その結果としてハッピーになれる。そういった方が特にPwCに向いていると思います。

今後の展望

奥井:
最後に、PwCのテクノロジーコンサルティング、またTASチームの今後の方向性をお伺いできれば幸いです。

橋本:
数年前まで、テクノロジーコンサルティングの仕事内容といえば、エマージング(最先端)テクノロジーやアプリケーション、データ分析など、まさにテクノロジーコンサルティングという分かりやすい仕事内容でした、

しかし、最近ではテクノロジーコンサルティングという言葉が非常に広くなってきました。例えば、セキュリティ・プライバシーの分野では、海外の個人情報保護法に特化している、学部で言うと法学部である人の知見が求められたり、最近立ち上がったテクノロジーラボラトリーでは脳科学の専門性をもって業務に取り組んでいたりしています。

このように、これまでイメージされていたテクノロジーから、明らかに範囲が広がってきており、多様性が進んでいます。これからもその傾向は加速していきます。

その中でTASとしては、ダイバーシティにあふれたテクノロジーコンサルティングを、そしてPwCコンサルティング全体を、 オーケストレーションしていく役割を目指しています。ダイバーシティが加速していく中で、オーケストレーションはますます難しくなっていくはずですので、それを当社の中でリードしていく存在がTASだと考えています。

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