エンジニアに多い転職理由と面接での回答事例を紹介
どのような業界の転職面接においても、必ず聞かれる項目が「転職理由」です。
エンジニアは比較的転職が多い業種とされていますが、「残業が多い」「年収が上がらない」「やりたい業務ができない」など、転職のきっかけはさまざま挙げられます。
しかし、こういった転職の理由をそのまま転職面接で伝えてしまっては、よい印象を与えません。
「なぜ転職を決めたのか」を前向きな表現に変えた上で、面接官が納得する明確な転職理由を伝える必要があります。
そこで本記事では、エンジニアに多い転職理由と面接での印象のよい回答事例を解説します。
希望の企業に転職するには、面接での筋の通った発言が大切です。
転職の理由・目的を明確化して、エンジニアとしての転職を成功させてください。
エンジニアに多い転職理由について
エンジニアへの転職を検討している人は、どのような転職理由を持っているのでしょうか。
ここでは、エンジニアに多い転職理由を5つご紹介します。
年収や待遇に不満がある
エンジニアの転職で最も多い理由が、現職の年収や待遇への不満です。
「どれだけクライアントに貢献しても給料が上がるシステムがない」
「将来的に待遇がよくなる可能性を見出せない」
「労働量に比べて給料が低い」
上記のような理由で、転職を決断する人が多い傾向です。
一般的にエンジニア職は、ほかの業種よりも年収が高めに設定されていますが、実際には業務の過酷さと給料が見合わないケースは多々あります。
業務内容への不満
「今の業務内容が、自分のやりたいことと異なる」
「自分のキャリアアップのために、もっと幅広く経験を積みたい」
上記のような、業務内容への不満から転職を決める人も多くいます。
エンジニアにとって、自分のやりたい業務に携われるか、自分のスキル・強みを活かせるかはやりがいに大きく影響する傾向にあります。
雑務ばかりを任されたり、自分の意思に沿わない業務を任されたりすると、転職を決めるきっかけになるようです。
将来を見据えたキャリアチェンジ
将来を見据えたキャリアチェンジを目指し、転職を決める人もいます。
キャリアチェンジを決める理由はさまざまですが、「より社会貢献できる職に就きたい」「やりがいを追求したい」「プライベートの時間を増やしたい」などの理由があります。
ITエンジニアはほかでも活かせるスキル・経験を持ち合わせているため、さまざまな形でキャリアパスを歩むことが可能です。
たとえば、システム開発の上流としてITコンサルタントやプリセールスへの転職を目指すのも1つです。
ほかにも、業務知識を活かした営業やビジネスコンサルタント、Webマーケティングやクリエイティブ系に転職する道もあります。
将来的に自分の生活や仕事において何を大切にしたいかで、キャリアチェンジを考える人が多い傾向です。
長時間労働による疲弊
エンジニア職では、長時間労働を強いられるケースも少なくありません。
長時間労働の原因として、企業がエンジニア不足に陥っており、一人あたりの業務負担が増加しやすい傾向にあります。
エンジニアのなかには、月100時間以上の残業をしている人、業務が終わらず土日出勤をしプライベートの時間を削っている人もいます。
将来への不安
企業の業績や取り組みに対して不安を感じ、転職を決断する人もいます。
エンジニアとして小規模の企業に勤めている場合、社長や経営陣といった経営戦略に関わるような人たちと接する機会が多々あります。
さらに、システムの企画・設計などの上流工程に関わっている場合、日常的に経営陣と話すエンジニアもいます。
このように経営陣と関わるなかで、現状の業績や労働状況に対してあまりにも楽観的に捉えていたり、成長意欲を感じられなかったりすると、会社の将来性に不安が生まれます。
企業の現在の取り組みに共感できず、将来性を感じないことから、今後の伸びしろがある企業へ転職を踏み出すようです。
面接時に気をつけたい。エンジニア転職理由の注意点
選考の面接では、面接官から転職理由を必ず聞かれます。
転職を決めるきっかけや理由は人によってさまざまですが、面接時にそっくりそのまま伝えてしまうのは危険です。
ここでは、転職理由を考えるとき・面接で転職理由を述べるときの注意点を紹介します。
転職理由がネガティブに
最も気をつけなければならないことは、転職理由がネガティブな表現になってしまうことです。
本当は「給料が低い」「残業が多い」「やりがいを見いだせない」といった理由がきっかけでも、そのまま面接で伝えてしまってはよい印象を与えません。
少しでもマイナスな響きを与えてしまうと「この人はまた理由をつけて転職してしまうだろう」と見なされてしまいます。
ただの愚痴のように聞こえてしまわないよう、感情的にならずによい言葉に言い換えるようにしてください。
また、改善するために行動したことを述べたりするのも効果的です。
改善するための行動を述べることで、自己解決力がある人だと判断してもらえます。
明確な転職目的が定まっていない
面接で選考を通過するには、転職目的が明確に定まっている必要があります。
「キャリアアップをしたい」「やりがいある仕事をしたい」「御社の理念に賛同して」という目的では抽象的です。
転職理由が曖昧だと「なんとなく転職したいだけなのでは」「転職に対しての熱意が感じられない」と判断されてしまいます。
はっきりした転職目的を考える上で、まずは「転職先でどのような働き方をしたいのか」という具体的なイメージを持ってください。
企業に求められる人材像と自身のスキルを照らし合わせて、どのように企業に貢献できるかを伝えることができれば、あなたを採用する大きな根拠になります。
転職理由に一貫性がない
転職理由に一貫性があることも、重要なポイントです。
例えば、以下のような理由であれば納得感が得られます。
「AI領域の知識やスキルを活かしたいものの、現在の企業ではカバーできる部署がないため、AIを用いたサービスのシステム開発に携わる御社へ転職をしたい」
一方、ただ給与に不満を持つことが要因である場合「企業理念に賛同して」といった理由を述べてしまうと、一貫性がなく悪い印象を与えてしまいます。
ポイントとしては、「現在の職場では自分の理想のキャリアが実現できないため、そこで転職という選択肢を取った」という明確な転職理由を伝えるようにしてください。
将来のビジョンを伝えることで説得力が増し、成長意欲の高さやキャリアの計画性をアピールすることに繋がります。
転職理由別に解説。エンジニア面接の回答事例
ここでは、面接で尋ねられる転職理由の回答事例とポイントを紹介します。
「長時間労働である」「業務内容に不満がある」といったネガティブな転職理由を、印象よい理由に変える工夫を紹介するので、ぜひ1つの参考にしてみてください。
長時間労働である
【回答事例①】
残業が月100時間ほどあり、長期的に現職を続けるのが難しいと判断しました。
しかし、エンジニアの業務自体は自分にとってやりがいのある仕事です。
これまでの知識と実践力を活かし、同様のシステム開発・構築に携われる企業へ貢献したいと考えています。
【回答事例②】
私は仕事を通して日々スキルアップし、向上心を持って取り組むことを大切にしています。
しかし前職では、自分に任されている細かな作業量が膨大で残業を繰り返しており、自分のスキルに磨きをかける時間が取れません。
そのため、残業しない時間を自分のスキルアップのために費やし、自身も成長しながら貴社の業績に貢献したいと考えています。
【ポイント】
「長時間労働がきつい」という理由だけでなく、仕事やスキルアップに対する意欲や、会社に貢献したいという思いを伝えることが重要です。
残業に当てていた時間をどう過ごしたいのかを、明確に伝えられるとよいです。
また、現状の残業量を具体的な数値で提示することもポイントです。
近年は働き方改革が進むなかで、残業の多さや労働時間に対して厳しい目が向けられています。
残業があまりにも多すぎる環境で働いていたことを客観的に提示できれば、面接官も転職の理由として納得するはずです。
このように、ただ「労働時間が長いからきつい」ではなく、仕事への前向きな気持ちを添えるようにしてください。
業務内容に不満がある
【回答事例①】
前職では、ネットワークシステム構築のプロジェクトに多数関わり、実績を積んできました。
多岐にわたるプロジェクトに関われたことでさまざまな経験ができたものの、やはり希望する企画の仕事に携わりたいという気持ちが強くあります。
そこでこちらの求人を拝見し、御社のシステム企画担当として、幅広いシステム構築の実務経験を活かしたいと思い応募いたしました。
【ポイント】
業務内容への不満が原因で転職する場合は、「ただ業務を変えたい」「今の仕事から逃げたいだけなのでは」といった印象を与えないような工夫が大切です。
「前職の経験が無駄ではなかった」という趣旨を伝え、業務に携わるなかで転職への気持ちを伝えるときには、芽生えた事柄を補足するとよいです。
また、業務内容を変えるため「自ら上司に話を持ち出した」「資格学習を通してアピールした」など行動を伝えることも、説得力が高まるポイントです。
「行動をしたが、納得してもらえなかった」や「上司との考え方・価値観が合わなかった」などの裏付けがあると、納得してもらいやすくなります。
さらに、即戦力となれる趣旨を伝えるためにも、前職で培ったスキルや経験を活かしてどのように会社に貢献できるかをアピールすることも重要です。
年収アップしたい
【回答事例①】
これまでの職場では、年功序列の風潮が強い会社でした。
しかし、御社では実績を重視し、一人ひとりの成長や実力によって業務内容や役職が決まるとのことでした。
そのため、実力や成果による評価制度がはっきりしていて、それが給与に反映される会社でやりがいを持って働きたいと思い応募しました。
【ポイント】
「前職の給与が低い」「もっと年収を上げたい」などが転職理由の場合、伝え方によっては自分の都合だけで物事を決めている人だと判断されてしまいます。
そのため、応募企業での年収に見合うスキル・実務力があることを伝え、企業に貢献できる趣旨をアピールすることが大切です。
また、評価制度にも着目し、「実力や成果、企業への貢献度がそのまま給与に反映される評価制度があれば、さらにやりがいを持てる」といった趣旨を伝えられるとよいです。
上流工程で業務をしたい
【回答事例①】
前職では、完成されたシステムの企画書を元にシステムを構築する業務に携わりました。
さまざまなシステム開発に関わったことで、自身の知識・能力を向上させることができ、よい経験ができたと考えています。
しかし、業務を行うなかで、さらに上流工程でシステム開発に関わり、ステップアップしたいと考えるようになりました。
これまであらゆるパターンのシステム開発を行うなかで培った実務力を活かし、会社の経営戦略に基づいたシステム企画・設計をして企業に貢献したいと考えています。
【回答事例②】
前職の企業は、コンピュータシステムの設計・構築・運用まで幅広い業務に取り組んでいました。
しかし、大手企業の下請けとして動いていたため、同企業で上流工程に関わるのは難しいという現状があります。
そのため、経営課題や業務課題を解決できるシステムを企画する段階へキャリアアップしたいと考え応募いたしました。
【ポイント】
「上流工程で業務をしたい」という転職理由の場合は、なぜ上流工程で働きたいのかを明確にしてください。
「ただ今の仕事がつまらなくて、別の仕事をしたい」というニュアンスに聞こえないよう、これまでの経歴やスキルを上流工程でどう活かすのかも述べるとよいです。
また、現職で上流工程に携わることが難しい理由を述べることも大切です。
もし、現職で上流工程に関われる仕組みがあるのなら、なぜ現在の企業に残ってステップアップを目指さないのかを説明できると説得力が増します。
エンジニアの転職が活発な理由
エンジニアはほかの企業に比べると、転職する人が多い傾向にあります。
ここでは、エンジニアの転職が活発な理由について紹介します。
あらゆる業界のなかでエンジニアの求人数は圧倒的に多い
WebサービスやIoTを活用したサービスの開発ニーズが高まるなかで、エンジニアの求人はほかの業界と比べても圧倒的に多く掲載されています。
出典:【2021年8月】ITエンジニア採用のための最新動向情報!新規求人倍率・転職者の応募状況まとめ|type
上の画像は、総合転職サイト5媒体の合算で職種別求人数割合を示したものです。
化学・バイオ関連職の求人数を1とすると、ITエンジニア職は9.71倍で、あらゆる業界の中で最も多い求人数となっています。
求人数が多いことは、つまりそれだけエンジニアにとって転職先の候補が数多く存在するということです。
特に近年は、優秀なエンジニアを雇いたいと考える企業が増えており、「転職希望者が入社する企業を選ぶ」という傾向に変わりつつあります。
このように、ITエンジニアは需要が高く、転職先の選択肢が多いことから、転職を考える人が多くいるのです。
企業によって携われる業務が異なる
企業によって携われる業務が固定化されている傾向があり、1つの企業ではなかなかキャリアアップを目指せないケースも存在します。
例えば、コーディングなどの下流工程だけを担当している企業や、チーム制によって関われる業務が限られている企業だと、上流工程に携われないことがあります。
そのため、現職ではできない上流の業務に携わりたい・あるいはもっとスキルを伸ばせる環境で仕事をしたいと考える人が、転職を目指す傾向にあります。
エンジニアのキャリアパスに迷ったら20・30代特化の「ASSIGN AGENT」
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- 400,000人のキャリアデータと10,000人以上の支援実績からキャリアの選択肢と強みを提示
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ASSIGN
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