現職におけるベストな転職のタイミングの見つけ方や作り方
将来達成したいキャリアプラン、ライフプランなどから「自分の市場価値が最も高まるタイミングで転職したい」と考える方も多いと思います。
特に、終身雇用の考え方が見直され、旧来のメンバーシップ型雇用(日本型雇用)から、ジョブ型雇用(欧米型)へと移行が進む現代、転職のタイミングがキャリアに与える影響は大きいものです。
本記事では、このような背景も踏まえて、転職検討者における、転職のベストなタイミングや有利な時期について解説します。
足元だけでなく、中長期的なキャリアを見据えて、転職時期でお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
コロナ禍における転職のタイミングを考察する
上記は、株式会社パーソルキャリアが2021年5月20日に発表した最新の「転職求人倍率レポート」を示したものです。
その結果、2021年4月の求人倍率は1.88倍(前月比+0.02pt/前年同月比-0.70pt)となりました。
求人数に関しては、前月比102.6%、転職希望者数は前月比101.6%と増加しましたが、求人数が転職希望者数を上回ったことで、求人倍率自体は上昇傾向にあります。
2021年4月の求人数は、新型コロナウイルス感染症拡大前と同様、微増という結果になりました。
その要因は「新年度の募集がスタートしたこと」「新型コロナウイルス感染症の影響で採用に消極的だった企業が、徐々に回復してきたこと」が挙げられます。
また、転職希望者数は、2020年6月以来、過去最高を更新したことも判明しました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、職を失ってしまった方、このタイミングで未来を見据えてキャリアを考え直す方が増えていると思われます。
なお、業種別、前月比で求人の増加率が最も大きかったのは「サービス(前月比)104.8%」、次いで「メディカル(前月比103.7%)」です。
求人倍率順でみると「IT・通信(5.72)」と依然として高い数値を維持しており、次いで「サービス(1.94)」です。
このようなデータから把握できる通り、2021年上半期の転職市場では、特にIT・情報カテゴリーに関連する求人が顕著になっています。
コロナ禍による採用市場の変化
新型コロナウイルス感染症によって、人々の生活様式が変化し、リモートワークや在宅勤務の普及率も高まりました。
観光業や飲食など打撃を受ける企業が存在する一方で、非対面でビジネスが成立するWeb系企業、IT企業、巣ごもり需要によって成長著しいEC企業などが追い風です。
また、採用市場に関しても、急速なデジタル化に対応すべく、IT人材の即戦力採用が活発になっています。
一方、業界・職種ともに完全未経験採用は減少傾向が見られ、これまで得たスキルや経験を活かした、同職種異業種転職や、同職種同業種への転職が多い傾向になってます。
コロナ禍における採用市場の変化を踏まえると、IT人材の採用は今後も活発であり、それ以外の業種や職種においても前職のスキルを活かせるかが課題となりそうです。
コロナ禍においては、転職を希望する業界や職種の将来性、需要を判断するとともに、転職先で通用するスキルの有無によって転職のタイミングを見定める必要があります。
まずは在職企業との雇用関係を整理する
転職のタイミングで初めに考慮しなければならないことは、在職企業との雇用関係です。
現在、多様な働き方が浸透しつつあり、転職者によっては外部スタッフとして業務委託で契約を結ぶ方、契約社員や派遣社員として雇用される方もいます。
さまざまな雇用形態があるなかで、転職に向けてタイミングが難しいのが、やはり正社員(正規雇用者)です。
与えられたプロジェクトや役割の切れ目を意識して転職活動を進める必要がありますし、就業規則や民法に明記されている退職時期に従わなくてはいけません。
その上で、転職活動全体にかかる期間を決定し、タイミングを見定める必要があります。
なお、雇用期間に定めのない正社員に対し、契約期間に定めのある契約社員などは、契約満了のタイミングで更新せずに転職もできます。
多くは、契約満了日を区切りとして、在職中の転職活動を進める形となり、正社員と比較すると転職のタイミングが掴みやすい傾向があります。
在職中における転職のタイミングの見つけ方
ここでは、在職中(正社員)における転職のタイミングの見つけ方について、解説します。
年齢
転職市場において年齢による転職活動への影響は大きく、年齢別に求人の傾向や最適な転職のタイミングが異なります。
社会人経験3年未満
社会人経験3年未満での転職は、いわゆる「第二新卒」と呼ばれます。
第二新卒であれば、専門的なスキルよりもポテンシャルを重視して採用される傾向にあり、未経験業種、職種への転職も比較的決まりやすくなります。
コロナ禍の現在においても、若手IT人材の育成などに力を入れている企業もあり、業種・職種によっては積極的な採用を行っています。
ただし、新卒入社から数ヶ月、半年で退職してしまうなど「我慢強さに欠ける」「何事も長続きしないタイプ」だと判断される場合、転職に不利になる傾向にあります。
在籍期間の受け取り方は面接官によってさまざまですが、ネガティブな印象を与えないよう、新卒から2〜3年までを目安に転職活動をしてみてください。
25〜29歳
25〜29歳での転職は、社会人として十分な経験を積み、自分の適正について理解し、人によっては責任のある立場を任される年齢です。
この頃から「スキルを生かしてさらにキャリアアップしたい」「別の道へ進みたい」など、今後の方向性を考えるようになります。
そのため、25〜29歳は、人口別にみても非常に転職を検討される方が多い傾向にあります。
また、この年代は社会人として、一定のスキルや実績を積み上げているため、それらを活用することで自分の市場価値をアピールできます。
同業種同職種はもちろん、異業種同職種など、経験を活かせる転職がおすすめです。
30〜34歳
30歳以上の転職では、キャリアも十分積み上げているため、基本的に転職市場では「中堅」として扱われます。
そのため、採用企業側も年齢が上がるほど、スキルや実績だけでなく「マネジメント能力の有無」「役職の経験者かどうか」を重視します。
このような背景から、役職についていない場合にはできるだけ早い転職が必要であり、基本的には完全未経験分野への転職はおすすめできません。
また、この年代においては、コロナ禍による転職市場の影響も考慮すると、中途採用の即戦力人材を強化しているため、専門スキルが前提となる求人が特徴です。
35〜39歳
35〜39歳に関しては、30代前半以上に、高いマネジメントスキルが求められます。
そのため、基本的に完全未経験分野への転職の可能性は低く、これまでのスキル・実績・マネジメント能力を軸とした転職活動が前提になります。
「経営の経験がある」「多数の部下を束ねている」このような場合には、条件のよい転職も可能です。
40歳以降
40歳以降で転職する場合には、基本的には管理職から管理職への転職が中心になります。
そのため、一部の転職エージェントのみが非公開求人として取り扱うことも多く、一般的な転職サイトなどでは良質な求人を見つけることができません。
このような背景から、40歳以降で管理職求人へ応募する場合には、ハイクラス特化型の転職エージェントのご利用を強くおすすめします。
弊社、ハイエンド特化型の転職エージェント「ASSIGN」では、20〜30代だけでなく、40代における転職支援も可能です。
足元の転職だけでなく、転職者のライフプランなどご要望も踏まえて、伴走しながらサポートさせていただきます。
ボーナス支給時期
「ボーナス転職」という言葉がある通り、在職期間中に転職活動を進め、ボーナスを受け取るタイミングで転職をする方も多い傾向にあります。
しかし、大切なことはボーナスの支給時期ではなく、転職の目標に沿った転職活動を行うことです。
たとえば、ボーナスには算定期間といって半年程度の間に、会社の業績や評価で支給額が決まります。
つまり、この期間も含めて会社に在籍する必要があるため、ボーナスの受け取りを優先してしまうと、本来重視すべき転職活動において良質な求人を見逃す可能性もあります。
また、ボーナス支給時に会社に在籍していても、退職が認知されている場合には、金額が減ってしまうこともあります。
優先すべきは、転職者の目的に沿った転職活動ではありますが、どうしてもボーナス支給時期に合わせて転職する場合には、以下をおさえてみてください。
- ボーナス算定期間も含めて前倒しで転職活動を進める
- ボーナス支給後に退職意思を伝える
中途採用が増加する2〜3月、8〜9月
中途採用が増加する2〜3月においては、企業の事業体制強化、再構築を実施するため、積極的な採用を行うタイミングです。
良質な求人が揃う可能性もあるため、中途転職を検討する場合には、見逃さないようにしましょう。
ただし、求人数が増加する分、求職者の競争率も上がりますので、スキルの棚卸しをはじめとした自己分析、企業研究によってあなたの市場価値を強くアピールする必要があります。
次に、会社の期が変わるタイミング、人事異動が発生しやすい10月に向けて、8〜9月の転職活動もおすすめです。
この時期の求人は、人事異動で空白になったポジションを埋めるため、即戦力人材の採用が強化されています。
これまでのスキルや実績を活かした転職を検討するなら、見逃せないタイミングです。
第二新卒枠が増える4月
社会人経験が3年未満の「第二新卒枠」なら、新卒社員と同様に4月入社に向けて、転職活動を進めるのもよいでしょう。
企業側も新卒者だけでなく、第二新卒枠を設けており、ポテンシャルを重視した採用を狙えます。
また、第二新卒枠で入社すれば、新卒者と同様に社員研修を受けられる可能性もあり、若手を積極的に育成してもらえます。
昇給の有無
これは在籍する会社によって異なるため、一概には言えませんが、昇給を受け取るタイミングで転職を検討される方もいます。
ただし、一般的に会社の昇給時期は、年度初めである4月に多く、この場合、5月に支給される給料以降に反映されます。
そのため、ボーナス同様に昇給時期を意識するあまり、転職軸がぶれ、本来希望する求人に応募できないということがないようにご注意ください。
会社の先行き
会社の業績が不安定であるという場合も、転職を検討する一因となる方もいると思います。
特に新型コロナウイルス感染症によって、打撃を受ける業界、そうでない業界が顕著です。
今後同じ理由で、転職を後悔しないためにも、転職先の企業研究を怠らずに転職活動を進めてみてください。
また、冒頭でもお伝えした通り、新型コロナウイルス感染症の影響で、デジタル化を促進するための即戦力人材の採用が活発です。
このような、時代の流れにも配慮しながら、転職活動を進める必要があります。
在職中における転職するタイミングの作り方
次に在職中における転職のタイミングの作り方について、解説します。
主な業務の切れ目を把握する
正社員として在籍しているケースでは、重要プロジェクトや業務を担当している場合があり、プロジェクト完了日に合わせられるのが支障なく退職できるタイミングです。
事前にプロジェクトの期間を算出した上で、転職活動全体のスケジュールを調節する必要があります。
この場合、プロジェクト完了以降は、追加業務を入れないよう在職企業との交渉も必要です。
スムーズな引き継ぎに向けて後任者を育成する
業務の切れ目や進行中のプロジェクトとも関連しますが、リーダーやマネジャーなど役職を与えられている転職者ほど、引き継ぎ期間も長引きます。
そのため、業務やプロジェクトにかかる期間だけでなく、十分な引き継ぎができるよう後任者の確保も必要です。
基本的には、プロジェクト進行中など会社に迷惑をかける期間を避けて、直属の上司へ退職意思を伝え、退職日の決定や引き継ぎとなります。
引き継ぎ期間も含めて、転職活動全体のスケジュールを算出し、余裕をもった転職活動を進めてください。
新規プロジェクトへの参加は見送る
担当業務やプロジェクトの切れ目で、スムーズに退職するためには、同時進行で転職活動を進め、事前に新規プロジェクトへの参加を見送ります。
新規プロジェクトへの参加を見送ることで、部下や同僚など会社に迷惑をかけないよう、プロジェクト以前に十分な時間を確保して、退職の意思を伝えてください。
前提として社内規定に沿う
退職の意思表示ですが、法律上では、退職の14日前までに意思表示をするよう義務付けられています。
しかし、多くの企業では「退職する1ヶ月前」など、就業規則によって明記されているため、まずは就業規則を確認してみてください。
円満退社をするためには、就業規則や社内規定に沿って、転職活動を計画的に進める必要があります。
また、社内規定が前提ではありますが、実際には担当する業務やプロジェクトによって、引継ぎ期間が長引く可能性もあります。
これらを考慮して、退職を申し出てから、実際に退職するまでは2ヶ月は余裕をもって進めてください。
退職までの想定期間を把握する
転職活動全体のスケジュールは、以下の流れで進行します。
- ステップ①:転職方針の決定(1〜2週間)
- ステップ②:応募書類の作成(1週間)
- ステップ③:応募企業の決定(1週間)
- ステップ④:選考対策(2週間)
- ステップ⑤:面接(2〜3週間)
- ステップ⑥:内定獲得
- ステップ⑦:退職交渉
転職活動がスムーズに進んだ場合には、2ヶ月ほどで内定獲得に至るケースもありますが、退職交渉が必要以上に長引く可能性もあるため、3〜6ヶ月を確保してください。
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