第二新卒の転職に自己分析が必要な理由とは。自己分析のポイントも解説
就職してから1年未満〜3年までの転職者を主な対象とする「第二新卒」。
年齢としては25歳くらいまでが該当し、一定の社会人経験を積んでいるため、採用する企業側としても将来性や前職を活かした実務経験などさまざまなメリットがあります。
一方で、社会経験を積んでいるからこそ人材として価値やカルチャーフィットを重視される傾向もあります。
「自分の強みや弱みは何か」「どういったキャリアを歩みたいか」などきちんと自分を把握しなければ、第二新卒における転職は成功しません。
本記事では、第二新卒において自己分析が必要な理由や、転職を成功させるための自己分析ポイントを解説いたします。
自己分析とは
自己分析とは、自分の長所や短所・これまでの経歴・人格形成に影響を与えた要因・今後の課題・将来像など、自分を客観的に評価することです。
転職活動においては、まず始めに取り組まなければならないフローであり、自己分析に時間をかけなければ、その後の履歴書・職務経歴書の作成や面接時に自分という存在を正しく理解してもらえません。
自分という人間を深く知ることは、仕事における自分の適正を明確化することにつながります。
より自分に合った企業・業種・職種・キャリアプランを選択するためにも、必ず取り組みたい優先事項です。
第二新卒の転職に自己分析が必要な理由とは
転職活動では、今まで接点のない企業の採用担当者に、あなたのことを限られた時間で理解してもらわなければなりません。
他人に自分を理解してもらうには、まずあなたが正しく自分を知ることが重要です。ここでは、第二新卒における自己分析の必要性を解説いたします。
自分の長所・短所・スキル等を把握できる
第二新卒での転職では、新卒時とは違い一定の社会人経験を有するため、自身の長所や短所を正しく認識して業務を遂行できるかが焦点とされます。
自己分析によって、これまでの人生や経歴から長所や短所が明確になり、自分の長所がどういった業種・職種に活かせるのか把握できます。
長所を把握し転職先を選定することで、人材としてパフォーマンスを最大化できます。
自分に合った転職先企業を選択できる
自己分析によって、強みを把握することで、強みを活かした転職先を選定できます。
また、弱みの把握は転職先の選定基準に貢献することはもちろん、苦手な業務・プロジェクトをどうカバーするかを考えるきっかけとなります。
それ以外にも、自己分析によって理想の働き方やキャリアプランが明確になれば、転職先企業をより絞り込むことができ、自分に合った企業選びにつながります。
第二新卒における自己分析の目的は
第二新卒において重要視される自己分析の目的は、次の4点です。
- 適性を把握できる
- 価値観を整理できる
- スキルやキャリアを棚卸しできる
- 強みをアピールできる
1つずつ具体的に解説いたします。
適性を把握できる
最大の目的は適性を把握できるということです。あなたの性質や性格が転職先に適しているかの判断材料となります。
たとえば、あなたが自己分析によって、性格やこれまでの経歴からロジカルシンキングが得意であると導き出した場合、あなたの適性は分析・効果検証・改善などPDCAを高速で回す業種・職種かもしれません。
この場合、コンサルティングやエンジニアなど、ロジカルシンキングを大いに活かせる専門職が該当します。
このように、適性を把握するということは、その後の業種・職種選びに大きな影響を与えます。
価値観を整理できる
価値観の整理、これも重要項目の1つです。
たとえば、あなたの価値観が「柔軟な働き方」を重視する場合、どんなに給料が良い会社でも、残業時間の多さ、副業禁止など会社のビジョンが価値観にそぐわないものであれば、仕事を長く続けることは難しくなります。
このように自己分析によって、自分が何を大切にしていて、どういった志向を重視するのかを知ることは、入社後のミスマッチ抑制にもつながります。
スキルやキャリアを棚卸しできる
自己分析によって、価値観や適性を理解しても、転職先企業に適合するスキルやキャリアがなければ採用には結びつきません。
自己分析はこれまでの経歴から、スキルやキャリアを棚卸し、見える化するための第一歩です。
どのような資格、スキルを保有し、どのようなキャリアを歩んできたのか自己分析によって明らかとなります。
スキルやキャリアが明確になれば、それをもとに自分に合った企業を選択していくことができます。
強みをアピールできる
自己分析によって「長所や短所」「実績」「スキル」を導き出すことで、あなたの強みが明確化されます。
強みが明確になれば、履歴書や職務経歴書、そして面接時にあなたの強みが言語化でき、応募先企業にインパクトをもたせたアピールができるようになります。
自己分析を実施しなければ、あなたのアピール力も最大化されませんので、まずは過去の経歴やデータを集めて、強みを抽出してください。
第二新卒における自己分析のポイント
第二新卒において自己分析を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。
ポイントをおさえた効率的な自己分析を実施してください。
ポイント①:Will・Can・Mustを整理する
効果的な自己分析のフレームワークとして「Will・Can・Must」があります。
それぞれの持つ意味合いは以下の通りです。
- Will(動機・欲求・志):本人が実現したいこと
- Can(能力・経験・強み):今後活かしたい自分の強み
- Must(周囲からの要望・責任):能力開発につながるミッション
これら3要素の重なりが、大きければ大きいほど、ミスマッチの少ない転職先を選択できます。
「自分は何をやりたいのか」「自分はどのようなスキルを保有しているのか」「転職先からの期待にどうこたえるのか」この3つが明確になると、転職先企業へのイメージが膨らみます。
特に、新卒者と比較し第二新卒ではCan(能力・経験・強み)が豊富です。ここを切り口として、MustやWillにつなげると効率の良い自己分析が実現できます。
ポイント②:①をキャリアプランに落とし込む
ポイント①で整理したWill・Can・Mustの3要素を、キャリアプランに落とし込みます。
あなたが保有しているCan(能力・経験・強み)は、あなたの希望するWill(動機・欲求・志)にどうつながるのか。
そして、転職先ではどのようなMust(周囲からの要望・責任)に対応できるのか、具体的に抽出します。
現職の活動では、何を工夫しどう実績に結びつけたのか、工夫した点を洗い出します。
現在地から将来像に至るまで、明確にイメージしてください。
特に将来像に関しては、実現したい未来のために「どのような経験や環境が必要か」「いつまでにどのような状態になっていく予定か」を深掘りしなければなりません。
ここまで煮詰めることができれば、明確な落とし込みが成功します。
第二新卒における転職時の自己分析全手順
ここでは、第二新卒における転職時の自己分析手順について、具体的に深掘りしていきます。
おおまかな手順は以下の通りです。
- 手順①:自分の性格について分析する
- 手順②:キャリアとスキルを棚卸しする
- 手順③:自分の価値観を客観的に見る
- 手順④:将来のキャリアを描く
- 手順⑤:自分の強みを言語化する
- 手順⑥:転職する目的を明確にする
1つずつ解説いたします。
手順①:自分の性格について分析する
まずは幼少期の経験からたどり、幼い頃の出来事などどんなささいなことでも良いので、性格を裏付けた要因を抽出します。
そして、抽出した要因をもとに現在に至るまでに形成された性格について、書き出してみてください。
長所や短所はもとより、穏やか・野心的など性格の傾向、責任感の有無、独創性など、さまざまな観点から性格を分類します。
また、自身を分析するのが苦手だという場合には、「ストレングスファインダー」を活用するのも良い方法です。
ストレングスファインダーとは、自分の強みや資質を知ることができるツールです。
34種類の資質から自分を特徴づけるものを知ることができます。
手順②:キャリアとスキルを棚卸しする
第二新卒者が新卒者と異なる点は、一定の社会人経験を有するところです。
経験豊富ではなくても、これまで積み上げたキャリアやスキルを棚卸しすることで、自分の適性に合った企業選びができるようになります。
また、履歴書・職務経歴書・面接時にアピールすべきポイントが整理され、自身の強みやそれを証明するエピソードを集められます。
まずは、経験したキャリアやスキルを一通り洗い出し、1つずつ「業務において工夫した点」「仕事の実績」を深掘りしてください。
具体的には「2018年度に全社の営業成績2位にランクインした」という実績があれば、それを達成するための工夫点のサマリーを抽出します。
たとえば、月間40件の新規顧客獲得に向けてサイトからの資料請求を得るという目標値なら、KPIとして検索エンジンの自然検索経由を○%増加させるなど、より具体的に工夫した点を洗い出します。
さらには、自然検索経由◯%増加までのプロセスも記すことで、より明確にあなたのキャリアやスキルをアピール可能です。
手順③:自分の価値観を客観的に見る
自分がもともと所有している特性や、価値観を見つめ直すことで、今後どのようなキャリアを歩みたいか、人生設計を想定しているかが明確になります。
自分の価値観を客観視するためには、以下の項目を再確認することをおすすめします。
- 周囲からどのような人物だと思われているか
- 人とどのようにコミュニケーションをはかるか
- 仕事中においてどのような場面で喜び、やりがいを感じるか
- 仕事中においてどのような場面で苦痛、ストレスを感じるか
- 仕事中において、あなたが大切にしているポリシーはあるか
- 自分が憧れるビジネスパーソンとは、その人物像について
このあたりが整理できると、徐々に理想のキャリアや歩むべき方向性が固まります。
手順④:将来のキャリアを描く
手順③までの段階で、性格・キャリア・スキル・価値観までが鮮明になりました。
次に、手順③までの内容を踏まえて、将来あなたが歩みたいキャリアを想像します。
たとえば、今後どのようなスキルを伸ばしたいかまたは活かしていきたいか。どのようなやりがいや喜びをもって仕事に取り組みたいかなど。
将来自分が成し遂げたいポジション・職種・業務上の役割・ライフプランがあれば、より具体的に落とし込んでください。
またそのキャリアを実現するためのプロセスについても、明記しておくことで、よりキャリアへのイメージが鮮明になります。
手順⑤:自分の強みを言語化する
将来のキャリアを明確にできたら、これまでの性格・キャリアやスキルの分析・価値観と合わせて、自分の強みを言語化します。
箇条書きで構いませんので、自分の強みを文字に起こします。言語化しておくことで、面接時の自己PR等に活かせます。
特に最終面接などでは「応募先企業への貢献度」「5年後のキャリアプランについて」など、より具体的に回答しなければならないシチュエーションがあり、言語化しておくことは大切です。
手順⑥:転職する目的を明確にする
最後に、ここまで抽出した自己分析の結果をもとに、改めて転職の目的を明確にしてください。
給与や待遇面で転職を検討する方もいれば、今後のキャリアアップやスキルを上げるために転職を検討される方もいます。
ここで抽象的な目的を設定してしまうと、自分に合った転職先は見つかりません。
たとえば「給与が低いから転職したい」という曖昧な目的を設定する方は多い傾向にあります。
しかし、給与が低いという背景には「会社の業績が悪化している」「スキルや経験が乏しい」「業界や市場が低迷している」「社員評価基準が不公平」などさまざまな要因が隠されています。
単純にあなたのスキルや経験値が評価基準に到達していないだけなら、そもそも給与が低いから転職するという構図は成り立ちません。
現職でスキルや経験値を上げる努力を続ける方が給与アップには最短です。
一方、社員評価基準が不公平であなたの評価が適切ではないという場合には、あなたのスキルや経験値が高く評価される業界へ転職するなどの分析ができます。
また、転職する目的は1つとは限りません。
複数の目的がある場合には、必ず達成したい目的は何か、優先順位をつけてください。
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