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SE・SIerからコンサルタントへのキャリアパス

はじめに

IT業界において、SE(システムエンジニア)やSIer(システムインテグレーター)からコンサルタントへの転職を目指す方が増えている。しかし、SE・SIerとコンサルタントでは求められる役割やスキルが大きく異なるため、転職を考える際には十分な準備が必要である。

本記事では、SE・SIerからコンサルタントへの転職を考える方に向けて、年代別に必要な経験やスキルについて解説する。20代でコンサルタントを目指す場合と、30代でシニアコンサルタントを目指す場合では、求められる要件が異なるため、自身の強みと弱みを分析し、不足しているスキルを補うことが重要である。

本記事を通じて、SE・SIerからコンサルタントへの転職を目指す方が、自身のキャリアプランを明確にする一助となれば幸いである。

SE・SIerとコンサルタントの役割の違い

SE・SIerの役割

SE・SIerは、主にシステム開発やインフラ構築における実務を担当する。具体的には、要件定義、設計、実装、テスト、運用保守などの一連の開発工程に関わる。また、プロジェクトマネジメントやチームリーディングなどの役割も担うことがある。SE・SIerは、技術的な知識とスキルを活かして、クライアントの要望に応じたシステムを構築することが主な役割である。

コンサルタントの役割

一方、コンサルタントは、クライアントの抱える課題や問題点を分析し、解決策を提案する役割を担う。具体的には、現状分析、課題抽出、解決策の立案、提案資料の作成、プロジェクト管理などの業務を行う。コンサルタントは、技術的な知識に加えて、業務知識やコミュニケーション能力、問題解決能力などが求められる。

SE・SIerとコンサルタントの主な違い

SE・SIerとコンサルタントの主な違いは、役割の範囲、必要なスキル、クライアントとの関わり方である。SE・SIerは主に開発工程に関わるのに対し、コンサルタントは課題分析から解決策の提案、プロジェクト管理まで幅広く関わる。また、SE・SIerは技術的なスキルが重視されるのに対し、コンサルタントは技術知識に加えて、業務知識やコミュニケーション能力、問題解決能力などが求められる。

SE・SIerからコンサルタントへのキャリアチェンジを考える際は、これらの違いを理解し、不足しているスキルを身につけることが重要である。

20代のSE・SIerがコンサルタントへ転職するために必要な経験とスキル

システム開発やインフラ構築における実務経験

20代のSE・SIerがコンサルタントへ転職する際に重要なのは、システム開発やインフラ構築における実務経験である。エンジニアとして実装の経験だけでなく、設計段階までアプローチできている状態であれば、コンサル業界へのキャリアパスは十分に切り開ける。開発の知見、開発工程一連の流れや開発におけるボトルネックとなるポイントの理解など、現場のことを分かっていることが重要となる。

資料作成スキル、リサーチ・分析スキル

一人前のコンサルタントとして活躍するためには、資料作成スキル、リサーチ、分析というようなタスクをこなすためのスキルを一通り身につけている必要がある。SEの場合、これらの経験が不足している可能性もあるため、その差分を理解し、どのようにキャッチアップしていくのか、現場内でキャッチアップができるのかを考えることが大切である。

コンサルタントとしての動き方の理解

コンサルタントとして動く上で必要な提案、提案に付随する資料作成といった業務は、SEの場合、経験していない可能性もある。そのため、コンサルタントとしての動き方について理解を深めることが重要である。具体的には、クライアントとのコミュニケーション、課題の整理と解決策の提案、プロジェクト管理などのスキルを身につける必要がある。

20代のSE・SIerがコンサルタントへ転職するためには、システム開発やインフラ構築における実務経験を土台としつつ、資料作成スキル、リサーチ・分析スキル、コンサルタントとしての動き方の理解を深めることが重要である。これらのスキルを身につけ、SEとしての知見を活かしながらコンサルタントとしてのキャリアを築いていくことが、成功への鍵となるだろう。

30代のSE・SIerがシニアコンサルタントへ転職するために必要な経験とスキル

プロジェクトマネジメントの経験

シニアコンサルタントとして活躍するためには、プロジェクトマネジメントの経験が不可欠である。SE・SIerとして、5名から10名程度の開発チームを率いた経験があると、コンサルタントへの転職がスムーズになる。プロジェクトマネージャーとして、スケジュール管理、リソース管理、リスク管理などを行った経験は、コンサルタントとしての業務に直結する。

要件定義の主担当経験

シニアコンサルタントは、クライアントの要望を的確に捉え、システム開発の要件定義を行う役割を担う。SE・SIerとして、要件定義フェーズを主担当として経験していると、コンサルタントとしての適性が高いと判断される。クライアントとの折衝、ヒアリング、要件のドキュメント化などの経験は、コンサルタントに求められるスキルと重なる。

顧客折衝の経験

シニアコンサルタントは、クライアントとの窓口となり、プロジェクトの進捗報告や課題解決に向けた提案を行う。SE・SIerとして、クライアントとの定例会議や打ち合わせに参加し、顧客折衝の経験を積んでいると、コンサルタントへの転職がスムーズになる。課長クラスや部長クラスとのコミュニケーションに慣れていることが重要である。

提案書作成の経験

シニアコンサルタントは、クライアントに対して、システム開発の提案書を作成する役割を担う。SE・SIerとして、提案書作成の経験があると、コンサルタントとしての適性が高いと判断される。提案書には、システム開発の目的、スケジュール、体制、コストなどを明確に記載する必要がある。提案書作成のスキルは、コンサルタントに求められる重要なスキルの一つである。

30代のSE・SIerがシニアコンサルタントへ転職するためには、プロジェクトマネジメント、要件定義、顧客折衝、提案書作成などの経験を積み、開発プロセス全般の知見を深めることが重要である。これらのスキルを身につけることで、コンサルタントとしてのキャリアを切り開くことができるだろう。

おわりに

SE・SIerからコンサルタントへの転職を考える際は、年齢に応じて求められる経験やスキルが異なることを理解しておく必要がある。20代でコンサルタントを目指す場合は、システム開発やインフラ構築の実務経験をベースに、設計段階までアプローチできるスキルを身につけることが重要である。一方、30代でシニアコンサルタントを目指す場合は、開発の知見に加え、クライアントとの顧客セッション経験やプロジェクトマネジメント経験、提案書作成経験などが求められる。

自身のスキルと経験を客観的に分析し、不足している部分を積極的にキャッチアップしていくことが、SE・SIerからコンサルタントへの転職を実現するカギとなるだろう。本記事が、SE・SIerからコンサルタントへの転職を目指す方の一助となれば幸いである。

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