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SE・SIerからのキャリアチェンジ。年代別の戦略をご紹介

はじめに

SE・SIerのキャリアチェンジにおいては、年齢や経験によって異なるアプローチが必要である。本記事では、20代と30代以降のエンジニアに分けて、それぞれの世代に適したキャリアチェンジの戦略について解説する。

具体的には、20代のエンジニアは幅広い経験を積むことでT型のキャリアを形成し、将来の選択肢を増やすことが重要である。一方、30代以降のエンジニアは、これまでの技術領域の経験を生かしつつ、興味のある事業ドメインやビジョンに共感できる事業会社へのキャリアチェンジが一定程度可能である。ただし、全く異なる技術領域へのチャレンジには相当な準備が必要となる。

また、特定の技術領域で突出した知見や経験を持つエキスパートは、例外的にその技術力を武器にキャリアを切り開くことも可能である。自身のスキルと市場ニーズを見極め、最適なキャリアチェンジを実現していくことが肝要である。

20代のSE・SIerが考えるべきキャリアチェンジ戦略

幅広い経験を積むことでT型のキャリアを形成する

20代のSE・SIerにとって、特定の技術領域や経験する領域を限定せずに、他領域に積極的に取り組んでいくことが重要である。これにより、いわゆるT型のキャリアを形成し、20代後半から30代にかけての選択肢を増やすことができる。

例えば、自社プロダクト開発と客先常駐型開発の両方を経験したり、ウォーターフォール開発とアジャイル開発の両方に携わったりすることで、さまざまな開発手法や技術スタックに触れることができる。このような多様な経験を積むことで、自身の強みや興味のある領域を見つけ、将来のキャリアの方向性を定めていくことが可能となる。

ポテンシャルを重視したキャリアチェンジが可能

20代のエンジニアであれば、技術スタックが完全に一致していなくても、ポテンシャルを評価されてキャリアチェンジにチャレンジできる可能性が高い。例えば、支援会社から自社プロダクト開発企業へ、あるいは自社プロダクト開発企業から支援会社へのキャリアチェンジが比較的容易に実現できる。

ただし、20代後半になると、これまでの経験が重視されるようになる。レガシーシステムのウォーターフォール開発の経験しかない場合、モダンな言語を使ったアジャイル開発を行う企業へのキャリアチェンジは難易度が高くなる。そのため、20代のうちから自身の将来のキャリアを見据え、必要な経験を積んでおくことが重要である。

自身の強みと企業のフェーズをマッチングさせる

キャリアチェンジを成功させるためには、自身の経験や強みと、採用企業のフェーズや求められる役割をマッチングさせることが重要である。自身の経験やスキルが採用企業の求めるレベルに達しているか、事業フェーズに合っているか、そして自身のキャリアの方向性と採用企業の将来のビジョンが合致しているかを見極める必要がある。

これらの点を踏まえ、自身の経験の延長線上で、ストレッチを利かせてチャレンジできる範囲を見定めることが、キャリアチェンジを実現するためのポイントとなる。

30代以降のSE・SIerのキャリアチェンジ戦略

事業ドメインやビジョンに共感できる企業を選ぶ

30代以降のSE・SIerがキャリアチェンジを考える際は、これまでの経験を生かしつつ、自身の興味のある事業ドメインや強くビジョン共感できる事業会社を選ぶことが重要である。一方で、技術領域を大きく変更してのキャリアチェンジは、相当な準備が必要となる点に留意が必要だ。

例えば、これまでJavaを中心としたウォーターフォール開発の経験しかない30代後半のエンジニアが、TypeScriptを用いたアジャイル開発を行うWeb系企業へ転職するのは、かなりの学習と準備が求められるだろう。

技術領域を深めることの重要性

30代以降のエンジニアにとって、技術領域を深めていくことは大前提である。特定の技術スタックに精通し、その分野で専門性を発揮できるようになることが、キャリアの選択肢を広げることにつながる。

例えば、自社のAWSを用いたインフラ構築・運用の経験を積んできたエンジニアであれば、その知見を活かしてインフラ領域のコンサルタントとしてのキャリアを目指すことも可能だ。

技術トレンドをキャッチアップする努力

特定の技術領域を深めつつも、並行して新しい技術トレンドをキャッチアップしていく努力も欠かせない。IT業界は変化が速く、常に新しい技術が登場しているため、自身の興味のある分野の技術動向を追いかけ、学習していくことが重要である。

例えば、機械学習やデータ分析の分野に興味があるのであれば、Python、R、SQL等の言語やツールに触れ、データサイエンティストを目指すことも一つの選択肢となる。

マネジメント志向のキャリアチェンジ

技術志向のキャリアチェンジとは別に、マネジメント志向のキャリアチェンジも考えられる。プロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャー、あるいは技術経営の視点を持ったエンジニアリングマネージャーを目指すのも良いだろう。

ただし、マネジメントの経験がない状態からいきなりマネージャーポジションに就くのは難しい。まずは、技術力を武器にリードエンジニアのようなポジションを経験し、徐々にマネジメントスキルを身につけていくステップが必要である。

エキスパートを目指すキャリアパスの可能性

技術領域のエキスパートとして求められるスキル

技術領域において他の人と比較して頭一つ以上抜けているような技術力や経験を持っている場合、エキスパートというキャリアパスを選択することも可能だ。エキスパートとして認められるためには、特定の技術領域における深い知識と実践経験、技術トレンドを先読みし新しい技術を習得する能力、技術的な課題を解決するための論理的思考力、そして技術的な知見を分かりやすく説明するコミュニケーション能力が求められる。

これらのスキルを磨くためには、日々の業務で技術的なチャレンジを積極的に行い、自己研鑽を怠らないことが重要だ。

エキスパートとしてのキャリア展望

エキスパートとしてのキャリアパスは、企業内で技術的なリーダーシップを発揮し技術戦略の立案や技術チームのマネジメントを担ったり、技術コンサルタントとして他社の技術的な課題解決を支援したりすることが考えられる。また、技術領域に特化した研究機関や教育機関で研究開発や後進の育成に携わったり、独立して自身の技術力を活かしたサービスを提供したりすることも可能だ。

エキスパートとしてのキャリアを歩むためには、常に技術力を磨き続け、市場価値を高めていく必要がある。また、技術力だけでなく、ビジネス感覚やコミュニケーション能力なども重要となる。

おわりに

本記事では、SE・SIerのキャリアチェンジについて、20代と30代以降で考えるべきポイントが異なることを解説した。20代であれば、技術スタックが完全に一致しなくてもポテンシャルを評価されチャレンジが可能だが、レガシーシステムのウォーターフォール開発経験しかない場合、モダンな言語を使ったアジャイル開発への転職は難易度が高い。自身の経験と採用企業の求める役割をしっかり見極めることが重要である。

一方、30代以降は、これまでの技術領域の経験を生かしつつ、興味のある事業ドメインやビジョンに共感できる事業会社へのキャリアチェンジが一定可能だ。ただし、全く違う技術領域へのチャレンジには相当な準備が必要となる。そのため、20代のうちは特定の技術領域に限定せず、他領域にも取り組みT型のキャリアを築いておくと、後の選択肢が広がる。

また、特定の技術領域で突出した知見や経験を持つエキスパートは、例外的なキャリアパスも選択可能だ。自身のスキルと市場ニーズを見極め、最適なキャリアチェンジを実現していくことが肝要である。

SE・SIerエンジニアのキャリアチェンジは、年齢や経験、そして自身の強みと興味に合わせて戦略を立てることが重要だ。本記事が、読者の皆様のキャリア設計の一助となれば幸いである。

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