広報のキャリアアップ戦略：メディアリレーションと広報価値の向上

はじめに

広報担当者がキャリアアップを目指す上で、メディアとの良好な関係構築と広報価値の向上が重要な指標となる。メディアとのコネクションを増やすためには、広報担当者同士の交流会への参加や、記者との定期的な情報交換などが有効である。また、魅力的な広報施策の立案・実行スキルを磨くことも求められる。

大手企業とスタートアップでは、広報の目的や手法に違いがあるため、それらを理解し、多様な広報手法に挑戦していくことが、広報担当者のスキル向上につながるだろう。本記事では、メディアリレーションの構築方法と効果的な広報企画書の作成ポイントについて解説する。

メディアリレーションの構築方法

広報の集まりへの参加と人脈形成

広報担当者にとって、業界の最新トレンドや他社の取り組みについて情報交換することは重要である。広報の集まりに積極的に参加し、他社の広報担当者や記者との交流を深めることで、自社の広報活動に活かすことができる。また、記者との個人的な関係性を築くことで、自社の情報を取り上げてもらいやすくなる。

プレスリリースの定期的な配信

メディアとの関係性を維持するためには、定期的にプレスリリースを配信することが重要である。記者にとって有益な情報を提供することで、自社の存在感を高めることができる。ただし、単に情報を羅列するだけでなく、記者の関心を引くような時事性やストーリー性のある内容にすることが求められる。

効果的な広報施策の企画書作成ポイント

ターゲットの明確化と企画の独自性

広報施策の企画書を作成する際は、ターゲットとなる層を特定し、訴求点を明確にすることが重要である。また、他社との差別化を図るため、独自性のある企画を立案し、メディアに取り上げてもらえるような話題性のある切り口を考える必要がある。

ただし、話題性を重視しすぎることで、自社のブランドと一致しない取り組みになることは避けたい。自社の価値を正しく発信することがベースになるため、きをてらった施策は中長期で見ると、自社に利益をもたらさないことが多いため慎重に判断したい。

具体的な実施内容と期待される効果の提示

企画の概要だけでなく、具体的な実施内容を詳細に記載することが求められる。実施スケジュールや必要なリソースについても明記する。さらに、広報企画によって得られる効果を数値化し、明示することが重要である。メディア露出による広告換算額やブランド認知度の向上など、具体的な効果を示すことで、企画の説得力が増す。定性面だけではなく、定量面でも企画の良し悪しを判断できるようにしたい。

企業規模ごとに求められる広報担当の役割

大手企業の広報担当

大手企業の場合は、大規模なイベントや記者会見など、インパクトのある施策を実施することが多い。有名人を起用したキャンペーンなど、複数のメディアを活用した話題性の高い施策を担うこともある。
また、IRの役割を担うケースも多く、その場合は、投資家や株主向けに情報収集・発信を行う。大手企業ほど、ステークホルダーが多いため、社内・社外共に調整業務が多くなるのも特徴の一つである。

スタートアップ企業の広報担当

スタートアップ企業の場合は、限られたリソースを活用し、費用対効果の高い施策を実施することが求められる。SNSを活用した認知拡大に向けた施策など、ターゲット層に直接リーチする企画を立案・実行する。

既にブランドとしてのイメージが確立されている大手企業とは異なり、ブランドイメージの醸成をサポートするような施策を担うケースも。

サービス内容に応じた広報イベントの種類

記者会見と製品発表会

新商品やサービスのリリース時には、記者会見を実施してメディアに直接アピールすることが効果的である。質疑応答を通じて、サービスの特徴や強みを詳細に説明できる。また、新製品の機能や特徴を実際に体験してもらう場として、製品発表会を活用することもできる。

体験型イベント

サービスや商品の利用シーンを再現した体験型イベントを実施することで、ユーザーの共感を得ることができる。サービスの理解度や好感度を高め、イベント参加者による情報拡散を期待できる。