事業会社マーケターへの転職方法とキャリアの作り方

はじめに

近年、マーケティング領域への注目度が高まっており、マーケターとしてのキャリアを志望する方が増えている。特に、広告代理店やリサーチ会社、ウェブコンサルティング会社などで経験を積んだ方が、事業会社へのマーケター転職を目指すケースが多く見られる。

しかし、事業会社へのマーケター転職には、いくつかの障壁があるのも事実である。多くの日系大手メーカーでは、新卒で採用した総合職を数年かけて育成し、マーケティングや商品企画の部署に配属するのが一般的であるため、外部からマーケターを採用するケースは限定的だと言えるだろう。

とはいえ、すべての事業会社がマーケターの中途採用に消極的というわけではない。実力主義の外資系企業や、これからマーケティングに力を入れていきたい企業では、優秀な人材であれば外部から採用する可能性がある。

本記事では、事業会社へのマーケター転職を目指す方に向けて、転職を実現するための方法や、企業が外部からマーケターを採用するケース、キャリアアップのための会社選びのポイントなどを解説していく。マーケターとしてのキャリア形成を目指す方は、ぜひ参考にしていただきたい。

事業会社へのマーケター転職の実現方法

クライアントや人脈を活用する

事業会社へのマーケター転職は、クライアントやクライアントからの紹介、人の繋がりやパイプによって実現されるケースが多い。代理店やリサーチ会社、ウェブコンサルタントとして従事していた方は、これまでの人脈を活用することで転職の可能性が広がるだろう。

外資系企業やマーケティングに注力する企業を狙う

日系大手メーカーでは、新卒で総合職として採用した人材を数年かけて育成し、マーケティングや商品企画の部署に配属するのが一般的である。そのため、外部からマーケターを採用するケースは少ない。一方、実力主義の外資系企業では、優秀なマーケターやポテンシャルのある人材であれば、外部から採用する可能性がある。また、これからマーケティングに力を入れていこうとしているものの、社内に専門家が不足している企業でも、外部からマーケターを採用するニーズがあるだろう。

事業会社が外部からマーケターを採用するケース

実力主義の外資系企業での採用

外資系企業の中には、実力主義の経営スタイルを採用しているところがある。このような企業では、結果を出せるマーケターであれば、外部からの採用に積極的である。優秀なマーケターやポテンシャルのある人材を、社内外問わず広く求めているのだ。

マーケティング専門家が不足している企業での採用

これまでマーケティングに注力してこなかった企業の中には、今後マーケティングに力を入れていきたいと考えているところがある。しかし、社内にマーケティングの専門家が少ない、あるいは全くいないという状況では、外部からマーケターを採用せざるを得ない。大手企業、中堅企業、ベンチャー企業を問わず、マーケティング予算を増やす方針を持つ企業では、外部からのマーケター採用が行われているのである。

マーケターとしてのキャリアアップを目指す際の会社選び

事業成長を見越した会社選び

マーケターとしてキャリアアップを目指す際は、事業成長を見越した会社選びが重要である。今後マーケティングに注力し、投資をするリソースがあるかどうかを見極める必要がある。例えば、これまでマーケティングに力を入れてこなかったが、今後は力を入れていきたいと考えている企業や、大きくマーケティング予算を増やしていく方針の企業などは、マーケターとしてのキャリアアップが期待できるだろう。

マーケティングの効果が見込める事業モデルかどうか

また、選考する企業の事業モデルがマーケティングの効果を見込めるものかどうかも重要なポイントである。例えば、B2Bビジネスやマーケティングが売上に直結しないビジネスモデルの企業では、マーケターとしてのキャリアアップが難しい可能性がある。一方、消費者向けのブランドを持っている企業や、マーケティングの力で事業成長が期待できる企業では、マーケターとしてのキャリアアップが望めるだろう。

営業組織や労働集約型のビジネスモデルとの関係性

加えて、選考する企業の営業組織の強さや、労働集約型のビジネスモデルであるかどうかも考慮すべきポイントである。営業組織が強固な企業や、人材採用が重要な位置づけにある企業では、マーケティング部門の役割や影響力が限定的になる可能性がある。マーケターとしてのキャリアアップを目指すなら、マーケティング部門が事業成長の中心的な役割を担える環境かどうかを見極めることが大切だ。

個の実力が評価される

マーケターとしてキャリアを積んでいく上では、どの会社で経験を積んだかではなく、どれだけの実力があるかが重要視される。マーケティングの世界では、勝ったか負けたか、儲かったか儲かっていないかが全てであり、会社の知名度や規模は関係ない。例えば、誰もが知っている外資系ブランドでの経験よりも、小さな会社の売上を飛躍的に伸ばした実績の方が高く評価されるのがマーケターの特性なのである。

まとめ

マーケターとしてキャリアアップを目指す際には、自分の強みを活かせる企業を選ぶことが重要である。マーケティングの力で事業成長を実現できる企業かどうかを見極め、マーケティングに注力する方針や予算があるかを確認する必要がある。

また、マーケターの実力は結果で判断されるため、知名度の高い企業で働いていたかどうかは重要ではない。小規模な企業でも、マーケティングの力で売上を大きく伸ばした実績があれば高く評価されるのだ。

さらに、事業モデルがマーケティング主導型なのか、営業主導型なのかも考慮すべきポイントである。マーケターとしてのキャリアを築くためには、自分の力を発揮できる環境かどうかを見極めることが求められる。

事業会社へのマーケター転職を目指す方は、本記事で解説した内容を参考に、自身のキャリアプランを描いていただきたい。マーケターとしての実力を磨き、事業成長に貢献できる企業で活躍することを期待している。