面接対策の進め方

面接対策は一度作って終わる作業ではなく、選考が進むたびに直していく作業です。選考前に答えを作り、選考中の記録と不合格後の振り返りで更新していきます。
面接対策にかかる時間の配分
面接対策と聞くと、答えを用意する作業を思い浮かべる人が多いはずです。想定質問を並べ、答えを書き、覚えるところまでを対策と呼んでいる人は少なくありません。
ところが本番で通用するかどうかは、書いた後に何回直したかで変わります。初稿がそのまま通ることは、ほとんどありません。
理由は単純で、書いた答えは自分にしか見えていない前提を含んでいるためです。声に出して人に聞いてもらうと、伝わらない箇所が初めて見つかります。
同じ時期に対策を始めても、答えを一通り作った時点で止まる人と、作った答えを人に深掘りしてもらう工程まで入れる人に分かれます。
選考が長引くのは前者です。答えを作るところで止まり、直す工程に入れていないためです。
だから対策の設計では、作る時間より直す時間を長く取ります。1周目の答えが書けた時点は、まだ折り返しにも届いていません。
3つの時期ごとの進め方
面接対策は、選考が始まる前・選考中・落ちた後の3つで中身が変わります。
選考が始まる前にやるのは、頻出質問の素材を出し、話す形に組み立てる作業です。ここは1人でも進められます。
選考中にやるのは、受けた面接ごとに聞かれた質問と詰まった箇所を記録し、次の面接までに1点だけ直すことです。
落ちた後は、不合格の理由を推定して直す対象を1つ決めます。全部を作り直しません。
多くの人が手をつけないのが、選考中の記録です。面接が続くと、記録より次の準備を優先してしまうためです。
けれども、質問と詰まった箇所の記録こそ、優先して見直したい材料になります。想定質問集より、自分が実際に詰まった質問のほうが先に手を入れる価値があります。
記録は面接が終わった直後、移動中の5分で構いません。聞かれた質問を箇条書きにし、答えられなかったものに印を付けるだけです。
記録が溜まると、質問の傾向も見えてきます。志望する業界で繰り返し聞かれる問いが分かれば、次の準備の優先順位はそこから決まります。
次の面接までに直す点を1つに絞るのにも、理由があるのです。3か所を同時に直そうとすると、どれも中途半端なまま次の本番を迎えてしまいます。
選考が重なる時期は、面接の間隔も短いはずです。1回ごとに1点ずつでも、直した箇所は着実に積み上がります。
落ちた後に全部を作り直さないことも、同じくらい有効な原則です。落ちるたびに志望動機を一から書き直す人がいますが、直す対象が絞れていないと同じ場所でまた止まります。
次に直す点を探す4つの観点
本人に分かるのは不合格という結果だけなので、次の面接で直せる点は4つの観点から探すのが早道です。
| 型 | 中身 |
|---|---|
| 軸が通っていない | 志望動機・将来像・ガクチカが、別々の人物像を指している |
| 経験の中身が語れない | やったことは言えるが、なぜそうしたかが出てこない |
| 志望度が伝わっていない | 業界と職種の理解が浅く、「なぜこの会社か」に答えられない |
| 印象で損をしている | 表情・声の大きさ・話す速さが、内容の前に評価を下げている |
4つは、面接官が確認しやすい観点の裏返しでもあります。面接の記録と照らし合わせて、次に直す対象を1つ選ぶための道具です。
経験の中身と志望度の2つは、準備でふさげる型です。前者は素材の出し方を、後者は業界研究の踏み込み方を変えれば、次の面接から違いが出ます。
このうち自分では気づきにくいのが、話し方の型です。内容を直そうとする人は多いのに、話し方まで直す人は多くありません。
面接で「もう少し大きな声で」と言われた経験を、軽く流してしまう人は少なくありません。この種の指摘は、話し方のせいで内容が伝わっていない合図です。
一貫性の軸も、自分だけでは判定しづらいところです。1問ずつ見れば筋が通っていても、3問並べると矛盾している場合があります。
判定の仕方は単純です。志望動機・将来像・ガクチカを続けて声に出し、同じ人物の話に聞こえるかを確かめてください。
不合格の後の振り返り
不合格の連絡が来たら、次の順で振り返ります。連絡を受けた直後ではなく、面接の中身を落ち着いて思い出せる時点で構いません。
- 面接で聞かれた質問と、自分の答えを思い出せる範囲で書き出す
- 詰まった質問、長くなった質問、深掘りに答えられなかった質問に印を付ける
- 印の付いた質問を、上の4つの観点のどれかに割り当てる
- 割り当てた観点の直し方を1つだけ決めて、次の面接までに終わらせる
例を1つ挙げます。一次選考で落ちた学生が、詰まった質問として「その経験で一番苦労した点は」を挙げたとします。
やったことは言えたのに、なぜその手を選んだのかを答えられなかったのなら、割り当てる型は経験の中身です。志望動機を書き直しても、この穴はふさがりません。
直し方も1つに決まります。同じ経験について、迷って選んだ場面を2つ書き出し、それぞれの理由を声に出して言えるようにする。次の面接までにやるのは、これで足ります。
観点が2つ以上に見えるときは、材料を並べて共通するものを選びましょう。企業から返ってきた言葉、面接直後の記録、第三者からの指摘の順に見て、繰り返し出てくる課題を先に直します。
型が特定できないまま次に進むと、対策の量だけが増えていきます。進み具合は、落ちた回数ではなく直した箇所の数で測るものです。
なお、不合格の理由が自分側にあるとは限りません。採用人数や求める人物像との相性で決まる部分もあるため、1社の結果で自分の評価を確定させないでください。
各論を読むタイミング
直す対象が決まったら、その観点に対応する記事を開きます。
- 面接対策~採用目線を押さえた効果的な準備方法~(面接官が見ている観点と、素材づくりから模擬面接までの進め方)
- 面接対策~相手に伝わる「ガクチカ」の話し方~(書いた文章を、話して伝わる順番に組み替える方法)
- 相手に好印象を残す自己紹介と頻出質問10選の答え方(冒頭1分の作り方と、質問の意図の読み取り方)
- 対策が漏れがちな逆質問の重要性とポイント(志望度が伝わり、自分の判断材料にもなる問いの作り方)
- オンライン面接ならではのポイントと注意事項(画面越しで削られる情報を、機材と話し方で補う準備)
順番に読む必要はありません。落ちた後の振り返りで特定した型に対応する記事だけを開くほうが、直すまでの時間が短くなります。
1人で回せる範囲の限界
3つの時期のうち、選考前の素材づくりは1人でも進みます。詰まるのは、印象と深掘りへの対応です。
話す長さと分かりにくい箇所は、録画で自分でも確かめられます。答えが浅いかどうかは、書いた本人には省略した前提まで見えているぶん、判定が難しくなります。
そこで、深掘りへの答えだけは第三者に見てもらいましょう。早い段階で入れておくと、1社目の本番で試しながら直すより仕上がりが早くなります。
もう1つ、1人では気づきにくいのが業界理解の浅さです。自分では調べたつもりでも、現場を知る人から見ると表面で止まっている場合があります。
相手は、志望する業界や職種を知っていて、分かりにくい箇所を具体的に指摘してくれる人を選びます。大学のキャリアセンター、OB・OG、エージェントなどが候補です。
面接対策の始め方
面接対策は答えを作る量で決まると思われがちですが、実際に有効なのは、直す工程を回せているかどうかです。
まずは今日、直近で受けた面接を思い出し、詰まった質問を1つ書き出してみてください。まだ面接を受けていない場合は、頻出質問の素材づくりから始めます。
詰まった質問の原因が自分で特定できないときは、記録を見せて誰かに意見を求めます。大学のキャリアセンターやOB・OG、ASSIGNのエージェントなど、深掘りに付き合ってくれる相手が候補です。
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