面接対策~相手に伝わる「ガクチカ」の話し方~

ガクチカは、書けていても話すと伝わらない、という現象が起きやすい設問です。面接では、話し終えた後に「なぜ」という問いも重なります。
書けているのに話すと伝わらない理由
エントリーシートは通るのに、面接のガクチカでは手応えがないことがあります。
原因は、話す形になっていないことです。読む文章と、聞いてもらう話は、必要な構造が違うためです。
文章なら、読み手は前に戻って読み返せます。一文が長くても、順序が入り組んでいても、自分のペースで追えます。
話は、聞き手が前に戻れません。最初の10秒で「何の話か」を掴めないと、聞き手はその後の情報を置く場所を見つけられないまま聞き続けることになります。
つまり必要なのは、聞く人の頭に入る順番へ並べ替える作業です。文字数を削るだけでは足りません。
面接官が見る観点
全国大会に出た経験や、アルバイトで売上を伸ばした経験があっても、それだけで通過は決まりません。学生時代の成果は、仕事の成果と直結しないためです。
多く問われているのは、目標をどう設定し、うまくいかない状況にどう手を打ったかという過程です。仕事でも同じ動き方ができるかを、そこから推し量っているのだと考えられます。
だから題材は、部活でもアルバイトでも研究でも構いません。活動の種類そのものより、そこで何を判断したかを説明できるかで決まります。
むしろ珍しい経験ほど、状況の説明に時間を取られて過程を話せなくなる場合があります。話す上で扱いやすいのは、聞き手がすぐ状況を思い浮かべられる題材です。
成果を語る準備だけでは、「その活動で、あなたは何を判断したのですか」という問いに答えられません。判断した場面も、あらかじめ言葉にしておきます。
派手な実績がない題材でも、判断の過程を語れれば評価の材料になります。
話す順番を組み替える4ステップ
書いた文章を話せる形に変えるため、次の順番で組み替えてください。
| 手順 | 中身 |
|---|---|
| 状況を10秒で説明する | どんな団体で、自分はどの立場だったかを2文で言い切ります。ここを長く話すと本題に入る前に飽きられます |
| 目標と障害を1組で置く | 何を目指し、何が邪魔をしたかを1文ずつで言います。この対がないと、後の工夫が何のためか伝わりません |
| 自分の判断を2つに絞る | やったことを並べず、迷って選んだ場面を2つ選びます |
| 変化と再現性で締める | 結果どうなったか、その工夫を今も使っているか。全体は30秒から1分に収めます |
4つのうち難しいのは、自分の判断を2つに絞る段階です。工夫を5つ並べると、1つずつが薄くなり、印象が残りません。
数を絞ると、深掘りへの余白も生まれます。面接官が興味を持った点を後から聞いてくれるほうが、対話として自然に運ぶためです。
ここでいう判断とは、大きな決断でなくて構いません。「全員に同じ指導をするのをやめて、新人ごとに担当を決めた」程度の選択で十分です。
大事なのは、他の選択肢もあった中でそれを選んだ、と言えることです。選択肢が1つしかなかった話は、工夫ではなく作業の説明になります。
伝わる答えと伝わらない答え
順番と粒度を変えた2つの答えを、アルバイトの例で比べてみましょう。
| 伝わりにくい例 | 伝わりやすい例 |
|---|---|
| 「カフェのアルバイトでリーダーを任され、新人教育に力を入れました。マニュアルを作り、勉強会も開き、シフトの調整もして、結果的に売上に貢献できました」 | 「カフェで新人教育を担当しました。3か月で新人の半数が辞めていたのが課題です。原因を聞くと、忙しい時間帯に質問できないことが不安につながっていました。そこで、開店前の10分に質問だけを受ける時間を作りました。半年で退職はゼロになりました」 |
2つの例の違いは並べ方にあります。伝わりやすい例は、課題→原因→打ち手→結果の順に並んでいて、途中で聞き手が迷いません。
もう1つの差は、原因を自分で調べている点です。「聞くと〜だった」という一文があるだけで、思いつきではなく事実に基づいて動いた人だと伝わります。
自分の答えを点検するときは、原因を突き止めた場面が入っているかを見てください。ここが抜けると、努力の話にはなっても判断の話になりません。
「半数が辞めていた」「退職はゼロ」のように、状況の変化が分かる数字は入れる価値があります。
一方で、規模を誇るための数字は不要です。100人規模の団体でも3人のチームでも、評価されるのは過程であって人数ではありません。
深掘りへの備え方
ガクチカは話し終えた後が本番で、面接官はそこから「なぜ」を重ねてきます。
深掘りは、話した内容が本当に自分で考えたものかを確かめ、同じ動き方が仕事でもできるかを見るための質問です。
よく来る質問は決まっているので、あらかじめ答えを用意しておきましょう。
- なぜその方法を選んだのか(他の選択肢を検討したか)
- 反対する人はいなかったか(いた場合どう動いたか)
- うまくいかなかったことは何か
- その経験を、仕事でどう活かせると思うか
このうち準備が抜けやすいのは、うまくいかなかったことを聞く質問です。成功した場面だけを用意していると、答える材料が手元にありません。
準備の段階で、うまくいかなかった場面を1つ決めておいてください。失敗を語れる人のほうが、経験を客観的に見られていると受け取られます。
失敗をどう処理したかまでを、あわせて話せるようにしておきます。「最初の施策は反応が薄かったので、聞き方を変えて原因を探り直した」という流れです。
学びの部分は、無理に業務へこじつける必要はありません。「原因を確かめてから動く」といった行動の癖として語るほうが、自然で説得力があります。
志望する仕事の中身を知っていれば、接続はもっと自然になります。人と長く関わる仕事なら継続の工夫を、変化の速い仕事なら試行の速さを前に出す、という選び方です。
話す練習の仕方
内容が決まったら、あとは話し慣れるだけです。録画して長さと表情を確かめる、台本を見ずに話す、人に深掘りしてもらうという3段階の進め方は面接対策~採用目線を押さえた効果的な準備方法~にまとめています。
ガクチカに固有のこつを1つ挙げるなら、練習相手の選び方です。自分の活動を知らない人に聞いてもらってください。
事情を知っている友人は行間を補って聞いてくれるため、伝わっていない箇所が見つかりません。初対面の人に伝わるかどうかが、そのまま面接での伝わり方に近くなります。
サークル内だけで通じる呼び方や競技の専門用語が混じっていないかも、同時に確かめられます。
ガクチカ準備の始め方
ガクチカで問われるのは、経験の派手さより判断を語れるかどうかです。
一番語りたい経験を1つ選び、「迷って選んだ場面」を2つ挙げてみましょう。すでにあるエントリーシートを見ながらで構いません。
書き出したら、その2つを友人に話してみましょう。なぜそちらを選んだのかを聞かれて答えられるかが、判断を語れているかの目安になります。友人には頼みにくい場合、聞き役はASSIGNのエージェントでも務まります。
書き出せない場合は、経験の選び直しを検討しましょう。語れる判断が見つからない題材では、自分で考えて動いた過程を伝えにくいためです。
ASSIGN
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