営業職の年収アップ戦略
はじめに
営業職の年収アップは多くの転職者の関心事である。特に30代前半で1000万円の年収を目指す方も少なくない。しかし、年収アップのためには何を考慮すべきだろうか。
営業職の年収を上げるためには、大きく分けて3つのポイントがある。1つ目は営業職の価値をいかに高めるか、2つ目は年収レンジの高い業界・企業を選ぶこと、そして3つ目が営業職からのキャリアアップである。
営業職の価値を高めるためには、商品やサービスの価値の中心となることが重要である。営業職が顧客や市場のニーズを的確に捉え、自身にしかできない価値を発揮できれば、年収アップのチャンスが広がる。
また、年収レンジの高い業界・企業を選ぶことも有効な手段だ。利益率が高く、市場の成長性がある企業では、営業職の年収も高くなる傾向にある。さらに、インセンティブ制度など営業職に還元する仕組みがあるかどうかも重要なポイントだ。
最後に、営業職からのキャリアアップも視野に入れる必要がある。事業企画などの中核を担うポジションへの社内異動や、コンサルファームへの転職などが選択肢として考えられる。ただし、難易度が高いことを理解しておく必要がある。
本記事では、これらの観点から営業職の年収アップについて詳しく解説する。転職を考える営業職の方々に、実践的な情報をお届けできれば幸いだ。
営業職の価値を高める方法
商品やサービスの価値の中心となる
営業職が年収を上げるためには、提供する商品やサービスの価値の中心となることが重要である。ブランド力や商品力で売れている場合、営業職の価値はそこまで高くなく、商品を作る開発者や企画担当者の価値が高くなる傾向にある。一方、営業職が商品を市場に売り出すタイミングや、優秀な営業職を採用したい時には、営業職が価値の中心となり、年収を上げやすくなる。
希少性の高い営業職になる
顧客や市場のニーズが多様化し、複雑化する時代において、既存の枠組みにとらわれず、自身にしかできない価値を発揮できる営業職が年収を上げていくことができる。市場における希少性の高い営業職になるためには、以下のようなスキルが求められる。
- 顧客のニーズを的確に捉え、適切なソリューションを提案する能力
- 業界や市場の動向を把握し、先を見据えた提案ができる洞察力
- 顧客との信頼関係を構築し、長期的な取引につなげるコミュニケーション力
実績を積み重ねる
営業職の価値を高めるためには、実績を積み重ねることが重要である。高い成約率や大口の契約を獲得するなど、数字で示せる実績を積み重ねることで、自身の市場価値を高めることができる。また、顧客からの評価や推薦を得ることも、営業職の価値を高める上で効果的である。
スキルアップを怠らない
営業職としてのスキルを常に磨き続けることも重要である。商品知識や業界知識を深めるだけでなく、交渉力やプレゼンテーション力など、営業に必要なスキルを向上させることで、より高い価値を提供できるようになる。また、新しい営業手法やツールを積極的に取り入れ、効率的かつ効果的な営業活動を行うことも求められる。
ネットワークを広げる
営業職にとって、人脈は重要な資産である。顧客だけでなく、業界内の他社の営業職とも積極的にネットワークを広げることで、情報交換や共同案件の獲得など、ビジネスチャンスを広げることができる。また、社内の他部署とも良好な関係を築くことで、社内の情報を得たり、協力を得たりしやすくなる。
年収レンジの高い業界・企業の選び方
利益率と給与原資の高さに注目
年収レンジが高い業界や企業を選ぶ際は、まず1人当たりの生産性が高く、利益率が高い企業を探すことが重要である。給与原資が潤沢にあるかどうかがポイントだ。
例えば、人材紹介業界では在庫を持たないビジネスモデルで無駄な人件費がかからず、エージェント自体がサービスの中心となるため、営業利益率が高い傾向にある。こうした仕組み作りを徹底することで利益率を上げ、営業職に年収を還元しやすくなる。
市場の成長性と事業の伸びしろを見極める
次に、市場や事業が今後も伸びていくかどうかを見極めることが大切だ。衰退産業では、一時的に高い年収を払えたとしても、将来的に福利厚生や賞与がなくなるリスクがある。
企業が営業職に還元していく考えや仕組みがあるかどうかも重要なポイントである。利益率が高くても、事業投資や広告費にお金を使う会社もあるため、営業職への還元制度の有無をチェックする必要がある。
インセンティブ制度のある企業を狙う
代表的な業界として、人材紹介会社、M&A仲介、不動産仲介会社などがインセンティブ制度を導入している企業が多い。平均的な営業職でも1000万円を稼げ、優秀な営業職になれば2000万円から3000万円の年収を得られるケースが少なくない。
年収レンジが高い業界や企業を選ぶには、利益率と給与原資の高さ、市場の成長性と事業の伸びしろ、営業職への還元制度の3点を総合的に判断することが肝要だ。自身のスキルと適性を見極めつつ、年収アップが見込める企業を探すことをおすすめする。
営業職からのキャリアアップ
社内での事業企画などの中核ポジションへの移動
営業職からのキャリアアップの一つの方法は、社内で事業企画など会社の中核を担うポジションへ異動することである。会社によっては、企画職への社内移動で一時的に年収が下がるケースもあるが、年収テーブルの高い事業会社の企画職に転職することで、年収アップを実現することも可能である。
事業企画職では、以下のようなスキルが求められる:
- 市場分析力
- 戦略立案力
- プロジェクトマネジメント力
- コミュニケーション力
営業職で培った顧客ニーズの理解や交渉力などのスキルを活かしつつ、上記のスキルを身につけることで、事業企画職でのキャリアアップを目指すことができる。
コンサルティングファームへの転職
もう一つの方法は、コンサルティングファームへの転職だ。特に20代中盤までであれば、ポテンシャルを評価されて営業職から年収アップにつながる転職がしやすい傾向にある。
コンサルティングファームが未経験者に求めるスキルは以下の通り:
- ロジカルシンキング
- コミュニケーションスキル
- メンタルタフネス
ロジカルシンキングは、MECEやフレームワークを用いて構造的に物事を考える力である。営業職で培った顧客ニーズの分析力や提案力が活きてくる。コミュニケーションスキルは、クライアントとの折衝や社内外の調整で重要となる。メンタルタフネスは、高い成果を求められるコンサル業界で必須の資質だ。
ただし、コンサルティングファームは経歴・学歴に条件を設けている場合が多いため、自身のバックグラウンドが求められるスキルセットに合致するか見極める必要がある。また、ファームによって転職後の年収にはバラつきがあるため、入念な調査が欠かせない。
以上のように、営業職からのキャリアアップには社内の事業企画職への移動とコンサルティングファームへの転職という2つの選択肢がある。いずれも難易度の高いキャリアアップだが、必要なスキルを身につけ、自身に合ったキャリアパスを選択することで、年収アップを実現することができる。
まとめ
営業職の年収を上げるためには、自身の価値を高め、年収レンジの高い業界・企業を選び、キャリアアップの可能性を探ることが重要だと言える。
営業職の価値を高めるには、商品やサービスの価値の中心となれるよう、自身にしかできない強みを発揮することが求められる。多様化する顧客ニーズに対応できる営業職ほど、希少性が高く、年収アップのチャンスが広がるでしょう。
また、利益率が高く、市場の成長性がある業界や企業を選ぶことも大切だ。特に、営業に還元する仕組みがあるかどうかは重要なポイントだ。人材紹介やM&A仲介、不動産仲介などでは、インセンティブ制度により高い年収を得られるケースが多い。
最後に、営業職からのキャリアアップとして、社内の事業企画などの中核ポジションへの移動や、コンサルファームへの転職などが考えられる。ただし、難易度は高く、経歴や学歴など条件によってはハードルがあることにも留意が必要だ。
営業職の年収アップを目指す際は、これらの観点を踏まえ、自身のキャリアプランを描いていくことが重要だと言える。
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