営業職の4つのキャリアパスと選び方
はじめに
営業職のイメージは長らく「足で稼ぐ仕事」「顧客の言いなりになる」といったネガティブなものが主流であった。実際に2018年の調査では、子供になってほしくない職業ランキングで営業職は堂々の2位に輝いている。
しかし近年、IT化やDXの推進、新たなビジネスモデルの台頭により、営業職の業務内容やイメージは大きく変化しつつある。単に顧客を回るだけでなく、専門性が求められる職種へと変貌を遂げているのである。
本記事では、このような時代の変化を踏まえ、営業職としての4つのキャリアパスについて詳しく解説する。事業マネジメント、スーパープレイヤー、営業企画、特命担当、それぞれの特徴やキャリアステップについて、具体例を交えながらわかりやすく説明していく。自身の適性を見極め、早い段階からキャリアの方向性を定めることが、営業職として成功するための鍵となるだろう。
営業職のイメージの変化
これまでの営業職のイメージ
これまでの日本では、営業職は「とりあえず営業」「努力で稼ぐ仕事」「足で稼ぐ仕事」といったイメージが強かった。子供になってほしくない職業ランキングでも上位に入るなど、あまり良いイメージを持たれていなかったのが実情である。
営業職に求められる新たなスキル
しかし近年、営業職の業務内容やイメージは大きく変化している。現代の営業職には、デジタルツールを活用した効率的な営業活動、顧客の課題を深く理解し最適なソリューションを提案する提案力、自社の製品・サービスに関する深い知識と専門性、社内の他部門と連携し顧客の要望に柔軟に対応する調整力など、様々なスキルが求められるようになってきている。
このように、営業職は単なる「売る人」ではなく、顧客の課題解決に向けて専門的な知識とスキルを発揮するプロフェッショナルへと変化しつつある。あらゆる業界でデジタル化が進む中、これからの時代に求められる営業職像を理解し、自らのスキルを磨いていくことが重要である。
4つのキャリアパスの概要
事業マネジメント
事業マネジメントは営業職の王道ルートであり、経営目標や事業目標の達成がミッションとなる。新規、既存、代理店、アライアンスなど様々なチャネルを活用し、売上金額や顧客価値を倍増させることが求められる。
キャリアパスとしては、まずプレイヤーとして成果を上げ、次に少人数の組織をマネジメントする役割を経験する。最終的には事業全体をマネジメントする立場へと昇進していくのが一般的である。
スーパープレイヤー
スーパープレイヤーは、企業の売上の大部分を一人で創出するトップセールスのことを指す。自らの売上目標や所属部門の売上目標達成がミッションとなる。会社の売上の3分の1程度を創出していれば取締役クラス、8分の1から10分の1程度なら執行役員クラスと言われている。
営業企画
営業企画は、事業の成長に欠かせない重要なKPIを大きく改善することをミッションとする。営業パーソンの生産性を高めるための方法を言語化・型化する能力や、施策に落とし込むアイデア力が求められる。
キャリアパスとしては、まずプレイヤーとして自身が成果を上げ、その後1チームのマネジメントで部下の生産性アップを実績として残す。そうした経験を積んだ後に営業企画へと移動するのが王道である。
特命担当
特命担当は、社長直下や事業責任者の近くに置かれ、都度渡されるミッションを幅広くこなしていくポジションである。大規模なミッションから細かいミッションまで、ジャンルを問わずに引き受けられる柔軟性が求められる。
キャリアパスは企業規模によって異なるが、プレイヤーとして一定の成果を上げた後に手を挙げるケースや、新規事業の開発担当として経験を積んでから特命担当に移るケースが多い。
キャリアパスの選び方
自身の適性を見極める
営業職のキャリアパスを選ぶ際には、自身の適性を見極めることが重要である。得意なスキルや働き方の志向など、自己分析を行うことで、自分に合ったキャリアパスを選ぶことができる。
例えば、論理的思考力に長けている場合は営業企画、コミュニケーション力が高い場合はスーパープレイヤーなどが適しているかもしれない。また、裁量の大きさや専門性の追求、ワークライフバランスなど、自身の理想の働き方に合ったキャリアパスを選ぶことも重要である。
企業の事業フェーズを見極める
キャリアパスの選択肢は、企業の事業フェーズによっても異なる。スタートアップ期では特命担当のような柔軟な対応力が求められ、成長期では事業マネジメントや営業企画のような役割が重要になる。安定期ではスーパープレイヤーのような専門性の高い人材が活躍の場を得やすくなる。
企業の事業フェーズを見極め、そのフェーズに適したキャリアパスを選択することが肝要である。
将来のキャリアビジョンを描く
営業職のキャリアパスは、その先の将来のキャリアにも大きく影響する。事業マネジメントの経験を積むことで経営への道が開け、営業企画やスーパープレイヤーとしての経験は専門家への道につながる。特命担当の経験は独立・起業への第一歩となるだろう。
将来のキャリアビジョンを描き、そこからバックキャストする形で営業職のキャリアパスを選ぶことが重要である。自身のなりたい姿を実現するために、どのようなキャリアパスを歩むべきかを考えてみよう。
おわりに
営業職の4つのキャリアパスについて解説してきた。事業マネジメント、スーパープレイヤー、営業企画、特命担当という4つのポジションは、それぞれ求められるスキルや適性が大きく異なる。
自身のキャリアを考える上で、これらのポジションの特徴を理解し、自分に合ったキャリアパスを選択することが重要である。早い段階から方向性を定めてキャリアを形成していくことが、営業職としての成功につながるだろう。
営業職の方々だけでなく、他の職種の方々も、一度自分に向いている職種を考えてみることをおすすめしたい。自分の強みや適性を理解し、それを活かせる職種を選ぶことが、キャリアアップのための第一歩となるはずである。
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