営業職から採用担当へのキャリアチェンジ戦略
はじめに
営業職から採用担当へのキャリアチェンジに関心を持つ方は多いのではないだろうか。採用担当は人事職の中でも専門性が高く、未経験からのキャリアチェンジは容易ではない。しかし、いくつかの有効なキャリアパスが存在している。
採用担当の主な仕事は、自社に適した人材の定義を明確にし、事業計画に基づいた採用数を達成するために、募集から入社までの一連のプロセスを管理することである。マーケターやエンジニアと同様に専門職であるため、スキルと経験が求められる。
本記事では、営業職から採用担当へのキャリアチェンジについて解説し、キャリア戦略を立て、理想のキャリアを実現するための情報を提供する。
営業職から採用担当へのキャリアパス
メンバークラスへのキャリアパス
営業職から採用担当へのキャリアパスは、営業として結果を出し、社内でのアサイン変更により採用担当に抜擢される形が王道である。
優秀な営業社員は、自社の強みや魅力を熟知しており、それを候補者に伝える力があり、また採用人数を追うという観点では、営業として数字を追ってきた経験も親和性があるため、適任だと判断される。
責任者クラスへのキャリアパス
採用責任者は採用戦略の立案から実行の責任を負う。例えば、採用要件の定義や採用人数の責任だ。
営業職から採用責任者へのキャリアパスは、営業部長・課長クラスから、採用責任者として抜擢されるケースである。
営業部長・課長クラスは数字を追う、組織を動かす、リソースの配分ができるといった経験が親和性があるため、適任であると判断される。
例えば、ある大手メーカーでは、営業部長として活躍してきたベテラン社員が、人事部長に就任し、採用改革を推進した。営業で培った交渉力とリーダーシップを発揮し、採用の質と量の向上に成功している。
転職を通じた採用担当へのキャリアパス
人材業界のエージェント経験を活かすケース
転職を通じて採用担当へのキャリアチェンジを目指す場合、人材業界のエージェント経験を活かすことが有効である。
- クライアント企業の採用要件設計から募集、クロージングまでの一連のプロセスを経験できる
- クライアント企業の採用状況や課題を理解した上で入社できるため、面接でのアドバンテージになる
- 法人営業だけでなく、候補者とのコミュニケーションを担う両面型エージェントとしての経験が望ましい
スタートアップで営業と採用を兼任するケース
スタートアップやベンチャー企業で、営業と採用を兼任するケースも有効な選択肢だ。
- 50人前後から100人規模の会社では、専任の採用担当を置いていないことが多い
- 営業と採用を兼任することで、会社の成長フェーズで中核メンバーとなるチャンスがある
- 30人規模の段階で入社し、100人・200人規模への成長を支援することがおすすめ
- 営業での結果だけでなく、経営者とのコミュニケーションや会社のビジョンを語れる力が求められる
ある有名なスタートアップでは、営業社員が採用も兼任し、事業拡大に貢献しました。営業で培ったコミュニケーション力を活かし、優秀な人材を次々と獲得することで、会社の急成長を支えたのだ。
採用担当に必要なスキルと経験
採用担当に必要なスキル
コミュニケーション力
採用担当は、候補者との面接や社内の関係部署との調整など、常にコミュニケーションを取る必要がある。相手の話を傾聴し、適切な質問を投げかけることで、候補者の能力や適性を見極める力が求められる。また、採用方針や求める人材像を社内に浸透させるためには、説得力のあるプレゼンテーション能力も必要だ。
人材を見抜く力
採用担当は、応募者の経歴書や面接での受け答えから、その人物の能力や将来性を見抜く必要がある。業界知識や職種理解に加え、人物を多角的に評価する観点を持つことが重要である。また、自社の企業文化やビジョンに合致する人材を見極める目利き力も求められる。
採用マーケティングに関する知見
優秀な人材を獲得するためには、自社の魅力を効果的に伝える必要がある。採用担当は、自社の強みや特徴をアピールし、ターゲット層にリーチするための採用マーケティング戦略を立案・実行する能力が求められる。SNSの活用や採用イベントの企画など、創意工夫を凝らしたアプローチが欠かせない。
採用担当に求められる経験
営業経験
営業経験は、採用担当に求められるコミュニケーション力や交渉力の基礎となる。顧客のニーズをヒアリングし、適切な提案を行う営業スキルは、候補者との面接や内定交渉の場面で活きてくる。また、目標達成に向けて粘り強く取り組む営業マインドは、採用目標の達成にも通じる。
採用以外の人事領域での経験
人事部門での経験は、採用業務に直結するスキルを身につける機会となる。労務管理や人材育成など、人事の幅広い業務を経験することで、採用だけでなく、入社後の人材マネジメントまでを見据えた採用戦略を立てられるようになる。また、社内の様々な部署と協力して採用活動を進める上で、人事部門でのコミュニケーション経験が活きてくるだろう。
人材業界経験
人材紹介会社やヘッドハンターとしての経験は、採用担当として即戦力となる。人材業界では、幅広い業界・職種の人材ニーズを把握し、求職者との面談を通じて適性を見抜くスキルが磨かれる。また、企業の採用課題を解決するためのコンサルティング経験は、自社の採用戦略立案にも役立つはずだ。
おわりに
営業職から採用担当へのキャリアチェンジは、決して容易な道のりではない。しかし、適切なキャリアパスを選択し、必要なスキルと経験を積むことで、その夢を実現することは可能である。
また、転職を視野に入れる場合は、人材業界でのエージェント経験やスタートアップでの兼任経験が有効な選択肢となるだろう。
採用担当へのキャリアチェンジに必要な共通スキルとして、コミュニケーション力、人材評価力、マーケティング力が挙げられる。これらのスキルは、営業経験や人事経験、人材業界経験を通じて身につけることができる。
営業職から採用担当へのキャリアチェンジは、努力と戦略的な選択が必要だが、あなたの情熱と適性があれば、必ず実現できるはずだ。
専門家のアドバイスを参考にしながら、一歩一歩、着実に目標に向かって進んでいこう。
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