新卒と中途の違いとは。転職における業界選定やキャリア構築の重要性を解説
新卒採用と中途採用では、「内定」というゴールは同じでも、そこに至るまでのプロセスには相違点が数多くあります。
そのため、相違点を事前に把握して活動することが肝要です。
特に中途採用では、「応募先企業の業種・職種に経験があるか」「中途採用に積極的な企業か」などが重要なポイントです。
そこで本記事では、新卒採用と中途採用の相違点や業界選定・キャリア構築に重要なポイントを解説します。
特に中途採用について詳しく解説しますので、中途採用に今後臨む予定のある人はぜひ参考にしてください。
新卒採用と中途採用の違い
新卒採用と中途採用で、特に違いが見られるのは以下の4点です。
新卒採用 | 中途採用 | |
選考方法 | 各企業個別の説明会もしくは合同説明会に参加した後、エントリーシート(ES)を提出する | 応募者が自ら求人情報を検索し応募するか、転職エージェントに依頼して求人を紹介してもらう |
採用基準 | 「学歴」が大きな影響を及ぼすが、採用後のポテンシャルを示せれば、採用基準を満たす場合も往々にしてある | 多角的に見て「即戦力」の人材が求められる傾向が高い |
選考期間 | 多くの学生が同時期に選考に臨み、企業側も慎重に選考を進めていくため、数ヵ月かかる | 基本的に期間は短く、即日で内定が出る場合もある |
入社後 | 企業によって異なるが、約1~3ヵ月程度ビジネスマナー・業界・事業についての基礎知識を学ぶ | 基礎知識は身についていると見なされ、実地にて「習うより慣れよ」とすることが多い |
上記の4項目について、中途採用を中心に解説していきます。
選考方法
新卒採用では、ES提出後は書類選考→適性検査→面接と進んでいくのが一般的で、特に面接の回数が5、6回以上となることも珍しくありません。
一方で、中途採用では企業や本人の状況に応じて、書類選考→面接と進むケースが多く、企業によっては適性検査がない場合もあります。
また、中途採用では新卒採用に比べ面接の回数が少ないことが大半で、1回の面接で合否が出る場合もあります。
採用基準
新卒の場合は、社内で教育するのを前提として採用しますが、中途採用では前職での経験を活かせる人材や即戦力となる人材を採用するのが一般的です。
ただ、中途採用でも職種・業種未経験者を採用するケースもあります。
その場合でも、前職での経験やスキルを踏まえて判断されます。
一方で、中途採用のなかでも「第二新卒」に分類される人は、即戦力か否かよりも新卒と同じくポテンシャルを示せるかがポイントです。
選考期間
新卒採用の選考期間は総じて長くなる傾向が強く、すぐに結果が出ない代わりにゆとりを持って取り組めるのが特徴です。
一方で、中途採用は新卒採用よりも選考期間が短くなる傾向があり、早ければ数週間で合否が出ることも珍しくありません。
特に、欠員補充や事業拡大に向けた増員の場合は選考期間が短くなります。
入社後
新卒採用で入社した新入社員には、新卒者向けに特別な研修フローが用意されていることが大半です。
一方で、中途採用で入社する社員は、社会人としての基礎知識は当然身についていると見なされます。
そのため、ごく基本的な会社のルール・業界の概要などを説明された後、すぐ実際の業務に入ることも少なくありません。
ただ、中途採用でも未経験者の場合は、企業によって特別な研修が用意されている場合もあります。
新卒の業界選定と中途の業界選定の違い
新卒に比べると、中途はより業界選定の重要性が高まるため、これまでの社会人経験も踏まえて検討するのが大切です。
ここでは、新卒と中途における業界選定の違いについて解説します。
業界選定
新卒での業界選定は、企業への興味を重視して業界を絞り切らずにさまざまな企業を受ける人が大半です。
しかし、中途採用においては、現職の業務があるなかでの業界選定になるので、ある程度受ける社数を絞っていく必要があります。
働きながらの転職活動になれば、応募する企業の厳選が必須です。
現実的に、同時に進行できる選考は5~7社程度になると想定されます。
情報収集
新卒では自分で行う業界研究のほかにも、OB訪問・説明会・セミナーなどのさまざまな業界に興味を持てるイベントが数多く開催されます。
一方で中途の場合、社数を絞る必要がありながらもイベントはほとんどありません。
そのため、中途は新たな業界を知る機会に乏しいのです。
また、業界によってはいまだに新卒・プロパー主義の業界も多く、それを知らずに転職活動を進めると、時間を無駄にしてしまう恐れがあります。
一般的に、中途採用での入社が難しいとされている業界は以下の通りです。
- 金融
- 商社
- インフラ
- メーカー など
上記の業界は中途採用枠があったとしても、経験者募集となる場合が多いため、特に未経験で目指そうと考える場合は、綿密な計画が必要です。
キャリア
新卒は、入社してから本格的にキャリアを形成していくことになりますが、中途はこれまでの社会人経験を踏まえたキャリア形成となります。
自分がこれまで担ってきた業務や経験をもとに、以下の事柄を改めて洗い出し応募する業界・企業を決定するのが望ましいです。
- やりたいこと
- 自身に適した環境
- 得意分野・苦手分野
上記の事柄をよく検討した上で転職活動を行うのが、中長期的なキャリア形成には欠かせません。
中途の場合、現職での実績や業界・業務への理解が新卒者以上に重視されます。
中途でも未経験業界への挑戦は可能ですが、受かりやすさを考える上では、現職の業務内容との親和性も考えながらの業界選びを行う必要があります。
この業界特定を自分一人で行うことは難しいため、転職エージェントを利用しアドバイスをもらうのがおすすめです。
中途採用に積極的な業界の特徴
中途採用に積極的な企業には、以下3つの特徴があります。
- 市場規模が伸びている
- 企業数(プレイヤー)が増えている
- IT技術の活用余地が大きい
社会情勢やIT技術によって需要が伸び、それに対応する形で企業数が増えた業界が、人手不足となり採用が拡大することで、中途採用に積極的になる傾向です。
人材紹介を例にとると、転職を考える人が増えると、それに伴って市場規模・業界の売り上げが伸び、人材紹介を行う企業も増加します。
また、IT技術活用の観点では、よりよいプラットフォームを作ったり、マッチングの精度を高めたりするなど、今後も活用余地が大きいといえます。
社会情勢の変化を受けて、需要が伸びている領域だと企業が増えていく傾向があり、人材も必要になるため、中途採用に積極的となるのです。
中途採用に積極的な業界の代表例
中途採用に積極的な業界は、以下の6業界です。
- IT
- 人材
- 不動産・建設
- 医療
- M&A
- コンサル
IT業界
IT業界で中途採用が積極的な業種は以下の通りです。
業種 | 概要 | 向いている人 |
SaaS | サブスク形式での業務改善・サービス提供 | ・伸びている業界でキャリアを積みたい ・大きな裁量権を保持して業務に取り組みたい |
SIer | 企業に合わせた個別のシステム開発 | ・人間関係の構築が得意 ・チームで業務に取り組むことを重要視している |
Webマーケティング | メディアへの広告運用代行 | ・精緻な数値管理が得意 ・顧客との折衝が得意 |
上記のなかでも、SaaSは特に伸びている業界です。
SaaSが伸びている理由は、大企業から中小企業に至るまで顧客としてターゲットにできるビジネスモデルであるためです。
営業方式も欧米では主流な「The Model型」を取り入れており、業種全体として効率的に業務に取り組めます。
人材業界
人材業界で中途採用が積極的な業種は以下の通りです。
業種 | 概要 | 向いている人 |
人材紹介 | 転職を考えている人と採用企業のマッチングを行う | 人や企業の成長に関わっていきたい |
求人広告営業 | インディード・求人ボックスなどの求人媒体を通じて、転職希望者と企業をつなげる | ある程度の期間、クライアントと伴走し成長・発展に寄与したい |
人材派遣 | 派遣雇用で働きたい人と企業をつなぐ | 多くの人の成長を支援したい |
人材業界全体の需要が伸びているのは、転職活動が年々複雑化・多様化し、転職希望者がどの求人に応募すればよいかの判断が難しくなっていることが影響しています。
多角的な事業展開を人材サービスを取り扱う各企業が行うことで、転職希望者・企業双方のニーズを満たし、業界自体の発展にも寄与しています。
不動産・建設業界
不動産・建設業界で中途採用が積極的な業種は以下の通りです。
業種 | 概要 | 向いている人 |
不動産テック・建設テック | ITを使って不動産や建設業界のレガシーを解消する | IT業界に魅力を感じつつ、業界の構造を改革することに挑戦したい |
施工管理職 | 工事の工程管理・発注・予算管理・労務管理などを請け負う建設業界の専門職 | 早期にマネジメント能力を得たい |
不動産・建設業界は、昔からの慣習・技術がいまだに多く使われている業界です。
そのため、最新のIT技術が介入し、業界構造を改善できる余地が大きいといえます。
また、施工管理職は特に近年人手不足が激しいため、中途採用が活発な職種の一つです。
医療業界
医療業界で中途採用が積極的な業種は以下の通りです。
業種 | 概要 | 向いている人 |
医療テック | ITで医療業界のレガシーを解消する | 人や企業の成長に関わっていきたい |
医療業界特化のコンサル | 病院・薬局などに対し業務効率化や収益改善の支援を行う | ある程度の期間、クライアントと伴走し成長・発展に寄与したい |
医療業界特化人材紹介 | 医師・看護師・放射線技師などの医療業界特有の人材と各機関をつなげる | 多くの人の成長を支援したい |
医療業界は、職種に合った国家資格・民間資格の取得が必要です。
そのため、医療業界に関わるサービスを展開する企業にも、高い専門性が求められます。
人材に高い専門性を求めるため、これまで医療業界に携わっていた人材を中途採用で採用する動きが安定的に散見されます。
M&A業界
M&A業界で中途採用が積極的な業種は以下の通りです。
業種 | 概要 | 向いている人 |
一気通貫型M&A | 1人の担当者が売り手、買い手の両方の対応を担う | 実力主義の業界で営業力を身につけていきたい |
分業型M&A | 売り手と買い手といった形で分かれる | 実力主義の業界で営業力を身につけていきたい |
業界特化型M&A | 介護・製造・化学など業界に特化してM&Aに携わる | 実力主義の業界で営業力を身につけていきたい |
M&Aは、企業の事業活動のなかでも根幹となる「企業存続」に関わる業界です。
巨大な金額が動き、万が一失敗すれば取り返しのつかない事態に陥る可能性もあるため、高い緊張感のもと業務に携わる必要があります。
少子高齢化により、中小企業の跡継ぎ問題が大きな社会問題となっている昨今では、M&Aのニーズも高まっているため、中途採用も活発です。
コンサル業界
コンサル業界で中途採用が積極的な業種は以下の通りです。
業種 | 概要 | 向いている人 |
戦略・総合ファーム | 多種多様な業界に対しコンサルティングを行う | 論理的思考力に長けており、チームプレーが得意 |
ITコンサル | システム導入を軸として企業の業務改善を支援する | IT業界でキャリアを積みたい |
人事コンサル | 採用・研修などの人事関連業務の課題解決を支援する | 人材のモチベーションアップ・成長に貢献したい |
コンサル業界では、企業のDX化・ITを取り入れた戦略を支援する領域が特に伸びています。
中途採用が活発な業界であり、ファームによっては社員における中途採用の割合が新卒採用よりも高い場合もあります。
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