
右:株式会社アサイン シニアエージェント 舩田 哲平
大学を卒業後、業界トップの証券会社へ営業職として入社。研修を経て支店に配属され、証券営業に従事していました。
数字を追いながら日々仕事をしていましたが、自分のやりたいことと仕事内容にギャップを感じるようになり、転職を考えるようになったといいます。
未経験業界への転職活動の様子や、転職前後で大きく変わったの働く環境や、目標達成位や成果への考え方の変化について伺いました。
新卒で業界トップの証券会社へ。業界ならではの営業スタイルへの葛藤
――まずは、大手証券会社へ入社された時の就職活動の軸や、見ていた業界などを教えていただけますか。
就職活動の軸は2つありました。1つ目は、人々の生活を豊かにできる仕事がしたいという想いです。2つ目は、ルーティンワークではなくて学びながらできる仕事に就きたいと考えました。
金融のゼミに所属していたこともあり、金融業界を中心に見ていて、証券や損保などを7社ほど受けました。
――証券会社を中心に見ていた中で、前職へ入社した決め手は何かありましたか?
決め手は、社内の皆さんがすごく楽しそうに働かれていたことです。その中でも採用面接を担当してくださった人事部の方が、内定をいただいた後も半年弱の間に定期的に連絡をくださったことが印象的でした。
連絡では、「こういう働き方ができるよ」や「最近はこういうことを始めたよ」と教えてくれたので、就職後の働き方がイメージしやすかったです。
――前職の主な業務内容について教えていただけますか。
1年目は集合研修のような形式で、新人が40人集まって研修をしておりました。研修では、架電業務や受電業務を学びます。1日に150件くらい電話をかけていました。その後支店にそれぞれ配属されます。私は、関東圏内の支店に配属されて、地方営業をしていました。
――いつ頃から転職を考え始めましたか。
支店に配属された後に、1年目は架電営業のみで、かつお客様ファーストの営業ができたので納得してできましたが、支店に配属されてから数字を追わなければいけなくなりました。
私自身も、営業として数字は追うべきだと思っていたので、しっかりと追っていました。しかし数字を追う中で、今売るべきタイミングではないと思いながらも売らなければいけなかったり、この銘柄をお勧めしたくないと思いながらも勧めざるを得なかったりという場面がありました。自分のやりたいことに反することをやらなければいけない苦しさを感じていました。 短期間の若いうちのみの経験であればよかったのですが、私は生涯仕事をしていきたいと思っていたので、これを一生やるのは少し違うと感じました。それなら自分がやりたい仕事、一生涯できる仕事を探していこうと思い、転職活動を始めました。

――業界ならではの営業スタイルに自分がやりたいこととのギャップを感じるようになっていったのですね。転職を考え始めた時はご自身で情報収集などをされていたと思いますが、エージェントは活用されていましたか。
エージェントから連絡をいただいて話は聞いていました。
金融業界は狭く深くという業界なので、コンサルやIT系など、もっと幅広い力がつけられる業界に行きたいと考えて、情報収集をしていました。調べたり話を聞いていくうちに、結果的に全部いいと思ってしまい、迷子になってしまっていました。
迷子になっている状態の中で第三者の意見も聞こうと考え、舩田さんと連絡を取るようになりました。
他社のエージェントさんは、連絡頻度が少なかったり、連絡が遅かったりとこまめな連絡はありませんでした。
一方で、舩田さんは連絡をこまめにくださったので、引き続き頑張ってみようかなという気持ちになりました。
転職活動を経て気付いた「人々の幸せを直接的に実現したい」という想い
――転職活動を始めるにあたってのときに不安などはありましたか。
やりたくないと思った瞬間にやりたいことを見つけるというタイプなので、不安というよりは「やるぞ」という期待の方が大きかったです。
勢いよくスタートはしたものの、転職活動の経験や周りに転職経験者がいなかったので、手探りで進めているうちに次第に不安になりました。
――複数のエージェントから話を聞いていた中で、実際に他のエージェントから、求人票のご提案などを受けていましたか。
「ここがお勧めです」という感じで求人票を頂いていましたが、自分の希望する業務内容と大きくことなったものや、前職のネームバリューや経歴だけをみてピックアップされたもののように感じてしまいました。
――それでは、転職活動においてエージェントに期待していたことはありましたか。
今の自分の市場価値が分からないまま始めたので、選考を受けていくにあたっての自己分析のサポートなどは期待していました。

–その中で我々の支援スタイルで、はじめは価値観などについてお話ししたかと思いますが、転職活動を通して自分の価値観について気付きは何かありましたか。
たくさんありました。その中でも、「働き方」と「仕事でのやりがい」という面でたくさん気付きがありました。
例えば、今の私の働き方を客観視した時の状況などを教えていただきました。今までは、自分がいいと思っていたものや、やりなさいと言われたものを信じて進んできましたが、そればかりが正しいわけではないというのが大きな発見でした。
このように自分の状況を客観視して、意見をいただけたのはこの転職活動において大きかったです。
また、就職活動についても舩田さんとともに振り返って棚卸ししていくなかで、「誰かの幸せを届けたい」という根底にあった自分の想いを自覚することができました。
–自分の価値観が明確になった上で、現職のメガベンチャーのブライダル部門へ入社する最終的な判断軸はどういうところが大きかったですか。
やはり、やりたいかやりたくないかの2択だなと思います。現職は、自分の価値観ややりたいことが、マッチしたというところが大きかったです。
他者のエージェントさんからは、金融業界に元々いたということで、金融業界でも新しい働き方や新しい事業に挑戦できるのではないかと提示も頂きました。しかし、私自身はお金が大好き、投資が大好き、毎日チャートを追いたいということではなく、投資で得た先に人々の幸せを願ったり、おばあちゃんの資産がもう少し増えることで孫の生活が豊かになったりということを願っての1社目でした。
この転職活動で、その先にある幸せを直接的に実現できる会社で仕事がしたいということに気付けてよかったと思います。
大手人材会社のブライダル部門で挑戦。やりたかった仕事ができることの幸せを噛み締めて
–現職は主にどのような業務を担当されていますか。
クライアント様に、ブライダル誌とWeb上へ広告を出していただくというのがメイン業務になっています。マーケティングを軸においた営業です。
具体的には、競合他社の動向や競合他社のマーケットを調べた上で、お客様にデータに基づいて提案をしていくという感じです。
クライアントはレストランや挙式会場が多いですが、私が担当しているのは、8会場くらいです。
–研修はすでに終了して、本格的に業務を開始されているのですか。
今は業務と研修を並行しています。入社をして、2週間後からクライアントを持つと言われました。
全社研修は、入社後2日目から始まりました。その後、業務部分の研修があります。本来は2〜3ヶ月前後研修をしてからクライアントを持つという形です。しかし、私は入社したタイミングがよく、入社1か月後くらいからクライアントを持たせていただきました。
–すでに具体的な成果目標などは言われていますか。
すでに個人目標などはあります。前職では、マーケットデータやできる見込みに関係なく「新人は全国で一律、年に3億入金を目指しましょう」みたいな感じで、根拠なく「みんなの目標が3億だから3億にしよう」という感じでした。
しかし、現職は数字の見込みを全て定量的に出して、その見込みをABCDとランク付けしてほぼ確定の数値だったら目標の何割、ここまで入ったら何割、何割、何割となって最終的にその目標を達成できるか否かみたいなところを見ます。その部分で前職とは大きく異なると思いました。
前職のような「電話をかけてずっと営業し続けて頑張った人だけが達成できる数字」とは違って、マーケットを見て根拠を持って出された目標数字なので納得感があります。

――まだ入社後間もないところですが、社内環境はいかがですか。
周りの人が優しく、いい人だらけで楽しいです。
入社3ヶ月後までは、毎日日報を書きます。私以外の中途入社の社員もそれぞれが違う状況で頑張っているのが伝わりますし、先輩社員からのコメントをもらえるので、励みになります。「金額だけではなくてもっと結婚式は幸せなものということが伝えられるといいよね」というコメントが日報にも書かれていたことがあり、とても素敵な考え方だなと印象に残っています。
前職は目標の数字を示されて、「もう少し頑張ろうな」と言われて「はい」という感じだったので、前職と雰囲気も大きく異なるなと感じています。
――それでは、働き方の部分はいかがでしょうか。
驚くほどいいです。就業時間は9時から18時、9時半から18時半ですが、直行直帰もできて、結構自由です。トップの方がすごく自由にさせてくれていて、効率が悪い方がよくないから、気にせず「どうぞ」みたいな感じです。
今は、分からないことや発想力みたいなところはやはり先輩の方が打ち手をたくさん持っているので、頼りたくてオフィスにいますが、いずれはもっと家にいる時間が増えるかなと思います。
――アポはまだ同行という形ですか。
そうですね。 上席の方に一緒に来ていただいて、分からないところやまだ足りていないところはフォローしていただいています。
4か月目に独り立ちすることが目標なので、それまでは研修を兼ねてOJTという形です。研修というよりは「見て学べ」に近いですね。この研修スタイルは私としてはやりやすいです。
――最後に、半年後はこういう状態になっていたいや、こんなチャレンジをしてみたいということはありますか?
半年後は、やっと独り立ちできたかなくらいの時期なので、常に目標達成を念頭に置きながらも、マーケットを見てできることを増やしたいと思っています。
自分の数字を上げることばかりに専念してしまうと、衰退していってしまうマーケットだと思います。婚姻はするけれども結婚式は挙げないという人が多くいる中で、「結婚式は挙げなくていいや」「挙げたいけれどもどこがいいか分からない」というところにアプローチをして、幸せな人が増えたらいいなと考えています。
――今後も更なるご活躍を期待しております。本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。