営業職の転職理由で好印象を残すには。ポイントと例文を解説
「なぜ転職を決断したのですか」などの転職理由に関する質問は、営業職の選考でよく聞かれる内容です。
企業側は、本人の入社意欲や転職を通して実現したいことを把握するために、転職理由を尋ねる傾向があります。
ただ、転職理由の答え方には十分注意が必要です。
ネガティブな内容を伝えてしまうと、「また同じ理由で早期退職してしまわないか」と不安を抱いてしまう可能性があります。
本記事では、営業職の転職理由を考える手順と転職理由の伝え方のポイント・注意点を紹介します。
好印象を残す転職理由のポイントを知り、自身の転職活動に活かしてください。
営業職に多い転職理由の内容とは
転職サービスdodaが実施した営業職の転職理由ランキングによると、営業職の転職理由は多い順で以下の通りです。
ランキング | 営業職の転職理由 |
1位 | 会社の将来性が不安 |
2位 | ほかにやりたい仕事がある |
3位 | 業界の先行きが不安 |
4位 | 給与に不満がある |
5位 | 残業が多い/休日が少ない |
6位 | 市場価値を上げたい |
7位 | 顧客のためになる仕事がしたい |
8位 | 幅広い経験・知識を積みたい |
9位 | 会社の評価方法に不満がある |
10位 | U・Iターンしたい |
引用:転職理由ランキング2020<職種別>|doda中途採用支援サービス
前年度の調査と比較すると、1位「会社の将来性が不安」、3位「業界の先行きが不安」の割合が増加しました。
業界や自社の業績に不安がある人は、「今よりももっとよい会社があるのではないか」と転職を考える人が増えている傾向です。
ほかにも「ほかにやりたい仕事がある」「市場価値を上げたい」の割合も増えていて、仕事の質を高めることを目的に転職活動をする人が増加していることがわかります。
営業職の転職理由が問われる理由
営業職の面接では、転職理由に関する質問がよく聞かれます。
企業側が転職理由を尋ねる理由は、以下の通りです。
- 本人が転職先に求めていることを知るため
- 仕事に対する前向きな姿勢があるか判断するため
- 会社で長く働いてくれるかを判断するため
本人が転職先に求めていることを知るため
1つ目は、「転職先で何を実現したいのか」を把握するためです。
企業側も、本人が転職を希望するということは、以前の勤め先で課題や不安点があったということは想像できます。
だからこそ、企業側は「その課題や不安点をどう転職先で解消したいのか」「どのような働き方を実現したいのか」が最も気になるポイントです。
転職理由を知ることで、その内容が自社で実現できるか否かを判断します。
仕事に対する前向きな姿勢があるか判断するため
2つ目は「仕事に対する姿勢や入社意欲があるか」を確認するためです。
転職理由が具体的でポジティブな内容だと、仕事に対しての意欲や積極性があると判断され、採用確率が高まります。
一方、「残業を減らしたい」「キャリアアップしたい」などの抽象的な内容では、仕事に対する姿勢を読み取れません。
この場合、「とりあえずどこでもいいから手当たり次第に転職先を探しているのでは」などと捉えられる可能性があります。
具体的な理由を伝えた上で、仕事や自社への貢献の姿勢をアピールすることが大切です。
会社で長く働いてくれるかを判断するため
3つ目は、「自社で長く働けるかどうか」を判断するためです。
企業側からすると、せっかくお金をかけて採用した人材が入社後すぐに辞めてしまっては意味がありません。
早期退職のリスクを避けるためにも「求める人物像に合っているか」「入社後は意欲的に働いてくれるのか」を入念に確認します。
もし転職理由が「残業が多すぎた」「ノルマが辛かった」などの場合、また同じ理由で退職する可能性があると判断され、採用を見送られる可能性が高い傾向です。
長期的に活躍できる趣旨が伝わるような内容にする必要があります。
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転職理由を考える手順 4ステップ
履歴書や面接で伝える転職理由を検討するときには、以下の4点を考えてみてください。
- 転職のきっかけを考える
- 状況と自分の行動を整理する
- 前向きな内容に言い換える
- 転職理由と志望動機に一貫性を持たせる
転職のきっかけを考える
まずは、転職を検討し始めたきっかけを振り返ります。
転職を考え始めたきっかけこそが、自分が一番職場に求めていることです。
ネガティブな理由で問題ないので、まずは素直に転職のきっかけを書き出してみてください。
例:
- 残業時間が長すぎた
- 上司が頑なに自分の意見を聞こうとしなかった
- 毎日が定型業務でつまらない
- 任されるタスクが多すぎて辛かった
- ノルマに無理があった
状況と自分の行動を整理する
次は、企業側に伝える意識を持ち、「自分はどのような行動をとったか」「何を思って転職の選択になったのか」など状況を整理します。
例えば、「事業の将来性に不安があった」などの理由がある場合は、その事実に対してあなたは反省や改善を試みたかという点がポイントです。
「社内設備の改善について経営部に提案したが、社員に還元する余裕がないとの判断だった」などです。
単純に不満があるというだけでなく、どのようなアプローチで現状を打開しようとしたのか書き出してください。
この内容を転職希望先にも伝えることで、「ただ嫌なことがあって転職をした」ではなく、「改善のために最善を尽くした」というイメージが与えられます。
前向きな内容に言い換える
続いて、先ほど考えた転職のきっかけを前向きな内容に変換します。
「〇〇が耐えられなかった」「〇〇が嫌だった」などのネガティブな退職理由の裏には、「もっとこうしたい」という仕事に対しての前向きな思いがあるはずです。
その前向きな思いに注目し「転職を通して何を実現したいか」を整理してみてください。
言い換え例は、以下の通りです。
言い換え前 → 言い換え後 |
職場の人間関係が悪かった → 社員同士が協力して仕事をしたい |
定型業務でつまらなかった → 責任ある仕事を任されたい |
任されるタスクが多くて辛かった → 1つの任された業務を極めていきたい |
給与が低い → 成果を評価される職場で働きたい |
上司からのパワハラ → お互いに意見を出し合えるような職場で働きたい |
残業が多い・労働時間が長い → スキルアップにつながる勉強時間を確保したい |
転職理由と志望動機に一貫性を持たせる
志望動機である「なぜこの業界・会社を応募したのか」と転職理由を合わせるようにしてください。
例えば、転職理由が「自分の強みを活かしてのびのびと働きたかったから」であるのに、志望動機で「営業成績トップを目指したい」と伝えると、イメージからかけ離れていると判断されます。
このように志望動機と転職理由に一貫性がないと、面接での言動を疑われてしまいます。
転職理由で述べる「入社後に何を実現したいか」と、志望動機の「なぜこの企業を志望するか」は筋が通っていなければなりません。
転職理由を伝えるときのポイントと注意点
転職理由を伝えるときのポイントと注意点は、以下の通りです。
- 面接官が理解しやすい内容にする
- 応募先企業でも起こりうる内容は避ける
- 現職や前職の不満を伝えるのは厳禁
- 他人や環境のせいにしない
- 嘘をつかない
面接官が理解しやすい内容にする
営業職は「商品の情報や魅力をいかに分かりやすく伝えられるか」が重要なポイントです。
そのため、転職面接では伝える内容だけでなく「コミュニケーション力」や「話し方」も見られていることを覚えておく必要があります。
面接官に、転職を考えたときの状況やそのときの自分の行動、どういう思考で転職を決断したかを整理して話すと好印象です。
長々と話すのではなく、必要な部分だけをピックアップして、簡潔でわかりやすく伝えることを心がけてください。
また、話し方も重要です。
話すときのポイント:
- ゆっくり、はっきりと話す
- 語尾を濁さず、はっきりと発音する
- 明るい表情、声のトーンを意識する
- アイコンタクト
- 棒読みをしない
- 身振り、手振りを加える
上記の内容を意識し、自信を持って話すことで、説得力が増します。
応募先企業でも起こりうる内容は避ける
応募先企業でも起こりうる内容は、転職理由として伝えるのは避けるようにしてください。
例えば、以下のような内容は営業職であれば起きる可能性があります。
例:
- 移動が多かった
- 外回りばかりだった
- ノルマがきつかった
- 営業成績が気になりストレスがたまる
このような理由だと、「営業職は向いていないのでは」「採用してもすぐに辞めてしまうかもしれない」と思われ、採用を見送られる可能性が高いです。
また、人間関係に関する内容には特に注意が必要です。
どこの企業に入っても、人間関係で悩むことは多々あります。
「上司と合わなかった」「同僚と協力が難しかった」など、人間関係の問題を強調してしまうと、人間性的に問題があるのかと疑われてしまう場合もあります。
人間関係が原因での転職の場合は、「どう改善の努力をしたか」なども含めて伝えることが大切です。
現職や前職の不満を伝えるのは厳禁
現職・前職の愚痴や不満を伝えることは避けてください。
転職面接は、悪口や不平不満を伝える場ではありません。
「〇〇が嫌だった」などのネガティブな言葉ではなく、できるだけポジティブな発言を心がけてください。
例えば、「給与が少ない」という不満を抱えていれば、「成果に対して正当な評価を受けられなかった」と言い換えるのが望ましいです。
伝えるときのポイントは、「転職先に何を求めているか」「転職先でどう働きたいか」です。
現職・前職では叶わなかったことを転職後に実現したい内容につなげて訴求すれば、前向きな印象を与えられます。
転職先での希望を叶えるために自分がやるべき内容を具体的に伝えることで、入社意欲や問題解決能力をアピールできます。
他人や環境のせいにしない
転職の理由を他人や環境のせいにして「自分は悪くない」といったニュアンスで伝わってしまうと、他責な人だと判断され採用を見送られる可能性が高い傾向です。
自身の反省点や改善のためにした行動・工夫、課題が解消された場合の転職先での活躍など、具体的に伝えるようにしてください。
また、感情的になって他人や環境の話をしてしまうと、聞き手を配慮できない人だと捉えられてしまう可能性があります。
一人のビジネスマンとして、伝えるべき内容が伝わる、冷静な話し方になっているかを客観的に確かめることが大切です。
嘘をつかない
面接官によい印象を与えようと嘘の話をしたり、誇張しすぎたりするのは避けてください。
もし嘘の内容を伝えてしまうと、面接で内容を深掘りされたときにうまく答えられず、内容を疑われてしまう可能性があります。
ネガティヴで言いにくい内容でも、客観的に見て前向きな内容に変換することが大切です。
また、会社を辞めたい理由よりも次のプランについて語るほうが前向きで意欲のある人材と判断されます。
理由には具体性を持たせて前向きに伝えるようにしてください。
【例文集】営業職の転職理由
ここからは、5つのパターンに分けて面接で伝える営業職の転職理由例文を紹介します。
- 会社の将来性が不安
- 業務内容に不満がある
- 残業が多い・休日が少ない
- キャリアアップ
- キャリアチェンジ
- 収入アップ
例文1:会社の将来性が不安
前職はBtoBのメーカーに勤めていました。
このとき、経営層が既存顧客への営業のみを中心としていて、今後の事業拡大は基本的に考えていないことを知りました。
私は、販路拡大のため新規顧客開拓の提案などをしたものの経営方針は変わらず、会社としての将来性に不安を感じたことを覚えています。
御社はリピート客へのアプローチや経験を活かしながら、今後は新規顧客開拓にも力を入れていきたいと話されており、これまで活かすことができなかった私の提案力を発揮できるのではないかと考えました。
例文2:業務内容に不満がある
現職ではメーカー営業として3年勤めています。
現職の営業方法・方針は、ノルマ達成に向けて毎週何十件も飛び込み営業をするスタイルでした。
このやり方により社員が疲弊している傾向があったので、さらに顧客に向き合える営業方法を提案したものの、伝統のやり方を重視するとの回答でした。
顧客とじっくり向き合いながら、顧客に合った適切な提案をしたいと思い転職を決断した次第です。
信頼関係を重視する御社であれば、自分のヒアリング力を発揮し、御社の営業成績に貢献できると考えています。
例文3:残業が多い・休日が少ない
前職は残業をするのが当たり前という環境で、毎日1時間の残業が習慣化していたのが現状です。
さらに効率を重視したいと思っていたものの、改善する動きはありませんでした。
結果として、自己研鑽やスキルアップに向けて勉強時間を作ることができず、この環境のままでは成長できないと感じ、転職を決意しました。
業務の効率化を重視している御社が掲げるスローガン「効率化こそ営業成績の向上につながる」という点に強く共感しています。
時間の余白を利用してより自己研鑽できるように努め、御社の営業成績の向上に貢献いたします。
例文4:キャリアアップ
前職ではアパレル業界で個人の顧客に対して販売業務を行っていました。
お客様のニーズや好みに応じて適切な提案をすることにやりがいを感じていましたが、法人向けに提案を行うことで営業スキルを高めたいと思い転職活動を始めました。
顧客を第一に考えた提案・サポートをする社風に魅力を感じ、御社を志望しています。
アパレル業界で培ってきたニーズを引き出すヒアリング力や提案力を活かし、既存顧客の満足度向上・新規顧客の獲得に貢献したいと考えています。
例文5:キャリアチェンジ
現職で不動産会社の事務職を経験していましたが、数ある業務に取り組むなかで営業として直にお客様に接していきたいと思ったのが転職を決めたきっかけです。
上司に相談しましたが、ポストに空きがないと言われたため、転職を決意しました。
前職では不動産に関する知識があるため、その知識を御社に活かせると考えています。
まずは営業スキルを磨き、顧客に合った適切な提案ができるよう努めていきたいと思います。
例文6:収入アップ
以前の会社では、営業職として新規顧客の開拓を担当しておりました。
お客様のセグメントを見直し、個人で営業成績トップを3ヵ月連続で獲得した実績もございます。しかし、会社が年功序列型の風土であったため、自分の成績が個人の評価につながりにくい状況で、私自身もどかしい思いを抱いていました。
営業職としての今後のキャリアを考え、年齢ではなく実績を評価してもらえる環境に身を置くため、転職を決意した次第です。
御社は評価制度が整っていて、営業担当のお互いが高め合いつつ業務に取り組める点に魅力を感じています。御社であれば自分の営業スキルや経験を活かし、さらに高みを目指して業務に向き合えると考えています。
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