ASSIGN MEDIA

広告代理店から事業会社マーケへ──転職市場で評価される実績の作り方

広告代理店から事業会社へ転職を目指す背景

広告代理店でキャリアを積んできた方の中には、「提案だけでなく、実際に事業の成長に責任を持ちたい」「長期的にブランドを育てる経験を積みたい」という理由から、事業会社のマーケティング職を志すケースが増えています。
代理店での経験は、複数の業界やクライアントに関わることで幅広い視野を得られる反面、プロジェクトの最終的な成果責任を持てないことも多いのが特徴です。そのため、20代のうちに「事業会社側で腰を据えてマーケティングに携わりたい」と考える方は非常に多いのです。

しかし実際の転職市場では、代理店での経験がそのまま評価されるとは限りません。むしろ「代理店経験はあるが、事業会社に必要な実務スキルは不明確」と見なされることもあり、キャリアチェンジを考える方にとっては大きな壁となっています。

代理店経験が事業会社で評価されにくい理由

広告代理店で評価されるスキルの中心は「企画力」「提案力」「クライアントワーク」です。限られた期間の中で複数のプロジェクトを回し、クライアントの要望に応えるスピード感や調整力は大きな強みです。

一方で、事業会社のマーケティング職に求められるのは「自社サービスの成長に直接貢献する力」です。単発施策やキャンペーン運用にとどまらず、売上・利益・顧客LTVといった事業KPIにコミットし、改善を繰り返す姿勢が重要です。

さらに、事業会社で成果を出すためには 「自社のビジョンを深く理解すること」 と、 「顧客に対してどのように自社の価値を届けるか(バリュープロモーション)」 を正しく設計できる力が欠かせません。ここを理解せずに代理店的な発想の延長線で施策を考えると、方向性がずれてしまうリスクがあります。

加えて、企業によっては「長期的に在籍し、ブランドを育て理解が深い、プロパー社員のほうが、マーケターとしての適性が高い」と考える傾向もあります。代理店出身者はその分「自分がいかに事業目線を持ち、成果にコミットできるか」を明確に伝えることが一層求められるのです。

事業会社で評価される実績の3要素

では、代理店出身者が事業会社で評価されるためには、どのような実績を語れる必要があるのでしょうか。大きく3つの要素があります。

1. 数字で語れる成果

事業会社にとって最も重視されるのは「マーケ施策が数字にどう影響したか」です。代理店時代の経験を「提案数」「配信量」だけで伝えるのでは不十分で、CPA改善率やCV数増加率、売上寄与額といった定量的な指標で示す必要があります。数字で裏付けられた実績は、事業会社の採用担当者に強い説得力を与えます。

2. 顧客課題に基づく施策立案経験

単なる「広告配信」や「企画」ではなく、クライアントのビジネス課題を捉え、それを解決するための施策を立案した経験があるかどうかも重要です。事業会社では「顧客理解に基づく戦略」が欠かせないため、「誰に・どのような価値を・どう届けたか」を論理的に語れることが強みとなります。

3. 事業目線でのPDCA経験

代理店ではキャンペーン単位で成果を出すことが多いですが、事業会社では中長期的にブランドや顧客基盤を育てる必要があります。そのため、施策を実行して終わりではなく、データを分析し改善を繰り返した経験を持つかが評価されます。短期的な成果だけでなく、継続的な成長を支えるPDCAの習慣があるかどうかが問われるのです。

実績を事業会社目線に「翻訳」する方法

代理店経験をそのまま伝えるだけでは、事業会社に響きにくいのが現実です。重要なのは「実績の翻訳」です。

例えば、「広告配信のクリック数を伸ばした」ではなく、「CPAを20%改善し、クライアントの新規顧客獲得に直接貢献した」と言い換えるだけで評価は大きく変わります。
また「年間30社を担当した」という表現も、「多様な業界の課題を分析し、最適な施策を立案・実行した経験」と整理することで、汎用性のあるマーケスキルとして伝えられます。

キャリアチェンジに向けた具体的な準備

事業会社への転職を目指す方には、次の準備が効果的です。

  • ポータブルスキルの棚卸し
    データ分析力、プレゼン力、マルチタスク対応力など、代理店で培ったスキルを「事業会社でも再現できる力」として整理する。
  • 最新ツールや知識のキャッチアップ
    GA4やマーケティングオートメーション(MA)ツールなど、事業会社で利用されやすいツールに触れておく。資格や研修を活用するのも有効です。
  • 実績を事業会社文脈に置き換える練習
    代理店での成果を「自社事業の成長にどうつながるのか」という視点で言い換えることを意識し、面接で具体的に語れるよう準備する。

まとめ:代理店経験を事業成長に結びつける

広告代理店の経験は、見せ方次第で事業会社マーケティング職にとって大きな強みになります。大切なのは、経験を「クライアント対応」ではなく「事業成長」に結びつけて語れるかどうかです。

私自身、多くの代理店出身者を事業会社への転職に導いてきましたが、準備を整えた方は確実に次のキャリアを掴んでいます。もし「自分の経験をどう活かせばいいのか」「どのように伝えれば評価されるのか」とお悩みであれば、ぜひ一度ご相談ください。キャリアの可能性を広げるために、専門的な視点からお手伝いさせていただきます。

ASSIGN

アサインはビズリーチの最高ランク受賞等、確かな実績を持つエージェントと、若手ハイエンド向け転職サイト『ASSIGN』であなたのキャリアを支援しています。 コンサルティング業界専門のキャリア支援から始まり、現在ではハイエンド層の営業職・企画職・管理職など幅広い支援を行っています。 ご経験と価値観をお伺いし、目指す姿から逆算したキャリア戦略をご提案し、ご納得いただいた上で案件をご紹介するのが、弊社のキャリア支援の特徴です。

企業詳細へ

PICKUP / 編集者おすすめ

クライアントへ価値を届けるプロフェッショナルを育て続けるデロイトトーマツの仕組みとDNA

クライアントへ価値を届けるプロフェッショナルを育て続けるデロイトトーマツの仕組みとDNA

インタビュー
日本のイノベーションエコシステムを築く。ソーシング・ブラザーズの挑戦

日本のイノベーションエコシステムを築く。ソーシング・ブラザーズの挑戦

インタビュー
営業職のキャリアパスと転職の選択肢

営業職のキャリアパスと転職の選択肢

キャリアコラム
【2025年最新】富士通の平均年収は965万円!福利厚生や事業内容を徹底解説

【2025年最新】富士通の平均年収は965万円!福利厚生や事業内容を徹底解説

未分類
【2025年最新】ストレングスファインダーは無料で使えるのか。

【2025年最新】ストレングスファインダーは無料で使えるのか。

キャリアコラム