HRDX市場の開拓者、BETA社が挑む「世界に通用する産業インフラ」への道。

市場を見極めた鋭い戦略、そして外資系コンサルファームやキーエンスといったトップ企業出身の優秀な人材によってHRDX(ヒューマンリソース・デジタルトランスフォーメーション)市場をリードするベンチャー企業。それがBETA株式会社だ。
8,000億円規模の動画市場と約60兆円のBtoB市場を融合させた彼らの「動画制作×DX」のアプローチは、従来の動画制作の枠を超え、大手企業の採用や研修、企業ブランディングを根本から変えようとしている。
他のスタートアップと一線を画し、世界を見据えた事業計画の実現に向けて急速に成長するBETA社。創業フェーズだからこそ、事業を形作っていく面白さ、そこから得られるリターンは非常に大きい。壮大なビジョンに共感し挑戦を続けるDX事業本部長の辻岡哲郎氏と営業コンサルタントの渡辺元輝氏に話を伺った。
HRDX市場をリードするBETA株式会社
「我々の現在地点を一言でいうと『動画制作×DX』で企業コミュニケーションの革新を目指す会社です。動画制作と聞くとクリエイティブ系の会社と思われるかもしれませんが、我々はむしろビジネスサイドに重心を置き、企業が抱える採用や研修の課題を解決する『課題解決型』のサービスを提供しています。」
こう話しはじめたのはDX事業本部長の辻岡だ。彼は京都大学法学部卒業後、住友商事で事業会社の業績管理やM&A業務等に従事。その後、メガベンチャーでの新規事業の立ち上げや全国チェーンのパーソナルジムの代表取締役を経て、BETAへ参画した。これまで多岐にわたる業界に携わってきた辻岡は、HRDX市場へ参入した理由を次のように語る。
「まず、①市場規模が大きいこと、そして②第一想起されるリーディングカンパニーが存在しないこと、さらに③非効率が残っており、我々の強みが活かせる領域であること。この3つを満たす市場を徹底的にリサーチしました。すると、HRDXという市場が浮かび上がってきました。
動画・配信市場は国内だけで8,000億円の規模があり、DXを含むBtoB領域のサービスは約60兆円の巨大市場です。また、『HRDXといえばこの会社だ』となるような企業はまだありません。さらに、動画制作は中間業者の多重構造や価格の不透明性など、古い商習慣が根強く残る非効率な市場です。この市場であれば、バーティカル戦略とファブレスモデルがフィットし、さらに企業として進化する。そう確信して参入しました。」
バーティカル戦略とは垂直統合戦略とも言われ、AppleやAmazonなども採用している戦略だ。特定の市場や業界内で、サプライチェーンの複数の段階を自社で一貫して管理・運営することにより、プロセス全体の効率化やコスト削減、品質の向上が実現できる。
通常、動画制作は広告代理店や外部プロダクションを介するが、BETA社では営業コンサルタントが顧客の課題を直接ヒアリングし、制作チームと連携して納品までを一貫して管理する。また、制作においては、企画・プロデュースやディレクションに特化し、編集作業は外部パートナーに委託するファブレスモデルを採用することで変動費を抑えつつ高い品質を担保している。この「バーティカル戦略×ファブレスモデル」によって高付加価値と高利益率を両立している。
徹底したリサーチを通じて、巨大市場に残るニッチな領域を見つけ出す。その優れた市場選定力と、非効率の急所を突くビジネスモデルの構築力、そして構想を実現する事業ドライブ力がBETA社の強みの源泉だ。
また、BETA社は、ベンチャーとしては珍しく、そのクライアントのほとんどがエンタープライズ企業だ。大手の企業から選ばれる理由を辻岡はこのように説明する。

「大手企業に選んでいただける理由はいくつかあると思いますが、まず挙げられるのは、単なる動画制作会社ではなく、課題解決型コンサルティングとしての立場を確立している点です。他社はクリエイティブに重心を置き、営業などのビジネスサイドが強くありません。一方、我々はキーエンス出身者をはじめとした営業力の強いメンバーが、クライアントの課題に向き合います。これによって差別化できているという面もありますし、カウンターパートが部長や役員クラスとなるので、意思決定権を持つ方の課題に寄り添い、直接提案できているという点も競争優位につながっています。
さらに、ファブレスモデルを採用することで他社の半分以下の短納期を実現しつつも安定した品質を担保し、定価パッケージの導入によって取引の透明性を高めています。納期の長期化や価格のブラックボックス化が起きやすい領域だからこそ、大手企業が安心して取引できるようにしています。
また、過去に手掛けたメディア事業を東証一部上場企業へ売却した経験があり、この実績も安心感につながっているようです。」
あえて若手人材の活躍に期待する理由
この「バーティカル戦略×ファブレスモデル」によってBETA社は250%成長という快進撃を続けている。そして、その成長を支えているのが20代、30代の若手人材であり、営業コンサルタントの渡辺もその一人だ。彼は新卒でアサヒビールに入社。歴代最年少でエンタープライズの担当を一任され、中部支社1位の売上を達成した経験を持つが、さらなる成長と「動画制作×DX」の可能性に惹かれてBETA社に参画した。
渡辺にBETA社の特徴について聞いた。

「BETA社の営業コンサルタントは、企業全体の採用や研修における課題をトータルでサポートする役割を担っています。具体的には、企業の課題をヒアリングし、その内容をもとに最適な動画の企画・制作を提案します。さらに、納品後の運用や改善まで一貫して支援します。
一般的な動画制作の受託は、クライアントの担当者の”御用聞き”、つまりクライアントが欲しいと言ったものを作って納品する役割に留まってしまいます。一方で、私達は単発で動画制作を請け負うことはほとんどなく、大手企業の部長や役員クラスの方に対して、本当に求めているものは何なのか、本当に困っていることは何なのか、そういった潜在的な課題を掘り下げ、それに基づいて中長期的なソリューションを提案します。
例えば、年間の採用計画を一緒に見直すこともありますし、採用動画は作った方が良いとぼんやりと考えているものの、そもそも何のための動画なのか、年間の採用計画の中のどのタイミングで、どのメディアで配信するのか、広告予算はどれくらいかけるか、このようなことが明確になっていないクライアントも多くいます。私達はこういったビジネスサイドの課題も明確にしつつ、企業全体の人材課題に深く踏み込んで提案していきます。」
このように、「クリエイティブ視点」に加え、「ビジネス視点」が求められるBETA社のコンサルティングは非常に難易度が高いように思える。しかし、繰り返しになるが、その中核を担うのは若手社員たちだ。
若手社員が活躍するために、BETA社には早期に裁量を持ち、責任ある仕事に挑む環境が整っている。その背景には、柔軟でスピーディな対応が求められる市場特性があると辻岡は説明する。
「HRDX市場は新しい領域であるため、全員がスタートラインに近い状態で挑戦できる環境であり、非常に変化が早い市場です。そのため、年齢や社歴に関係なく、実行力と学習スピードが結果に結びつきます。
実際、渡辺も入社1カ月目で商談に参加し、2カ月目で初受注、半年で新規事業の責任者に抜擢されています。1年目であっても東証プライムの中でも大きな企業との商談やプロジェクト推進に携わる環境が整っていますし、自分次第で裁量が広がっていく仕組みになっています。
私も多くの会社に関わり、ベンチャーで働いてきた経験もありますが、これほどまでに若手がハイレベルに活躍できる環境は見たことがありません。」
BETA社では3ヶ月に1回というペースで昇格のチャンスが訪れる。そのタイミングで行われる1on1ミーティングでは、代表の長沼から直接フィードバックを受ける。
加えてBETA社は急成長を遂げているため、新規事業の立ち上げや組織拡大に伴い、「今まさにポジションが空いている」 状態だ。今このタイミングでBETA社に参画することは、 会社の成長とともに、自分自身の成長機会も最大化できる貴重なチャンスと言えそうだ。
辻岡に続いて、渡辺自身も入社1年目を振り返る。
「前職では40代、50代で与えられるような裁量を1年目から持てることに驚きました。
これだけ早い段階で裁量を持って結果を出せたのは、自分の能力のおかげ、と言いたいところですが、残念ながらそうではなく、HRDXがまさに拡大している市場であること、そして入社してすぐに活躍できるノウハウと仕組みがBETA社にあるからです。
また、悩んだときにすぐ相談できる雰囲気なのも大きいです。IPOという足元の目標に向けて、社員全体が同じ方向を向いていますし、かなりフラットな職場なので、誰に相談しても建設的なフィードバックがもらえます。だからこそ、事業責任者を任されたときも、迷わず引き受けられたのだと思います。」
市場の新規性、徹底した仕組み、目標志向型のフラットな文化。この三拍子が若手が存分に力を発揮できる環境を形作っている。そして、二人の言葉ひとつひとつから、BETA社のメンバーが互いをリスペクトしながら仕事を進めている様子が鮮明に浮かび上がる。このリスペクトも若手社員が活躍するための大切な土台になっているように感じる。
“現代版財閥”の構想。BtoB市場の未来を変える挑戦
そして現在、BETA社は中期のビジョンとして2027年のIPOで時価総額数百億円という目標を掲げている。
渡辺曰く、この成長フェーズを経験できていることが非常に刺激的だという。
「このスピード感と挑戦の環境を体感できるのは、今のフェーズだからこそだと思います。まだ第一想起される企業がない市場を切り開き、そこを制覇していくプロセスに携わることは、動画制作会社でも大手コンサルティングファームでも経験できないもので本当に刺激的で、まさに『ワクワク』という表現がぴったりです。」
しかし、BETA社にとってIPOは通過点にすぎないという。その先には、BtoB領域への本格的な進出、そしてグローバルに打って出るという壮大な構想があると辻岡は熱を込める。
「HRDX領域はIPO水準の売上や利益を十分に生み出しますが、ここで終わる気はありません。BtoB市場には、まだまだ相見積もりや多重下請けなど古い商習慣が山積みです。
上場で得た資金調達力、ブランド力を用いて、企業コミュニケーションや業務効率化に関連するサービス会社のM&Aを進め、“現代版財閥”を目指してBtoB領域を横断的に拡張していく方針です。具体的な形として、あらゆるBtoB取引がネット上で完結する、いわばAmazonのBtoB版とも言えるようなECプラットフォームを構想しています。これが実現すれば、市場の非効率を一挙に解決する産業インフラになるはずです。
我々は、“一過性のツールや単発サービス”を作りたいのでありません。BETA社のゴールは、グローバルで通用する、国際競争力のある産業そのものをつくり上げることです。
BETA社の目指すビジョンを実現するまでは20年、30年といった時間が必要かもしれません。しかし、20代、30代が中心の若い会社だからこそ、長期にわたって挑戦し続けることができます。ひとつずつ挑戦を積み重ねていくことで、この壮大なビジョンも必ず達成できると信じています。」
“現代版財閥”というのはBETA社の造語だ。いわゆる旧態依然の財閥という意味ではなく、M&A等で事業ポートフォリオを拡充することで、市場改革に必要なスケールメリットや事業シナジーを得るとともに、事業リスクの分散を図る、そういった企業連合のイメージを指す言葉だ。
BETAという社名には、「新しい価値の『β(ベータ)版』を次々と生み出す」という想いが込められている。“現代版財閥”は、BETA社が『β版』を生み出し続ける挑戦を、攻めの面でも守りの面でも支える重要戦略だ。
BETA社のゴールは、HRDX市場での快進撃を足がかりに、”現代版財閥”という壮大な構想を実現し、「世界に通用する産業インフラ」を築き上げることだ。
挑戦を恐れず、変化の先頭に立ち続ける姿勢が、BETA社の未来を切り拓く原動力だ。そして、BETA社が描く未来はまだ始まったばかりだ。新しい市場、新しい価値を創出し続けるこの企業の挑戦は、これから大きな注目を集めていくだろう。