ITコンサルタントの実態と魅力を考察!激務の理由を解説していく。
ITコンサルタントという職種は、近年転職希望者の間で注目を集めている。ITコンサルタントは高い年収や将来性、そしてその後のキャリアとして幅広い業界での活躍の機会を得られることが魅力としてあげられるが、その実態は必ずしも華やかなものばかりではない。「激務」という言葉で表現されるほど、その仕事には厳しい基準が設けられていることも事実である。
本記事では、ITコンサルタントの実情について詳しく解説する。その業務内容や求められるスキル、年収の実態、そして将来性について、現役のITコンサルタントの視点から語っていく。さらに、ITコンサルタントに向いている人材の特徴や、なぜ「激務」と言われるのかについても触れる。
転職を考えている方々にとって、ITコンサルタントという選択肢の魅力と課題を理解する一助となれば幸いである。
Contents
ITコンサルタントとは
ITコンサルタントとは、システム開発においてユーザー側に立って課題解決を担う専門家である。SEとの違いを理解することで、その役割がより明確になる。
SEとITコンサルタントの違い
- 立場の違い:SEはベンダー側、ITコンサルタントはユーザー側に立つ
- 業務範囲:SEはシステム構築〜運用にかかわる全てを担当。ITコンサルタントはより上流工程から関与し、開発開始後はPMOを担当。
ITコンサルタントの主な業務
- グランドデザインの策定など上流工程
- 業務課題からシステムに落とし込み、RFP(提案依頼書)を作成
- PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)としての活動
- 各PMの意思決定サポート
- プロジェクト全体の進捗管理
これらの業務を通じて、ITコンサルタントは顧客の課題解決に貢献している。次に、ITコンサルタントの年収や魅力について詳しく見ていこう。
ITコンサルタントの年収
大手コンサルティングファームの年収例:
- アビームコンサルティング:コンサルタントで850万円程度
- クニエ:シニアコンサルタントで1200万円程度
- シグマクシス:シニアコンサルタントで1000万円〜1200万円程度
未経験から3〜5年でシニアコンサルタントに昇進可能であり、キャリアアップの機会が豊富である。
ITコンサルタントに将来性はある?
DX需要の増加に伴い、ITコンサルタントの重要性が増している。事業会社のDX人材育成の難しさから外部から採用せざるを得ず、ITコンサルタントへの需要が高まっている。また、プロジェクトを管理し経営上重要な意思決定をできる人材はミドル以上の年齢でも引く手あまただ。
ITコンサルティングファームの代表企業
野村総合研究所はシステム開発や運用、データ分析サービスを提供。
特に金融業界向けのシステムが強み。クラウドサービスやデジタル技術を活用し、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援。
金融業界をはじめとする産業知識が豊富で、企業の課題に応じた最適な提案が可能であること、高度なIT技術力に強みを持つ。
サービス導入事例
https://www.nri.com/jp/knowledge/publication/fis/kinyu_itf/lst/2022/02/09
・auじぶん銀行にて勘定系システム、フロントシステムを同時更改
サービス導入事例
https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2021/cc/1124_1
・東海東京証券に店頭取引プラットフォーム「Allain」を提供開始
なぜ、ITコンサルタントは激務と言われているのか
ITコンサルタントの労働環境は、「激務」と呼ばれるほど厳しいものである。例えば、以下の理由が挙げられる。
プロフェッショナルとしての高い要求
ITコンサルタントは、常に高度な知識と技術を求められる。多様な業界への対応や即戦力としての期待に応えるため、常に自己研鑽を続ける必要がある。
高レベルのカウンターパートとの対応
部長以上のクラスの顧客や経営層との仕事が多く、高度な要求や期待に応えるためのコミットメントが必要となる。このような環境下では、常に高いプレッシャーの中で成果を出し続けなければならない。
これらの要因により、ITコンサルタントは時として長時間労働や精神的なストレスを伴う可能性がある。しかし、その反面で大きな成長機会も得られるのである。
ITコンサルタントは激務と言われながらも魅力がある
仕事の魅力・やりがい
- 高い年収水準
- 若手でも部長以上の方と仕事ができる
- 新しい知識をインプットできる
- ドメインの専門家として自立できる
キャリアの可能性
ITコンサルタントとしての経験は、事業会社のDX企画室やCTO直下でのポジションへの転身チャンスを生み出す。また、短期間で複数の大規模プロジェクトを経験できることも魅力の一つである。
これらの特徴と魅力は、ITコンサルタントという職種を選択する上で重要な要素となる。次に、ITコンサルタントに求められる資質について見ていこう。
ITコンサルタントに向いている人
いろいろなことに挑戦したい
もっと顧客の近くで働きたいと感じられる人。
もっと顧客に対して価値を創出するために既存のシステムの開発やその他のことに挑戦したいと思える人。
コミュニケーションが得意
コミュニケーション能力がコンサルタントの最終的な商売道具になるため、ここが強い方は昇進も早い。
顧客でさえ課題が見えていない状況でプロジェクトが始まることがあり、そのような中でも顧客と共通認識を持って、課題の整理、その解決のための解決手法を提案できる人。
ITコンサルタントに求められる資質
転職に有利なスキル・経験
ITコンサルタントとして成功するためには、以下のような資質が重要である。
ソフトスキル
コミュニケーション能力、論理性、チャーミングさ
ハードスキル
システムの開発経験、ITプロジェクトのマネジメント経験、顧客折衝経験
定量的な側面
- 30歳までに要件定義経験を2年以上、PL経験を1年以上。
- 26歳までに基本設計以降のすべてのフェーズを経験している。
プロジェクトマネージャー(PM)とプロジェクトリーダー(PL)の違いとは?
転職に有利な資格
ITコンサルタントとして有利な資格は以下の資格をおすすめする。
- PMP
- Java Gold
- AWS
- Azure認定資格
コンサルタント全般において、職位が上がっていくと、自分の部下をマネジメントしていく立場になるため、PMPという資格は持っておくと良いだろう。
PMPの資格を取得することで、プロジェクトマネジメントの専門性を証明できる。
https://www.pmi-japan.org/pmp_license/pmp/
自分が関わるソリューションによって異なるが、システムエンジニア(SE)が持っていて有利な資格は、ITコンサルタントにおいてもメリットとなることが大きいように感じられる。
しかし、これらを持っていないからといって転職活動において不利になるわけではない。
転職事例
未経験からITコンサルタントへ転職した事例を紹介する。以下に3つの例がある。
- 大手事業会社の情報システムに在籍していた方
- 若手でSAPの開発経験が3年ある。
- 開発経験から得られる現場感、担当しているクライアントの業界、自分の分野の知識が豊富だったため、ITコンサルタントへ転身
- 年収は1.6倍に上昇
- SESエンジニア
- 夜間休日の緊急対応の働き方を変えたいというニーズ
- これまでの経験を生かしながら活躍できるITコンサルのネットワーク部門へ転身
- 年収1.4倍に上昇
- ソフトウェア会社
- 30歳というキャリアの分岐点に、本格的にSIer企業に行くか、ITコンサルティングファームに行くのかを検討
- ユーザーへの課題解決に興味がある・SEをやりながらも提案をしてきた経験をもとに新興系のベンチャーファームへ転身
- 年収は2倍に上昇
未経験から転職成功するためのステップ
未経験から転職成功するためのアプローチ
先ほど述べたように未経験からコンサルティングファームへ転職するためのステップは以下のものである。
- システムエンジニアとして上流工程に携わる
- ベンチャーファームへの転職を目指す
- ベンチャーファームで経験を積んだ後、大手コンサルティングファームへの転職を検討する
システムエンジニア(SE)としてシステム開発の上流経験を積み、要件定義や開発フェーズに関わっている人であれば、ベンチャーファームと呼ばれる企業に挑戦が可能である。このようなステップを踏むことで、未経験からでもITコンサルタントへの転職を実現できる可能性が高まり、最終的にBIG4といった大手コンサルティングファームに挑戦できるようになる。転職活動を一人でやることは時間がなかったり、負担が大きかったりするため、専門的な転職エージェントを利用することで、より効果的・効率的な転職活動が可能となる。
未経験からのコンサルティングファームへの挑戦と入社後のキャリアパスについて
その他転職事例
転職事例1
次に紹介する転職事例は、新卒で大手SIerのインフラエンジニアとして活躍され、その後PwCコンサルティング合同会社に転職を決めた方の転職事例である。
この方が転職を検討するようになったきっかけは、大手企業との取引でトラブル回避のためにレガシーな技術を使わざるを得ない部分が多く、世の中に出てくる新しい技術のキャッチアップをして視野を広げたい自身のやりたいことと方向性がズレてきたことにあった。
弊社エージェントと出会い、取り得るキャリア・将来のストーリーついてエージェントとディスカッションをし、最終的に自身のやりたいことが、企業の課題解決を担うコンサルタントとしての経験を積み、ビジネスマンとしての視座を高めることであるという結論に至った。
数ある企業の中からPwCコンサルティングを選んだ理由は、他のコンサルティングファームに比べてIT・デジタルに力を入れていると感じたところ、CIOアドバイザリーというポジションで世の中に価値を提供できる視座の高い仕事ができそうと魅力を感じたところであった。
以下の記事は、求職者が転職を検討している段階から転職後の現状までを詳細に記述している。
コンサルティングファームへの転職を検討されている方にぜひ読んでみてほしい。
転職事例2
この方は日本たばこ産業株式会社へ新卒入社したところからベイカレント・コンサルティングに転職を決めた方の転職事例である。
日本たばこ産業株式会社では、ECサイト内の在庫管理、グループ企業のマネジメント業務に従事していた。
この方はキャリアの幅、組織風土に不安を覚えていた。前職の不安から転職活動を始めたが志望理由を上手に言語化できずに苦しんでいたが、弊社のエージェントと出会い、キャリアを考える軸を数回の面談を重ねて明確にすることに成功、そしてベイカレント・コンサルティングに転身を決めた。
この方がベイカレント・コンサルティングへの転職を決意した理由は、コンサルタントとしてのキャリアをある程度自分で描けることであった。
ご存じの方も多いかもしれないが、ベイカレントはワンプール制をとっており、幅広い領域に関わることができるのが魅力の一つだ。上記の記述よりもさらに詳細に記載されている以下のインタビュー記事を読んでみてほしい。
ITコンサルタントを目指すならASSIGN AGENT
前提としてコンサル業界への転職はエージェントに頼ることが望ましい。
それはキャリアやスキルの棚卸、転職希望者に合った適切な会社選び、面接対策で内定確度が高まることを期待できるためである。
特にアサインのエージェントは、各ファームのパートナーと連携し、特別なリレーションを持っていることにより、書類の通過率から内定率まで全体的に割合が高く、会社内定後も転職先で活躍することができるよう、伴走支援サポートをさせていただく。
具体的には以下のような支援をしていく。
- 価値観を重視した応募先の選定
- 選考対策の充実
- 会社内定後のサポート
初回の面談で大量の求人をお渡しする・経歴や経験のマッチングではなく、まずは応募先の選定という観点でその方の将来進んでいきたいキャリアから逆算したキャリア戦略を描く。
アサインは選考対策が充実している。
数々の面接通過事例や内定事例から豊富なデータを保持しているため、選考通過率が高い。また、求職者様に合ったオーダーメイドの選考対策を設計できる。
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まとめ
ITコンサルタントは、高年収と将来性の両面で魅力的な職種である。DXの進展に伴い、その需要は今後さらに高まると予測されている。また、ITコンサルタントとしての経験は、キャリアの選択肢を広げ、市場価値を高める効果がある。
ただし、高い報酬と引き換えに、プロフェッショナルとしての責任や業務の難易度も高くなることを認識しておく必要がある。ITコンサルタントを目指す際は、自身の適性や目標をよく見極め、継続的な学習と自己研鑽に励むことが成功への近道となるだろう。
ASSIGN
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