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ITエンジニアのキャリアパス|自分に合った道を見つける手順を解説|

ITエンジニアのキャリアパスは、技術の急速な進化と市場の変化により、複雑かつ多様化している。従来の単線的なシステム開発において下流から上流を目指していくキャリアモデルは過去のものとなり、今日のITエンジニアには、専門分野に特化することやIT知見を生かしたコンサルティングファームへのキャリアチェンジなど自身の強みと興味に基づいた戦略的なキャリア設計が求められている。本記事では、ITエンジニアが直面するキャリアの選択肢と、成功への道筋を詳細に解説する。

キャリアパスを描くことの重要性

ITエンジニアにとって、キャリアパスを描くことは非常に重要である。その理由は以下の3点に集約される。エンジニアは年次を重ねることに、ポジションの募集が少なくなっていく。

1. 長期的な視点での成長

目の前の仕事に没頭することは大切だが、それだけでは理想のキャリアに到達できない可能性がある。キャリアパスを描くことで、3年後、10年後といった長期的な視点で自身の成長を計画し、必要なスキルや経験を意識的に積むことができる。

2. 専門性の獲得

ITエンジニアの職種は多岐にわたり、求められるスキルも職種によって大きく異なる。キャリアパスを描くことで、自身が目指す方向性に必要な専門性を明確にし、効率的にスキルを獲得することができる。

3. 市場価値の向上

IT業界は技術革新が速く、求められるスキルも常に変化している。キャリアパスを描き、計画的にスキルアップすることで、市場価値の高いエンジニアとして自身のポジションを確立することができる。これは、将来的なキャリアチャンスの拡大にもつながる。

キャリアパス設計の具体的な4つのステップ

1. 大きな方向性を定める

テクノロジーエンジニアリングビジネスの3つの方向性から、自分の強みや興味に合わせて目指すべき方向性を選択する。各部門で求められるスキルや役割を理解し、自身のキャリア目標と照らし合わせることが重要である。

2. 目指したい職種を定める

選択した方向性の中で、具体的にどの職種を目指すかを決定する。例えば、テクノロジー部門ではテックリードやCTO、エンジニアリング部門ではスクラムマスターやVPOE、ビジネス部門ではプロダクトマネージャーやCPOなどが考えられる。

3. 必要なスキルと経験を理解する

目指す職種に求められるスキルや経験を把握し、現在の自分との差を認識する。この差分を理解することで、今後のキャリアでどのような経験を積むべきか、中長期的な道筋を検討できるようになる。

4. スキル獲得の方法を検討する

必要なスキルをどのように獲得していくかを具体的に計画する。現在の環境での経験を深めるか、社内移動や転職で新たな環境に挑戦するかなど、足元のキャリアの歩み方を検討する。今の自分のスキルが市場の中でどのように見られているかを判断するのは難しいことであるため、転職エージェントを活用することを進める。

エンジニアのキャリア

エンジニアのキャリアは多様化している

従来は「システム開発の下流から上流の工程に関わることを目指すキャリア」が一般的だった。

AI等の新しい技術が次々と生まれるIT業界の特性により、新しい職種が生まれてきたことにより、

  • 専門分野に特化したエンジニア
  • IT知見を生かして、コンサルティングファームへのキャリアチェンジ
  • ITアーキテクトやITスペシャリスト

など現代は新たな職種が増え、キャリアパスが多様化してきている。

エンジニアの方で、コンサルティングファームへのキャリアチェンジを狙う方法は以下の記事に記載している。
【未経験から転職成功するためのアプローチ】を参照するとよいだろう。

ITコンサルタントの転職難易度は?|未経験からでも転職ができるのかを考察|
ITコンサルタントの転職難易度は?|未経験からでも転職ができるのかを考察|

IT業界のトレンドと変化

経済産業省によると、2019年をピークにIT人材の入職者が退職者を下回り、減少の一途をたどることが予想されている。また従来のITサービス需要が減り、クラウド、モビリティ、ソーシャル、ビッグデータ/アナリティクス、さらにはIoT/AIに係るIT投資の伸びが予想されている。

経済産業省「IT人材の人材育成の状況等について」

このように、IT人材になる・大手のエンジニア職に就く=安定ではなくなってきた。
キャリアが多様化しているからこそ、自分が今後どういった業務にあたりたいのかを明確にし、キャリアパスを描いていくことが重要になってくる。

エンジニアのキャリアアップに必要なこと

技術革新の目まぐるしいIT業界の中で、エンジニアとしてキャリアアップをしていくためには、ある程度専門性実績が不可欠である。3、10年後の中長期的なキャリアでどんな仕事をしていたいかを考え、実現のためのキャリアパスを歩めているかを定期的にチェックすることが必要。

その上で以下の能力を持っているとキャリアアップの実現に近づくだろう。

  • エンジニアとしての実績
  • マネジメントをするためのコミュニケーション能力
  • 設計や開発の能力などの技術面のITスキル

キャリアパスの3つの方向性

ITエンジニアのキャリアパスは、テクノロジー・エンジニアリング・ビジネスの3つの方向性に分類でき、それぞれを解説していく。

テクノロジー部門

テクノロジー部門では以下の職種とステップを踏んでいくとよい。

テックリード

自ら行動をかけながら、チームメンバーの技術的なリードをしていく役割。
チームの方向性を示し、まとめていく役割がある。
マネジメント業務をメインで行う役割のPMとは異なり、テックリードはエンジニアの中でリーダーとして役割を担い、開発をリードしていくというミッションがある。

テクニカルマネージャー

IT企業などの技術職において、技術チームマネジメントを担当し、技術的な意思決定や方向性を決めていく役割。
実務経験が豊富で技術力の高いメンバーがテクニカルマネージャーに就任することが多い。

CTO(chief technical officer)

CTOとは、最高技術責任者のことである。
会社全体の技術戦略を立案、技術部門を率いていく役割がある。
企業技術関連業務の責任者として、技術部門や開発を指示・管理し、現場の問題解決をサポートする。

CTOのキャリアアップするには、プログラミング言語やAI、インフラなど様々なIT技術に対する深い知識とスキルが必要である。エンジニア等で卓越したスキルを持つ人材がCTOで採用される傾向があるため、求められるレベルも高い傾向にある。

テクノロジー部門で求められるスキル

  • 最新技術トレンドの把握と習得
  • 技術的問題解決能力
  • アーキテクチャー設計
  • コーディングスキル

エンジニアリング部門

エンジニアリング部門では以下の職種とステップを踏んでいくとよい。

スクラムマスター

アジャイル開発の手法の一つであるスクラム開発を行うときに活躍する職種である。
スクラムとは特定の役割を担うメンバーで構成されるチームのことで、スクラムマスターはこのチームの全体責任者である。
スクラムマスターはプロジェクト全体の円滑な運営、開発チームのマネジメント業務、現場とプロダクトオーナーや経営層などとのパイプ役としての役割を果たす。

プロジェクトマネージャー(PM)との違い
プロジェクトマネージャーは、基本的にチームの仕事に直接関与しないのに対し、
スクラムマスターは、チームのメンバーに対して実務面も含めたコーチングなどを行い、サポートする役割。

エンジニアリングマネージャー(EM)

エンジニアリングマネージャーは開発チームのマネジメントを行い、システム開発プロセス全体の管理を行う役職。
主な業務はエンジニアの採用から教育・配属、技術に関する意思決定などと多岐にわたる。
エンジニアリングマネージャーは、開発チームを管理してプロジェクトを成功へと導く能力が求められる。人事採用や教育、開発技術に関する深い知識が必要となる。

VPoE(Vice President of Engineer)

VPoEは、技術部門のマネジメント責任者のことである。
エンジニア組織が円滑に仕事をできる環境や、開発ができるほどに技術力を向上させること、採用や指導、環境改善などを行うことによってチームのマネジメントを行う役割を担う。

エンジニアリング部門で求められるスキル

  • プロジェクトマネジメント能力
  • チームマネジメントとリーダーシップ
  • 品質管理
  • プロセス改善能力

ビジネス部門

ビジネス部門では以下の職種とステップを踏んでいくとよい。

プロダクトオーナー

プロダクトオーナーとは、製品開発における方向性を決める責任者を指す。顧客のニーズを的確に捉え、プロダクトの価値を最大化させることに責任を持つ職種である。
プロダクトのゴール決め、プロダクトの要件定義、優先順位付けを行い、開発チームとビジネスサイドの橋渡し役を担う。

PdM(プロダクトマネージャー)

PdM(プロダクトマネージャー)は、経営方針や企業戦略、ビジネスサイドの販売計画に基づき、顧客要求の分析や要求分析/定義を行い、「プロダクト」を成功に導く責任者である。
開発やデザインと連携したロードマップ作成を担い、プロダクト戦略策定では、マーケティングや組織づくりが主な業務となる。プロダクトの成功のために、各部門を横断して連携する必要があり、全方位的なコミュニケーション能力、プロジェクト推進力が求められる。

VPOP(Vice President of Product)

VPoPは、プロダクトマネジメントの責任者である。
VPoPはプロダクトの品質を向上させ、顧客満足度に反映させることである。

エンジニア組織のマネジメントを行うのがVPoEであるのに対し、製品やサービス全体に責任を負う役割がVPoPである。責任の範囲がエンジニアかプロダクトかという違いである。

CPO(chief product officer)

CPOとは、最高プロダクト責任者である。
会社全体のプロダクト戦略を統括する役割を担う。企業における製品ポートフォリオを成功させるために製品関連活動をリードする責任者である。業務はグロースにフォーカスするのが特徴。
実際にグロースに事業を推進していくのはPMの役割であるが、PMが力を発揮できるように環境の整備を行うのがCPOの役割である。

ビジネス部門で求められるスキル

  • 製品戦略
  • ロードマップ策定能力
  • プロダクトマネジメント能力
  • ビジネス開発
  • 顧客管理能力

ITエンジニアの5つの転職事例

弊社エージェントの支援実績を簡略して掲載する。

①汎用系SE⇒メガベンチャーコンサルティングファーム
業務内容:原子力施設向けシステムの新規提案・仕様策定・設計など、顧客折衝を行いながら上流工程を経験
転職理由:年収UPしたい
意思決定理由:人を重要にする文化感の企業で、裁量権を持ってコンサルティングに挑戦できる

②大手SIerのSE⇒大手日系コンサルティングファーム
業務内容:証券会社の基幹システム開発プロジェクトのリーダーとしてプロジェクトマネジメントを経験
転職理由:プロジェクトの管理能力にとどまらず、最上流から顧客の要望を落とし込む立場でコミットしたいため
意思決定理由:年収・WLBを満たしながら、コンサルタントとして領域に縛られず様々なプロジェクトを経験できるため

③事業会社SE⇒SES
業務内容:自社プロダクト開発担当としてフロントエンド、バックエンドの設計~開発を担当
転職理由:自社プロダクトに閉じてしまっている技術力を向上したい
意思決定理由:エンジニアの育成環境が整っており、プライム案件等での難易度の高いシステムの業務経験が積めるため

④2次請けSIerのSE⇒大手日系SIer
業務内容:インフラエンジニアとして要件定義~実装までを一貫して経験
転職理由:顧客が本当に求めているシステムを作るためにコミットしたいが、下請けの立場から上流工程に干渉できないもどかしさを感じたため
意思決定理由:1次請けの案件が多いかつSIerの中でもインフラ領域へのプレゼンスの高さや製品の提案幅の広さに優れており、顧客が本当に求めているシステムを提供できる環境だと感じたため

⑤事業会社の社内SE⇒メガベンチャーコンサルティングファーム
業務内容:本業の傍ら、社内業務効率化のための企画・要件策定~実装までの一連のプロセスを経験
転職理由:顧客課題に対してITによる解決を企画・推進する業務をメインキャリアにしたいため
意思決定理由:ITコンサルとして幅広い顧客にコミットできる案件の広さ、育成環境に惹かれたため

ITエンジニアの転職ならASSIGN AGENT

キャリアパスの設計や転職を成功させるために、転職エージェントの活用は非常に有効である。以下に、アサインエージェントを利用するメリットを挙げる。

  • 企業・ポジション・最新の市場の傾向などの情報収集
  • 現在のスキルの棚卸し等、客観的な視点での自己分析
  • 価値観・志向性・保有スキルに基づいたキャリアプランニング
  • 徹底的な選考対策

最新の市場の傾向、企業上場、各ポジションの情報を収集することは難易度が高いため、プロのエージェントから正しい情報を収集することが転職成功へのカギとなる。

エージェントに相談することで、保有しているスキルの棚卸、充実した選考対策をすることができ、内定確度を高めることも期待できる。

また、アサインエージェントに相談することで価値観や志向性、保有スキルを考慮してキャリアプラン策定をすることで理想のキャリアを実現するための支援を行っている。

自分が将来どういうキャリアを歩みたいのか、転職を検討している人はぜひアサインエージェントに相談してほしい。

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まとめ

ITエンジニアのキャリアパスは多様で複雑であるが、適切に描くことで自分に合った道を見つけることができる。キャリアパスを考える際は、3つの方向性を理解し、自身の強みや興味に基づいて選択することが重要である。また、目指す職種に必要なスキルを把握し、現在の自分との差を認識することで、効果的なキャリア形成が可能となる。市場動向や自己分析の難しさから、転職エージェントに相談することも有効な手段である。早い段階からキャリアパスを描き、定期的に見直すことで、ITエンジニアとして着実にキャリアアップを実現できるだろう。

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