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「新しい社会や企業のデザインを担うイノベーターへ」戦略とIT・デジタルに加えて、ビジネス外の知見をかけ合わせる

━━ まずご経歴についてお話いただけますか。

前職も総合コンサルティングファームで、一貫してコンサルタントというキャリアを歩んできています。

ITのど真ん中のシステム開発をやってきたというよりは、それをもう少し俯瞰して会社の戦略を実現するためにどうIT・デジタルを活用するかという観点からプロジェクトに関わってきました。

━━ 他のファームとも比較検討された中でPwCコンサルティングを選ばれたのはなぜでしょうか。

一番自分のやりたい仕事のスタイルに近いファームだったためです。 私は形のない上流フェーズを担当することが多いため、なるべく型にはまらない、色々なものを組み合わせたり、場合によっては自分の独自のやり方を提案するという仕事のスタイルをとっていますが、そのスタイルを非常に好意的に受け止めてくれた印象です。

━━ 最初は今所属しているTechnology Advisory Services(TAS)ではなく、違うチームからPwCでのキャリアをスタートされていますが、当時はどういったプロジェクト、どういった役割を担っていたのですか。

当時、私はストラテジーチームという、今のStrategy&の前身の組織に所属していました。

戦略系の案件に多く参画した後、PMIの仕事をするチームが分化したためそちらに移り、戦略からM&A、ITDDなど戦略の実行支援に数多く取り組んできました。

さらにその後、マーケット側の流通・小売や総合商社、消費財メーカーを扱うような、インダストリーカットの組織にて、業界・アカウント軸での活動や経験を経て、現在所属するTASに異動しました。

━━ 様々なご経験をされてきた中で現在TASに所属されている背景をもう少しお話いただけますか。

21世紀に入ってから、特に2010年代ぐらいからは、IT・デジタルとビジネスというものが不可分な状態になってきています。

GAFAをはじめとする新しいビジネスモデルが台頭し、既存のビジネスモデルを次々とディスラプトしていく時代にある中で、戦略だけ、業務改革だけというスタイルではクライアントの課題に十分に応えられないという背景がありました。

私はビジネスサイドを中心にやってきましたが、扱うテーマがIT・デジタルと不可分なテーマになる中で、テクノロジーとビジネスをかけ合わせてサービス提供していかなければならないと強く感じました。

そのかけ合わせを体現できる組織に身を置いた方がより価値を提供できるのではないかと考え、TASに所属しています。

IT・デジタルサイド、ビジネスサイドのどちらも活躍できるフィールドがある

━━ 一般的にテクノロジーのニーズが高まっていますが、クライアントからどういうニーズがあって、どのような方が活躍しているのでしょうか。

例えば、データを活用して新しいプラットフォームビジネスを作るための支援をするプロジェクトでは、プラットフォームを用途に合わせてデザインするフェーズで、様々なビジネスの知見が必要です。

当然ながら市場・競合分析を行って、成功要因を見極めるようなストラテジックな人も必要な一方で、それを具体的に形にしたときに、どんなデータが他社との差異化要素になるのか、それをどのように活用すると付加価値が高まるのかといった、データアーキテクチャの知見も必要となります。

ビジネス寄りが得意なメンバーであれば上流からブレイクダウンしていくというタスクに入ってもらい、逆にデータからボトムアップで考えるところはデータに強いメンバーにやってもらう。

それらをかけ合わせていく工程で、それぞれが意見を交わしながら、相互の知見が混じり合うというような形をとっています。そのため、それぞれ全く軸足のないところにいきなり入るのではなく、得意領域を活かしながら、相手の領域にも踏み出していって、お互い絡んでいくというようなスタイルが求められていますし、そういった動き方ができる人が活躍しています。

━━ ファームの特徴の観点から気をつけておかないと適応につまずくポイントはございますか。

形があるようでない非常に自由度の高い組織なので、やってみたいこと、わからないこと、相談したいことを自分から発信するというスタイルを持って活動できる人にとっては、非常にフィットすると思います。

一方で、ピラミッド階層の中で自分のタスクが細分化され、そこをしっかりこなせば良いという思考回路だと、PwCはあまりにも自由度が高すぎて、何をして良いか分からないという状態になります。

私は面接の中で必ず求職者の方に、自分の意思を持ってどうしたいのか、どんなキャリアを描きたいのか、をオープンに会話してほしいと伝えています。

そのようなことが好きな人はPwCに向いているということをフラットに伝えています。

━━ 意思を明確に持てる人は、良い機会があれば新たな環境にどんどん飛び込んで行くのではないかと思うのですが、正木様がPwCコンサルティングに残り続けている理由はどのようなところにありますか。

私はクライアントを惹き入れるのは結局「人」だと考えています。

クライアントは私たちに非常に重要なテーマを託してくれるので、その相手が信頼に足るのか、自分たちの期待値を超えるようなパフォーマンスを出してくれそうなのかをとても気にされています。

特に長期的な信頼関係が築けるかどうかに関しては、人間としての総合的なバランス能力の高さが最重要だと考えています。

ある領域に尖るというのはよくキーワードになりますが、尖っているだけでは不十分で、それぞれの尖っている部分をインテグレートする上での高いバランス感覚が不可欠です。

そういう要素を持っている人がたくさんいることが私たちの強みでもあると理解していますし、私がPwCコンサルティングに所属している理由ですね。

━━ これまで戦略からマーケット、そして今テクノロジーと幅広く経験をしている中で、今後の正木様はどのように経験を広げていこうと考えているのですか。

私自身はもう7年くらい前に、良い意味で職業としての「コンサルタント」は辞めたつもりです。 問題解決という言葉自体が、既に20世紀のものだと私は思っていて、これからは新しい社会や企業をデザインしていく中で課題を自ら発見する、定義する、そして解決に向けて多くのステークホルダーを巻き込んで取り組みを推進していくという、イノベーター的な活動をしていきたいと思っています。

━━ 直近で、課題を発見して社会をデザインしていくような事例はありましたか。

先ほどお話したデータプラットフォームのビジネスは、まさに一番良い例だなと思っています。これまでに存在していないビジネスモデルをゼロから考えるというプロジェクトで、既存の延長線上にはないものを出してくれというのがクライアントのオーダーでした。

先ほど私がコンサルタントを良い意味で辞めていると言ったのは、仕事の外に出ないと、そういうアイデアは出ないと思っているからです。

そのために、最近私は宗教や哲学、倫理、自然科学、社会学、人類学、心理学、芸術、コメディ、その他諸々個人の趣味など、全くビジネスと関係ないところに新しいアイデアの源泉を探しにいっています。

例えば人間と動物はどこが違うのかなどの観方からヒントを得るようなことをやっています。

また、メンバーの資料をレビューする際にも、こういった遊びの要素を入れることで「これは面白い!」など感情が動くものを起点とした体験型の学びを積み重ね、中長期的に活用可能な知見として蓄積してもえるように心掛けています。

求められるのは一生懸命さ。その開花まで見守る

━━ 若手でも伸びるコンサルタントはどのような要素を持っていますか。

実は答えはシンプルでして、業種業界も経験値も年齢も関係なく、一気に成長して上に上がっていくメンバーに共通している特徴は、「一生懸命やる」という1点です。

「一生懸命やる」というのは、深夜まで仕事をするということではなく、自分にできることは、誠心誠意限界を尽くしてやろうという精神を持ってやるということです。

━━ その一生懸命さは面接の短い時間で見抜くのは難しいと思いますが、意識しているポイントを教えてください。

過去の職務経歴の中で一番頑張ったプロジェクトは何かを聞きます。

さらには、具体的にどのくらい何をやったのか、数量的に確認をしていきます。

本当にその人にとって大変な山だったのであれば、具体的なエピソードが出てくるはずです。

また、ケース面接で、あえてその個人に関係のあるテーマを選ぶようにしています。

自身と関係があるテーマであれば、それについて考えたり経験してきたりした事実があるはずなので、その活動量と深さを見ていきます。

入社後については、極論になりますが、成長できるメンバーになれるかどうかは、個人次第の部分が大きいです。

例えば、なかなかコンサルタントの仕事に慣れず、また頑なにフィードバックを受け入れず、パフォーマンスが出ていなかった人が、ある時期から突然パフォーマンスが上がり、あっという間にマネージャーまで上がっていったことがありました。

実はこのときの背景は、ビジネスには関係なく、お付き合いしていた方と結婚をして、腹が決まったということでした。

このように何が原動力なのか究極分からない。

ただ自分が大事な物を守るなど、原動力を持っている人は強いと思います。

━━ 今のエピソードで結果が出ない中でも辛抱強く見守っている印象ですが、メンバーの成長において大事にしている部分はありますか。

結果が出るまでには必ず時間がかかるので、努力しているけれど、まだ結果が出ていないという苦しい期間をしっかりアシストしてあげることがポイントだと考えています。

半年、1年見れば問題意識を持っているメンバーであれば何かしら必ず1つ、2つ改善してくると思いますので、そこを丁寧に見て、気づいてあげることを大事にしています。

━━ 最後に、求職者の方へ一言あればうかがいたいです。

転職して、何も工夫をしないでそのままスムーズに活躍するのは難しいと思います。

そのため、分からないことがあれば周囲にどんどん相談してほしいです。

また、自分のやってきたことを別の角度から整理したり、捉え方を変えたりすると、自分がやってきたことの中にバリューを見いだせることが必ずあるので、新たな仕事に挑戦する際には、これまでの仕事とつながる点を探してもらいたいです。

プロジェクトにアサインする際も、経験してきたこととのつながりを重視しており、最初のプロジェクトでは親和性が高そうな案件に入ってもらい、少しずつ経験を積みながらそれを活かして次の案件に参画してもらうというキャリアステップを意識しています。

経験を積むという意味では、仕事以外の個人活動も重要な意味を持つ時代だと思います。

交友関係や趣味、社会活動等、ビジネスの外側にあるものに五感を活用してフルに吸収し、自分なりの問題意識やサービスアイデアに育ててほしいと思います。

TASは、これまで他社や個人で培ってきた知見・経験を有機的に結びつけ、昇華していける環境ですので、ぜひ飛び込んできていただけたらと思います。

【正木様経歴】

総合コンサルティングファームを経て2013年に現在のPwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)に入社。

通信ハイテク、エレクトロニクス、自動車、総合商社、流通・小売、消費財メーカー等の業界に対し、グループDX戦略策定・実行支援、新技術を活用したビジネスモデル構想、SCMを基軸とした事業再生、全社業務改革、営業マネジメント改革、システムモダナイズに向けたアーキテクチャ方針策定、システム構想策定・実装支援、ITポートフォリオ最適化、デジタル人材育成、M&Aに伴うITDD/PMI等、戦略策定から業務改革、システム構想等の上流フェーズを中心に多岐にわたるテーマの支援実績を持つ。

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