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戦略コンサルティングファームとは。組織体制や業務内容についても解説

戦略コンサルティングファームとは

戦略コンサルティングファームとは、企業経営における最上流の課題に関して、経営意思決定のサポートやアドバイザリー業務を行うコンサルティングファームを指す。業務プロセスやITなど様々なスコープにサービス領域を広げるコンサルティングファームが業界内でもプレゼンスを増している昨今であるが、元来、経営のトップイシューにアプローチをしながら、企業の成長を支えてきたのは戦略コンサルティングファームであり、歴史としても一番古い。

代表的な戦略ファーム

日本だけでなく、グローバルにおいてプレゼンスの高い戦略コンサルティングファームはMBBやBIG3と呼ばれる。イシューツリーなどのフレームで有名なマッキンゼー・アンド・カンパニー、クライアントの課題に応じてハンズオン支援が特徴的なボストン・コンサルティング・グループ(BCG)、連動報酬制度をクライアントと締結し、コミットメント高く「結果重視」主義を採用しているベイン・アンド・カンパニーの三社である。

更には、「変革と創造」双方に取り組み、医療や宇宙など社会的意義の大きい課題にもアプローチができるA.T.カーニーや、ドイツ発祥で製造業支援においてのグローバルでのナレッジが豊富で、AIやメタバース、ロボット手術など最先端技術領域での支援にも注力しているローランド・ベルガー、世界初の経営コンサルティングファームであるアーサー・ディ・リトル(ADL)なども外資系のピュアな戦略ファームとして代表的である。

日系のピュアな戦略ファームとしては、ドリームインキュベータ(DI)や経営共創基盤(IGPI)、コーポレイトディレクション(CDI)などが挙げられる。ドリームインキュベータでは中央省庁やリーディングカンパニーと連携しながら、産業そのものの創造を目的とする「産業プロデュース」や、5~10年の中長期で企業の柱となる数千億円規模の事業創造を目指す「事業創造支援」等、社会的インパクトの大きな案件を経験することができる。また、経営共創基盤では、製造業クライアントへの研究開発から製品企画、製品設計、調達・生産・セールスからアフターサービスまで一連のバリューチェーン支援に強みを持ちつつ、インキュベーション支援や交通インフラ支援などにも注力している。コーポレイトディレクションは外資戦略ファームからスピンアウトし、「新・和魂洋才」をテーマとして掲げ、欧米と日本の融合を目指した支援を行っている。

また、ピュアな戦略ファームだけでなく、総合コンサルティングファームも戦略チームを持ち合わせている。マイケル・ポーターらが創設者となり現在はデロイトグループに参画しているモニターデロイトや、ブーズ・アレン・ハミルトンを源流しPwCコンサルティングの傘下にあるStrategy&、更にはアーンスト・アンド・ヤング内の戦略チームとして、EY Parthenon、アクセンチュアの戦略チームであるアクセンチュア・ストラテジーなどが挙げられる。ワンプール制のベイカレントも戦略ファーム出身の役職者を採用していることもあり、戦略案件の拡大にも取り組んでいる。

戦略ファームの組織体制

戦略コンサルティングファームは総合コンサルティングファームやITファームとは異なり、プレゼンスの高いファームだとしても少人数精鋭である為、ワンプール制を採用しているファームが多い。ワンプール制の戦略ファームにキャリアを進める際は、関わる業界やテーマが様々となるケースが多く、未知の業界やトピックについてキャッチアップしていくことがより必要とされるであろう。一方で総合ファームと同じく、コンサルタントとして業界(製造や消費財など)やテーマ・ソリューション(ファイナンスや海外進出など)に分かれている、マトリクス型の組織形態を採用している戦略ファームも少数ではあるが存在する。マトリクス型を採っているファームに関しては、一定自身の専門性を確立しやすい傾向にはあるが、市場環境やクライアントのニーズは日々進化するものである為、スペシャリストとしてクライアントへのバリューを発揮するために常に市場や顧客の変化に敏感である必要がある。

各ファームの従業員数に着目すると、国内の総合ファームの中でも規模が一番大きいデロイトトーマツコンサルティングは2023年6月現在で5,000名以上であり、ITファームで最大規模を誇るアクセンチュアは2023年3月現在で日本でのスタッフ数は約20,000名と公表されている。国内でプレゼンスが高い戦略ファームであるボストンコンサルティンググループでも約1,000名であり、他ファームと比較しても少人数精鋭型の組織形態であることが伺える。

戦略コンサルタントとしての業務内容

戦略コンサルタントとして業務に従事する際の代表的なテーマについて、以下で取り上げたい。

中期経営計画策定

中期経営計画とは、通常3~5年の期間を対象とし企業の中長期的な方向性と目標を定めるための戦略を指す。戦略コンサルタントとして、クライアントのビジョンと目標を実現するための戦略的な指針を提供する役割を果たす。国内だけでなく、海外のトレンドも踏まえた市場分析や競合状況の評価、更には戦略策定からアクションプランの実行やリソースアロケーション、進捗のモニタリングや修正など多角的な観点でアドバイザリー業務を行う。

M&A支援

クライアント企業が競争優位性の確立や、事業成長をスピーディーにドライブするためにM&Aを実行することは珍しくない。M&Aのプロセスにおいて、戦略ファームに業務を依頼する事業会社が多く存在する。実行の前段階において、財務面のみならず、法務や業務プロセスなど多岐にわたる側面で企業を評価し、機会やリスクも適切に数値化させるデューデリジェンス業務、更には、M&A成立後の統合プロセスにおいて、異なる組織文化や業務プロセス、情報システムを統合する際に生じる課題やリスクを最小化し、合併の成果を最大化することを目指すPMI(Post Merger Integration)業務が代表的な支援内容である。

海外進出支援

少子高齢化が顕著となり、日本国内のみに市場を集中させることに限界を迎えたり、リスクが増大し続けたりする現代において、企業の海外進出についても戦略上重要な案件になることが多い。海外の商習慣や市場分析をデスクトップリサーチや専門書の読み込み、更には現地コンサルタントやクライアントの現地スタッフと協働することや、類似した案件を過去担当したコンサルタントから情報収集を行うことも必要とされるため、外国語をビジネスレベルで使用できることは最低限のリクアイアメントとも言うことができる。

新規事業立案

変化する市場環境において競争力を維持・向上させるため、新規事業の立案にも積極的に取り組む企業も増えている。市場調査においては、ターゲット市場の規模や成長率だけでなく、競合状況も明らかにしながら、顧客の課題やニーズを特定する必要がある。市場調査の一貫として、コンサルタントがユーザーインタビューを実施するケースが多い。その後、事業モデルの構築フェーズに移ると、収益源やコスト構造を詳細に検討し、将来の成長に向けて持続可能なビジネスプランを検討する。また、リスク評価も行い、適切なリスクマネジメント戦略を提案する。

これらどの領域においても、深い業界知見やキャッチアップ力、クライアントの役員・CXOクラスのパートナーとして対等に議論できるようなビジネス的視座、更には、クライアントのマーケットでの立ち位置を理解した上で、ファクトに基づきながら第三者的に助言を行う問題解決能力などが非常に高度な水準で求められる。

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