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【コンサルティングファームの役職別】アナリスト基礎スキル

※この記事では、職業としてのコンサルタントと職位としてのコンサルタントを区別するため、前者を”コンサルタント”、後者をコンサルタントと表記する。

※この記事では、コンサルタントという職位の定義を、アナリスト(アソシエイト)より上 かつ マネージャー未満 とします。ファームによってはコンサルタントの職位を更にコンサルタントとシニアコンサルタントに分けているような場合もあるため。

新卒入社や社会人経験の浅い中途入社の方は、アナリスト(アソシエイト)のポジションからスタートすることになる。経験が浅いとはいえ、クライアントにとっては1人の”コンサルタント”なので、クライアントの課題解決に貢献する必要がある。そのためには、常に顧客志向を意識しながら、顧客へ提供する価値を最大化するために自身ができることを考え、与えられた役割を超えて積極的に行動を起こす姿勢が重要になる。ファームによるが、おおよそ2~3年でコンサルタントに昇進するケースが多い。

アナリストの役割・タスク

アナリストは、シニアコンサルタントやマネージャーなどの上位職種の指示のもと、タスクを遂行していく役割を任せられることが多い。アナリストに与えられることが多いタスクを簡単な説明を付けて下に例示する。

ドキュメンテーション

  • 議事録作成:クライアントとの会議での決定事項、残タスク、検討経緯をまとめる。
  • スライド作成:クライアントとの会議に使用するスライドの一部を作成する
  • プロジェクト納品物の校正:納品物の誤字脱字やレイアウトなどのチェックを行う

情報収集・調査

  • クライアントへのヒアリング:現状分析のためにクライアントに現状の管理方法や業務プロセスをヒアリングする
  • 市場や競合他社の情報収集:現状分析やあるべき姿の検討のために市場や競合他社の動向を情報収集する
  • 機能調査:課題解決のソリューションの検討のために最新の技術情報やプロダクトの機能調査を行う

プロジェクトマネジメント

  • WBS(進捗管理表)・課題管理表の更新:プロジェクトで使用している進捗管理表・課題管理表を最新の状態に更新する
  • 各種ロジスティクス:会議の日程調整などを行う

アナリスト基礎スキル

ここからは、上にあげたようなタスクを遂行していくにあたって必要になるスキルを例示する。
アナリスト基礎スキルと題しているものの、アナリストに限らずシニアコンサルタントやマネージャーに昇進した後も必要になる”コンサルタント”としてベースのスキルとなるため、アナリストの内に固めておくことが重要である。ここでは、スキルを思考方法と業務遂行スキルに分けて説明する。特に重要なのが思考方法で、このベースができていないと他のスキルの意味がなくなるといっても過言ではない。

思考方法

ロジカルシンキング

“コンサルタント”として最も重要かつ顧客に求められているのがロジカルシンキングだ。ロジカルシンキングが出来ていないと、いくら美しいスライドを作成できたとしても、そのスライドは中身のないただの絵になる。ロジカルシンキングの方法論としてはロジックツリーや仮説思考など様々なものがある。世にはロジカルシンキングに関する書籍も出版されているため、参考にするとよいでしょう。

業務遂行スキル

PC基礎スキル

アナリストは議事録作成やスライド作成のためにExcel、Word、PowerPointなどのOffice製品を使用する頻度が高い。Office製品は、ショートカットを使用することで作業のスピードが格段に向上するため、キーボードのみで操作するなどにより意識的にトレーニングすることをおすすめする。

コミュニケーションスキル

アナリストといえど、議事録や情報収集を通して様々な情報に触れているので、チーム内で情報を発信する機会は多い。情報の発信は、簡潔かつ正確に行うことが非常に重要になる。特に「結論ファーストで話す」と「事実と解釈を分けて話す」の2点を意識するだけでコミュニケーションがスムーズになる。

プロジェクトマネジメントスキル

タスクを実行する際は、実行のためのスケジュールを作成することが重要になるため、タスクに対して必要な作業を分解し、それぞれの作業に必要なリードタイムを見積り、最終納期から逆算してスケジュールを作成する。分解する作業の粒度、必要になる上司のレビューの回数・頻度、バッファの長さなど様々な要素を考える必要がある。

アナリストとして意識するべきポイント

ここまでアナリストとして身に着けるべきスキルについて説明したが、そうしたスキルを身に着けて”コンサルタント”として成長するために意識すべきポイントを挙げる。
当然これらが全てではないが、意識することで間違いなく提供する価値を高めることができる。

期待値を超える

プロジェクトにアサインされる際には、ロールとそのロールに対する期待値を与えられることになる。その期待値を正しく認識し、期待値を超える働きをすることを意識することで、顧客へ提供する価値を高めつつ自身の実力も高めることができる。

フィードバックを受ける回数を増やす

自身に何が足りないのかを認識するには、周囲からのフィードバックが最も効果的。特にロジカルシンキングは、フィードバックや議論により洗練されていくもののため、フィードバックを重ねることが重要になる。

3日で90点より3時間で60点を目指す

これは最終成果物が60点であれば良いという意味ではなく、60点の時点で上司からのレビューを受けるべきという意味だ。
60点の時点でレビューを受けることで、今行っている作業の方向性が仮に誤っていたとしても3時間のロスで済む。また、上司も現在の進捗や60点時点での情報をインプットすることができる。上司とレビューのタイミングを事前に調整しておくことが重要になる。

2つ上の職位の仕事を把握する

所属するファームにもよるが、アナリストであればマネージャーの仕事を把握することが仕事を進めるうえで重要と言われる。広い範囲を管理しているマネージャーの仕事を把握することで、自身に与えられたタスクがプロジェクト全体の中でどのような意味をもっているのか、次の工程は何かを意識することができ、プロジェクト全体の提供価値を高めることにつながる。

まとめ

アナリストは、経験が浅いなかでも”コンサルタント”として顧客へ価値を提供する必要がある。そのためには、ロジカルシンキングをベースとして、その他にもPC基礎スキル、コミュニケーションスキル、プロジェクトマネジメントスキルなどを高めていくことが重要だ。ただ、こうしたスキルは独力では身につかないものばかりのため、常に周囲からのフィードバックを積極的に受けて吸収していくことが”コンサルタント”としての成長の近道と言える。

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