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マッキンゼーから学ぶ。企業が重視する採用基準「リーダーシップ」とは

米国の大手戦略系コンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニー(以下、マッキンゼー)。

マッキンゼーは世界で最も権威あるコンサルティングファームとして認められ、さまざまな分野のプロフェッショナルが活躍している。

マッキンゼーが重要視する採用基準の一つが、「リーダーシップ」である。

リーダーシップは、マネージャー職などの管理職を目指す人だけが必要なスキルではなく、人生を豊かにする上で欠かせないスキルである。

転職を検討している人は、マッキンゼーをはじめ多くの企業で評価されるリーダーシップの理解を深めてほしい。

マッキンゼーで重視される採用基準とは

米国の大手コンサルティングファームのマッキンゼーでは、採用基準として以下の3点が重要視されている。

・ リーダーシップがあること
・ 地頭がいいこと
・ 英語ができること

特に「リーダーシップがあること」は、マッキンゼーが求める人物像である「将来のリーダーとなる人」に欠かせない要素だ。

上司の指示をそつなくこなす優等生タイプや、データ分析が得意な数字に強いタイプではなく、高いリーダシップを発揮できる人こそが、マッキンゼーの求める人物である。

なぜなら「リーダーシップこそが問題解決の場面で必要であり、全員に必要なスキルでもあるから」と考えているからだ。

役職者や管理職のみがリーダーシップを発揮しても、チームとして求められる成果を創出できない。

正式なリーダーに就くのは一人だとしても、メンバー全員が多彩なリーダー体験を持つことが成果の最大化には欠かせない要素である。

マッキンゼーに限らず、企業の採用基準として「リーダーシップがあるか」は注目されるポイントだ。

採用で評価される「リーダー」がなすべき4つのタスク

具体的に、採用で評価されるリーダーがなすべきタスクは、以下の4つである。

・ 目標を掲げる
・ 先頭を走る
・ 決める
・ 伝える

目標を掲げる

リーダーは、チームが目指すべき成果目標を分かりやすく定義し、掲げることが重要だ。

なぜなら目標設定には、以下の効果があるからだ。

・ チームの方向性を統一できる
・ チームのモチベーションアップにつながる
・ メンバーの努力やスキルアップのきっかけになる

成果目標はメンバーを十分に鼓舞でき、モチベーションを高められるものでなければならない。

しかし、目標によっては人それぞれ捉え方が異なり、チーム内での方向性がズレる可能性もある。

目標の認識違いが発生しないよう、明確な言葉で定義しメンバー全員が理解できる形で共有するのがリーダーの役割だ。

また、人間は合理的であるため、求められる努力と得られるもののバランスがとれていないと感じれば、努力をしなくなってしまう。

チームを成功に導くためにも、目標を掲げることはリーダーにとって欠かせないタスクだ。

先頭を走る

最初の一人になることや、先頭に立ち行動することに対して躊躇しないのがリーダーだ。

公衆の前に自らをさらし、結果がうまくいかなかった場合のリスクや責任を引き受ける覚悟が必要である。

結果として恥をかいたり、損をしたりする可能性も受け入れられる受容度の高い人は、リーダーに向いている。

決める

リーダーにとって、決断は重要なタスクだ。

情報や時間が限られているなかで、決断を迫られる場面は少なくない。

決断すべきタイミングを見極めて行動できる人は、リーダーの素質があるといえる。

伝える

人を動かす上では、伝える力が欠かせない。

「黙っていても伝わる」「分かってくれているはず」は通用しない。

一定人数以上の組織を率いる場合や、多様な価値観を持つ人が混在している場合には、言葉の力が必要不可欠だ。

また、問題発生時にも伝える力が問われる。

問題の原因や対処法、考えに至った根拠なども、言葉で説明する必要がある。

人を納得させ、能動的な行動を後押しさせる伝え方が得意な人は、リーダー向きだ。

リーダーが大切にすべきスタンス

リーダーが大切にすべきスタンスは、以下の4つである。

・ バリューを出す
・ ポジションを取る
・ 自分の仕事のリーダーは自分
・ ホワイトボードの前に立つ

バリューを出す

「バリューを出す」とは、なんらかの成果(付加価値)を生み出すことだ。

例えば、会議で有益な発言をすればバリューを出したことになる。

また、入手したユニークな情報を分析し画期的な洞察ができれば、それは「バリューのある分析」「バリューのあるメッセージ」だと判断される。

常に自分がどのようなバリューを提供できるのか考え続けるのが、リーダーとして大切なスタンスだ。

ポジションを取る

「ポジションを取る」とは、自らの意見を発信することや意思決定者の立場で決断することだ。

会議では「So what(つまり、あなたの結論は何か)」にフォーカスした議論をすることで、仕事の生産性が向上する。

準備が完璧になるまで結論を出さない意思決定方式は、責任感のある正しいやり方にも見える。

しかし、「準備そのものが完璧になる」と考えていること自体が極めて放漫であり、非現実的だと気づくべきだ。

目の前の案件について、「どこまで詰めたら決断すべきなのか」を意識的に考えることが大切である。

たとえ自分に直接関係のない事柄であっても、「もし自分だったらどうするだろう」と当事者意識をもって考えてみてほしい。

自分の仕事のリーダーは自分

自分の仕事に関しては自分がリーダーである。

責任のある仕事をするためには、「パートナーやマネジャーを含めた関係者とどのように関わり、成果を最大化するのか」を考える必要がある。

つまり、上司や関係部署もうまく巻き込む力を含めて、自分の仕事に誇りを持ち責任を全うすべきなのだ。

ホワイトボードの前に立つ

ホワイトボードの前に立つとは、ファシリテーターとして議論のリーダーシップを取ることを示す。つまり、リーダーとして象徴的な行動だ。

ファシリテーターには、以下のような役割がある。

・ 参加者の意見をまとめて議論のポイントを明確にする
・ 議論が停滞した際に前に進むためのきっかけを作る

中立的な立場を保ちながら意見に向き合う必要があるため、難易度は非常に高い。

しかし、スキル不足でも積極的にファシリテーターの役割に挑戦することで、スキルや経験値の差を強烈に意識させられ、リーダーとして成長できるのだ。

企業が求めるのは、どの場所・環境でも通用する「リーダーシップのある人材」

リーダーシップの有無は、あらゆる企業の採用基準として重要な項目だ。

リーダーシップがある人は、人や会社に頼るのではなく、自分の力で状況を変えていけるだろう。

ビジネスに限らず、自分の人生をコントロールできるリーダーシップのある人は、企業が本当に求めている人材だ。

そして、今の日本にとって必要とされる人材像である。ぜひ、自らのキャリアを切り開く意味でもリーダーシップを意識してみてほしい。

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