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SaaSエンジニアに転職するには。必要なスキルや仕事内容、転職のコツを解説

SaaSエンジニアは、SaaS(Software as a Service)サービスの設計や開発、運用、保守を行うエンジニアのことです。

クラウド上で使用できるソフトウェア「SaaS」は近年注目されているサービスであり、国内市場は急拡大しています。

新たにSaaSの開発や運用、導入を始めた企業も多く、さまざまな企業でSaaSエンジニアの採用を積極的に行っている傾向です。

そこで本記事では、SaaSエンジニアの仕事内容や必要なスキル、転職を成功させるポイントについて解説します。

今後SaaS業界のエンジニアとして働きたいと考えている場合は、ぜひ本記事を通して業界や職種の特徴をつかんでみてください。

SaaSエンジニアの仕事内容

SaaSエンジニアとは、SaaS(Software as a Service)の開発、運用、保守を担当するエンジニアのことです。

そもそもSaaSとは、クラウド上で使用できるソフトウェアであり、ユーザーは必要なときにいつでも、どこでも利用できます。

SaaSエンジニアは、ユーザーからの要望やフィードバックを踏まえつつ、サービスの機能や性能をよりよくするために設計、開発、運用、保守を行うのが主な仕事です。

SaaSエンジニアの具体的な仕事内容は、大きくフロントエンドとバックエンドの2つに分けられます。

ここでは、フロントエンドとバックエンドそれぞれの仕事内容について詳しく解説します。

フロントエンドの開発・運用・保守

フロントエンドでは、ユーザーの目に見える部分であるインターフェース(UI)の設計や開発を行います。

UIはユーザーがシステムを操作するためのボタンやフォーム、ナビゲーションなど、使いやすさに関わる要素です。

これらUIを最適化するために、HTML・CSS・JavaScriptなどを使用して、Webページやアプリケーションの見た目や動作を設計します。

フロントエンドエンジニアの大きな目的は、「ユーザーがシステムをより簡単に・ストレスなく使えるようにすること」です。

レイアウトやデザイン、動作などを最適化し、ユーザーの使いやすさや体験を向上させるためにさまざまな施策を施します。

バックエンドの開発・運用・保守

バックエンドは、ユーザーからは見えない部分=サーバーサイドの設計や開発に携わります。

PHP・Ruby・Pythonなどの言語を使用して、API(Application Programming Interface)の実装、データベースの設計や管理、アプリケーションのロジックの開発などを行います。

また、不具合の修正や新機能の追加、保守などもバックエンドの役割です。

バックエンドエンジニアの主な目的は、「システムやアプリケーションが安全かつ安定した状態で動作するのを保証すること」です。

これらの役割を果たすには、パフォーマンスやセキュリティ、拡張性、データの整合性など幅広い知見を保持する必要があります。

SaaSエンジニアに必要なスキル

SaaSエンジニアに必要なスキルは、以下の通りです。

  • プログラミングスキル・開発スキル
  • 問題解決能力
  • コミュニケーションスキル
  • 変化への対応力

プログラミングスキル・開発スキル

SaaSエンジニアとして活躍する上でベースとなるのが、求められるものを作り出せる高い技術力です。

SaaSの開発や運用をするにあたっては、プログラミング言語を使用します。

JavaScript・Python・Ruby・Javaなど、少なくとも1つのプログラミング言語を熟知している必要があります。

また、データベースの設計や管理、APIの実装、アプリケーションのロジックなどバックエンドの経験が求められることもあるようです。

なお、このような開発スキルを駆使して開発を進めるには、クラウドインフラストラクチャやセキュリティなどの知識も欠かせません。

企業によって必要とされる能力はさまざまですが、いずれの場合でも高いプログラミングスキル・開発スキルは不可欠だと言えます。

問題解決能力

SaaSエンジニアは、相手の意図や要求を読み解った上で問題解決をするスキルが必要です。

SaaSエンジニアは業務のなかで、ユーザーから問題や要望の報告を受けることが多々あります。

そのときには、報告された問題やエラーの内容を正確に理解し、原因を特定するために分析を行う必要があります。

問題が発生した状況やタイミング、関連するシステムなどを把握し、問題の本質的な原因を素早く突き止めることが大切です。

技術的な知識や経験を活かしながら、問題を解決するための最適な方法を考え出し、実行に移す必要があります。

コミュニケーションスキル

SaaSエンジニアは、チームメンバーや顧客とコミュニケーションを取ることが多いため、コミュニケーション力が必要です。

技術的な課題や解決策について、顧客や外部の協力者にわかりやすく説明する必要があります。

また、ほかのエンジニアメンバーの成果物に対してフィードバックを提供し、協力して問題を解決するシーンも少なくありません。

このようにSaaSエンジニアは、技術スキルだけでなく、コミュニケーション力があることでチーム全体のパフォーマンスが高まり、結果的にプロジェクトの成功につながります。

変化への対応力

変化の激しいSaaS業界で活躍するには、柔軟な対応力が欠かせません。

SaaS業界は変化が激しく、あらゆる企業が次から次へと事業拡大や新事業の立ち上げを進めています。

また、使用しているIT技術の進化スピードも早く、新たな技術や製品が次々と登場しています。

そのためSaaSエンジニアは、常に新しい情報や競合の動きをインプットしつつ、状況に合わせて柔軟に対応できる力が欠かせないのです。

逆に、新しい情報を入手しなければ業界の変化についていけず、十分な成果を出すことができません。

SaaS業界で長く活躍したいのであれば、IT業界の情報はもちろん、あらゆるSaaS企業の新サービスや取り組みの情報をインプットする必要があります。

SaaSエンジニアの魅力

SaaSエンジニアの魅力は、以下の通りです。

  • スキルを伸ばしやすい
  • 長期にわたってプロジェクトに携われる
  • 業界全体の将来性が期待できる

スキルを伸ばしやすい

SaaSエンジニアは、自身のスキルを伸ばす機会に恵まれているのが魅力の一つです。

SaaSエンジニアは、あらゆる業界や分野のクライアントのニーズに応えるソフトウェアを開発するため、その業界や特定分野の知識を習得する機会があります。

例えば、医療業界向けのソフトウェアを開発する場合、医療業界の知識やトレンドなどを習得することが可能です。

また、SaaSエンジニアが使用している技術やツールは常に開発や改良が行われているため、自分自身も新しい技術やツールを学ぶことができます。

このように業務のなかでさまざまな顧客や技術に触れることで、成長と学習の機会を得られるのはSaaSエンジニアの大きな魅力だと言えます。

長期にわたってプロジェクトに携われる

SaaSエンジニアは、ほかのITエンジニアと比べて長期にわたってプロジェクトに携われるのも魅力です。

SaaSエンジニアは、ただサービスを設計・開発して終わりではありません。

開発後も、断続的に顧客が抱える課題を解決しながら、「顧客がシステムを通して安定的に売り上げを得ること」に貢献しなければいけません。

顧客の意見やフィードバックをもとに、新しい機能やサービスを追加したり、ユーザーエクスペリエンス向上のための工夫を施したりと、さまざまな施策を行う必要があります。

これらの施策がうまくいけば、顧客からの嬉しいフィードバックや感謝の言葉を得られるなど、やりがいを感じることができます。

また、クライアントから評価された際には、チームメンバーと成果を共有できるのも魅力の一つです。

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業界全体の将来性が期待できる

SaaS業界全体の成長が著しく、将来性が期待できる点も魅力です。

SaaS業界レポート2022」によると、国内SaaS市場のCAGR(年平均成長率)は依然として高水準の約12.5%を維持しています。

SaaS市場規模は、2026年には2020年度実績の2倍以上となる1兆1,700億円まで成長すると予測されています。

このように、企業のデジタル化、DX推進が加速するなかでSaaS提供へ新たに乗り出す企業が増加し、SaaS業界の注目度は高まっているのです。

このような将来性のあるSaaS業界の専門エンジニアとして働き、スキルを磨いておけば、今後さまざまな場面で重宝されることは間違いありません。

SaaSエンジニアの厳しさ

SaaSエンジニアはさまざまな魅力ややりがいがあるものの、一方で厳しい面も存在します。

1つ目は、競争的な市場で勝負しなければならない点です。

クラウドベースのソフトウェア開発は非常に競争が激しく、優れたサービスを提供するためには常に最新の技術を学び、競合他社と比較して優位性を持つことが求められます。

技術者視点だけでなく「どうしたら顧客の問題が解決できるのか」「なぜその要望が発生するのか」などの広い視点でシステム開発、運用にあたることが欠かせません。

また、クラウド技術は常に進化していて変化が著しく、SaaSエンジニアは新しい技術やトレンドについて、常に学習を続ける必要があるところも難しさだと言えます。

2つ目は、SaaSエンジニアの業務は非常に大きな責任を負っている点です。

SaaSは顧客のビジネスプロセスや業務を支援するシステムであり、顧客にとって重要な役割を果たしています。

顧客がSaaSサービスを24時間365日いつでも利用できるように、システム監視、自動障害復旧機能の実装などを行う必要があります。

また顧客の大切なデータを扱うからこそ、データのバックアップ、データの暗号化、復元などさまざまなセキュリティ対策を講じなければなりません。

このように、セキュリティの保持やサービスの可用性が確保できていないと、サービスの正常な運用を維持できず、顧客の信頼を崩してしまいます。

SaaSエンジニアの年収

SaaSエンジニアを含むクラウドエンジニアの平均年収は「598万円」であり、日本の平均年収と比較すると高い傾向にあります。

全体の給与幅としては380〜1,017万円と比較的広いため、勤務先や経験、保持している専門性によって差があることがわかります。

入社してすぐは年収が上がらなくても、SaaSエンジニアとして専門性を磨きキャリアを積めば、さらに年収アップも目指せる業界です。

参考:クラウドエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)

SaaSエンジニアのキャリアパス

SaaSエンジニアのキャリアパスとしては、主に以下3つの方向性があります。

  1. スペシャリストを目指す
  2. ジェネラリストを目指す
  3. ほかのエンジニアにキャリアチェンジする

特定分野の専門性を活かしたスペシャリストの場合は、SaaSサービスの設計やアーキテクチャを策定する「ソフトウェアアーキテクト」、セキュリティに特化した「セキュリティエンジニア」などが挙げられます。

幅広い知識と経験を持つジェネラリストの場合は、プロジェクトのスケジュール・品質管理を行う「プロジェクトマネージャー」や、プロダクト戦略の策定などを行う「プロダクトマネージャー」などがあります。

また、SaaS業界での経験を活かして、別分野のエンジニアになることも可能です。

例えば、データベースエンジニア、ネットワークエンジニア、セキュリティエンジニアなどが挙げられます。

このようにSaaSエンジニアは、自身のスキルや経験に応じてさまざまな方向にキャリアを歩むことが可能です。

SaaS業界のエンジニアへの転職を成功させるには

SaaSエンジニアは幅広く募集があるものの、転職難易度は決して低いとは言えません。

SaaSエンジニアへの転職を成功させるために、以下のことを実践してみてください。

  • SaaSのビジネスモデルを正しく理解する
  • その企業のサービス・顧客を理解する
  • 転職理由を明確にする
  • 転職エージェントを活用する

SaaSのビジネスモデルを正しく理解する

SaaS企業へ転職するにあたっては、まずSaaS業界特有のビジネスモデルを正しく理解する必要があります。

一般企業は基本的に売り切り型の商品やサービスを提供するため、売り上げを増やすには新規顧客を獲得し続けることが重視されます。

一方SaaSのビジネスモデルは、顧客が商品やサービスを購入するのではなく、一定期間利用できるサービスに対して料金を払う「サブスクリプション」の料金体系が基本です。

そのため、新規顧客の獲得以上に「顧客が自社サービスを長期にわたって利用してもらうこと」を重要視しなければなりません。

「いかに解約率を下げながら、導入後の顧客フォローができるか」が、売り上げを作り続ける上で重要なのです。

ユーザーの長期利用を促すには、SaaSエンジニアが顧客の声をくみ取り、日々サービスの改善を繰り返す必要があります。

このようにサービス導入からアフターフォローまで一貫して対応する点が、SaaS企業ならではの特徴です。

その企業のサービス・顧客を理解する

一口にSaaS企業といっても、そのサービス内容やターゲットとする顧客は大きく異なります。

応募先を決める際には「その企業が提供しているサービスの特徴は何か」「競合と比較したときの強みは何か」「誰をターゲットにしているのか」などを分析するようにしてください。

多くのSaaS企業では、採用するにあたって「方針に共感しているか」「提供しているサービスに想いはあるか」を重視している傾向にあります。

サービスや顧客の特徴を深く理解した上で思いや共感、入社への熱意を伝えられれば、選考で高評価につながる可能性が高まります。

転職理由を明確にする

SaaSエンジニアに転職するにあたって、面接選考などで頻出の質問である「転職理由」を明確にするようにしてください。

SaaS業界は注目度が高いこともあり、転職を目指す人も数多くいますが、転職対策が不十分で転職理由もあいまいだと評価されません。

明確な転職理由を作るにあたって、まずはこれまでの経験を整理し、「どのような業務に従事したか」「どのような成果を出したか」を洗い出してみてください。

そして、洗い出したスキルや経験を客観的に評価し、自分自身の強みとして売り込めるポイントを考えた上で「志望先企業にどう貢献できるか」を明確にしていきます。

このように、志望先企業の方針や特徴を理解した上で、「入社後にどう活躍できるのか」を明確にアピールすることが重要です。

転職エージェントを活用する

SaaS業界は注目度が高い業界であるため、転職市場にはライバルが多く、競争が激しいのが特徴です。

SaaSエンジニアの求人数は多いものの、応募には優秀なエンジニアが集まる傾向が強く、入念に対策をしないと転職が難航するかもしれません。

こういった傾向からも、SaaS業界への転職成功を目指すなら転職エージェントの利用がおすすめです。

転職エージェントにはSaaS業界に精通したプロのアドバイザーが在籍しており、業界の最新情報や採用傾向、気になる企業の特徴を共有してくれます。

過去の採用データも多数保有しているので、「採用にあたって重視されるポイントは何か」「これまで採用された人はどのような特徴か」などの情報を入手することが可能です。

ほかにも転職エージェントでは、以下のような支援を受けられます。

  • キャリア面談
  • 求人紹介
  • 履歴書・職務経歴書の添削
  • 面接練習
  • 面接日時調整の代行
  • 年収交渉の代行 など

転職エージェントでは上記のような細やかなサポートが受けられるので、自分一人だけで対策をするよりも効率よく転職活動を進められます。

SaaS企業の最新情報やトレンドを知りたい人や、SaaS業界へキャリアチェンジをしたい人は、ぜひ転職エージェントを活用してみてください。

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