メガバンクから人材業界へ。法人営業という新たなフィールドでの挑戦
大学を卒業後、メガバンクへ新卒で入社し、支店異動を繰り返されながら、個人営業を担当されていた吉岡様。しかし、個人営業のスペシャリストとしてのキャリアに違和感を覚えるようになり、自身のキャリアを考え直したと言います。
インタビューではコロナ禍に翻弄されながらも転職活動に踏み切った経緯や、個人営業から法人営業へとフィールドを変え、試行錯誤しながらも楽しまれているご様子について伺いました。
順調だったキャリア。ワーホリの抽選に外れたことが転職活動のきっかけに
――まず就職活動で前職のメガバンクへ入社された背景を教えてください。
私は学生時代にサッカー部のマネージャーをしていた経験から、人を支える仕事がしたいと思っていました。人を支えることを就職活動の軸と考えた時に、お子様からおじいちゃんおばあちゃんまで幅広い人たちを支えられるという理由から金融業界を選びました。
金融業界の中でも銀行を選んだ背景は、保険会社だと保険しか売れない、証券会社だと証券しか売れないという制限がありますが、銀行の場合は提案の幅が広いと考えためです。さらに最終的には、信託銀行もあるメガバンクへの就職を決めました。
職種としてはエリア総合職を選びました。メガバンクへの就職だったので、全国津々浦々に支店がありましたが、主要都市以外で働くということを考えられなかったため、エリア総合職を選択しました。
――なるほど、それでは総合職を選んだ背景を教えていただけますか。
私自身、事務職で就職するイメージが全くありませんでした。
今まで活発にいろいろなことに挑戦してきていて、今後も様々なことに挑戦していきたいという気持ちがありました。そのため、ずっとデスクに座って事務作業をするというのは自分にあっていないだろうと思い、総合職を選びました。その中でも営業職を強く希望していました。
――前職の業務内容やミッションはどのようなものでしたか。
3回ほど支店を異動しましたが、基本的にはずっと個人営業を担当していました。主なお客さんは地主でした。
主な業務内容は、金融商品の販売を行っていました。ある程度実績ができてからは、幅を広げて住宅ローンなども扱っていました。最後の支店にいた時は、マネージャー代理に近いポジションも担っていました。
――日々仕事をしていく中で何がきっかけで転職を考えるようになったのですか。
きっかけは、行内で個人営業のスペシャリストを育成する選抜に選ばれたことがきっかけです。この選抜は20名程度しか選ばれないもので、約半年の育成期間を経て、個人営業のスペシャリストとしてキャリアを歩むというものでした。
選抜に選んでいただけたことはもちろん光栄なことで、断る理由はなかったのですが、ある時、「このまま行くと私は多分個人営業のスペシャリストとして生きていくしかなくなるな」ということに気づきました。そこで自分のキャリアを見直そうと考えました。
このまま銀行員としてキャリアを歩んでいく前に、20代のうちに1回海外へ行こうと思い、イギリスへのワーホリへの挑戦を決めたのが2019年でした。
イギリスへのワーホリ実現に向けて、一人暮らしの家を引き払い、実家へ戻ってワーホリ資金を貯めていたのですが、ちょうどその時期にコロナが蔓延し始めて、様子を見ることになりました。
コロナの終息を待っていたものの1年経っても状況は良くならず、それであれば海外には行けないけど、より外の世界を見てみようと考えて、転職活動を開始しました。
ワーホリの夢も諦めきれていませんでしたが、実現する目途も立たない状況だったため、転職活動も一緒に始めようという気持ちでした。
ワーホリの夢を抱きながらも転職活動をスタート
――それでは、転職はどのようにスタートさせましたか。
前職の銀行での仕事も好きだったので、絶対に転職がしたいという感じではありませんでした。しかし、他の仕事も見てみないとわからないから、やるだけやってみようという気持ちで、転職エージェントに登録をしました。
――前職のお仕事が好きな中で、なぜ外の世界も見なくてはいけないと思うようになったのですか。
個人営業で企業のオーナーさんを担当していた時に、事業継承などの話をする機会がありました。その時に法人営業もやってみたいという思いが芽生えたのですが、支店長にそれを伝えたところ、このまま個人営業のスペシャリストとしてやっていってほしいから、実現が難しいかもと言われました。
つまり、新しいチャレンジをしたかったけれど、それを実現できるキャリアパスが社内になかったのです。
その話を聞いて、ここでは自分の歩みたいキャリアが歩めないと気づき、他を見なきゃと思いました。
個人営業から法人営業へフィールドを変えて転職した背景とは
――これまでのご経験やご希望を考慮すると銀行の法人営業へ転職するのがスムーズだったと思いますが、なぜ業界を幅広く見たいと考えたのですか。
銀行という業界で実際に働いてみて、業界自体が衰退していくことを感じていました。さらに当時29歳だったので、20代のうちに金融業界以外で挑戦してみたいという思いがありました。
――転職活動の結果、3社内定を獲得されましたが、選考対策などはいかがでしたか。
すごく親身になって対策をしていただいたと思っています。「履歴書の写真を変更するべき」など自分では気づけないような細かい内容も含め、たくさんのアドバイスをいただきました。
また、面接対策の中で「結論を先に伝える」「言葉のゴミをなくす」というアドバイスが印象的でした。書類選考の段階でも甲斐さんのアドバイスで、履歴書に前職で工夫していたことや、実際にその工夫をどのように実行していたのかなどを記載したり、営業成績も全部書き出したりしました。さらに、その職務経歴書を元に、面接で聞かれそうな質問内容について一緒に対策してもらいました。
――3社内定を獲得されたなかで、現職の人材メガベンチャーへ入社するに至った経緯を教えてください。
現職へ入社する決め手となったのは、3点です。挑戦できる機会があること、人のためにサポートができること、そして未経験の法人営業を基礎からきちんと学べる育成環境があることです。
他に内定をいただいていた人材企業については、クライアントの中で常駐する営業スタイルであったため、会社の一員としてやっている実感がないのではと感じていました。
もう一社内定を頂いた別企業とは、本当に最後の最後まで悩みました。
ただ、事業の幅広さを比較したときに、現職のほうが幅広く事業を展開していたことが最終的な決め手となりました。事業の幅があることで、人材領域である程度キャリアを積んだのちに、他の領域へ移ってキャリアを歩むこともできると考えて現職を選びました。
未経験の法人営業での挑戦がスタート。同じ営業職でも悩んだ時期も
――現職の業務内容を教えてください。
昨年の10月に入社した当初は、ITコンサルティング部へ配属され、主にIT企業を担当していました。主に中小企業を20〜30社程度担当していましたが、今年の7月から大手企業のグループも兼任となり、今まで通り中小企業は担当しながら、先輩たちから大手企業に関する情報などを聞いていました。
10月からは大手企業のグループへ完全に異動して活動しています。
――実際に法人営業をしてみていかがですか。
ネガティブなことは1つもないのではないかというくらいポジティブにやっています。
とにかくお客さんと話すのは楽しいですし、今までと担当業界が全く異なるので、新しいことを学ぶのも楽しいです。ITの知識やエンジニアのことなど知らないことばかりなので、勉強の日々ですが、勉強するのは嫌いじゃないので楽しめています。
――転職活動を開始された当初から営業が面白いとおっしゃっていましたが、個人営業から法人営業になってもそれは変わりませんでしたか。
最初は悩む時期もありました。
個人営業と法人営業のやり方は違うと自分の中で決めつけていた部分があり、その部分で迷いや葛藤がありました。
前職の銀行で個人営業をしていた時は、営業活動の一環としてお客さまと雑談をすることも多かったのですが、入社当初は「法人営業はある程度決まったアジェンダがある中で進んでいくもの」というイメージが強く、雑談などはほとんどしていませんでした。
しかし、そのスタイルが自分にはしっくり来なくて、上司に相談したところ「今まで通りでいいんだよ」と言われました。それからは、冒頭数分間は導入として雑談をしてから本題に入るというスタイルに切り替えました。結果的に、法人顧客であっても雑談を入れるスタイルにしたほうが、お客様とグッと距離が縮まったという感覚がありました。
また個人営業では感じられなかったこととして、法人営業は決裁者が多く、意思決定をするまでのフローが長いため、その部分に難しさを改めて感じていますね。
その難しさを払拭するためにも、ミーティングに向けての下準備は、事前に綿密なすり合わせを行ってから臨むようにしています。
――現職に入社して、「自分の価値観と合っているな」と思う部分はどのような点ですか。
やはり、個を尊重してくれるところです。1on1の機会が多くあります。マネージャーやチームの先輩と毎週話をする機会があり、数字がなかなか出せずにつらい時も「大丈夫?」と連絡をくれるなどのフォローがあり、支えになりました。1on1の機会が多いことで、日々のモチベーションが保ちやすくなっています。
前職でも支店長が数字実績だけではなく、他の部分に対しても期待してくださっていたからこそ頑張れていた経緯もあり、これまでを振り返ってみると、苦しい時に誰かがいて、そこでモチベーションを取り戻して頑張り切った経験が多かったと気づきましたね。
今後、目指すキャリアとは
――今後中長期的にキャリアを考える中で、チャレンジしたいことはありますか。
今までとは違う戦いをしていかなければならないという部分で、大手企業の担当として頑張ってみたいというのが直近のチャレンジです。
――他の世界も見てみたいと思いながらの転職でしたが、その思いは転職を通して実現することができましたか。
できました。転職前は本当に井の中の蛙で、狭い世界で生きていたのだと本当に思いました。
たとえば、細かい部分ですが、固定電話がないことや、出勤しなくてもいいこと、フルフレックスで自由な働き方ができる点、中途入社の方が多くさまざまな価値観がミックスされている環境など全てが、私にとって新しい環境です。関わる人や自分自身の考え方が大きく変わりました。
さきほど1on1の機会が多いとお話ししましたが、そのような点も含めて前職のときよりも、ベクトルがより「人」に対して向いているなと強く感じています。
私は人と話していく中で関係性を深めていくことに充実感や満足感を感じる性格だからこそ、今の環境は私の性格にマッチしていて、自分自身を高められていると感じています。
今後は、前職の金融業界での経験を活かして、金融や経済という面からのアプローチもできたら、よりたくましくなれそうです。
――新しい挑戦を楽しまれているご様子を伺えて、安心しました。 本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。
ASSIGN
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