大手化粧品メーカーからマーケティング企業へ。介在価値と成長実感を求めて、目指すキャリアへの葛藤と挑戦
大手化粧品メーカーからマーケティングリサーチ企業へ転職を果たした久保さん。
元々好きだった顧客行動の分析を基に実績を積み上げられてきた中で、ご自身の介在価値や成長実感に疑問を抱き、転職を決意。
しかし、転職活動を始めて間もない頃は自身の軸を見つけるのに苦労されたと言います。
転職活動を通して再認識したご自身の強みや、それを活かした現職でのご活躍についてお伺いしました。
自信のなさから化粧品業界へ。日本各地で順調なキャリアをスタート決めた背景
――ご支援させていただくことになった当初もおうかがいしましたが、まずは前職の入社理由から確認できればと思います。新卒時、大手化粧品メーカーに入社しようと決めたのは何故でしょうか。
理由としては2点あります。
一つは、大学時代に所属していたフィールドホッケー部の出身者が少ない業界にしたいと考えていたこと。
もうひとつは、商材である化粧品の価値に共感したためです。
元々、私はあまり自分に自信がない性格で、その中で髪形など外見を整えることで気持ちが変わることは実感していました。そのため、外見へ与える影響力の大きい化粧品という商材に関わることはやりがいに繋がると感じました。
そのため、新卒時は化粧品大手を中心に受けていました。
最終的に大手化粧品メーカーで働こうと決めたのは、ありきたりな言葉になってしまうのですが、人柄に惹かれたためです。選考が進む中で、社員さんの話し方や学生に対する態度などから誠実さを感じ、私もそのような人になりたいと思い、入社を決意しました。
――前職の主なミッション、業務内容は、どのようなものでしたか。
当時の業務内容としては、営業職としてチェーンドラッグストア等に対して自社の化粧品の売り場提案、販促施策の提案を行い、売り上げ拡大の店頭活動を行っておりました。
最初は新潟配属となり、県内に120店舗ほどあるチェーンドラッグ企業を担当しました。その後、大阪へ移動し、比較的規模の大きい化粧品専門店を10店舗ほど担当しておりました。
良い商品だからこそ感じた、介在価値と成長実感への不安
――初めてお会いした時はとても忙しそうでしたね。
充実した日々を送る一方で、漠然と自分自身の介在価値と成長実感に対する不安も浮かんでいました。
店舗に対して提案活動を行い、売り上げが上がったときの喜びはありましたが、全国的なプロモーションと自社商品のブランドが確立されている中で、どこまで自分の提案が影響を与えられているのかという不安がありました。
同時に成長実感についても、自分自身の介在価値による結果が見えない中で、実力として何が積み上がっているのか見えづらい状況でした。
――販促施策はある程度、型が決まっていたのでしょうか。
私が担当したところは割と裁量をいただくことができていました。
その中で、自分なりに工夫を凝らした営業施策は行っていました。
売上データの分析を行い、その地域の特性……例えばどんな年代の来店者が多いかなどを叩き出して、売り出したい商品や配置も全て店舗ごとに変えていました。また、実際に店頭の販売員とコミュニケーションを取りながら、オリジナルの販促物の企画などもしました。
年収ではなく、本当に成長できる企業への挑戦
――かなり大きな実績も出されていましたよね。そのような中で、転職を決意したのは何故だったのでしょうか。
2つありまして、20代のうちに新たなチャレンジをしたいと考えたのが一つです。当時は27歳でしたが、30歳を超えてから新しい環境に挑戦するのは難しいのではないかと感じており、キャリアチェンジをするならば今しかないと思いました。
もうひとつは、漠然と不安を感じていた中で、マーケティング領域に興味を持ち始め、実際に本を読んで知見をつけ始めた時期だったからです。その中で得た知見を早いうちに活かせる仕事がしたいと考えていました。
年収も下がることは覚悟していました。正直にお伝えすると、最初はやはり現年収をキープしたいと思っていましたが、転職活動を始めて市場価値などの観点を見るようになってからは、足元で叶わなくても実力をつければ後から付いてくるのではないかと考え方を変えました。
――年収についてはなかなか気づけない方が多いですが、中長期で捉えられたのは素晴らしいですね。その他に転職活動を始めるにあたり、何か不安に感じることはあったのでしょうか。
一番不安だったことは、企業選びの部分です。
自分自身の経験をきちんと棚卸しして言語化し切れていないところがありましたので、正しくキャリアを選べるかどうか、そのような部分の不安感はありました。焦りもあって、一つの軸や業界に絞り込むというより、色々な会社を受けていましたが、なかなか思うように進んでいきませんでした。
そのため、複数のエージェントの方の話を聞きながら、どのような軸で進めたらいいか迷っていました。
――その中で、私に任せいただけた理由はどのようなものがありましたか。
私の経験や思いを聞いてくださって、軸を一緒に考えながら進めていただいたのが一番の理由です。
過去の判断軸について、前職の経験や大学時代から遡ってヒアリングしていただいて、改めて自分の価値観を整理することができました。振り返っても、一番任せて良かったなと思います。
本当に目指したいキャリアへ。転職活動を通じて軸を再確認
――嬉しいです。実は、久保さんには以前もインタビューをさせていただいたことがありますよね。その際、転職活動中に私が「任せてください。絶対に転職できます」と言ったのを頼りにしてくださった、とお話しいただいたと聞きました。
そうです。
宗万さんと初めてお話ししたときは、企業選びや転職軸をどうするか一番苦戦していた時期でしたので、すごく心に残っています。
実際に、企業選定まで何度も話を聞いてくださいましたし、選考に対してまだ詰め切れていないポイントのご指摘など本当に時間を割いていただいて、熱量を持ってサポートしていただきました。
客観的に私の経験などを棚卸ししていただいて、最適な提案をいただけたところも、他のエージェントの方と比べて感動するポイントでした。
――当初、私と会う前にも転職活動をしていたと思います。そんな中で、エージェントという存在に期待していたことはどのようなことでしたか。
一番は、適した求人を紹介いただけるか否かです。いただいたところに対する自分自身の納得感は大事にしていました。
ただ、自分でキャリアの棚卸をして、整理した上で進めていたつもりではありますが、選考を進めるうちに、通りやすい業界や職種に寄ってしまうことがありました。
というのも、最初はマーケティング系の企業を受けていたのですが、なかなかご縁がなくて、化粧品系の企業などに寄っていたタイミングがあったんです。どうしても自分一人だと不安や焦りから、単純に前職との親和性で転職しようと考えてしまうことがありました。
軸がぶれそうになっていた時に、宗万さんが軌道修正してくださり、そのおかげで価値観に合った企業から内定をいただくことができました。
選考対策から見えた自分自身の強みと弱み
――前職もとても良い会社ですが、年収などを全て捨ててもキャリアを前に進めたいとお話があって、その辺りから本気だと感じたのを覚えています。だからこそ向かうべきキャリアにしっかり進んでいただきたいと思っていました。かなり何度も選考対策をしたと思うのですが、いかがでしたか。
本当に何度もしていただきました。
それまでは模擬面接などの面接対策をして挑んだことがなかったので、選考に通過しなかったときに自分自身の経験との不一致なのか、伝え方の問題なのかについて振り返りできないまま進んでいました。
自分自身の課題整理として、どこが悪いのかについて整理していただき、面接対策をしていただいて、非常によかったと思います。
選考対策を通して、私の課題は「考えすぎてしまう」ところだと理解しました。質問とアウトプットの内容は合っていても、考え過ぎて話が長くなり、伝えたいことを伝え切れずに終わってしまっていたんです。
結論ファーストで話す練習を行い、コミュニケーションスタイルから見直しました。現職ではこちらがスタンダードですので、真逆だなと思うと同時に、慣れておいて良かったと感じています。
また、自分自身の棚卸しも、まだ腑に落ちていないところがありましたので、改めて対策いただきました。
――そうでしたね。いろいろな業界を受けていたところから、強みを生かしてキャリアに一貫性を持たせた方が良いとお伝えしたときの納得感はいかがでしたか。
私の過去から遡って整理した上で出していただいた内容でしたので、非常に納得感はありました。
前職でも分析の仕事をしていまして、消費者行動などにはとても興味がありました。消費者がどのような行動するのか分析を行うことが好きですので、販促などは実際とても結果が出ていました。
そのような強みを生かしキャリアを作っていこうと方針を確認し、改めて棚卸しを行いました。今までは伸びている業界に行ったほうがいいなど、いろいろな人から様々な提案をされて、棚卸の内容が少しぶれていたんです。そういったものを全て取り除いて、この道だという感じで行いました。
転職で掴んだ「自己成長」
――転職活動を通して、自らの価値観について、気付きなど何かありましたか。
正直にいえば、転職を考えるまで自分の価値観というものを考えたことがありませんでした。
目の前の業務に集中してずっと走り続けていたので、なかなか自分の仕事について見つめ直す機会もなかったと思います。
転職活動を通して改めて考えると、前職の仕事内容は私に合う部分と合わない部分の両方がありました。前職はパートの方などとのコミュニケーションが多かったですが、個人的にはやはり分析のような仕事を極めていきたく、ギャップは感じていました。
――そのような中で、現職に入社を決めた理由は何だったのでしょうか。
最後の決め手としては、やはり自分が成長できるか否かでした。
もともと転職を考え始めたきっかけが介在価値を高めるためにどのようにすればいいかということでしたので、最も自分自身のスキルを磨くことができる企業に行きたい、ということが判断軸としてありました。
――なるほど。それでは現職での主な業務内容をあらためて教えていただけますか。
現在の業務内容としては、マーケティングリサーチ会社の営業職として、大手日用品、食品メーカーを担当しています。
マーケティング部門の方とやりとりをして、課題などをヒアリングしながら自社の保有データや新規調査を実施して解決に導く提案を行います。
一番多い内容としては、自社のユーザーの把握があります。メーカーは売り上げの結果は分かりますが、どのような買い方により現在の結果になっているのか、誰が買っているのか見えない部分があります。そちらに対して相談をいただくケースが多いです。
また、商品企画前のタイミングや上市後の振り返りの際に、次の戦略を考える上での検討材料として相談いただくこともありますね。企画段階から話を聞くこともあれば、その後4Pの策定のところで相談いただくこともありますし、様々なフェーズでお声がけをいただいています。
働きはじめて1年3か月ほどになりますが、難しさを感じる一方で、成長を実感することも非常に多い環境です。
――どのようなところに難しさを感じますか。
難しさで言うと、大きく2つあります。
1点目は、マーケティングの専門性です。ほぼ未経験からの挑戦ですので、業務内容のギャップにはまだ慣れないことも多いですね。
2点目は、コンサルティング的な要素です。無形商材になりますので、ヒアリングを行いながらお客さまの課題を整理して、その上で、提案をカスタマイズして作っていきます。これまでの経験にあまりないことでしたので、日々難しさを感じます。
また、大手メーカーのマーケティング担当者の方が私より経験が長く、優秀な方が多いです。そういったクライアントと定期的にやり取りをしながら案件を進めていきますので、勉強になることばかりです。
目指すキャリアのために。足元と今後の展望
――ありがとうございます。質問が変わりますが、中長期的にキャリアを考える中で、今後どのようなことにチャレンジをしていきたいですか。
少し漠然としたところにはなりますが、クライアントが言語化できていないような課題、把握し切れていない課題に対して、自分自身が課題の発見から戦略の構築までを一気通貫してサポートできるようなポジションに就けるよう努力していきたいと思っています。
そのために現在は、営業としての数字を追いながら、相談いただいた案件に対して提案できる幅を広げようと粉骨砕身励んでいます。
今後のキャリアとしていくつかパターンがありますが、現在は専門性を高めていきたいと考えています。リサーチャーもそうですが、自社データ以外に企業が抱えるデータをいただき、分析して結果を提供するようなアナリストも視野に入れています。
キャリアの選択肢を広げるためにも、まずは営業の数字を追っていきたいですね。
――転職して1年すこし経ちましたが、キャリアという観点で、良い道に進んだ感覚はありますか。
はい。一切後悔もしていませんし、本当に転職してよかったと思います。
転職の際に課題として感じていた自己成長、介在価値の部分が解決に向かって進んでいるという実感がありますし、何よりこの仕事が好きです。今は、全てのリソースを仕事に注ぐことができるようにしています。
――初めての電話のときから、その熱量を感じていました。今後のキャリアや働き方について、またいつでもご相談いただければと思います。
ありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
ASSIGN
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