大手保険会社からM&Aアドバイザーへ転職。1年目から複数案件をリード

大手保険会社からM&Aアドバイザーへ転職。1年目から複数案件をリード
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右:池田さん
左:宗万周平(アサイン)

慶応義塾大学を卒業後、損害保険ジャパン株式会社に新卒で入社し、チームで社長賞を受賞するなどすばらしい成果を残していた池田さん。確実に昇進ルートに乗っていたものの転職を決断し、難易度の高いM&A企業への入社を決めました。

業界未経験からM&A業界へ入社できた背景や、M&A企業での仕事内容・内部の人だからこそわかる業界事情についてうかがいました。

新卒で損保ジャパンに入社。社長賞受賞など順調なキャリアのスタート

–まずは、前職についてお伺いします。損保ジャパンに就職を決められた背景についてお話を伺いたいです。

元々大学ではサッカーサークルに入っていて、先輩方に金融系が多かったことがきっかけです。そこで、3年生のときに前職の保険会社のインターンに参加したのが、前職に就職を決めた大きな理由です。

また、大学のゼミでプレゼンやディベートを頻繁にするなかで、人と喋って相手を動かしたり、逆に対話の中で相手から学ばせてもらったりするような職種がよいと感じました。

そこで金融業界の保険会社であれば、業務の中で保険代理店側と対話し、行動させるコンサルのような経験も実現できると考え、前職への入社を決めました。

–前職での池田さんの主なミッションや業務内容は何でしたか。

入社して1年は本社に配属され、約款を作ったり、保険契約時の引受に関するアンダーライティングの業務をしたりしていました。

そして2年目からは、本社から支社へ異動し営業に入りました。

営業では、保険代理店に対して自社商品の魅力を伝え、より多く取り扱ってもらうための商談をこなしたり、代理店への営業戦略の提案など行っていました。

–前職では、社長賞を受賞したとおうかがいしています。社長賞の受賞となると高い結果が求められると思いますがどのような結果を残されたのですか。

当時40人ほどいた支社の中から選抜された4人チームの1名として成果をあげ、社長賞を受賞しました。

そのチームでは、大手スーパーの各店舗に付保する保険契約を獲得するべく営業活動をしていて、大手他社保険会社と契約を競い合っていた状況でした。

元々は競合の代理店が保有していた契約だったので、契約の切り替え提案になるのですが、「自社で契約するメリット」「現契約のままであることのデメリット」を整理してお伝えする形でクライアントへ提案しに行きました。

1年目に本社勤務していた際に培った知識や本社人員とのコネクションも活用しながら、繰り返し提案を実施したことがクライアント企業に刺さり、結果、保険料として約3,300万の契約を獲得できました。

その結果、チームでの社長賞を受賞することになりました。

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キャリアの停滞感を感じ、転職を決意した背景

–前職で感じていたキャリアにおける課題感は何でしょうか。

営業現場を2年ほど経験し、3年目に入ったあたりから「ずっと同じことをやっている」という感覚がありました。日々の業務の中で新しい知識・経験を吸収する機会が減ったなと。

漠然とした停滞感を感じ「何か新しいことに踏み出した方がよいのでは」と思ったのが転職のきっかけです。

少なくともその後1〜2年は異動がないとわかっていた中でしたので、ずっと今のままの環境に留まることへの焦りがあったのだと思います。

年次を重ねキャリアを積めば、もちろん役割は増え、マネジメントする人数は増えていきますが、基本的には1営業マンとしての業務内容に大きな差はありません。50歳を超える営業マンでも、当時の私と変わらない業務をこなしている状況でした。

自身のキャリア形成を考えた時に、業務の広がりのなさや先の見えない停滞感に不安を抱えていた部分は正直ありました。

–実際に大手企業だと、組織が成熟していて業務の幅が出ないことや、挑戦する機会がないことが原因で、キャリアへの課題を感じる方も多い傾向です。池田さんは社長賞を取り、本社に戻れるというルートが着実に整っていたなかで、なぜ転職を決意しましたか。

そうですね。

当時は、本社に戻りたい、という気持ちよりも「今何か全く新しいことに挑戦するほうが面白いんだろうな」という気持ちが瞬間的に高まってしまったことが大きいと思います。

–なるほど。前職で感じていた業務への不満はありましたか。

「不満」ではないのですが、これは自分に向いていないなと感じていたことはあります。

3年目からチームリーダーとして小さい単位ながらも組織のマネジメントするような役割が増えたなかで、その難しさを痛感していました。メンバーのなかには私のような全国転勤型社員もいれば、その地域ごとに採用された社員もおり、それぞれ評価されることへの考え方、受け止め方は様々です。新しいことに積極的に挑戦したい人、現状維持を望む人、自分で考え行動したい人、誰かの指示を待ってから動きたい人。

皆が同じモチベーションでは当然ないですし、業務に打ち込む姿勢は異なるのは当たり前です。それが悪いわけではないのですが、もっと刺激を感じる、高いレベルで切磋琢磨できる環境で挑戦したいと感じたのもまた事実です。

未経験からM&A業界への挑戦

–どのようにして転職活動をスタートされましたか。

そうですね。まず、複数社のエージェントからお話を伺いました。転職活動を一緒に進めるエージェントとの相性は大切だなと直感的に感じていましたし、ある意味で衝動的に開始した転職活動だったので、まずは色々な方にお話を聞いてみようと思っていました。

宗万さんの前に、お話させていただいたエージェントは、熱量を持って「一緒に頑張りましょうね!」という感じの方で、すごく良い方ではあったのですが、そこに少々ギャップというか、肌に合わないなと感じてしまいました。

そういったなかで、宗万さんはお話していて話のテンポが合うというか、淡々とロジカルにお話してくださったので、一番コミュニケーションしていて心地よいというか、そのスタンスが自分と合うなと感じたのでお任せすることにしました。

–確かによい意味でビジネスライクというか、池田さんが求めているものをお渡しするという感じだったと思います。では、エージェントの役割に期待していたことや、こんな情報が欲しいなどはありましたか。

そもそも転職活動を始めた頃は、業界も定まっておらず知識もなかった中で「なんとなくコンサルかな」という程度でした。

エージェント側は、企業の情報を具体的に把握されているので、客観的に見た時に自分に合った企業の提示や企業の詳細のところも教えていただけることを期待していました。

当時は、現職であるM&A業界なんて全く知らなかったですし、自力では今の環境はあり得なかったと断言できますね。

–就職活動に苦労する方も多いのですが、池田さんに対してはM&A企業の種類や各会社の特徴を踏まえて、企業ごとの傾向や見られるポイントをお伝えし、ディスカッション形式で対策していきましたよね。

そうですね。

面接自体は元々苦手意識はなく得意だと自負していましたが、それでも宗万さんに綿密に選考対策もやっていただいてよかったなと思っています。

–業界に特化したM&A仲介サービスに転職されましたが、最終的な意思決定の判断軸は何でしたか。大手のM&A企業などは選考を辞退されましたよね。

そうですね。書類通過後一次選考だけやりましたが、辞退しましたね。

現職に決めたのは、面談で部長とお話しするなかで「この環境であれば楽しくやれそうだな」というイメージが湧いたからです。

また、現職は現在もそうですが、面談時点でも企業としての成長フェーズにおいて今後ますます人員も増やし、事業も拡大していく、という過渡期でしたので、すぐに現場に出られる点や自分が裁量を持って案件を担当できる、という点も魅力でした。

あとは、最後の決め手としては、前職の保険会社に留まるこれからの2年と、転職して新しい環境に身を置く2年とを比較したときに、間違いなく転職したほうが充実した時間を過ごせるだろうと自分の中で断言できたので、現職への入社を決断しましたね。

キャリアの方向性と合致したM&A会社での経験

–現職のM&Aについてですが、今の業務内容を教えてください。

現職の業務内容としては、「自分の企業を売りたい」「事業を切り離ししたい」という売手様を発掘するところから、契約締結、譲渡実行のクロージングまで、全ての工程を一気通貫で担当させてもらっています。

1人の売手企業に対して、私たちアドバイザー1人が担当としてつくので、自分の独自案件という形で携われることとなります。

–案件の獲得方法はどのようにされていますか。

そうですね。基本的には、最初に企業様へDM・手紙を送るところからスタートになります。

そこから「譲渡やM&Aに興味があるのですが、」と企業側からインバウンドで連絡が来るケースもありますが、大抵はこちらから電話でのアプローチで案件の発掘を進めていきます。

「興味はないです」「今はまだ考えていないよ」の一言で終わってしまうことがほとんどですが、その中から「ちょっと話聞かせてよ」と発展させるのが私たちアドバイザーの力の見せどころです。

取引件数は「コロナ禍」「少子高齢化」「後継者不足」という外部環境と相まって飛躍的に伸びていますので、さらに需要が高まる業界だと感じています。

–本当に行き詰まって会社を手放したいという人もがやはり多いのでしょうか。

そうですね。ただ、「もう自力ではどうすることもできないから譲渡するしか道はないんだ」という事業者様というよりは、「これからの経営判断の中の1つとしてのM&A」というところから出発して、結果的に譲渡に踏み切る事業者様が割合的には多い印象です。

中には「今会社が上手くいっているから高く売りたい」という方もいらっしゃいますが、割合としてはごく一部ですね。

初回のご面談では、「事業の売却を検討するべきかわからない」という段階から、「事業売却、事業譲渡」という選択肢を具体的な1つの候補として持っていただく、意思決定のサポートまで行うことが目標です。

そもそもM&Aを知らない場合も少なくないので、「もう廃業しちゃおうかな」という相談に対して「いやいやもったいないですよ」という話でスタートするケースもあります。税制的な手残り金額という観点、従業員様の雇用を守る観点、利用者様へのサービス継続という観点、など様々な角度から、真に対話する事業者様にとって有意義な選択とは何かを一緒に考えていく作業です。

–池田さんは厳しい環境でシビアに数字を追っていくということに面白みを感じる方だと思います。そういった価値観にマッチしている企業にご支援させていただきましたが、実際に働いてみていかがですか。

自分の営業で出す数字を、前職より確実に意識していると思います。

前職の保険会社では、自分ではなく代理店側が取ってくる数字なので、どこか他人事でした。本当はそれでも自分事で動かなければいけなかったのですが、そこは自分の甘さだと認識しています。

しかし現職は、自分が動いてクロージングした数字が全て自分の営業成績となるので、営業成績に関する感度と責任感は高くなったなと思います。

私自身はそこを望んでいたところだったので、本当によかったなと。甘えられる環境だと甘えてしまうことは自分でわかっているので、あえて厳しい環境に身を置くことで少しずつでも変わっていくことが出来ていることを素直に嬉しく思います。

あと、周りの人間全員が転職組で、前職で何かしらのバックグラウンドをしっかり持っています。

それぞれ営業スタイルが全く異なりますし、それぞれが成功体験をもって当社に参画しているので、話しているなかでの刺激は確実に多いと思いますね。

–M&Aは世の中にある営業のなかで恐らく最も規模が大きいと思います。それこそ何千万・何億といったお金が動きますよね。「会社を売る」という業務を私はやったことないので、率直にどうでしょうか。

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やっぱり責任が大きいです。

右も左も分からず入社し、初めは戸惑いのほうが大きかったです。

でも、約1年間で6〜7件ほど件数を重ねるうちに、自分が思っていたゴールに着地できた案件もありました。

売手様からすると、自分が育てた子供のような会社を想いのある相手に引き継ぐという一世一代のイベントです。

そこの機会を私に預けてもらえるというのは、とても嬉しいですし、やりがいがあると思います。逆に、ご面談の中で自分の企業を預けるには足らないと、他社にご相談が流れてしまったこともあり、本当にシビアに自分自身を評価される業界だと感じます。

–「年次が上がってもやることが変わらない」という感覚があった前職と比較して、今の仕事は面白いですか。

面白いですね。

前職も現職も、会社の社長や経営者と話しているという点は変わりません。

しかし、前職では「代理店の営業マンが保険を売る」となるので、先ほどもお話しましたが、どこか他人事なような気がしていました。

でも今は、顧客への影響がとてつもなく大きい「自分の会社を売ること」をご支援する立場なので、責任ある言葉と態度でお伝えしないといけないなと常に感じています。

顧客の人生に深く踏み込んでいますし、事業者様にとってはまさに「人生の集大成」といっても過言ではない経験を一緒に経ることになるので、前職よりやりがいを感じています。

入社して初年度で予算を達成。転職して1年半、これから目指すところは

–池田さんはM&A業界で1年目から予算を達成していましたが、なぜそこまで結果が出せたと思いますか。ほかの会社だと、2件決まればよいという業界ですよね。

今の職場では、同期や先輩から毎週のように「今週はこの案件を成約しました」といった報告メールが届くんですよね。業界特化という強み、対象にする案件の規模感もありますが、業界内でも成約件数はかなり多いと思いますし、それに触れることが出来る環境は本当に恵まれていると思います。

契約した経緯や工夫点、反省点などがメールで回ってくるので、そういった刺激を受けつつ学びもありながら進められているのが大きいです。

そして、「さらに上を目指すということが当たり前」というのを組織として共通認識で持てている点も、自分にとってよい環境なんだろうと。

–いち早く成約を出せた要因は何ですか。

これは運もありますが、例えば入社して3か月目に初成約した案件に関していえば、私に急ぎの案件が入ってきたことが要因でした。

「この機会に手を打たないと、そのまま廃業するしかない」と期限のある案件で、分からないながらも「自分がやりきらないと潰れるんだ」と、危機感がある中で、やらなきゃいけないという思いがありました。

知識も経験も決して十分あったとは言えませんが、タイトなスケジュールの中で、案件化からクロージングまで担当させてもらえるという貴重な機会だったので、ギアを上げて進めることができて良かったと思いますね。

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–中長期的なキャリアを考えるなかで、今後どのようなことにチャレンジしたいですか。

まずは次年度予算を達成して、グループ長を目指すのが直近の目標だと思っています。

これまでの契約は合計7件なので、これからは年間10件以上の件数をコンスタントに積み重ねていきたいです。

また、今は会社方針として特定業界特化から分野を少しずつ広げていっている状況で、そのなかで生まれる新しい業務にも挑戦していけたらと考えています。前職では考えられない速度で、業務の幅も、獲得しなければならない知識も増えていくので、刺激的ですが、取り残されないように必死、というのが本音だったりします。

–転職されて今1年半ぐらいですか、どんなモチベーションで業務に向き合っていますか。

今のモチベーションは「営業成績=数字」ですね。

現状、個人で約30件の案件を持っています。

そこから1つひとつ注力すべき案件を見極めたり、それぞれの案件のタスクや提案事項を洗い出したりと、常に頭のなかではいかに結果を出すか、ということを考えている感じですね。

–まずはひたすら目の前の数字に向き合って走り続けるということですね。

そうですね。走り続ける感じです。

走り続けながらも今後を見据えて、自己研鑽しなければと思っています。転職時期は時間があって本を読む機会も多かったのですが、最近そういうインプットができていないので反省しているところなんです。

現職の業務に集中できているのはよいのですが、さらに力を伸ばしていきたいですね。

今後のキャリアについても考え続ける必要があると思っているので、目先のことだけではなく定期的に今後どうなっていきたいかというテーマについては考えていこうと思っています。

–そうですね。ご転職後ご活躍されているようで、お話をお伺いでき本当に嬉しかったです。本日はありがとうございました。


宗万 周平lSoman Shuhei
シニアエージェント

大手不動産企業にてターゲティング戦略や営業パイプライン管理など、営業企画職に従事。
海外でのビジネス経験を積んだ後に、株式会社アサインにヘッドハントされ、転職を決意。
営業経験者のキャリアアップを中心とし、経営幹部〜マネージャー層へのキャリア支援を得意としており、現在は、パートナー企業からのご依頼のもと、戦略的に重要な案件に対するヘッドハンターとしても活動。