転職では自己PRの書き出しが最重要。書き方のコツを例文付きで解説
履歴書や職務経歴書に記載する自己PRは、自分自身が持つスキルや経歴を自身の言葉でアピールできる重要な項目です。
なかでも自己PRの「書き出し」は、採用担当者の興味・関心を大きく左右します。
自己PRの書き出しでは「〇〇が強みです。」と最も伝えたい部分を簡潔に伝えた上で、裏付けとなるエピソードや実績を述べるのが基本です。
この冒頭部分でいかに興味を持たせ、「詳しく話を聞きたい」「面接を行いたい」と思わせるかが、選考通過の鍵となります。
そこで本記事では、興味を惹きつける自己PRの書き出しのポイントと、見本となる書き出し例を紹介します。
転職の自己PR全体をまとめるときのコツも紹介するので、ぜひ参考にしながら自身の自己PR文に落とし込んでみてください。
転職時の自己PRでは「書き出し」が最重要
履歴書・職務経歴で自分の強み・スキルを伝えられる自己PRの項目は、転職者なら最も力を入れて記載したい箇所です。
自己PRでは、その書き出しで「いかに採用担当者の興味を惹きつけられるか」が肝心です。
なぜなら、採用担当者は書類を1つずつじっくり読み込んでいるわけではなく、短時間で要点を掴むようにさっと目を通していることが大半であるからです。
書き出し部分で、「会社が期待しているスキルや経歴を持っている」という印象を与えられれば、応募者への関心が強まり、面接選考へとつながりやすくなります。
自己PRは「どのような内容を書くか」という観点だけに注目されがちですが、「短い文章でどう訴求するか」「書き出しでどう差別化するか」という観点も忘れてはなりません。
興味を惹きつける自己PRの書き出しのポイント
書き出しで企業側の興味を惹きつけるには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
以下2つの要点を意識して、自己PR文をまとめるようにしてください。
結論ファーストで伝える
自己PRでは、結論ファーストで伝えるのが基本です。
最後の文章まで読まないと理解できないような書き方をしてしまうと、読み手である採用担当者に負担をかけてしまい、きちんと読まれずに終わってしまう恐れがあります。
書き出しでは、まず最もアピールしたい自分の強み・スキルを簡潔に伝えることが望ましいです。
例えば、以下のような簡潔な書き出しを意識してみてください。
書き出し例:
「私の強みは、経理業務の確実性とスピーディーさを両立できるところです。」 「顧客の潜在的な課題やニーズを汲み取って、適切なプランを紹介するヒアリング力と提案力に自信があります。」 |
このように冒頭で自分の長所・強みを述べることで、採用側に最もアピールしたい部分が確実に伝わるようになります。
ほかにも、自己PRの書き出しに「実績」や「経験値」を伝えるのも有効です。
書き出し例:
「システムエンジニアとして、要件定義や設計・運用までの一通りの流れを経験している点が強みです。」 「5年間にわたって法人営業を行い、4年連続で目標達成率120%を達成しました。」 「3年間ITコンサルタントとして勤め、これまでに計30社のクライアントに指名をいただいています。」 |
上記のように「〇年間勤めた」「〇〇%という成果を出した」と数字を用いて伝えることで、自分の実績に説得力が増します。
なお、上記とは別の書き方として、伝えたい強み・長所を見出しとして設け、要点を明確にする方法もあります。
例:
・徹底したヒアリング・リサーチに基づいた提案力 営業活動においては、新規開拓・既存顧客のリピート獲得に向けて、戦略立案から進行管理、実行まで一貫してサポートしました。顧客からのヒアリングや商材のリサーチを通して、潜在ニーズまで考慮した提案力に自信があります。 ・マネジメント能力 10名のチームリーダーを担当するなかで、チーム全体の営業成績が上がるよう組織の統制を見直しました。個々の得意分野や希望する業務を考慮し業務を割り振りながら、1年間かけてチーム全体の業績10%アップに貢献しました。 |
企業が求める経験やスキルとマッチすることを強調
自己PRの冒頭では、企業が求めている経験やスキルを強調するようにしてください。
自己PRでは、応募先企業が求めている人物像と、自分のスキル・実績・経験をフィットさせる必要があります。
例えば、「前職で身につけたコミュニケーション能力が強みです。」と冒頭で伝えたとしても、これはどのような企業にも当てはまる内容であり高評価には至りません。
繰り返し説明している通り、書き出しでは「いかに自分に興味を持ってもらうか」が肝心です。
企業が応募者に求める人物像や持っていてほしい経験・スキルを把握し、その人物像に合った人材であることを強調するようにしてください。
転職時の自己PRの書き方
自己PRでは、書き出しに結論を書き、その後関連するエピソードを述べる形が望ましいです。
短い文章で読み手を惹きつけるためにも、以下3つの流れで自己PRを記載してみてください。
- ①自分の強みとなるスキルや経験を述べる
- ②根拠となる実績やエピソードを述べる
- ③自分の強みでどう会社に貢献できるかを述べる
自分の強みとなるスキルや経験を述べる
まずは、自分の強みとなるスキルや経験を結論ファーストで述べます。
冗長にならないよう、最も伝えたい強みを厳選し、的を絞って述べるよう心がけてください。
なお、結論ファーストにしたいからといって1文目に盛り込みすぎないよう、1文は「60〜80文字以内」に収まるようにすることも大切です。
根拠となる実績やエピソードを述べる
続いて、書き出しで述べた強みの根拠となる実績やエピソードを伝えます。
エピソードを付け加えることで「どのように課題解決に取り組んだのか」「どのような場面で強みを発揮できるのか」が伝わり、業務に向き合う姿勢や人となりもアピールできます。
自己PRの間違った例として、「自分の強みは〇〇です。さらに△△も長所です。」などと、自分の強みや経験を何個も取り上げてしまうことがあります。
この書き方をすると、採用担当者に最も伝えたい部分があいまいになるだけでなく、「自己分析がまともにできていない」とマイナスな印象を与えてしまうことが考えられます。
自己PRでは、最も伝えたい強みを1〜2つに絞り、それに関連するエピソードを述べるようにしてください。
例:
【書き出し】 私の強みは、一度定めた目標の達成に向けて最後までやり通す「継続力」と「計画性」です。 【関連するエピソード・実績】 広告代理店のWebマーケティング部に3年間在籍し、オウンドメディアを使用したマーケティング戦略の立案から施策実行まで携わっています。 市場調査とトレンドリサーチを徹底し、仮説を立てながら戦略を立案。検証・改善を繰り返してきました。 その結果、私が総責任者として担当したすべての顧客が前年比1.5倍の売上を達成しました。お客様から「確実に成果を出してくれるので安心して依頼できる」と嬉しい声もいただいています。 |
自分の強みでどう会社に貢献できるかを述べる
最後には、自分の強み・スキルをどのように会社へ活かせるのかを記載します。
ただ自分の強みや前職でのエピソードを述べただけでも、「結局どのように貴社に貢献してくれるのか」という点が伝わりません。
入社への強い意気込みや意志を伝える箇所でもあるため、「必ず貢献できます」「活躍できるよう精進します」といった内容を記載すると良いでしょう。
例:
【書き出し】 私の強みは、一度定めた目標の達成に向けて最後までやり通す「継続力」と「計画性」です。 【締め】 業種もさまざまな企業のWebマーケティング支援を担う貴社においても、長期的に検証・改善を繰り返し、成果にこだわる自分の姿勢は役立つと考えています。 自身の計画性や継続力、培ってきたノウハウを強みに、貴社の顧客満足度の向上に努めてまいります。 |
書き出しに力を入れた自己PRの例文【サンプル】
ここでは、書き出しに力を入れた自己PR文を紹介します。
冒頭はどのようになっているか、自己PR全体の構造はどのようになっているかを確かめて、自身の自己PRに落とし込んでください。
未経験業種・業界への転職の場合
スキル・強みをアピールする例文:
【書き出し】 私の強みは、3年間の経理業務を通じて習得した豊富な経理・経営知識と、ミスをしない作業の確実性です。 前職で会社の経理部として働きながら、伝票作成やデータ入力、請求書作成、給与台帳の作成をスピーディーかつ確実にこなしてきました。 その姿勢が評価され、2年目からは社内の経営戦略会議に参加し、経理職の立場から経営者や利害関係者に会社の状況を報告したり、会社の課題や改善策を提案したりと、重要な業務を任されました。 中小企業を対象に経営コンサルティングを行う貴社では、私がこれまで習得した幅広い経理・経営の知識、ミスをしない確実性が活かせると考えています。 コンサルタントとして重要な提案力やヒアリング力の向上を目指し、さまざまな選択肢を提示できるコンサルタントへと一身して、貴社で活躍したいと考えています。 |
経験をアピールする例文:
【書き出し】 前職では、地域広報部にて約50万部発行した地域情報誌(紙媒体)の編集業務に5年間携わりました。 特定の地域や年齢層をターゲットに、どのような内容を発信すべきか試行錯誤を繰り返し、マンネリ化しない新しい内容を心がけました。 編集業務を通して身につけた、ニーズを徹底的に分析する力や企画力には自信があります。 ホームページ制作を担当する貴社では、自身のデザイン・編集スキルで貢献できると考えています。 前職ではPhotoshopやIllustratorを日常的に使っており、前職の合間ではWeb制作を一通り学習したので、貴社の即戦力となることが可能です。 企画力や分析力を駆使して、顧客が満足するホームページ制作を行い、そして売上の向上という結果で貴社に貢献いたします。 |
経験者の場合
実績をアピールする例文:
【書き出し】 ITコンサルタントとして3年間勤務し、これまでに計30社のクライアント様にご指名をいただいています。 業務では、お客様の意向を伺うだけでなく、経営上の悩みや現在の課題点まで踏み込んでヒアリングし、より満足していただくためのIT戦略を提案しています。 お客様のITリテラシーや組織とフィットするかという観点は、IT戦略を提案する上で最も重視している部分です。 経営戦略に関するコンサルティングを行う貴社では、製造業や通信業界、飲食店など幅広い企業にITコンサルティングをした自身の経験が活かせると考えています。 IT技術の活用に関する豊富な知識・スキルにさらに磨きをかけつつ、経営戦略全体にも適切な提案ができるコンサルタントを目指します。貴社の戦力として活躍できるよう、さらなる成長を遂げたいと考えています。 |
スキル・をアピールする例文:
【書き出し】 前職では、私の強みは、個人向け住宅営業での豊富な商談スキルと、一人ひとりの顧客の要望を引き出すヒアリング力です。 現職では、個人向け住宅メーカーの営業を5年間経験しました。 ただ商材に関連する話をするだけでなく、お客様の家庭での悩みやライフスタイル、生活のなかで何を大事にしているかを理解した上で、商談することを徹底しています。 過去のお客様の傾向や成功事例を自分で振り返り、訴求ポイントをまとめる工夫もしています。 このような丁寧な顧客対応を徹底したことで、3年連続でノルマを達成し、5年目には40名中で営業成績がトップになりました。 リフォーム・リノベーションビジネスを展開する貴社でも、これまで自身が習得した住宅関連の知識が活かせると考えています。要望を汲み取る力や提案力を駆使し、貴社へ貢献してまいります。 |
転職時の自己PRをまとめるコツ
自己PRは、長く書けばよいというものではありません。
「短い文章でも、いかに採用担当者に印象を残せるか」が重要ですので、まとめる文章力も問われます。
ここでは、自己PRの書き出し〜締めの文までをどのようにまとめればよいか、書くときのコツを解説します。
まずは企業が求める人物像を調査・分析する
大前提として、企業側があなたに求めているスキル・経験がわからないと、自己PRに何を書いてもアピールにはなり得ません。
まずは会社のホームページや求人ページに記載された「仕事内容」や「求める人物像」を見て、どのような人物を求めているのかを調査・分析してください。
企業が求める人物像を理解した上で、自分の強み・スキルとの接点を見出すことが重要です。
いきなり自己PRを書き始めるのではなく、前もって人物像を分析した上でアピール内容をまとめるようにしてください。
文章は短く、長々と書かない
自己PRは300〜400文字を目安に、簡潔にまとめることを心がけてください。
自分の強み・スキルを強調したいからと、自己PR欄を文字いっぱいで埋めてしまうのは、かえって逆効果。
「読み手を意識できていない」「まとめる力がない」という低評価につながってしまいます。
長々と書かないことはもちろん、適切な文字のサイズにする、内容の変わり目では改行するなど、採用担当者が読みやすい工夫が必要です。
企業側が求めているスキルと重なる部分だけ厳選して伝える
自己PRでは、企業側が求めるスキルと自分が持つスキルがマッチする部分だけを述べるようにしてください。
最も強調したい1〜2つのスキルを書き出しに記載したり、箇条書きで複数訴求したりする形でも構いません。
応募先企業の社風や経営理念、業界の市場なども参考にしつつ、自己PRをまとめてください。
>>【例文付き】転職時の職務経歴書 自己PRの書き方やポイントを解説
>> 転職の職務経歴書における職種別の自己PR例文集 自己PRのポイントも解説
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