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OB・OG訪問の手引き~知っておくべき概要編~

OB・OG訪問は、やるかどうかで迷う人が多い活動です。公開情報では分からない仕事の実態を確かめられる一方、聞いた話がそのまま志望動機になるわけではありません。

OB・OG訪問の位置づけ

OB・OG訪問を、会社のことを聞く場だと考えている人は多いはずです。事業内容や制度の概要なら、採用サイトと決算の資料で足ります。

先輩の時間を使って聞くべきなのは、資料に載らない判断の中身です。どんな基準で仕事を選び、何に迷い、何を面白いと感じているか。この種の話は、公開されている情報からは組み立てられません。

訪問を情報収集と位置づけると、事前に調べれば分かる質問で30分を使い切ります。得られるものは薄く、相手にも準備不足が伝わります。位置づけを変えて、OB・OG訪問は自分の仮説を人にぶつけて確かめる場だと考えましょう。

もう1つの誤解は、訪問すれば志望動機が完成すると考えることです。聞いた話は材料にしかならず、自分の条件と突き合わせる作業は後に残ります。材料を集める前に、自分が何を選びたいのかを決めておきます。

リクルーター面談との差

よく混同されるのがリクルーター面談です。目的も選考との関係も違うため、同じ準備で臨むとかみ合いません。

観点違い
誰が設定するかOB・OG訪問は学生から依頼/リクルーター面談は企業から声がかかる
目的前者は学生が判断材料を得る/後者は企業が学生を見極める
話し方前者は仮説をぶつけて相談できる/後者は選考と同じ受け答えが要る
結果の扱い前者は経路によって扱いが変わる/後者は選考の記録に残る

見分け方の起点は、依頼した側がどちらかです。自分から個人に連絡して実現したものはOB・OG訪問、会社から日程の案内が来たものはリクルーター面談と考えます。

ただし、会社の窓口を通した訪問は、学生から依頼していても選考の記録に残る場合があります。案内文に選考の趣旨や記録の共有が書かれていないかを確かめましょう。

呼び名が「面談」でも、企業側から声がかかった時点で選考の一部として扱うのが安全です。

訪問で確かめたい情報

公開資料では具体像がつかみにくいものを、4つ挙げます。

  • 1日の時間の使い方(会議、移動、資料づくりの実際の比率)
  • 最初の3年で任される仕事の範囲と、任され方の決まり方
  • 会社を選んだときに他社と何を比べたか、いま振り返ってどう思うか
  • 同じ会社でも部署によって働き方がどれくらい違うか

共通するのは、公開資料では粒度が粗すぎて分からないことです。たとえば「若手から裁量がある」という表現。会社の説明では必ず出てきますが、実際に任される範囲は部署で変わります。

そこを人に聞いて初めて、自分の条件に当てはまるかを判断できます。逆に、平均年収や採用人数のような数字は、公開資料で先に調べておくほうが早いです。調べれば分かることに時間を使うと、その分だけ本当に聞きたい話が削られてしまうためです。

選考への影響の実際

原則として、OB・OG訪問は選考と別に扱われます。ただし、会社の制度として訪問の枠を用意している場合は例外です。面談の内容が採用の担当者に共有され、後の選考で参照されることがあります。

共有の有無は、募集の案内や大学のキャリアセンターで確認しましょう。分からないときは、共有される前提で臨むのが安全です。

安全に臨むといっても、緊張して固くなる必要はありません。服装と時間、名乗り方を整え、聞きたいことを事前に送る。選考として見られる前提で臨めば、それで足ります。

選考と別扱いの場でも、守るべき線がもう1つあります。訪問で聞いた個人の話を、そのまま外に出さないことです。先輩は社内の事情に踏み込んで話してくれる場合があり、公開の場に流れると迷惑が及びます。記録は自分用にとどめておきましょう。

訪問を急ぐ人と後でよい人

訪問の優先度は、いまの状態によって変わります。

早くやるべきなのは、志望業界が2つ以上あって決めきれない人や、条件を会社の実態に落とせていない人です。長期のインターンやアルバイトで、その業界の現場をすでに見ている人は後回しで構いません。

前者は、判断材料が足りない状態です。本や記事を追加で読んでも、同じ粒度の情報が増えるだけで決め手になりません。

後者は、すでに現場の手触りを持っています。同じ話を聞き直すより、書類と面接の準備に時間を回すほうが得策です。どちらでもない人は、志望度の高い会社から1社だけ試すのがちょうどいい入口です。

訪問する人数の目安

会う人数の目安を聞かれることが多いのですが、答えは志望の絞り具合で変わります。

業界を決めたい段階なら、業界ごとに1人から2人です。比べる対象を作るのが目的なので、それ以上の人数は必要ありません。会社を決めたい段階なら、志望度の高い会社で2人以上、それも部署の違う人に会います。

会社を決める段階で1人だけに聞くのは、判断としては弱いです。同じ会社でも、部署と年次で見えている景色が変わります。1人の話を会社全体の姿として受け取ったまま入社すると、認識のずれが後から出ます。

一方で、数を増やすほど良いわけでもありません。同じ質問を10人に繰り返しても判断は進まないので、人数を増やす前に質問のほうを更新しましょう。

訪問後の振り返りの落とし穴

訪問の後の振り返りは、2つの形でつまずきます。「いい話が聞けた」という感想で止まる場合と、褒められたことで満足してしまう場合です。

前者は1週間後には内容を思い出せず、志望動機にも面接にも使えません。残すべきなのは聞いた話そのものではなく、そこから自分が何を判断したかです。

「異動の周期は自分の条件に合わない」と1行あれば、次の会社を見るときの基準になります。

危ういのは後者のほうです。先輩は基本的に親切なので、学生の話には前向きな反応を返します。その反応を選考の評価と受け取ると、志望動機の足りない点を振り返らないまま終わります。

だから訪問の帰り道に、1つだけ確かめておきましょう。褒められた点ではなく、答えに詰まった質問はどれだったかを書き出します。

聞いた話の確からしさ

訪問で得た話には事実と印象が混ざっているので、そのまま志望動機に載せると面接で崩れます。切り分けの基準は単純です。

事実にあたるのは、配属の決め方や異動の周期、研修の期間といった制度や仕組みになります。印象にあたるのは、雰囲気が合う、成長を実感できるといった、その人が感じたことです。

制度として決まっていることは、採用の窓口や公式の資料でも確かめられます。印象はその人の経験に紐づくもので、他の人に当てはまるとは限りません。

2人目に会うときは、1人目の印象を質問に変えましょう。「若手に任せる文化があると聞きましたが、実際に任された最初の仕事は何でしたか」と聞けば、印象だった話を具体的な事実として確かめられます。

この確かめ方を通すと、志望動機に載せられる具体が変わります。

訪問前に決める3つ

依頼を出す前に、次の3つを決めてください。

  • 何を判断するために会うのか(例=異動の頻度が自分の条件に合うかを見極める)
  • 資料で調べても分からなかったことは何か(調べた前提で聞く)
  • 聞いた話をどこに残すのか(会社をまたいで1つのファイルに集約する)

最も抜けやすいのは、何を判断するために会うのかを決めることです。会いたい気持ちが先に立つと、目的が「話を聞く」で止まります。

目的は、判断したいことを一文で書けるかどうかで確かめられます。「異動の頻度が自分の条件に合うか」なら合格、「会社の雰囲気を知る」なら不合格です。

後者は判断の形になっていないため、訪問が終わっても結論が出ません。決めた目的は、依頼のメールにも一文で書いておきましょう。

3つが埋まらないまま依頼すると、当日の30分が雑談で終わります。逆に埋まっていれば、質問は自然に出てくるはずです。

目的が決まったら、次は相手を探して連絡文を作る番です。その手順はOB・OG訪問の実践編にまとめています。

OB・OG訪問の始め方

OB・OG訪問の価値は、会った人数では決まりません。何を判断するために会うのかを決めているかどうかで変わります。

志望する会社について「資料では分からなかったこと」を3つ書き出す。今日の作業はここまでです。

その3つがそのまま質問になり、出てこないならまだ自分で調べる段階です。

書き出した3つは、ASSIGNのエージェントに見てもらうと早く進みます。

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