海外営業の仕事内容とキャリアパス

はじめに

海外営業とは、自社の製品やサービスを海外の企業や個人に販売するために、市場調査や販売計画の立案、プロモーションの展開などを行う仕事である。海外営業には、現地に駐在して業務を行うパターンと、日本国内で現地法人や販売代理店と連携しながら業務を行うパターンの2つがある。

例えば、現地駐在型の海外営業では、日本の自動車メーカーの営業担当者が、アメリカに赴任し、現地の販売店と協力しながら、自社の車両を販売するといった業務が挙げられる。一方、国内拠点型の海外営業では、日本の電子部品メーカーの営業担当者が、国内から中国の現地法人と連携を取りながら、中国市場向けの販売戦略を立案し、実行するといった業務が該当する。

海外営業には、語学力や商品知識だけでなく、現地の文化や慣習を理解し、柔軟に対応できる適応力も求められる。また、海外での業務は体力的にもハードなことが多いため、タフネスも必要とされる。次章では、海外営業の具体的な仕事内容と求められるスキルについて、詳しく解説する。

海外営業の仕事内容と求められるスキル

現地駐在型の海外営業

現地駐在型の海外営業では、日本国内の本社と連携を取りながら、以下のような業務を行う。

• 市場動向の調査
• 販売計画の立案
• プロモーションの展開
• 現地の代理店や販売店との交渉

この場合、語学能力や商品知識はもちろん必要だが、現地の文化や慣習を理解し、そこに溶け込んでいく柔軟性も求められる。また、ハードワークを強いられることも多いため、体力的なタフさも必要とされる。

国内拠点型の海外営業

一方、日本国内で業務を行う場合は、現地の担当者と密に連携を取りながら、以下のような業務を行う。

• 販売計画の立案と調整
• プロモーション戦略の策定
• 現地への商品や必要物品の輸出手配
• 海外の状況を社内の関連部署に連携・伝達

この場合、現地スタッフとのやり取りは英語や現地言語で行われることが多いため、語学能力は必須である。また、事務処理能力やオペレーション能力の速さ、的確さも求められる。

海外営業に求められるスキルと資質

海外営業に求められるスキルと資質をまとめると、以下のようになる。

• 語学能力（特に英語）
• 商品知識
• 現地の文化や慣習を理解し、受け入れる柔軟性
• タフネス（体力的・精神的な強さ）
• コミュニケーション能力
• 事務処理能力
• オペレーション能力の速さと的確さ

特に、海外展開を積極的に行っている企業では、英語でのコミュニケーション能力を重視する傾向があり、社内言語が英語である会社も増えている。海外営業として成功するには、これらのスキルを磨くことが重要である。

次章では、海外営業へのキャリアステップと、転職市場の状況について解説する。

海外営業へのキャリアステップと転職市場

海外営業へのキャリアステップ

海外営業になるための代表的なキャリアステップは以下の2つである。

新卒での海外営業部門への配属

学生時代から語学力を磨き、新卒で商社やメーカーに入社し、海外営業部門に配属されるのが王道である。語学力に加えて、異文化への適応力や柔軟性も求められる。

国内営業からの社内異動

商社やメーカーに入社後、国内営業を経験してから社内異動で海外営業部門に移るケースもある。国内営業で培った営業スキルや商品知識を活かしつつ、語学力を身につけることが求められる。

海外営業からのキャリア展開

海外営業のスペシャリストとして活躍

海外営業部門に配属された後は、多くの場合、海外駐在と国内勤務を繰り返しながら、海外営業のプレーヤーとしてキャリアを積んでいく。専門性の高い仕事であるため、経験が重視され、求人票でも海外営業経験が必須条件として記載されることが多い。

他部門へのキャリアチェンジ

海外営業で培った現地のニーズや市場調査の経験を活かし、商品開発や商品企画、マーケティング部門へ社内異動するケースもある。海外市場に精通している点が評価され、グローバルな視点で企画業務に携わることができる。

海外営業への転職市場

グローバル展開を進める企業が増えている昨今、海外営業の需要は高まっている。特に、英語を社内公用語としている企業や、海外売上比率が高い企業では、海外営業経験者を積極的に採用する傾向にある。

一方で、専門性の高い職種であるため、未経験からの転職は難しく、実務経験が求められることが多い。海外営業へのキャリアチェンジを目指す場合は、語学力の向上に加え、営業スキルや商材知識を深めるために、国内営業での経験を積むことも有効だ。

まとめ

本記事では、海外営業の仕事内容とキャリアパスについて解説した。海外営業は、自社の製品やサービスを海外の企業や個人に販売するために、市場調査や販売計画の立案、プロモーションの展開などを行う仕事である。現地駐在型と国内拠点型の2つのパターンがあり、いずれも語学力や商品知識、現地の文化や慣習を理解し、柔軟に対応できる適応力が求められる。

グローバル化が進む現代において、海外営業は今後ますます需要が高まる職種である。語学力や適応力、タフネスに自信のある方は、ぜひ海外営業へのキャリアチェンジを検討してみてはいかがだろうか。海外営業の経験は、グローバルビジネスの第一線で活躍するために必要不可欠なスキルを身につける絶好の機会となるはずだ。