新規事業開発(BizDev)の業務内容とキャリアパスを解説
はじめに
新規事業開発とは、企業が新たな事業領域に進出し、革新的な価値を生み出すことを目的とした取り組みである。
新規事業開発の業務は多岐にわたるが、具体的な内容を知らない方も多いのではないだろうか。本記事では、新規事業開発の業務内容やキャリアパスについて詳しく解説する。
新規事業開発とは
新規事業開発担当の定義
新規事業開発とは、既存の事業とは異なる新しい事業を立ち上げ、育成していくことを指す。企業が持続的な成長を実現するためには、新たな事業領域への進出が不可欠である。
事業開発を担当し、事業の数字を上げていくミッションを背負う人のうち、新規事業開発を行う人に焦点を当てて、本記事では解説する。
事業開発担当の業務概要
既存の事業開発担当の業務は、事業責任者の右腕となり、重要なプロジェクトに対してアプローチする。特命プロジェクト担当としての役割を担うなど、マネジメントをせずにKPIの向上に取り組んでいく。
一方、新規事業の開発担当については、「なんでもやる」といっても良いだろう。新規事業は人員もお金も豊富でないことが多いため、事業開発が広範な業務を行う。次章では、その業務の具体的な内容について解説する。
新規事業開発担当の業務内容
サービス価値の定義とサービスの作り込み
新規事業開発担当は、開発するサービスの市場における立ち位置や、顧客に提供する価値を明確にし、サービスを作り込んでいく役割を担う。経営陣が決めた大きな方向性やコンセプトに沿って、具体的なサービス内容を詰めていくのが主な業務である。
マーケティングや営業への関与
新規事業開発担当は、マーケティングチャンネルの選定や予算管理、施策の実行など、マーケティング業務にも深く関与する。時には、広告の設定やランディングページの作成、メール文面の作成など、実務レベルの業務も担当することがある。営業面では、自ら営業活動を行ったり、営業担当に同行したり、営業資料を作成する。
デリバリーやプロダクト開発への関与
コンサルティングや労働集約的な事業の場合、新規事業開発担当自身がデリバリーを行うこともある。プロダクト開発が必要な場合は、開発責任者と協力してビジネス面の要件定義やリソース配分などを担当する。
フェーズごとの役割の違い
新規事業開発の役割は、事業のフェーズによって異なる。
【0から1のフェーズ】
まずは、事業としての価値を磨き、売上を上げることが求められる
・多くの市場・顧客のニーズに答えられるサービスを定義する
・とにかく売上を上げることが求められるため、マーケティング・営業の施策を計画し、自ら実行する
・売上を上げるとともに、潤沢でない資金がショートしないためにも営業・マーケティングのROI管理をする
【1から10のフェーズ】
提供価値が明確になったフェーズでは、仕組み化して事業を拡大させていくことが必要になる
・仕組み化や新しい施策を始めるためのプロジェクト管理能力や推進力など、プロジェクトを遂行する能力が必要
・関係者が増えるため、コミュニケーション能力や巻き込み力、ビジョンを語る力などが必要になる
・事業が形作られてきているため、マーケティング投資や採用も含めた事業計画を策定
新規事業開発へのキャリアパス
コンサルティングファームからのキャリアチェンジ
コンサルティングファームから新規事業開発へ転身する場合、現場業務と事業企画業務を並行して行いながら、徐々に事業企画の比重を高めていくパターンが一般的である。
現場経験を積むことで、事業を実際に動かす力を身につけることができる。現場経験がない事業開発は、経営企画的な、数値管理業務に終始してしまうことが多い。そのため、必ずといってよいほど、現場経験が求められるポジションとなる。
メガベンチャーでの経験を活かす
メガベンチャーで新規事業の営業などを多く経験した後、事業企画のサポート的な役割から始め、マーケティングなどの領域を広げながら、新規事業の責任者へとステップアップしていくケースが多い。
新規事業責任者は期待のメンバーかつ、事業企画を兼任していたメンバーからの抜擢が多いことを認識し、希望のある方は積極的に手挙げすることが必要である。
代表直下のポジションから始める
デジタル戦略などの分野で、既存事業の効率化や自動化を進めながら、自社プロダクトの開発にも携わり、プロダクトマネージャー的な側面から新規事業開発に関わっていくパターンもある。
また、仕組み化や効率化に長けたメンバーが多いため、1から10のフェーズでの新規事業へのジョインが多い傾向にある。
事業会社内での異動
事業の数が多い大手企業などでは、事業部門ごとの数字管理を行う事業企画のポジションが存在する。事業会社内での異動を通じて、さまざまな事業に関われるのが魅力である。
おわりに
新規事業開発のキャリアを歩むためには、自身の強みを活かしながら、各フェーズに求められるスキルを身につけていくことが重要である。ゼロから1のフェーズでは、サービス価値を磨き、営業やマーケティングを通じて売上を上げていく力が求められる。一方、1から10のフェーズでは、プロジェクト管理能力やビジョンを語る力など、より多くの人を巻き込んでいくためのスキルが必要となる。
新規事業開発は、自らの手で新しい価値を生み出していくやりがいのあるフィールドである。ゼロから事業を立ち上げていく難しさがある一方で、自身の力で事業を成長させていく醍醐味がある。新規事業開発の世界で、あなたの力を存分に発揮するのはいかがだろうか。
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