人間関係が理由の退職は面接でどう答えればよいか。例文も合わせて解説
転職面接で頻繁に聞かれる質問の1つに「退職理由」があります。
前職を人間関係が原因で辞めている場合は、面接でどう伝えればよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
転職面接では「人間関係が原因で退職した」とそのまま伝えないのが無難です。
できるだけポジティブな表現に言い換えて、入社に対する強い意欲を伝える必要があります。
そこで本記事では、退職理由が人間関係である場合の面接の答え方と、パターン別での回答例を解説します。
質問された退職理由に対して、前向きで筋の通った回答ができれば、好印象につながります。
回答の仕方に迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
人間関係が理由の退職は面接でどう答えるべきか
退職理由が人間関係であったとしても、転職面接でそのまま伝えるのは避けるべきです。
ここでは、人間関係が原因である転職理由を言い換える際のポイントを紹介します。
前職の悪口は厳禁。表現をポジティブに変換すること
まず前提として、前職の悪口は控えてください。
転職のきっかけは何かしら前職の不満であったとしても、伝えるときにはポジティブな表現に変換するよう心がけてください。
少しでも前職の悪口のように聞こえてしまうと、「ネガティブ思考で他責な考え方をする人だ」「少しでも嫌なことがあると悪口を言って辞めてしまうのでは」などと不安を抱かれてしまいます。
しかし、「ポジティブに言い換える=嘘をつく」ということではありません。
求職者のなかには、嘘をついてまで面接を乗り切ろうとする人がいますが、嘘をついてしまうと入社後のミスマッチにつながる可能性があります。
以下の例を参考にして、前向きな表現に変換してみてください。
【退職理由の変換例】
パターン①:同僚・上司と合わない場合
→チームワークを大切にする職場で、ほかの社員と意思疎通をとりながら働きたい
パターン②:社長や上司がワンマンである、若手社員が意見を言えない場合
→意見やアイデアを尊重し合える環境で、自ら新しいプロジェクトにチャレンジしたい
パターン③:上司からのパワハラ
→チームで一丸となって目標に向かって取り組み、成果を上げたい
パターン④:社員間の競争が激しすぎる場合
→私はほかの社員を裏でサポートする分野を得意としている
このように、「この人を採用したら、自社に貢献してくれそう」と採用担当者に感じてもらえるよう、これからのキャリアへの前向きな気持ちをアピールしてください。
人間関係が理由であっても模索した改善策を伝える
ただ退職した原因を伝えるだけでなく、解決のために模索した改善策まで述べるようにしてください。
人間関係が理由であると伝えることが100%悪いわけではありません。
しかし、ただそのままの内容を伝えてしまうと「自社でも人間関係で問題が起こるかもしれない」という不安を持たれてしまう恐れがあります。
マイナスな印象を与えないためにも、退職理由に加えて「すぐ退職に踏み切ったのではなく、退職前に状況を改善しようと模索した」という行動まで述べるようにしてください。
例えば、関係を改善するために上司に相談をした、他の部署への異動を申し出たなど、これらを伝えることで解決に向けて自ら行動できる人であると判断されます。
退職理由を志望動機や入社意欲へつなげる
退職理由を聞かれた際には、志望動機や入社意欲とセットで伝えて前向きな気持ちをアピールしてください。
例えば、「前職では〇〇が実現できず退職したが、新しい環境では実現したい」のように伝えるとポジティブな印象を与えます。
「前職は自分が目指すキャリアや働く目的を実現するために最適ではなかった」という趣旨が伝わると、自社を志望している理由がはっきりとし、採用に踏み出す裏付けになります。
このように退職理由を志望動機や入社意欲とつなげて伝えると、転職への一貫性が生まれて説得力が増すので実践してみてください。
転職の面接で退職理由を聞かれる理由
多くの転職面接では退職理由について尋ねられますが、なぜ採用者はこの質問をするのでしょうか。
企業側が退職理由を聞く目的は、以下の通りです。
- 応募者の入社意欲を判断するため
- 応募者のストレス耐性を判断するため
- 自社との適合性を確認するため
採用担当者側の狙いを理解した上で、回答できるようにしてください。
応募者の入社意欲を判断するため
1つ目は、応募者の入社意欲を判断するためです。
入社意欲を伝えるためには、「頑張りたい」「キャリアアップしたい」といった意気込みだけでなく、今後のキャリアを明確に伝えることが重要です。
退職理由に添えて、転職先でのキャリアパスややりたいことを具体的に述べることで、入社への本気度が評価されます。
また入社意欲を伝えるにあたって、話す内容だけでなく話し方や姿勢も意識してください。
どれだけよい内容を話していても、暗くて自信がなさそうに見えてしまえば、面接官側も不安に感じてしまいます。
好印象を与える話し方として、以下の項目をチェックしてみてください。
- ハキハキとした話し方
- 明るい声のトーン
- 堂々とした立ち振る舞い
- アイコンタクト
このように、話す内容と話し方の両方を意識することで、入社への意欲が真っ直ぐ伝わるようになります。
応募者のストレス耐性を判断するため
転職理由の回答を通して、応募者のストレス耐性も判断しています。
企業側が応募者に対して最も心配しているのは、「前職と同じ理由で辞めてしまわないか」という点です。
万が一雇った人材がすぐ辞めてしまうと、採用コストや育成にかけた時間と労力を台無しにしてしまい、新たな人材の確保にまたリソースを割かねばなりません。
企業側にはこのようなリスクがあるからこそ、退職理由の回答を通して、責任感がある人か、少しのストレスでも努力できる人かを判断しています。
自社との適合性を確認するため
面接官は、自社との適合性も確認しています。
企業や組織にはそれぞれ違った文化や風土があるので、合う合わないが存在するのも事実です。
面接官は、応募者が話す退職理由と自社の雰囲気・業務内容と照らし合わせて、「自社に馴染めるか」「長く働けるか」を判断しています。
ただ、応募先企業に合わせるために、嘘をついたり大袈裟に伝えたりすることは避けるべきです。
自社が求める人材や社風をリサーチした上で、「自分は応募先企業なら活躍できる」という趣旨を伝えてください。
退職理由が人間関係の場合の面接例文
退職理由が人間関係の場合の例文をご紹介します。
ぜひこの回答例を参考にしながら、自分自身の退職理由に反映してみてください。
退職理由が上司からのパワハラだった場合
前職ではIT企画部に所属していましたが、年功序列の傾向が強い環境でした。
私自身はアイデアや意見を述べて、より内部のプロジェクトに参画したいと試行錯誤していたものの、それが許されない環境にもどかしい思いを感じました。
こちらの会社を拝見し、個人の意見を尊重しチームワークを大切にする点に感銘を受けました。
皆の意見を尊重しつつお互い高め合える御社に身を置き、自分の提案力や積極性を発揮したいと考えています。
退職理由が同僚からの嫌がらせだった場合
以前の会社は個人主義が強く、情報共有などが積極的に行われない状況でした。
定例会議にて対面やチャットでの情報共有を行う案を提案したものの、それは通らずやるせない思いを感じていました。
私自身は周囲とコミュニケーションを取りながら仕事を進めれば、社員同士の関係もよくなり、結果的に成果を上げることへつながると考えています。
社員間のコミュニケーションを大切にしている御社であれば、さらに自身のキャリアアップに向けて力を入れられると考えています。
プロジェクトに対する方針の不一致の場合
前職ではとあるプロジェクトを進めておりましたが、収益至上主義の考え方が強くありました。
私自身は顧客満足度の向上に力を入れたいという思いがあり、私自身のキャリアやスキルアップの方向性と会社の方針に違いがあると感じ、転職を決意しました。
顧客に寄り添うことを第一に考えている御社の方針は、まさに私が営業活動を行う上で大切にしたいことです。
方針に共感できる環境に身を置けば、さらに私自身の強みを発揮できると考えています。
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