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ベイカレント・テクノロジーが目指す”高付加価値”

日本のIT産業が大きな転換点を迎えている。
AIやクラウドといったテクノロジーの変化の加速に加え、国内のIT人材は慢性的に不足。
大手SIerは、”選択と集中”を進める中で、クライアントの多様な課題すべてには応えきれなくなっている。
その結果、「誰に相談すべきか分からない」、いわば“ITの空白地帯”が生まれつつある。
この構造変化を真正面から捉え、コンサルティングファームとして確固たる地位を築いてきた株式会社ベイカレントが放った一手がある。
それが、ベイカレント・テクノロジー(以下、BCT)だ。
新会社設立という覚悟のもとに始まった挑戦の全貌を、執行役員・工藤大助氏に伺った。
新会社設立という決断と2つのコミットメント
「大規模なテクノロジー領域の仕事は簡単に受けられるものではありません。だからこそ、会社としてのコミットメントを形で示す必要がありました。」
この工藤氏の言葉に、BCT設立の本質が凝縮されている。
ベイカレントが見据えたのは、日本のIT業界そのものの構造的な変化だ。
これまでアジア各国から安価なリソースを調達することで成り立っていたSIerモデルが、為替や地政学リスクの影響で成立しにくくなっている。
こうした人材不足の深刻化に加え、テクノロジーの進化スピードは年々加速。
AI、クラウド、セキュリティといった新領域に対応するスキルと人材を確保できずにいるSIerも少なくない。
「この10年で、IT業界の構造は大きく変わりました。テクノロジーの多様化や人材不足が進む中で、多くのIT企業が戦略的な“選択と集中”を進めています。その結果、重点顧客や重点領域には人員を厚く配置する一方で、それ以外の領域には十分な支援が行き届かなくなり、従来通りの仕事を、従来通りの体制やプライシングで提供することが難しい場面が増えてきています。
クライアントの立場から見れば、これまで頼りにしていたパートナーに依頼ができなくなったり、対応が遅れたりと、IT企業との関係性が変わりつつあります。」

こうした市場の変化を背景に、クライアントからベイカレントに寄せられる相談も変化してきた。
これまでも戦略策定から要件定義、ベンダー選定、そしてPMO等による実行支援までハンズオンで一貫して支援してきた。しかし、さらにその先の「実装そのものまで担ってほしい」という要望が急速に増えてきたのだ。
この期待に応えるために、テクノロジー実装を担う新会社であるBCTの立ち上げを決意した。
“部門”ではなく、”会社”として、だ。
そこに込められているのは、事業と社員への二重のコミットメントだ。
「大規模なテクノロジー領域の仕事は簡単に受けられるものではありません。だからこそ、会社としてのコミットメントを形で示す必要がありました。ベイカレント・コンサルティング(以下、BCC)の1つの部門として、つまり1つの機能としてSIを提供するというのは、『いつでもやめられる』という見せ方になってしまいます。しかし、法人として立ち上げることで、我々としての覚悟を明確に示すことができる。
簡単には撤退できないという姿勢そのものが、お客様への信頼につながると考えています。
そしてもう一つの意図は、共に働く社員へのコミットメントです。コンサルティングファームは変化が速く、事業の判断もスピーディーに行われ、事業の方向転換やチーム解体が起きることも珍しくありません。
だからこそ、新会社を設立することで、動きが早い中でもエンジニアやプログラマーの方が腰を据えて挑戦を続けられる環境を整えたいと考えました。
『簡単にはやめない、やめるつもりはない』という意思が、新会社設立という形になりました。」
つまり、BCTを別会社として立ち上げたのは、単なる組織再編ではなく、経営として「この領域で戦い抜く」という決断の表れであり、同時に、変化の激しい環境の中でも社員が安心して挑戦を続けられるようにするための仕組みでもある。
事業への覚悟と、社員への約束。この二重のコミットメントこそが、BCT設立の根幹にある。
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設立からわずか1年。
BCTは、すでに複数の大手クライアントで、従来は大手SIerが担っていた領域を任されるようになっており、特にこの数ヶ月はシステム開発やパッケージソリューションの導入案件などが急激に増加している。
その躍進の理由について、工藤氏は次のように語った。
「やはり、BCC時代から継続してきたクライアントとの信頼関係を、テクノロジーの領域にも延長できている、ということに尽きると思います。
これまで付き合いのなかったお客様を訪問した際には、なかなか我々の価値が伝わらないという苦戦も経験しました。しかし、経営層や現場の皆さまと長く関係性を築いてきた場合はスピーディーに共感してくださいます。
お客様にしっかりと寄り添い、重要課題に対して成果を出す。このスタンスを貫き続けていることが、テクノロジーの領域でも、ベイカレントを選んでいただく信頼の土台となっているのだと感じています。」

工藤氏自身も、経営を理解し寄り添う姿勢に共感し、ベイカレントに加わった一人だ。
早稲田大学大学院を卒業後、日系SIerで18年間にわたり国内外のシステム構築や海外法人経営に携わり、その後外資系コンサルティングファームでマネージングディレクターとして日系金融機関の変革を支援してきた経験を持つ。
長年にわたりお客様の近くで課題解決に取り組んできたからこそ、ベイカレントの「お客様に深く入り込む」姿勢に強い共感を覚えたという。
「前職だった当時、同業として見ていても、ベイカレントはクライアントに非常に深く入り込み、質の高いサービスを展開している印象がありましたし、お客様からもそういった評判をよく耳にしました。セールスも担当していた身として、お客様の立場でサービスを展開していくというベイカレントのDNAに強く共感しました。また、経営が日本に集約されていることで、重点顧客に経営資源を集中できることも急成長の要因なのだと感じていました。」
そして、こういったクライアントからの強い信頼と両輪となっている、もう一つの強みがある。
それは、”高付加価値な支援”だ。
BCTが注力している支援領域は、AI、データサイエンス、アジャイル開発、クラウド、ソリューション、サイバーセキュリティといった、経営アジェンダに直結する最先端のテクノロジー領域である。
しかし、”高付加価値な支援”とは、単に最先端の技術を扱うことではなく、クライアントの経営課題や業務課題に深く踏み込み、「どう使うか」までを見据えて成果を出すことなのだと工藤氏は強調する。
「テクノロジーも『どう作るか』よりも『どう使うか』がより大事な局面にきていますので、我々はコンサルティングの立場からまず入らせていただきながら、エンジニアリングのお仕事も担当させていただく、というケースが結果的に多くなっています。お客様としては、作ることよりも正しく使って業務の本質的な課題を解決したいという思いが強くあります。そうした中で、我々も同じ目線で課題に向き合うことで、コンサルティングからエンジニアリングまで支援が広がっている状況なのだと理解しています。」
こうした支援のあり方を構造的に支えているのが、“円環型のアプローチ”だ。
構想から要件定義、開発、運用・改善までの一気通貫の支援を、“直線”ではなく“円”として捉え、どの局面からでも支援に入ることができる。
「一気通貫というと、始まりがあって終わりがあるというイメージ、つまり、業務要件定義からシステムリリース・運用保守まで、左から右へ流れるようなものを想像されると思います。しかし、私は少し違うイメージを持っています。矢印がぐるぐると循環しているイメージで、どこでもスタートになりうると考えています。
お客様が何かしらの課題を抱えていれば、システム導入があろうがなかろうが、どのフェーズからでも支援に入ります。その中で、システムの話が出た際には、誰よりも早く業務理解のフェーズから参画し、結果的に上流工程の作業にも携わらせていただくケースが多くあります。
こうした支援を円のように循環させることで、継続的に課題解決ができるのが我々の強みだと考えています。」
そして、この“円環”を実際に機能させているのが、BCCとBCTの”Onebaycurrent”体制だ。両社は法人としては分かれているものの、多くのプロジェクトではBCCとBCTのメンバーが共に参画し、構想策定から要件定義、開発、運用・改善までをシームレスに支援する。
コンサルティングから開発へと“バトンを渡す”のではなく、双方のリソースやアセットを状況に応じて柔軟に組み合わせ、クライアントが最も必要とするチームを構成する。この”Onebaycurrent”体制こそが、クライアントの期待に応え続けるBCTの実行力の源泉である。

BCTで築くキャリア “高付加価値人材”として伸びる道筋
BCTに参画する人材は大きく2つの層に分かれる。1つはSIer出身者や事業会社のIT部門出身者、もう1つは、コンサルティングファーム出身者だ。
「SIerや事業会社のIT部門などでエンジニアとしてキャリアを積んできた方が、既存の業務で『クライアントの課題により踏み込みたい』、『労働集約型のSIerモデルに限界を感じている』といった課題を感じ、新しいチャレンジを通じて高い価値を届けるためにBCTへ参画されるというケースが増えています。
加えて、コンサルティングファーム出身者の方も多くいらっしゃいます。こちらは大きく二つのタイプに分かれます。一つは、エンジニアとしてのバックグラウンドを持ちながら、コンサルタントとしてのスキルを強化したいという方。もう一つは、既存のファームのやり方やアセットに縛られず、自分の考える新しいメソドロジーや仕組みを立ち上げ段階から作りたいという方です。
いずれの方にも共通していることは『よりお客様に踏み込んだ価値提供をしたい』という想いです。その志向を持つ方にとって、BCTは非常にフィットする環境だと思います。」
こうして集まった多様な人材が成果を出せる背景には、”個の成長を仕組みで支える設計”がある。
キャリア支援は“現場から独立した伴走”を特徴としており、一人ひとりに専任のHR担当がつく。
HR担当はBCC・BCTとは独立した組織が担うため、上下関係やプロジェクト都合に左右されず、中長期の視点でキャリアを描くことができる。
専門性を伸ばす環境整備にも余念がない。
BCTでは、業界やソリューションによってチームを分けない”ワンプール”という珍しい組織形態を取っている。これによって、業界やソリューションに縛られずにプロジェクトに参画し、自身の専門性を広げていくことができる。
加えて、特定の専門性を深めることのできるワーキンググループも多数存在する。各業界の知見を豊富に持つエキスパートだけでなく、AWSのスペシャリスト、CCIE資格保有者、海外の学術研究内容を実装できるレベルのAIエンジニアなど、幅広い業界や技術領域のエキスパートが続々と入社しており、彼らが勉強会や人材育成をリードしている。
こうした取り組みにより社員のベーススキルを底上げし、その上で、エキスパートとともに専門性が求められるプロジェクトへ参画することで、知識を”現場で使える力”へと転化する。
社内で学び、現場で試し、社内に還元する。この循環が専門性を活かして価値を生み出せる人材を着実に増やしている。
こうしたキャリア支援に加えて、「挑戦しやすい環境と、正しく報われる仕組み作りを徹底する」ことも重要だと工藤氏は続ける。
「まず、成果を出すための環境としては、オープンでフラットな文化を醸成し、働く上での、または挑戦する上でのストレスを徹底的になくしていくというのが前提だと考えています。
その上で、当たり前のようで実は難しいのが、成果を出した方を正当に評価し、対価を支払い、次のポストに上げていくことです。それをしっかり実現できるのは、日系企業としてコンパクトに経営できているベイカレントならではです。
そういった中で、我々はチャレンジマインドを大切にしていますので、どういった立場であっても、お客様の課題に深く入り込み、高い要求水準であっても、そこをまずは受け止めて、自分のスキルを上げながらチャレンジしていく、そういったということを後押ししていきたいと思っています。」
BCTの評価と報酬の軸は、“外的要因をできるだけ排除したフェアネス”にある。
例えば、グローバルファームでは本社への上納金や職位毎の定員といった制約が評価に影響することも多いが、BCTにはそうした仕組みはない。大企業にありがちな年功序列もない。活躍した人が正当に次のチャレンジへ進める。
また、誰かの成果に依存するのではなく、一人ひとりが自らの価値で報われる構造を貫いている。
全員が成果を出すという意識で動いているからこそ、無理な負担や歪みが生じない。
こうした“自立した価値発揮の文化”が、結果として組織全体の生産性を高め、報酬水準の高さを支えている。
最後に、BCTが描く未来、そして、その実現に向けてどんな人材を求めているかを工藤氏に聞いた。
「まず間違いなく、コンサルティングファームがエンジニアリング業務に携わっていく流れは、当面続いていくと思います。その環境下において、我々がより力をつけていくことが、お客様の課題解決に直結します。ですから、当面は拡大の方向で、質も量も高めていく必要があると考えています。
テクノロジーの変化は非常に速く、わずか1年で市場環境は大きく変わります。そうした中で、我々が一貫して掲げている軸は“高付加価値化”です。
従来の多くのIT企業がとってきた“ゼネコンモデル”、つまり単価差で収益を上げるビジネスではなく、我々自身が高いスキルを持つ高機能集団となり、経営課題に直結した課題に応えていくこと。そのために、質と量を伴って会社としての基盤をさらに高めていくことを目指しています。
我々が求めているのは、変化を成長の機会として前向きに捉えられる方です。
テクノロジーもビジネスも進化のスピードが速く、IT業界に“安定した仕事”というものはもはや存在しません。だからこそ、変化に対して貪欲に、自分を高付加価値化しながら、高みに向かって挑戦し続けられる方と、ご一緒したいと考えています。
もちろん、SIerや事業会社でシステム開発・導入の経験をお持ちの方には、その現場で感じた課題意識を活かして大きく成長できる環境があります。
一方で、そうした経験がなくても、自分の手で新しい価値を生み出したいというチャレンジマインドのある方であれば、ぜひ遠慮なく門を叩いてください。」
BCTが描くのは、テクノロジーの進化ではなく、
“人の成長が価値を生む産業構造”そのものだ。
構想と実装をつなぐ挑戦の先に、日本のIT業界の新しいあり方が見えてくる。