キャリア戦略の考え方

はじめに

20代のハイクラス人材にとって、キャリア戦略を描くことはますます重要になっています。東京大学でもキャリア戦略の講義が開設されるなど、若手からの長期的なキャリア検討が注目を集めていますが、その手法についてはまだ十分に周知されていない部分も多いのが現状です。

特に、「新卒カード」とも呼ばれるファーストキャリアをどのように過ごすかは、今後の人生を大きく左右する決断となります。そこで本記事では、「キャリア戦略の描き方」について、基本的な考え方を解説していきます。

キャリアのマイルストーンを知る

まず、転職市場における年齢の意味について理解することが重要です。それぞれのマイルストーンでどのような状態になっているべきか、採用市場から何が求められるのかを把握することで、長期的なキャリアを描きやすくなります。以下に、主要なマイルストーンごとに解説していきます。

新卒時

新卒時は、完全にポテンシャルを見てもらえる唯一のタイミングです。ここで進む道によって、キャリアの方向性がある程度決まります。エンジニアやマーケティング、研究職など専門性の高い職種にもチャレンジが可能であり、志望動機の具体性や基礎的なスキルが評価のポイントとなります。この段階で明確な将来像を描くことが難しくても、自分の価値観を理解し、理想に近づくための一歩として業界や職種を選定することが重要です。

社会人5年目

この時期はキャリアチェンジのリミットであり、採用側からはポテンシャル採用の上限と見なされます。未経験でもコミュニケーション能力が高ければ法人営業として採用されることもありますが、逆に現職の延長線上や関連領域でやりたいことがない場合には、遅くとも社会人5年目までに自分が望む仕事に近づく必要があります。

30歳

30歳になると、自分の価値観に合った領域でのキャリアを積み始めていることが求められます。採用側も関連領域での経験があれば採用するというスタンスにシフトし始め、経験やスキルが求められるようになります。この年齢では、将来のキャリアを見据えて経験を積み始めることが不可欠です。

35歳

35歳では、特定領域でのスキルを確立していることが求められます。採用側もスキルベースで判断することが一般的になり、「誰にどんな商材を販売したか」や「IT商材の法人営業経験があるか」といった、より具体的な即戦力性が求められます。自分の経験をきちんと説明できるようにし、明確なスキルを構築しておく必要があります。

40歳

40歳になると、特定領域での実績が求められ、採用側も過去の実績を中心に判断します。営業を例にとると、どの企業とのコネクションがあるのか、または社外に誇れる営業実績があるのかといった、具体的な売上や利益への貢献が重視されます。この年齢では、自分が活躍したい領域での実績を作り、それが職務経歴書に明確に表現されていることが重要です。

これらのマイルストーンを認識した上で、「価値観・スキル・実績」というフレームワークで自身のキャリア戦略を整理していきましょう。

価値観でキャリアを選ぶ

自身のやりたい領域を特定するためには、価値観を軸に考えることが有効です。価値観は「好きで得意なもの」を定義してくれます。たとえば、人と話すことが好きな方はコミュニケーション力が高い傾向があり、論理的思考が好きな方はその力に優れる傾向があります。このように、好きなことは自分が得意なことを指し示し、自分の価値観を理解することで、やりたい領域を選ぶ手がかりとすることができます。

価値観を理解する方法としては、自分の趣味から考える、ストレングスファインダーなどの書籍を活用する、キャリアカウンセリングを受けるなど様々な方法があります。ASSIGNもこの考えに基づいて作られており、価値観に対する回答をもとに診断レポートを作成し、あなたに合うキャリアシナリオを提示します。年齢や経歴に基づき、かつあなたに合ったキャリアを提案することで、キャリア検討の一助となるでしょう。

さまざまな情報を頼りに、自分の価値観やそれに合ったキャリアを見つけていきましょう。

キャリア戦略を描く

価値観をベースにし、30歳や40歳といったマイルストーンにおいてどのような状態になっているべきか、またそこまでの道のりを明確にする必要があります。マイルストーンごとのスキルや実績が明確に定義できる場合もありますが、現段階では具体的なイメージが湧かない方も多いかもしれません。

この時点で重要なのは、「アプローチショットを打つ」という考え方です。つまり、目標に少しずつ近づくことが大切です。現実的かつ建設的にキャリアを組み立てる必要があります。また、採用市場の状況も理解し、キャリアを描く際にはエージェントやロールモデルとなる先輩に相談するなど、他者の力も借りて明確にしていくことをおすすめします。

その第一歩として、ASSIGNを利用し、キャリアシナリオやスカウト、ニュースなどを参考にしながら、自分の興味のある領域に強いエージェントや、そこで働く知人とのコミュニケーションを通じてキャリアを考える機会を作っていただければと思います。

中長期的なライフプランを考え、転職を経ながら理想の状態を目指すことで、キャリアの自由度が増す時代になってきています。だからこそ、一人ひとりがキャリアを築いていくことが難しくなってきています。

これからの時代を生きるビジネスマンをサポートできるサービスとなるよう、ASSIGNは今後も継続的に改善を続けてまいります。