コンサルティングファームの種類と特徴
はじめに
コンサルティングファームへの転職を考える際、ファームの種類や特徴を理解することは非常に重要である。コンサルティングファームは大きく分けて、戦略系、総合系、IT系の3つに分類される。
戦略系ファームは、企業の中長期的な経営戦略の立案や新規事業の策定など、企業の方向性を示す案件を主に手がける。一方、総合系ファームは、戦略案件だけでなく、業務改善やITシステム導入など、幅広い領域でソリューションを提供するのが特徴である。IT系ファームは、その名の通りIT関連の案件が中心で、要件定義から開発、運用保守までを一貫して行うことが多い。
これらのファームの特性を理解したうえで、自身のスキルや志向性に合ったファームを選ぶことが、コンサルタントとしてのキャリア形成において重要なポイントとなる。本記事では、各ファームの特徴や代表的な企業について詳しく解説していく。
戦略系ファームの特徴と代表的な企業
戦略系ファームの特徴
戦略系ファームは、クライアント企業の中長期的な経営戦略の立案や新規事業の策定など、企業の方向性を決定づける大規模な案件を主に扱っている。これらのファームは、高度な分析力と戦略的思考を持つコンサルタントを多数擁しており、クライアントに対して高い付加価値を提供することを目指している。
戦略系ファームのプロジェクトでは、市場調査と競合分析、ビジネスモデルの評価と改善提案、中期経営計画の策定支援、M&Aや事業再編の戦略立案、新規事業の企画と実行支援などが行われることが多い。これらの業務を遂行するために、戦略系ファームのコンサルタントは、優れた問題解決能力とコミュニケーション能力を持ち合わせている必要がある。
代表的な戦略系ファーム
戦略系ファームの代表格として、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ、ベイン・アンド・カンパニーの3社が挙げられる。これらの企業は、高い専門性と実績を背景に、世界中のトップ企業や政府機関からの信頼を獲得している。そのため、これらのファームへの転職は、コンサルタントとしてのキャリアアップにおいて大きな意味を持つと言える。
総合系ファームの特徴と代表的な企業
総合系ファームの特徴
総合系ファームは、戦略案件、業務案件、IT案件など、幅広い領域でソリューションを提供しているのが特徴である。クライアントの課題に対して、総合的なアプローチで解決策を提案し、実行支援までを行う。具体的には、中期経営計画の策定、事業戦略の立案、業務プロセスの改善、組織再編、システム化構想の策定、システム開発・導入支援などの案件を手がける。
総合系ファームの強みは、多様な専門性を持つコンサルタントが在籍していることである。戦略、業務、ITなど、各領域のエキスパートが協働することで、クライアントの複雑な課題に対して最適なソリューションを提供できる。また、グローバルネットワークを持つファームが多いのも特徴であり、世界各国のオフィスと連携し、クライアントのグローバル展開を支援することができる。
代表的な総合系ファーム
国内外で有名な総合系ファームには、デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、KPMGコンサルティング、アクセンチュア、ベイカレント・コンサルティング、クニエなどがある。これらのファームは、いずれも大手企業や政府機関など、大規模なプロジェクトを数多く手がけている。
総合系ファームで活躍するためには、論理的思考力、問題解決力、コミュニケーション能力、チームワーク、業界知識、ビジネス感覚などのスキルが求められる。特に、クライアントとの折衝や社内外の関係者との調整が多いため、高いコミュニケーション能力が必要とされる。
IT系ファームの特徴と代表的な企業
IT系ファームの特徴
IT系ファームは、コンサルティングファームの中でもIT関連の案件を主に扱うファームである。IT系ファームの特徴は、IT案件が全体の8割程度を占め、システムインテグレーション(SI)に近い形で、要件定義から開発、運用保守までを一貫して担当することである。また、技術的な知見を持ちつつ、コンサルティング領域にも視野を広げることができる。
IT系ファームでは、クライアントの業務課題に対してITを活用したソリューションを提供する。単なるシステム開発だけでなく、業務プロセスの改善や効率化、新たなビジネスモデルの創出など、幅広い領域でコンサルティングを行う。
代表的なIT系ファーム
IT系ファームには、アクセンチュア、IBMコンサルティング、NTTデータ、野村総合研究所(NRI)、シンプレクスなどが挙げられる。これらの企業は、いずれも高度なIT技術を持ち、グローバルな案件にも対応可能である。特にアクセンチュアは、世界最大級のコンサルティングファームとして知られ、IT領域でも強みを持つ。
IT系ファームへの転職を考える際は、IT技術への深い理解と経験、コンサルティングスキル(論理的思考力、コミュニケーション能力など)、プロジェクトマネジメントの経験などが求められる。IT系ファームでは、技術力とコンサルティング能力の両方が重要視されるため、IT業界での実務経験に加え、ビジネス知識やマネジメントスキルを身につけておくことが望ましい。
おわりに
コンサルティングファームは、戦略系、総合系、IT系の3つに大別され、それぞれ特徴や強みが異なる。戦略系は企業の方向性を示す案件を多く扱い、総合系は幅広い領域でソリューションを提供し、IT系はIT関連の案件が中心である。
コンサルティングファームへの転職を考える際は、自身のスキルや目指すキャリアに合ったファームを選ぶことが重要である。ファームの特性を理解し、戦略立案からIT実装まで、幅広い経験を積むことができる環境を選ぶことをおすすめする。
コンサルタントとしてのキャリアを歩むことは、自身の成長につながるだけでなく、クライアント企業の発展にも貢献できる、やりがいのある仕事である。本記事が、読者の皆様のファーム選びの一助となれば幸いである。
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