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地元での就職~U・Iターンを実現するためのポイント~

地元で働きたいという希望は、就活の早い段階で決めきる必要はありません。新卒で戻る道のほかに、都市部で数年働いてから戻る道もあるためです。

地元志向の実際の割合

地元で働きたいという希望は、いまも多数派です。マイナビの2027年卒 大学生Uターン・地元就職に関する調査によると、地元での就職を希望する学生は58.7%で、前年から2.3ポイント増えました。4年ぶりの増加です。

この58.7%は、出身地に限らず本人が地元と感じる地域を含む数字です。出身の都道府県に絞ると47.0%でした。おおよそ半数が、育った都道府県で働くことを考えていることになります。

地元外の大学に進んだ人のうち、いま地元就職を希望する層が挙げた理由には、生活に根ざしたものが並びます。

最も多かったのは「両親や祖父母の近くで生活したい」で47.2%でした。次いで「地元の風土が好き」が39.4%、「実家から通えて経済的に楽」「地元での生活に慣れている」が33.8%です。

この希望を、志が低いと思われるのではないかと心配して、言い出しにくく感じることがあります。

その心配はしなくて構いません。どこで働くかは、何をするかと同じくらい大きな条件です。生活の設計と仕事を一緒に考えるのは、むしろ自然な進め方だと言えます。

ただし、希望を持つことと実現することは別です。選択肢を狭めないよう、準備の進め方を先に決めておきましょう。

地元就職の3つの型

地元就職は、どこからどこへ移るかによって3つの型に分かれます。

型何が課題になるか
地元の大学から地元へ
移動なし
地元企業との接点を作りやすい。ただし知っている会社の数が限られやすく、選択肢を広げる作業が要る
地元外の大学から地元へ
Uターン
説明会や面接のたびに移動が発生する。日程と交通費の計画が要る
縁のない地域へ
Iターン
その土地の企業や暮らしの情報が乏しい。なぜその地域なのかを説明できる必要がある

型によって就活中にやることが変わるので、自分がどの型かを最初に決めましょう。

同じ調査では、地元外に進学した学生のうち、いま地元就職を希望している層が49.3%、将来的に希望する層が6.4%、考えていない層が44.3%という分布でした。地元を離れて進学した人の半数近くは、戻ることを視野に入れています。

将来的に希望する層が戻るきっかけとして挙げたのは、「両親や親族の介護が必要になったとき」が43.2%、「両親や親族が病気になったとき」が42.5%でした。つまり、いま決めきれなくても、後から戻る道は残ります。

地元に戻る時期の決め方

大きな分かれ道は、新卒で戻るか、都市部で数年働いてから戻るかです。

新卒で戻る道は、生活の負担が軽く、家族の近くで働き始められます。一方で、選べる職種と会社の数は都市部より少なくなります。

数年働いてから戻る道の利点は、経験を持ち帰れることです。地元企業から見れば、都市部で身につけた仕事の型は採用の理由になります。

ただし後者には、持ち帰れる形の経験を積んでおくという条件があります。会社の中でしか通じない仕事だけをしていると、移るときに説明できません。

戻る時期も、早いほうが選択肢の多い時期です。20代のうちなら、地方でも未経験の職種で受け入れる会社が見つかる余地があります。

どちらを選ぶかの決め手は、家族の事情や、やりたい仕事がどこにあるかです。

決めきれないなら、新卒では選択肢の多いほうを選び、戻る可能性を残す進め方も取れます。その場合は、地元にも拠点がある会社を候補に入れておいてください。

選択肢の調べ方

地元で受けられる会社は、次の4つで洗い出します。

調べ方中身
地元の主要企業を30社書き出す地方銀行、地元の新聞社、地域の製造業、県内で展開する小売や物流など
大学のキャリアセンターに地元の求人を聞く地元外の大学でも、出身県の企業から求人が来ている場合がある
自治体と地元の就職支援窓口を確認する交通費の補助や合同説明会を用意している自治体がある
全国展開の会社で地元勤務がある枠を探す勤務地を限定した採用や、地域を限る配属の枠がないか募集要項で見て、候補を5社挙げる

地元企業を30社書き出す途中で手が止まることがあります。知っている会社が10社に届かないのは、これまで知る機会が少なかったためです。

候補が足りないときは、全国展開の会社の地域限定枠まで含めて探します。

Uターンで受ける場合は、日程の組み方も先に決めておきます。同じ日に複数社の面接を入れられるよう、選考が進んだ段階で日程の相談をしましょう。

移動の負担は、正直に伝えて構いません。地方から受けに来る学生に慣れている会社なら、日程をまとめる相談に応じてくれます。

同じ調査では、高校生までに地元の企業を知る機会があったかを層ごとに聞いています。将来的に地元就職を希望する層で71.7%、いま希望する層で58.4%、考えていない層で53.4%でした。

地元就職を考えていない層より、希望する層のほうが、早い時期に地元企業と接点を持っていたことになります。

見落としやすい3点

地元就職を決める前に、次の3つは確かめておいてください。

確かめる点中身
給与の水準同じ職種でも地域で差が出る。生活費の差と合わせて手取りで比べる
勤務地を限定する枠の条件限定する代わりに給与や昇進の扱いが変わる会社がある。募集要項で確認する
職種の選択肢地域によっては特定の職種の求人が極端に少ない。志望職種があるなら先に有無を調べる

勤務地を限定できる枠は便利ですが、給与や昇進の扱いに条件が付く場合があります。何がどう変わるのかを、応募前に聞いてください。

同じ調査では、地元就職を希望しない学生が挙げた条件の1位が「給料がよい就職先が多い」でした。裏を返せば、地元就職を考えるときに最も気になるのが給与だと読めます。

数字だけで判断しないための材料もそろえておきましょう。家賃や通勤の負担を含めれば、手元に残る金額の差は求人票の額面ほど大きくないこともあります。

志望企業の勤務地で、1人暮らしの家賃相場を調べてみましょう。

職種の選択肢も、早めに確認します。志望職種の求人が地域に数社しかないなら、その数社に落ちたときの代替案を先に考えておく必要があります。

面接での伝え方

地元志望を面接でどう伝えるかも、準備しておきましょう。

伝わりにくい例伝わりやすい例
「地元が好きなので、地元で働きたいと考えています」「県内の食品メーカーが原料を地域から集めている点に関わりたいと考えています。実家から通えることも選んだ理由の1つです」

前者だけだと、会社ではなく場所を選んだように聞こえます。後者は、その会社を選ぶ理由と場所の理由が両方あります。

家族の事情も、隠さずに伝えて構いません。

伝えるときは、「家族の近くで暮らしたい。そのうえで、県内の食品メーカーで原料調達に関わりたい」と、場所と仕事を分けて話します。

両方あることが伝われば、志望度を疑われる場面は減ります。片方だけだと、地元だから受けたのだと受け取られかねません。

決め方の確かめ方

決め方が固まったかの目安は、次の3点に答えられるかどうかです。

  • 地元で受けられる会社を、業界をまたいで10社以上挙げられるか
  • 新卒で戻るか、数年後に戻るかを、理由とともに言えるか
  • 「なぜ都市部ではないのか」と聞かれて、場所と仕事の両面で答えられるか

答えられなかった項目は、会社の候補を業界をまたいで調べ直すか、地元を選ぶ理由を場所と仕事の両面から組み立て直して埋めます。

3つ通れば、地元就職は自分で条件を選んだ結果だと説明できる状態です。

地元就職の準備の始め方

地元就職の準備は、地元で受けられる会社を知るところから始まります。まず、出身県の企業を思いつくまま挙げてみましょう。10社に届かなくても、挙がった会社から調べ始めれば足ります。

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