必ず押さえておきたい適性検査の手引き

はじめに
適性検査は、多くの場合、一次面接へのフィルターとして利用され、優秀な候補者を見極めるというよりも、膨大な数のエントリー者から基準に満たない人をふるいにかけるために使用されます。いわば、足切りとしての役割を果たすものです。そのため、適性検査に通らなければ、面接で自分をアピールする機会さえ得られません。時間を確保し、しっかりと対策を進めていきましょう。
先にお伝えしておくと、適性検査を通過するための裏技はありません。企業が設けた基準と自分自身の能力との差を努力で埋めるしかないのです。本記事では、多くの企業で使用される「SPI」と「玉手箱」の特徴と対策について説明します。
SPIの概要
SPIはリクルートマネジメントソリューションズによって開発された適性検査で、性格特性や基礎的な知的能力など、職務や職場での行動の基礎となる、短期間では変わりにくい個人の資質を測定するものです。2023年の調査によれば、SPI3は年間で15,500社に導入され、受検者数は217万人に達しており、最も多く導入されている適性検査です。
SPIでは、四則演算などの基本的な学力を問う問題が出題され、他のテストよりも難易度が低いのが特徴です。また、問題は正答率によって変わるため、自分の出来具合をチェックボックスや問題数の変化で推測できます。ちなみに、SPIの判別方法として、URLに「arorua」が含まれているかどうかが目安になります。
SPIの科目
- 言語問題:語彙、文章読解
- 非言語問題:計算、推論、確率的思考
- 英語:語彙、英文の穴埋め、長文読解
- 構造的把握力:
- ものごとの背後にある共通性や関係性を、構造的に把握する力を測定します。基礎能力検査では、既知の正しい手順に沿って解を導き出す力を測定しますが、構造把握力では与えられた情報の構造を捉え直し、複数の可能性の中から共通の構造を見出すことが求められます。
- 非言語系:計算の構造が似ている文章を仕分ける問題
- 言語系:内容の異なる複数の文章を仕分けする問題
- 性格適性検査:性格特性を測定
SPIの所要時間
- 基礎能力検査:35分
- 英語検査:20分
- 構造的把握力検査:20分
- 性格適性検査テスト:30分
SPIの受験方式
- テストセンター:専用試験会場でのリアル受験や、自宅で監督者の監視のもと受験するオンライン方式
- Webテスト:自宅のPCから受験
- インハウスCBT:応募先企業で専用PCで受験
- ペーパーテスティング:応募先企業が用意した会場でマークシート形式で受験
SPIの対策
準備
基本的な知識で対応できる問題がほとんどなので、過度に不安を感じる必要はありません。しかし、学力に自信がない方や、一度挑戦してみたが全く歯が立たなかった方は、参考書を購入して取り組むことをおすすめします。いきなり本番を受けるのが不安な場合は、ネット上の模擬試験を利用してみると良いでしょう。
参考書の活用方法
- 集中して1周する
- 2周目以降は間違えた問題にフォーカスして復習する
- 実際のテストの問題の復習を並行して行う
本番当日
- 解けない問題の取捨選択:
一問あたりの解答時間をバッファ込みで設定し、時間が超過しても解けない場合は次の問題に進みましょう。多くの適性検査は不正解率を計測せず、正解数のみを計測しています。そのため、できるだけ多くの問題を解いて正解数を増やすことが重要です。 - メモの活用:
頭の中だけで正解にたどり着くのは難しいため、計算や考えを整理するために白紙を用意し、思考を紙に書き出すと良いでしょう。 - リラックス:
一問間違えただけで落ち込んでしまうかもしれませんが、最終的に重要なのは正解数です。無駄な心の負担をかけず、リラックスして問題に取り組みましょう。
構造把握テストで高得点を取るためのポイント
構造把握テストは他の科目と比べて難易度が高いため、以下の2点を意識しましょう。
- 具体と抽象を行き来して考える力:
- 具体→抽象:「なぜ?」を深堀りする
- 抽象→具体:「どうやって」「何を」を深堀りする
- 論理的に整理する力:
- 先入観にとらわれない
- 問いの分解
- 抽象的な言葉を具体的な言葉に置き換える
玉手箱の特徴
玉手箱は、人事コンサルティング会社の日本エス・エイチ・エルが提供するテストで、与えられた情報を素早く把握し、その中で「何が重要か」を見抜き、効率的に情報を処理する能力を測定します。受験結果は他の企業でも使い回しができ、出題される問題は正答率に左右されません。問題数に対して時間が非常に短く、素早い回答スピードが求められます。玉手箱かどうかは、URLに「e-exam」「nsvs」「tsvs」が含まれているかで判別可能です。
玉手箱の科目
企業によって組み合わせは異なりますが、以下の科目が一般的です。
- 言語問題:長文読解が主
- 計数問題:四則演算、図表の読み取り、表の空欄推測
- 英語問題
- 性格適性検査
玉手箱の受験方式
- 自宅受験
- テストセンター方式(C-GAB)
玉手箱の所要時間
企業によって問題数や所要時間は異なりますが、以下が一般的な目安です。
- 計数理解:50問/9分・29問/15分・20問/20分
- 言語理解:32問/15分
- 英語:24問/10分
- 性格適性検査テスト
玉手箱のポイント
事前準備や対策は基本的にはSPIと同じ方法で問題ありません。玉手箱特有のテクニックについて以下に記載します。
言語問題の攻略法
- 最初の問題を確認:1問目を確認し、その答えを探しながら素早く文章を読みます。
- 2問目以降も同様に:どのあたりに答えが書かれていたかを思い出しながら解答します。
選択肢問題の見極め方
- **「間違っている」と「判断できない」**の見分け方:
- 「全員が言っているわけではない」と感じた場合→「間違っている」ではなく「判断できない」を選択
- 確信がない→本文に書かれていない可能性が高い
- 迷った場合:「判断できない」を選択
非言語問題の攻略法
- 電卓はマスト:スマートフォンの電卓機能は通知やトラブルで使用できなくなるリスクがあるため、専用の電卓を用意することをおすすめします。
まとめ
頻出のWebテストに対する対策方法とテクニックについて説明しました。冒頭にも述べた通り、最終的には皆さんの努力が試される部分が大きい選考ですが、少しでもお役に立てれば幸いです。
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