頻出質問の回答のポイント~自己PR・ガクチカ・志望動機~

エントリーシートの頻出3設問は、設問の問いに答えないまま同じ話を使い回すと、3つとも同じ内容に見えてしまいます。この記事では、3つが何を確かめているかを分けたうえで、それぞれの書き方と差がつく箇所を示します。
3つの設問の違い
自己PR、学生時代に力を入れたこと、志望動機。この3つを「自分の良いところを書く欄」とまとめて捉えている人は少なくありません。
3つの欄に同じエピソードを少し言い換えて入れているESは、よく見かけます。
読み手からすると、3回同じ話を読まされることになります。持ち駒が1つしかない人に見えるうえ、確かめたかったことが1つも分かりません。
3つの設問はそれぞれ別のことを見ているので、使う材料も書き方も変わります。
まずは、何を確かめる設問なのかを押さえてください。
設問が確かめている点
| 設問/確かめたいこと | 書くときの軸 |
|---|---|
| 自己PR 強みを自分で正しく認識しているか | 強みが身についた経緯。どこで培われ、どんな場面で出るのか |
| ガクチカ 目標に向けて自分で工夫できる人か | 強みが発揮された過程。困った状況と、そこで取った行動 |
| 志望動機 他社ではなくこの会社を選ぶ理由があるか | 会社を選ぶ決め手。知ったきっかけと、入社後にやりたいこと |
自己PRとガクチカは、とくに混同されやすい2つです。書き分けるなら、自己PRは強みの中身と再現性に、ガクチカは目標と課題と行動の過程に重心を置きます。
同じ部活の経験でも、自己PRでは「なぜその強みが身についたか」を、ガクチカでは「その強みで何を動かしたか」を書きます。
材料そのものを分けられるなら、そのほうが確実です。自己PRは高校までの経験、ガクチカは大学の経験、と時期で分ける手もあります。
持ち駒が1つしかないと感じる人は、経験の棚卸しが足りていません。サークル、アルバイト、研究、資格の勉強のどれであれ、人に語れる工夫があれば規模は問われません。
自己PRの書き方
順番はこの3つです。
| 手順 | 中身 |
|---|---|
| 強みを1行で示す | 「リーダーシップ」だけでは他の人と同じになるため、どんなリーダーシップかを添える |
| 身についた経緯を書く | いつ、どんな環境で、なぜその強みが育ったのかを事実で示す |
| 会社でどう使うかを書く | 志望企業の仕事に結びつける |
強みを1行で示すところでつまずく人が多いです。抽象的な言葉に、自分の色を付ける修飾を1つ足してください。
| 伝わりにくい例 | 伝わりやすい例 |
|---|---|
| 「私の強みはリーダーシップです」 | 「意見が割れたときに、反対側の理由を先に聞きに行くリーダーシップが強みです」 |
後者は、その人の行動が目に浮かびます。強みの言葉そのものより、どう発揮されるかが伝わるかどうかで差がつきます。
「会社でどう使うか」も、雑になりやすい箇所です。「貴社の発展に貢献したい」では、何をする人か分かりません。
志望する仕事の中身に寄せて書きましょう。法人営業なら「決裁者の反対理由を先に聞く姿勢」といった形で、強みと仕事が接する場所を示します。
ガクチカの書き方
こちらは、次の5つの要素を順に並べる形です。
| 要素 | 中身 |
|---|---|
| 取り組んだことと結果を先に書く | 組織、立場、やったこと、結果を1文で |
| 要素 | 始めた理由を書く |
| 中身 | なぜそれに取り組んだのか |
| ぶつかった課題を書く | 目標に対して何が足りなかったのか |
| 取った行動を書く | 課題に対して自分が何をしたか |
| 変わった結果を書く | 数字で示せる変化があれば添える |
分量の配分にも目安があり、全体の7割を課題と行動の部分に使います。
結果の大きさを競う設問ではありません。全国大会の成績より、参加率をどう上げたかのほうが読まれます。
肩書きの有無も問われません。代表でなくても、自分で決めて動いた場面があれば材料になります。
| 伝わりにくい例 | 伝わりやすい例 |
|---|---|
| 「アルバイト先で売上向上に貢献し、店舗表彰を受けました」 | 「常連客の来店が月2回で頭打ちだったため、注文履歴から好みを控えて次回に提案する運用を始めました。半年で月3回まで伸びました」 |
前者は結果しか書かれていないのに対し、後者は何に気づき何を変えたかが分かる書き方です。
数字は、規模ではなく変化を示すために使います。月2回が3回になった、練習の参加率が5割から8割に戻った。小さくても、前後が分かれば役目を果たします。
主語にも注意しましょう。「チームで取り組みました」だけだと、あなたが何をしたのかが消えてしまいます。
志望動機の書き方
志望動機に置く要素は次の4つです。順番を入れ替えると、会社を選ぶ理由が最後まで出てこない文章になり、読み手は途中で判断できません。
| 要素 | 中身 |
|---|---|
| 会社を知ったきっかけ | 説明会、インターン、OB・OG訪問など |
| 惹かれた点 | 事業の中身や方針など、調べて分かった事実 |
| 自分の軸との重なり | なぜ自分がそこに反応したのか |
| 入社後にやりたいこと | 募集コースと事業の中身に沿って、関わりたい仕事を具体的に |
差がつくのは、惹かれた点と入社後にやりたいことの2つです。ここが抽象的だと、社名を入れ替えても成立する文になります。
| 伝わりにくい例 | 伝わりやすい例 |
|---|---|
| 「成長を続ける貴社で、自分も成長したいと考えました」 | 「海外比率を5年で倍にする方針を知り、立ち上げ期の市場に関われる点に惹かれました。まずは現地の顧客開拓に携わりたいと考えています」 |
調べる量が足りないと、後者は書けません。採用ページ、説明会、公開されている決算資料や中期経営計画から、志望理由につながる材料を集めます。
新卒の募集は配属が決まっていない場合も多くあります。部署名を断定するより、関わりたい仕事や解決したい課題で書くほうが安全です。
一方、調べた事実と自分の話をつなげられている人は多くありません。調べた量ではなく、つながっているかどうかで読み手の反応が変わります。
会社を知ったきっかけは、飾らずに書いて構いません。説明会で聞いた一言でも、そこから何を確かめに行ったかが続けば十分な材料になります。
逆に、企業理念への共感だけで終わる志望動機は弱くなります。理念は同業他社にも似た言葉が並ぶためです。
3つの設問の一貫性
3つを別々に仕上げたら、最後に並べて読み返してください。同じ人物像を指しているかを確かめます。
自己PRで「粘り強さ」を挙げたのに、ガクチカが短期で結果を出した話だと、読み手は引っかかります。志望動機で挑戦を語りながら、選んだ理由が安定性でも同じです。
確かめる問いは1つで足ります。3つを読んだ人があなたをどんな人だと説明するか、それが自分の意図と一致していれば通っています。
一致していなければ、直すのは志望動機ではありません。土台になる自己PRの強みを選び直すほうが早く収まります。
読み返しは書いた翌日にやると効果が上がります。書いた直後は、頭の中の補足が文章に見えてしまうためです。
面接に進むと、この3つは口頭で聞かれるものです。書いた本人が説明を足せる状態かどうかも、あわせて確かめておく必要があります。
使い回しの線引き
3設問の材料を会社ごとに作り直すと時間が足りなくなるので、その必要はありません。
固定してよいのは、経験そのものです。何があって自分が何をしたかは、会社によって変わりません。
会社ごとに変えるのは3箇所です。志望動機の惹かれた点と入社後にやりたいこと、そして自己PRの「会社でどう使うか」。ここを空欄にした型を作っておくと、提出の速さが変わります。
ガクチカも、募集要項に合わせて強調する箇所を調整してください。設問が「成果」を聞くのか「役割」を聞くのかで、同じ経験でも前に出す行動が変わります。
書き上げた3つは、1つのファイルにまとめて残しておきましょう。会社ごとに切り貼りするより、原本を1つ持つほうが崩れません。
面接に進んだときにもこの原本が土台になるのは、書いた内容がそのまま質問の起点になるためです。
頻出質問対策の始め方
頻出の3設問に答えを用意するとき、まず押さえておきたいのは、3つが別の問いだということです。ここが分かると、書き分けの方針が決まります。
手元のESを開いて、自己PRとガクチカが同じ話になっていないかを確かめてみてください。
2つを友人に読んでもらい、どんな人物像に見えたかを聞いてみましょう。同じ印象しか返ってこないなら、片方の材料を入れ替える合図です。
書き直した3つを持って、ASSIGNのエージェントに渡してみるのが近道です。
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