OBOG訪問の手引き～知っておくべき概要編～

はじめに

OB訪問とは、就職活動中の学生が、既に企業で働いている卒業生（OB・OG）を訪問し、業界や企業の情報を直接聞く活動のことです。学生が現場のリアルな情報や働き方、キャリアパスなどを知ることで、自身の就職活動に役立てることができます。

リクルーター面談との違い

OB訪問とリクルーター面談には、目的、内容、関係性、選考プロセスへの影響という4つの観点で違いがあります。

目的

• OB訪問: 同じ大学や業界出身の先輩（OB/OG）から、業界や企業についての生の情報や経験談を聞くことが主な目的です。業界のリアルな雰囲気や実際の業務内容、キャリアパスについて具体的なイメージを得ることができます。また、OB/OGとのネットワークを築くことも重要な目的の一つです。
• リクルーター面談: 企業のリクルーターから選考プロセスや企業の方針についてのフィードバックを受けたり、自分の適性や企業とのフィット感を確認することが目的です。企業側が候補者の能力や適性を見極める場でもあります。

内容

• OB訪問: カジュアルな雰囲気で、業界や会社の実際の業務内容、働き方、キャリアパスなどについて、先輩から直接話を聞くことが中心です。選考には直接関係しないため、リラックスして参加できます。
• リクルーター面談: 選考に関わる質問やキャリアプラン、会社への意欲が問われることが多く、選考プロセスの一環として位置づけられます。企業側が候補者をより深く理解するための場でもあり、選考結果に影響を与えることがあります。

関係性

• OB訪問: OB訪問では、訪問者とOB/OGは比較的フラットな関係であり、気軽に質問や相談ができます。選考とは直接関係がないため、率直な意見交換がしやすいです。
• リクルーター面談: リクルーターは企業の代表として候補者と接するため、よりフォーマルな関係性が求められます。面談内容が選考に反映されることもあるため、慎重な対応が必要です。

選考プロセスへの影響

• OB訪問: 選考には直接関与しませんが、OB/OGからのアドバイスや紹介が選考に役立つことがあります。また、OB/OG訪問のフィードバックを企業に共有する必要がある場合もあるので、注意が必要です。
• リクルーター面談: 選考プロセスの一環として位置づけられ、面談の結果がその後の選考に影響を与えることがあります。

こんな人におすすめ

OB訪問は、就職活動をしているほとんどの方におすすめです。特に、業界や企業に対する具体的なイメージを持ちたい方や、企業文化や職場環境、人間関係を重視する方には有効です。また、リクルーター制度がある企業やOB・OG訪問を推奨している企業を受ける場合、選考要素の一つになることもあるため、積極的に取り組むべきです。

例外として、OB・OG訪問が必ずしも有効でないケースもあります。

• 即戦力性がある場合: プログラミングやデータ分析、マーケティングなど専門的なスキルや知識を持ち、実績がある方。
• 繋がりがある場合: 長期インターンシップに参加していたり、アルバイトで業務経験がある方。

メリット

• リアルな情報収集: 公式な情報やウェブサイトでは得られない、実際にその企業で働く人のリアルな経験や内部の雰囲気を知ることができ、入社後のミスマッチを防げます。
• 面接対策: OB・OG訪問で得た内容を選考で実体験として話すことで、より説得力のある受け答えができるようになります。また、OB/OGから面接の注意点や質問されやすい内容を聞くこともでき、面接対策に役立ちます。
• 業界や職種についての詳細理解: 業界構造や他社との比較などを深く理解することができ、選択肢が広がります。
• キャリアイメージの具体化: 先輩のキャリアや仕事の話を聞くことで、自分の適性や興味を再確認し、キャリアプランを具体化する助けとなります。
• 就職活動のアドバイスがもらえる: OB・OGの話を通じて、選択肢を広げたり、自分に合ったキャリアパスを見つける手助けになります。
• ネットワーキング: OB・OGとの人脈を作ることができ、これにより就職活動だけでなく、将来のキャリア形成にも役立ちます。